2021年 9月 の投稿一覧

マイクロプラスチック

亀の胃袋にレジ袋があったことから海マイクロプラスチック問題が浮上した。レジ袋有料化による消費行動抑制に始まり、最近ではプラスチックを使うなとまで発言した環境大臣。否定・制限では社会は衰退するのが常。このブログでプラスチックがなくなったらどうなるかについて記載したので重複しない。衣服で許されるのは木綿、ウールかシルク。スポーツが可能なのはシルクまわしの相撲ぐらい。靴を履くスポーツは全部ダメ。クルマでは鉄と木のボディに木製タイヤと幌。塗料もプラスチックなので塗装をしてはいけない。電池があっても配線はできない。電線被覆はプラスチックスだ。電子回路基盤もプラスチックなのでスマホ・パソコンもない。北海道の乳製品は国内物流できない。レトルトパックはない。毎日3度3度の原材料からの料理で働く時間が制限され収入減。住居もLED灯りがなく断熱材もない。まるで江戸時代。プラスチックなしでは現代生活はできないのだ。

冒頭の海マイクロプラスチックスは大量生産、大量廃棄されるプラスチック製品がマナーなく捨てられ、光と酸素により分子量が低下するかand/or 物理的に破砕されて微細化したものである。文献(Natureダイジェスト8月号)を見ると研究室で取り上げられている樹脂は発泡ポリスチレンがメインでそのサイズは0.5~20μm であり球状が多い。サイズの理由は肺に刺さって癌を発症したアスベスト(0.1~10μm)を考えたと思われるが、アスベストが問題になったのは針形状(長さと直径の比であるアスペクト比が大きい)にあることを忘れては困る。海を調査した文献数の多くは、100~5,000μmの樹脂破片及び繊維との報告がある。研究室で魚に食べさせて実験していることと実態は大きく異なることが注目される。元々、10μmを肉眼で見えるわけがない。なのでサイズが大きいものがやがて風化して微細化するであろうとの仮定に基づいている。微細化すると孵化したばかりの幼生は餌と間違え飲み込むことで餓死か大きく生育できないとの説明がなされている。

だが、その仮定が合理的か否か考えてみる必要がある。光劣化は対象物の表面積に大きく関係する。微細になれば表面積が大きくなりかつ活性化されるので劣化速度は加速度的に速くなる。

プラスチックと一括りにはできない多くの種類がある。ポリスチレンはエチレンとベンゼンが反応したスチレンモノマーが連結した構造であり酸素、カルボニル、カルボン酸、窒素誘導体を含まない非極性材料である。レジ袋も高分子高密度ポリエチレンであり(骨の代わりに体内に入れるほどであり生体にとって害を及ばさない材料なのだ。)微細物を飲み込んでも排出される説がある。 一方、極性高分子は酸素、カルボニルなど、またオレフィンでも分岐した分子(三級炭素)を含む材料(ポリプロピレンなど)は光・熱劣化が早い。筆者は思うに、劣化しなかった物は確かに海に漂流するが、PM2.5に比較してどうなのかなど定量的に取り扱うことが重要であろう。

議論しても行動を伴わないと解決しない。PETボトルをPETボトルに再生する企業は今までの協栄産業に加え、超大型プラント建設を発表した豊田通商の動きは歓迎できる。PET材料輸入商社としてトップであるが、国内環境はもちろん、原料生産国の経済発展に資することも含めて良いことである。また廃プラを油に戻す油化は小規模ではなされてきた地域があるが、今回、コンビナート規模で実施するとの発表が三菱ケミカルからあった。鹿島コンビナートは国内最大規模の石油化学コンビナートであるだけに良い影響が出ることを期待したい。同社は約30年前から九州、四日市事業所でのリサイクル事業を展開している隠れた静脈産業支援企業でもある。PCB(ポリ塩化ビフェニル)は不燃の熱媒体として以前は利用されていたが、粉ミルク製造過程で混入するトラブルをきっかけに電気絶縁体(例えばトランスなど電気製品)に適用されず廃棄することになったが、廃棄の技術がない。それを救ったのが三菱ケミカル(当時三菱化学にあった別目的)の超臨界熱分解による無害処理だった。

自社製品でもないのに請け負ったのは、化学産業へのリーダーとしてのあり方を見せたといえよう。この処理は2024年までとしていたが、冒頭の責任大臣は延長をお願いしている。三井も言わないと片手落ちになる。三井化学は欧州で生産されるバイオナフサを石油由来のナフサに混合して従来通りの石油化学誘導体を製造することが可能と発表し、大阪事業所から導入することが開始された。バイオナフサの混合割合分については100%バイオ製品として届ける仕組みで、既にBASFは実用化している。バイオナフサを石油由来ナフサに20%配合して石油化学誘導体を製造すれば、20%は完全バイオ材料と認定する仕組みである。三井化学へのバイオナフサ取引は豊田通商。環境をビジネスに直結するにはスピードが重要として動いていることがわかる。

キャッシュカードor現金

駅近に新規オープンしたハンバーガーショップがあり入った。注文のタッチパネルが4面あり、メニューを選びキャッシュカード、クレジットカードで多くの人が精算していた。打ち込めばカウンター上部のディスプレーに注文番号が表示され、やがて受け取り枠に表示される仕組み。どこでもお馴染みの風景となっている。タッチパネルには順番待ちの列。

カウンターには従業員が対面で注文を受けるコーナーがあり、不思議無なことに人が行列を作っていない。妙な気分だが、そちらで注文し現金で支払った。オールドタイプなやり方だ。今時、現金で支払うのは時代遅れなのだろうか。結論は“時代遅れ感70%、様子見30%”。

政府がキャッシュレスを推進した理由は消費税アップ対策として優遇策を講じた背景がある。促進にはポイント還元は大きく作用したのだろう。Pay Payの100億円還元セールをはじめに、①還元ポイント及びその後の特別セールは魅力。②コロナ禍もあり現金にはなんとなく他人の菌が付着しているかも知れないとして敬遠 ③小銭は重い ④支払い時にお釣りがスマートにもらうために、小銭を付け足して渡すことは苦手 などの理由でキャッシュレスカードは便利だ。

交通系カードのようにカードをかざす決済もあればスマホでQR読み取りスマホの中で精算する方式もある。QRの操作ができないと今や牛丼も食べるのにも往生する。このブログでもスパゲッティ屋に入ったらメニューをQRコードで読み取る店を紹介した。これが、今や精算も行うことになった。恥ずかしながら、直近では祇園祭の仮設店舗にスマホを置き忘れたことがあり、慌てて引き返したウッカリミスをやらかした。戻らなかった時はスマホの無効処理をすれば解決することは分かっているが、それ以来QRコードスマホ精算は気が進まないようになってしまった(時代の落伍者?)。

今までは利用者の立場で書いたが、店側の事情はどうだろう。戸越銀座はすっかり庶民の街として有名になってしまった。この商店街に導入されれば、一つのモデルとしての評価が定まる。時の首相が視察に訪れるとあって導入を急いだ。幟もあちこちに目立った。だが中には冷静なお店もあった「決済手数料ゼロの間はいざ知らず、決済手数料がかかれば、小さな店では厳しいかなぁ」との意見を聞いた。

今、これからその手数料が現実化しようとしている。日経ビジネス5月の記者コメントに「Suicaなど交通系電子マネーは3.25%、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。5月には未定だったPay Payは10月に1.6~1.9%を予定」とある。お店がキャッシュカードに支払う手数料であるが、回り回って商品の値段に反映させるので現金支払いの消費者が払うことになる。キャッシュカードを使えば還元ポイントがある分緩和される。(消費者はチャージにキャッシュカードに紐つけるクレジットカードからもポイントがつくことでなおさら痛くはないのだろう。)

キャッシュカードからお店に支払われるタイミングは即金ではない。1〜2ヶ月後に振り込まれる。その間でキャッシュフローに窮するお店があると思われる。さりとて、即金のカードにデビッドがあるが、店によりけりでこれも万能ではない。QRコードも同じく決済手数料が無料から有料への動きのようだ。お店としてはQRコード方式が便利。印刷したシールがあれば済む。読み取り装置を購入する必要がない。

庶民的な戸越銀座では、大雑把であるがキャッシュカード3割、現金7割のようだ。キャッシュカード別ではPay Payが6割を占め、残りをdカード、楽天Pay ,au などとなっている。総需要が伸びない中、現金がカードに移行したとしてもパイの食い合いになるのでキャッシュカード会社は大変だろう。熾烈な競争しても生き残りをかけるのは、巨大なマーケットなので、たとえPay Payの3年間赤字が1900億であっても、下りるに降りられない状態になっているのだろう。単なる手数料だけでは厳しいと思う。シニアが言った「パソコンで検索すると、関係しそうな商品が帯のところに出てくる。キャッシュカードでは使用履歴からお勧めメニューが表示されそうだ。ダイエットの意思が弱体化するのではなかろうか?」と。ダイエットかどうかは別としてカード会社にはAI情報が集約されることは確かだろう。そのデーターを利用しての新ビジネス展開はありうる。そこが手数料より付加価値がありそうだ。医療関係とりわけ健康食品にそのAIが利用されると面白い、シニアが長寿を希望するなら◯◯がお勧めですと。カード会社は一旦入手したAIデータを有効に利用するはずだ。これが狙いと思う。

なお、高山市を中心に出回っている「さるぼぼコイン」はふるさと納税的で地域活性の意味があるので、これはこれで利用意味はあると思う。単なる現金の替りではなく楽しさも加わる。ネーミングもよろしいのではないでしょうか。カヤックの仕掛けている「まちのコイン」も面白い。ボランタリー活動など人と人の繋がり、結果として地位域活性につながる仕組み。鎌倉で実態を見てこよう。トータルで現金はまだ主流ではあるが、コロナ禍による清潔感の向上意識もあり、徐々に切り替わるのであろう。

一方で新紙幣の先端印刷テクノロジーは残しておきたい。そして年配者は囁くであろう「ただほど高いものはないぞ」。それが冒頭の30%を占めている。ITに弱いシニアは言うだろう 「スマホでapple store やiTunes ,amazon のPOSAギフトカードを購入するときは現金しかダメだろうが… 」 いや、ごもっとも。

タバコの煙にもppmの魂?

ポリフェノール・ポリフェノール健康にはポリフェノール含有食品。 TVやネットで見聞きしないことはない。健康の内容についてポリフェノール効果を文献にした数を調べた文献がある。

ポリフェノールに関して45,382件も発表されている。何に効くのか調査資料から抜粋した。癌8,738  糖尿病3,103  アルツハイマー1163 高血圧807  パーキンソン502 動脈硬化448  鬱病359  他に目の病気、歯周病等なんでもあり状態。ウコンのクルクミンも取り上げられており全部で17,162  朝鮮人参(ジンセン)10,927 とこれも多く癌、糖尿病に関する文献数が多い。(抜粋文献 石浦章一 現代化学9月号「食べ物の有効を調べる」から)

石浦氏は医薬品と食物と混同してはいけないとコメントしている。想像するに医薬品の代わりになるにはポリフェノール含有食品で賄えば満腹以上の摂取になるだろう、ワインであると酔い潰れて副作用も出るだろう。ポリフェノールと言えば無条件に良いイメージがある。あくまでも定量的な判断が求められる。

一方、圧倒的に悪いイメージの筆頭はタバコ。最近コロナ禍の中で緩み勝ちになり路上喫煙を見る。紫煙を燻らすなんて上品とは誰も思わないどころか蔑みの視線を投げかける。あの煙と一緒にウイルスが伝播すると思うとゾッとするとの危険予知もあり遠ざける。電子タバコでも同じで同情は誰もしない。

ところが! タバコの煙物質がコロナウイルス感染抑制 ニュースがある。

意味は違うが一寸の虫にも五分の魂なのか? 文献を紹介する。

関西医科大 広島大学  掲載Scientific Reports論文タイトル: Inhibiting SARS-CoV-2 infection in vitro by suppressing its receptor, angiotensin-converting enzyme 2, via aryl-hydrocarbon receptor signal.著者名: Keiji Tanimoto*, Kiichi Hirota, Takahiro Fukazawa, Yoshiyuki Matsuo, Toshihito Nomura, Nazmul Tanuza, Nobuyuki Hirohashi, Hidemasa Bono, Takemasa Sakaguchi

(要旨を転載)新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒトに感染する際に利用する受容体の構成蛋白質の一つACE2量が芳香族炭化水容体(AHR)を介して低下する機構を明らかにしました。

AHRを活性化する様々な化合物(薬)によるACE2発現抑制を確認しました。それら化合物の中で、食物などに含まれるトリプトファン代謝物や既存の胃潰瘍治療薬による細胞への新型コロナウイルス感染抑制効果を確認しました。

一般的にタバコ煙成分は新型コロナウイルス感染症の病態悪化を促進すると考えられますが、ウイルス受容体の構成蛋白質の一つACE2発現量にどのような影響を及ぼすか不明でした。そこで最初に、タバコ煙成分をヒト細胞に処理して、ACE2遺伝子発現量の変化を観察しました。その結果、驚いたことにタバコ煙成分はその濃度依存的にACE2発現を抑制することが明らかとなりました。

 

安直にタバコを吸っていいのだと短絡してはいけません。あくまで抽出物の話。一寸の虫にも五分の魂とはいうが、煙では五分では多すぎるのでppmの魂とした。

また、トリプトファン含有食材としてwebには主に、「豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。 その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。」と記載があるが、それも冒頭に記載したことを考慮にしての話だと考える。

Macintosh/Windows/Mac

はじめにお断りしておきますが、パソコンは今でも素人レベル。立ち上げた画面に¥マークの後に命令文を入れて、、、、の88、98時代は、アイコンから立ち上がる方が楽だとしてMacintoshを選択した。マウスではなくトラックボールが可愛かったのも理由の一つだった。

月次報告書や稟議書などは会社の定型フォーマットで提出したが、週報など縛られない時はDTPソフト(Desk Top Publish)を用いて新聞スタイルで提出していた。スポーツ新聞のようなド派手な見出しと写真・図表満載。時には号外も発行して地味な研究職にあってはユニークな色を出していた。文系経営者から新聞方式は分かりやすいと評価を得て一人悦に入っていた。理系経営者はさぞ苦虫を潰していただろう。

Macintoshはその後iMacとなりボンダインカラーのスケルトンボディとなると速攻切り替えた。アイコン、画像編集、透明な付属品など時代の先頭を走っていた。スティーブ・ジョブズの生き様や見えない回路でも美しさを希求するやり方に共感した。

ところが、ビル・ゲイツのWindowsがMacと同機能で売り出し、あっという間に市場を席巻したのはご承知の通り。銀行のオンライン取引は当時のMacはできないとあって、Macからwindowsに切り替えざるを得なくなった。それから幾数十年。Windows一筋。個人ユースの利用したパソコン累計15台。現在のPCはインテルcore i7 SSD搭載だけに圧倒的な速さでサクサク動く。だが酷使したのが裏目に出て発熱が激しく、パソコンの下に冷却ファンを設置しても効果が小さく、連続仕様に耐えられなくなった。ある日パソコンからキーンと悲鳴が聞こえ停止。修理に出すことにした。ファンの故障だと良いがと念じつつ。

実は、その1週間前に家族の2台のiPadのうち1台をMacBook Airへの切り替えを考えていた。スマホ、iPad ,MacBookとデータ連携もよく同じアイコンなので気に入るだろう、ダメならMacへの郷愁もあり自分が利用すれば良いとして、最安価機種(8GB)を購入していた。Windows修理の間、急遽このMacBook Airを借用することにした。

そこで驚いたのは、最安価機種ではあるが、処理速度が抜群に速い。インテルCPUからMac独自のM1チップ搭載に切り替えた効果であるとのことだが、冷却ファンがないにも関わらず発熱しないのも好ましい。マイクロソフトのOffice365もMacで動く。windowsで作成したクラウドに上げていた資料はMacで利用できるのは、修理を待っている身にはありがたい。右クリックがない(トラックパッドで2本指押し)、ショートカット、コピペの仕方など指使いがwindowsで慣れていると戸惑いはあるものの、徐々に慣れてきた。

さて、脈絡なく書いてきたが、ある人に言われてハッとした。

*iPhone , iPadは既にパソコン並み機能を有しているが冷却ファンはないよ。

*パソコンの処理量はiPadより多いが、M1チップ搭載CPUにおいて8GBや16GBで画像編集などしない汎用の利用にはファン無しで十分適用できる。と

今まで、パソコンが上位にあり、スマホは下位であるとの思い込みをしていた。それが スマホやiPadで培った技術でパソコンを救済している逆転現象になっていることに驚いた。昔のMac愛好家にとってはまさに浦島太郎的である。

PCの市場は圧倒的にwindowsが占めている。ところが、スマホ、iPad分野はMac。今回Macを触ってみて、スマホとの連携が凄いことになっていることがわかった。ミラーリングが実に面白い。ソフトではwindowsに比較して負けてはいるが、スマホによるPCユーザー囲い込み戦略は見事だ。

ぼーっとしていてはチコちゃんに怒られそうだが、これは他のことにも通ずるものがあると思う。逆に言えば、急に表に出てきたことを驚くのではなく、その準備に何を実行してきたか、それを見せてくれたMac/windowsの変遷だった。修理されたパソコンを昨日受け取ったが、今度はMacに慣れた指がギコチナイ。頭と指の刺激は○○防止に良いとのことなので両方に付き合っていくことにした。

クルマのセキュリティ

たまたま見たTVのニュースに車の盗難報道があった。この種のネタは過去色々あった。だが、今回の監視カメラの映像は従来とは違うやり方だ。のちにYahooニュースで「CANインベーダー」と呼んでいることを知った。

キーレスエントリーがどのクルマにも採用されているので、多くの人はキーを自宅に保管する時には電磁波シールドのある金属容器に収納されていると思われる。裸で置いておくと微弱な電波を増幅して盗難する輩がいると知ってのことだ。当方もそれで良いと思っていた。しかし、先日の監視カメラ映像では、クルマのバンバーを外してパソコンを接続して巧妙にデーターを書き換えて盗難する監視カメラ画像が報じられていた。従来のイモビライザーだけでは厳しいとの声があるようだ。

こうなると高級車を所有する人は安心できない。当方は言うまでもなく関係がないが、気になる。

クルマは電子部品搭載移動体と化している。パソコンを購入すれば必ずセキュリテイソフトを入れるが、クルマはさてどうなっているのか? テスラ車はキーフォグがなくてもスマホで作動するようだ。そのスマホがハッカーされたら?と余計な心配をする。

2022年から車両監視サービスが強化され、車両メーカー+ソフトメーカーがそれぞれタッグを組んで進めるようだ。

(図―1)にあるように、クルマの差異化にセキュリテイの性能競争が加わった。(日経Automotive 9月号)

ソフトは国内ではNTTが名乗りをあげているが、パソコンなどのソフトで培ったノウハウを活かして海外勢力が攻勢をかけている。それにしてもイスラエルがドイツ、日本へと食い込んでいるのは驚く。軍事産業の成果なのか、優れた頭脳集団なのか、それとも政府のベンチャー投資政策が功を奏しているのか。いずれの因子も絡んでいるのであろう。

さて、そもそもどこがハッカーされるのか(図―2)に示すように、外部の要因が多い。

 

今までクルマ1台についてのセキュリティを書いてきた。ふと三年前の北陸における大雪で車列が一斉に動くことができず、物流に大混乱をきたしたことがあったことを思い出した。もしハッカーが日本の幹線道路走行の車列に一斉攻撃をした場合、道路は閉鎖状態になり、経済的打撃となる。クルマは自動走行などCASEが進めば進むほどハッカーに脆弱になることは避けねばならぬ。ドイツではレベル4の略自動運転が認可されたが、ユーザーが求めるのは、本当は新世代CASEであろうか? クルマって意のままに操作して見知らぬ所にまで行くことができる楽しみがある部分を削いでいる感もある。

そういえば、高齢者のブレーキ、アクセルの踏み間違い事故が多発した時、ディーラーの人から、高齢者はマニュアル車を運転すれば良いのではないかと言われたことをこのブログに書いた。そうか、その考えだと、クルマってエンジンかモーターの駆動部とタイヤ、そしてハンドルとカバーする覆いがあれば十分なのだ。まるで馬車のようだが。

カーナビが導入されてから地理音痴が増えた。歩いていてもスマホのルート案内を眺めながら下向きで歩いている人が多い。事前に地図を頭にインプットしておくとか、道に迷ってもあれこれ考えることで神経ニューロンが新しく成長し、接続することがあるかも知れない。ニューロンが枝を伸ばす様子を撮影できる時代。この方面の医学研究が進むことが予想される。

今のクルマは駐車時において、あたかもクルマの上から見ているような画像を見ながら所定のゾーンに駐車することができる。また自動駐車機能もある。ドアを半開きにしながら白線を確認してのバック風景は見ない。おそらく20年前のクルマを今の人が運転したら枠線からはみ出た駐車や、助手席の人が誘導する光景になる。人間らしいといえば人間らしい。運動神経も試されていた。

欲望のエントロピー拡大がもたらす将来は必ず反作用があることを、地球温暖化などに鑑みて考えることが重要かもしれない。チャップリンが見ていたら格好の喜劇ネタと思うだろう。とはいえ、技術の進歩が人に幸福をもたらすことはある。そこの見極めが重要であり厄介な課題に現代人は当面している。