長いお年末年始の連休が終わり職場に活気がみなぎってきました。本年もコスモサインを昨年同様ご愛顧されますよう社員一同気を新たにしております。何卒よろしくお願い申し上げます。このブログは主として健康関係の情報を収集して徒然なるままにアップしております。皆様にとって常識的なところは多々ありますことお詫びしつつ継続して参りたいと考えております。
さて、腸活と脳はリンクしていることは昨年も多くの文献があり、このブログでも取り上げました。今回は喫煙による慢性閉塞肺疾患が腸内細菌叢と関係している文献が年末にリリースされたことを取り上げます。肺の昨日は空気から酸素を取り入れる気―液反応器官ではあるが、気液反応と腸内細菌叢がどのように関係しているのかは予想外だった。
早速文献を見てみよう。(2024.12.26 慶應義塾大、東京農工大)
1)題名 腸内細菌叢とそこから産生される短鎖脂肪酸の慢性閉塞性肺疾患(COPD)への関与の解明に成功 -食物繊維に着目した新規治療戦略開発への期待-
2)目的 腸管と肺疾患の関連、腸内細菌叢および腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸が実際に 慢性閉塞肺疾患に関与しているのかを明らかにする。
3)結果 (注:原文を当方が整理しております)
3-1)喫煙者および非喫煙者の採血検体を用いて、喫煙者では血液中の短鎖脂肪酸濃度が減少しており、同濃度が肺機能と相関していることを明らかにしました
3-2) マウスモデルを用いた実験から、喫煙に曝露することで腸内細菌叢が変化し腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸も減少していることを明らかにしました
3-3) マウスモデルに対して食物繊維を補うことで体内の短鎖脂肪酸が増加し、気道炎症および肺気腫が抑制されることを明らかにしました
3-4) 反対に抗菌薬を投与し腸内細菌を駆逐することで短鎖脂肪酸は著明に減少し、気道炎症および肺気腫が増悪する
具体的データについては元文献を参照されたい。一部を引用します。
最後の図は衝撃的。短鎖脂肪酸が減少するのは理解したが それが肺細胞を破壊するとは驚きだ。てっきりニコチンが肺胞に付着して酸素吸収を減少させるのだろうと思っていたことの小学生並みの考えを恥ずかしく思った。
極端に言えば、喫煙者はそばにいる非喫煙者の肺を破壊している行為であると言える。“道連れ無知キラー” 不幸にして副流煙を吸ってしまったら食物繊維を多く摂る必要がある。欲を言えば、タバコ1本に対して食物繊維をどれだけ摂るべきか参考データがあればとは思うが、無責任な予想ではタバコ1本でブロッコリー大束1個ぐらいだろうか。それより禁煙が手っ取り早いのはいうまでもない。
ふと思うにタバコが日本に入ってきたのはコロンブス時代に欧州経由の16世紀。それまでの日本人は清澄な空気と植物由来食事により、少なくとも肺細胞が破壊するようなことはなかったのであろう。今回の文献が浸透して脱タバコの社会になるには、今がピーク超えの21世紀とすると、あとどのぐらいの期間が必要なのだろうか。