2020年 3月 の投稿一覧

運の相乗作用

富士フィルムが新型コロナウイルス治療に有効な製薬を有しているとの報道は海外でも話題になっている。富士フィルムが社名から「写真」を削除したときバイオ研究所を小田原に近接する開成町にオープンした。当時、豪華なインフラから何が誕生するのかと富士フィルム城下町でさえ半分信じられない様子であった。今回は傘下の富山化学の製品ではあるが、これが大きな起爆剤となってRDへの投資が進む。優秀な研究員を引きつける魅力が増加したと思われる。あとから整理すると企業が成長するには大きなトレンドに乗り、先行逃げ切りが有利であると言える。バイオに舵を切ったが、まさか新型コロナウイルスがアシストするとは経営者ですら思わぬことだろう。 

 自動車といえば、生産台数=会社規模としてトヨタ>日産>ホンダ>マツダ>スバル>>>三菱の順と誰でも答える。昔は日産=トヨタの時代があったが、現在のグローバル生産台数はトヨタが900万台に対して日産は500万台の6割程度と圧倒的な差がついた。ホンダも500万台でもたもたするとホンダに抜かれる。これを営業利益でみるとトヨタの2兆5000億円に対して、2番目はホンダの7,300億円、次いで2000億円にスズキとスバルが続き、日産は0.8億円。 トヨタはスバル、スズキと提携しており更に盤石に対して日産は0.3億の三菱自動車と組んでいるのは対象的。合理化として人員削減と生産拠点の閉鎖が待ったなし。ホンダは研究所を統合することでサバイバル策をとっている。 

(参考 日経Automotive2019 1Q決算)

 

 

日産は「技術の日産」を標榜し、プリンス自動車を傘下に入れてフェアレディZやケンメリのスカイラインなど都会的センスデザインもあり人気があった。最近は三菱自動車のEV技術をさらに進化させてEVに主軸を置いている。皮肉なことにEV車への参入は自動車専門会社でなくても可能となり、CASEのテクノロジーが差配するようになった。テスラを始め、グーグルもクルマ試作はしている。ソニーはクルマ生産はしないものの自社CASE技術のクルマ実践モデルを発表している。(CASE:繋がる、自律走行、共有、電動)

 トヨタはニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)の適用率の高めつつ、得意の原価低減、グローバル生産による地域事情による凹凸を平準化できる態勢を構築した。今回の武漢で日産とホンダが影響が大きいのに比較してトヨタは中国にも拠点はあるが、世界全体でカバーしている。

運に運がつく。最近の原油価格は20ドル台。これもハイブリッドには追い風となっている。ディーゼルで不正した欧州は一気にEVに傾いたが現実は進展していないようだ。トヨタのハイブリッドの欧州比率は15%程度だが、今後は50%までに拡張すると情報あり。ハイブリッド車の開発当時の狙いはスポーツ車。決して初めからエコではなかった。ゼロヨンのスタートはEVがエンジンより勝り、ロングドライブにはエンジンが請け負う。ディーゼルは燃費が良くEU内ハイウエーをロングドライブできる。これをハイブリッドが置き換えるだけの理屈がある。

 さて、自動車も「写真フィルム」のような時代が来るのではないかとの危機感をもっているのがトヨタ社長。マンションの駐車場が空いている。スマホでタクシーは勿論、バスも来てくれるトライが都市で行われている。世界不況も大袈裟でなくなっている今日この頃、高価なクルマが本当に必要か、見栄でもっていないか?。東京一極集中のみならず、政令都市、中核都市へ人口が集中する時代におけるクルマの存在価値は加速度的に低下すると予想される。駐車場利用料金を高齢者増加となると医療費、介護費負担に回すこともあるだろう。

 多分、トヨタ社長はその場合に人の生活に役立つモノのみならず、役立つソフトを組み合わせた理想的空間がありうると考えたのだろう。裾野にモデル都市をこれからつくると発表している。トヨタが研究インフラの一部を裾野に設けたとき、町の雰囲気が普通とは違うとは思っていただけに、計画が具体化するのが楽しみだ。昨日NTTと共同検討すると発表があった。

 バイクから自動車そして航空機まで発展させたホンダのDNAにも大いに期待する。さて、日産、銀座から生まれ故郷の横浜に帰ってきた。悪運を禊ぎして心機一転頑張って欲しい。

 総括すると 「幸運には更なる運が相乗する。その準備が大事、怠ると不運が」

テレワーク功罪

新型コロナウイルスの影響で仕事のやり方に変化がでつつある。典型的なのは出張禁止措置。代わりにTV会議の利用が増えてきた。従来は海外との通信には利用する以外は、装置は一種のお飾り的な存在だった。これが国内でも活用されると、画面の乱れや固定焦点、マイクの性能など挙げれば欠点はあるものの、トータルすると「非常に便利」となる。TV会議を終えたところで、こちら側の人々とface to faceで会議の中身とこれからの方針などの意見交換をすると、意見の幅と深みが相当違うことがわかる。会議の目的と内容によって使い分けて行くのが現実的か。

事務所の応接室が利用禁止なので、申し訳ないが喫茶店をと指定してくる企業。喫茶店に行けばよく似たビジネスマンで空いている椅子を探すのに苦労。人口密度は企業の応接・会議室より高い矛盾。企業としての「やってます」的姿勢に呆れるが、実働部隊としてはネットでは埒があかない事案だけに、face to faceで事を進める必要がある。その事情はお互い様。

 研究所が閉鎖なので、サンプル受け取りは守衛さんとして下さいとの連絡。守衛さんから体温チェックを受け、アルコール消毒をしてから入門票に記入。でも研究所建屋とは別の小屋にサンプルが置いてあり受領。普通ならサンプルに関する生の技術情報交換をしつつ受け取ることで、技術的にも人的にも効果があった。でもこれが出来ない。

今回の負の影響はこちらが圧倒的に大きい。研究所でもシーズテーマは少々時間的余裕があるかも知れないが、他社とのコンペを展開中のテーマを抱えていると閉鎖は実験・確認が出来ないだけに厳しい。特に長期物性 例えば材料の繰り返し疲労特性、吸湿による材料変化、ヒート&クール試験、耐候性評価などは短期間でも3ヶ月、長いと3年もの間データーを蓄積している。

筆者の場合は大学の研究インフラを利用している。入試の季節になると大学は閉鎖となるが、当方には2年の吸湿状況をフォローするテーマがあるので、入試期間中のデーターは信用性がなく、前後のデーターで補正するしかない。今回、新型コロナウイルスで突然学長命令で1日閉鎖した。たった1日でどうにかなるモノではないが、大学としては「やってます」態度を見せることが重要だった。

 さて、多くのビジネスマンは自宅勤務を強いられている。ネットのセキュリティ問題もありパソコンの持ち出し、自宅での使用を禁止している企業が多いが、こうなるとどのような対策をしているのだろうか。自宅勤務も既に3週間。部屋のドアには「勤務中」の表示をして意識強くしているが、つい、キッチンでコーヒーを淹れたり、TVを瞬間点けたりと緊張感がやや欠けてくるのも事実。でも家族の監視の下では「会社での働き以上に見せる」必要がある。起床するや洗顔する前にパソコンを起動、そのまま仕事に突入。いつ朝食を摂ったのかも怪しげに、ずーっと仕事・仕事・仕事。 極端に言えば、就寝中に目が覚めるとパソコンの生活。働き方改革としては如何がるものか。通勤時間カット分はできるはず。。。。だが、そのテレワークの結果はコロナウイルス騒動沈静後に判定されるであろう。

飲み屋さんも人が減ってきた。最近はZoom Cluster で仲間同士でバーチャル飲み会参加、ゲーム参加のみならず、学会も開催がなされている。仕事の机やソファーで缶ビールを空ける。個食よりはずっとマシ。でも、これって若い人ならばこそ容易にスマホ・PC操作ができるからである。シニアも邪魔にならないように配慮しつつ参加しないと会社でも片隅に追いやられ、情報化社会でも参加することができず。世の中に自分の姿が見えない状況になってくるかも知れない。と思うと、自宅勤務をチャンスに変えて挑戦しなくては。

 先日、中小商社のご高齢の社長から至急合いたいので来て欲しいと電話。時間指定。行くのは気晴らしもありいいのだが通勤ピーク時。気持ちマスクの内側にさらにガーゼを追加し、伊達眼鏡を装着。至急とは何でもなく、過去と同じ案件で答えも繰り返し。この年齢で社会が見えていない。決算は悠長なことを言える立場ではないのにと。中堅社員とランチを共にしたところ、ズバリ懸念材料がゴロゴロ。ネットには挙げられない生情報は貴重だ。

 景気が落ち込むことで、いままで、違う分野だからと知らなくても良かった言葉を普通の人でも「常識」として持っていないと拙いことになってきた。 先日、ある社長との会話で「DESをやられそうなんだ。」と。そうデスかと相づちを打ったものの、売掛金の借金棒引きに近い株にスワップするのだろうとぼんやり考えた。ドイツ銀行のAT1債のオプション行使しないとかなんとか。。。ちんぷんかんぷんの話は他山の石ではなさそうだと理解しても、それって日本の銀行と日銀がドンドン金を市中にだしていることとどのような関係があるのだろうか?と理系・文系に限らず理解しないといけないのだろう。両方の話も共通しているのは自己資本を強化するか守るかであろうが、願わくば他社資本率を下げるための、貸し渋り、貸し剥がしの言葉はもう聞きたくない。

筆者が関係した企業ではROE数値がある基準を超えないと世界の投資家から見捨てられるとして、ポートフォーリオの精査と実行をした。他社に譲渡した事業が多くあった。しかしながら捨てられた?事業はその後大復活! 育て方に問題があったのだ。目の前のROEを満たすために物理的な処理は長期的には本当だろうか? 投資家はROEだけを見ているのはないはずと思いたい。思うに無形財産の蓄積量・質がこれからの投資基準になる。そのことは別の機会にブログを書く予定である。自由時間が増えた分は「常識人」に近づくためにも。

 何でも、表があれば裏がある。良い面を考えよう。その一つがご家庭での役割分担の変化の機会と考える。家事負担の割合いを増加・子供教育のフォローなど相方に依存させていたことを学ぶことで家庭が明るくなると考えるがどうだろう。 

COV-19撲滅兆候と活動

明るい話題が徐々に出始めた。その一つが「ダイヤモンドプリンセスで陽性患者を受け入れた神奈川県立足柄病院から快復3例の報告」があり、二つ目は横浜市大が感染評価簡易キッドを発表した。まさに「やるぞニッポン」。 まず一つ目は

COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3

オルベスコ(帝人)気道の炎症を抑え、喘息による咳の発作などを予防する吸入薬を吸引させたところ、快復陰性になって、入院時は歩行はおろか倦怠感、食欲なし状態から歩行まで可能となった高齢者の事例を報告している。 富士フイルム富山化学のアビガンや欧米の2候補の評価と比較して素人には分かりかねるが、最後はサイエンスに期待があるまる。

二つ目の横浜市大の簡易キッドは「ELISA法とイムノクロマト法を用いて、新型コロナウイルス患者血清中に含まれる抗ウイルス抗体(IgG)の検出」法で測定器の外観は妊娠チェックとよく似ている。 原理は大学ジャーナル記事参照。

* ELISA 法(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay): 抗原または抗体を使った免疫学的測定法の 1 つ。試料溶液中に含まれる目的の抗原または抗体を、 特異抗体あるいは抗原で捕捉し、酵素反応を利用して検出および定量を行う。 *イムノクロマト法: 抗原抗体反応と毛細管現象を応用した免疫測定試薬。簡単な操作で病原体などを目視で検出するこ とが可能であり、15分~30分で検出可能とのこと。

写真はSARS-Cov-2検出器 既にインフルエンザウイルスや妊娠診断などで実用化されている。

 

庶民の現場と医者・歯科医の現場では相当の差がある。歯科医の場合は腔内との接触及び洗浄飛沫との接触があるので、殺菌には更なる注意が必要である。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターは3月5日は医療現場における洗浄方法について発表している。アルコール、次亜塩素酸ナトリウムでの洗浄も対象部位ごとに濃度を推奨している。これらは庶民レベルでも役にたつ

一方で、マスコミでは台湾政府のIT活用撲滅策が成功したのに対して日本は国際から非難されている。IT大臣はスマホができる理由で選任されたとかマスコミの口汚さには辟易する。 タレントと化した医師、厚労省OBなどコメントはいつも同じ。 そこで、発表されるデーターを違う視点で眺めたらどうだろうか。日経3月7日時点での世界各国別発症地図が掲載されている。

発症地の中国との交流度合い、距離、人口、人口密度、医療体制など複雑な関係があるので、一概には言えないことを前提にして、とりあえず、発症数と人口、発症数と人口密度のマップを作成した。

その図を眺めると、面白いことに気がつく。

中国、韓国、イラン、イタリアが人口見合いで突出している。次のゾーンが日本、ドイツ、フランス、米国、台湾などである。 えっ?台湾は抜群の対策で発症数が少ないのでは?と思いきや、人口見合いでは同じレベルにある。

人口が多いが発症数が少ないのは中国との関係を政治的に抑制しつつある国か南半球の国々。 

次に人口密度見合いでみると、台湾、シンガポール、香港が発症数が低いと分かる。中国系の人口が圧倒的に多いにも関わらずである。台湾はIT活用、シンガポールは不潔案件は罰金制度が効いているのかも、香港はなんといっても中国事情を熟知するだけに対策もできているのかもと推定。あくまでも推定。で、日本であるが、マスコミ大好きな欧州(ドイツ、フランス)と同等・若干低いレベルにある。決して非難されることではないと思うがどうだろう。

この図では中国が人口密度見合いで少ないように見えるが、中国が2段階で発症数の算出を変更したことも影響している。従来の算出法であれば、このゾーンの右にシフトしてほぼ、イラン、イタリア、韓国とよい相関が得られると見ている。 米国は日本との人的交流に制限をしていない。 米国と日本は人口見合い、人口密度見合いで同じゾーンに属している。日本が米国を排除しない理由は米国が日本を排除しないことに通じるのが当然である。

さて、これだけクラスター禁止、在宅勤務、外出抑制で不便極まりないが、愚痴を言ってもダメで、この機会を活かして何をするか? マスクなどは前回取り上げたのでここでは、以前とは変わったなぁと思うところを挙げてみた。

  • 読書が増えた。図書館が閉鎖なので、本屋か物流業で購入している。
  • 5S 整理・整頓する時間が増えたことと、塵埃にウイルス付着しているのでは?と疑うと掃除をせざるを得ない気分に。 寒くても窓開け頻度が増えた。 考えたら、テーブルや床の掃除はまめな方だが、壁、ドア、天井はあまりやっていないことに気がついた。

壁材、クロス布などは初期は帯電防止剤配合されていても、寿命で効能は消失している。でエアコンなどの風で壁材・クロスの表面は帯電しやすくなっている。ここが掃除のポイント。掃除用具を買ってこよう。

  • 出張禁止でTV会議利用が増加。
  • ミーティングの人数と時間のカット。 極端には1:1の面談、時間は従来1~2時間から30分程度に圧縮。 やってみると、それで十分であることに気がつく。

でも、短時間で終わらせることにチカラが入り、欧米タイプの結論ありきを冒頭に話す人がいると、厄介なことに、日本人の感情では?がつき、再ミーティングが必要となる。やはり、漫才でも客のこころを「つかみ」が大事なように、日本人の会議では潤滑油が必要だ。

⑤ 歩数が極端に減少。 昨年の筆者の年間平均は7777歩/日。2月~現在では5600歩/日。外出抑制もあるが、移動には電車利用をなるべく避けてクルマに切り替えたこともある。これでは体力維持とはならない。なんとしなくては。

⑥ パン屋で包装されていない陳列品は買わない。 今までも美味しそうなパンがあっても包装していないと見送っており、包装されている定番だけ買っていた。逆にむき身でも購入する人がおり、トングを利用する人の気が分からなかった。先日から横浜の名だたるパン屋さんは個別包装するようになった。 これで安心。

⑦ これが最も大きい変化として、医学分野の文献を読むようになった。コロナウイルスがどのようにして体内に入り込み、コピーを繰り返すのか、その機作を説明した文献を多く目にするようになった。

その他、学校が閉鎖された対策として、理化への関心を高めるためのFB(未来館チャンネル)もあり、これは大人にとっても有益な勉強材料である。 さすが日本だと大いに感心。

庶民の新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスが衰えない。発生地の武漢から特別機で引き上げた乗客900人のうちの罹患数から経済数学者の高橋洋一教授はサンプル数としては十分だとして15%が罹患すると予想している。12000万人では180万人が罹患することになる。三重県(県別22位)の人口に相当する。その12%が死に至ると18から2万人と、いずれも尋常な数である。治療インフラとのバランスから発症ピークをずらす必要がある。そこで政府は学校閉鎖策をとった。大型娯楽設備閉鎖、動物園閉鎖、図書館も事実上閉鎖、コンサート中止、デパートは時短。一方で実施するかどうかは地方自治体・区役所によりまちまちであるだけに現場は混乱している。現場から通信簿をどうするかと教育委員会に問い合わせしたら「わからない」と言った東京都。小学校と幼稚園が同じ土地にあり、小学校は閉鎖、幼稚園は開園とチグハグの声が聞こえている。責めることはできない、それほど撲滅に殺気だっていると解釈をしたい。

 スペイン風邪(これもウイルス)の時の人口6500万人に対して死者数が45万人(7)の過去がある。これと比較すると低い。その間に医学・観察技術・医療・医薬面での進歩及び水洗トイレなど生活環境が向上したと評価することができる。しかしながら防疫態勢となると大正時代のスペイン風邪とあまり変わらない。

庶民にできることは、マスクの着用、手洗い、うがい、部屋の換気、こまめな掃除、タオルの共有しないこと、食器の加熱乾燥処理、そして十分な食事と熟睡して体力温存に努める事ぐらいしかできない。言うは易く簡単ではない。個人的なことながら幾つかの風景を。

 *マスク

ウイルスのサイズは約01μm (1万分の1ミリ) なので不織布からなるマスクでは本来はウイルスは通過してしまう。咳や唾となって飛ぶ飛沫のサイズは大きいので、患者から発するウイルスをトラップするには適している。人と人の距離を2m以上が好ましいとしているのは、咳・唾のウイルス含有凝集体が落下する距離を指している。では防御ではマスクは役に立たないのかとなると別の意味がある。マスクや眼鏡で顔を覆っていると顔を手で触らない。この効果が大きい。本気でマスクで防止するには活性炭層を有する防塵マスクの利用だろう。それも品薄と聞けば理化学の濾過として利用している濾紙(目開きは6μ)を2枚重ねてマスクに挿入することだろう。

電車での着用率をみると90%。さすが日本。ただ、薄汚れているマスクも見る。毎日新品は無理だ。薬局、コンビニ、ワークマン どこもない。筆者が偶々見かけたマスク配布の行列に並んでみた。残念ながら一人前で完売。途中で受け取る心ない人に邪魔された。列を知らずに手にしたものの気づいて戻した良心的な人もいたことで吉とした。

 マスクの再利用は×~△である。どうしても再利用するにはアイロン(PP不織布なので)低温を掛ける、熱水蒸気噴射もお持ちならやるのもありか。もとよりこのブログで紹介した波長260290の深紫外LEDに30分以上照射させることでも可能とは思われるが、既存のウイルスでは確認されているが、今回の新型ウイルスでは確認されていないので、そこは自己責任。でも上述のようにウイルスはマスクの表面だけに付着している訳ではない。裏側や紐にも付着していることに注意すべきである。

 *ドア・エレベーターボタン

中国でエレベーターのボタン押しに爪楊枝や側にティッシュが置いてある風景が放送された。接触感染。これはどこに潜んでいるのか分からないから厄介である。手であけるドアに躊躇することがある。手以外の部位で押し開けてもウイルスが付着することは分かっているが、筆者も時々やっている。これを切っ掛けに小銭・紙幣からキャッシュレスに移行する可能性がある。手洗いが以前より丁寧になった。手洗いの方法では2年前にブログで記載したが、見落とし部位は親指の根本と手首。流水30秒意外と長く洗う必要がある。

 *アルコール消毒

アルコール消毒液もドラックストアで品不足となっている。品不足だからといってメタノールを使わないよう注意喚起される程である。日本薬方局消毒用エチルアルコールである。ただ、濃度高く、頻度高くするとアレルギー性の人は発疹、はれ、灼熱感がでるので、その場合は使用は控える。

*部屋の換気

窓が開かないビルが多い。その分換気しているのだろうが、ウイルスキャッチするだけのフィルターの後始末の仕方に注意が必要。従来の業務用可燃物だとすれば焼却前の保管・作業状態もチェックが必要だ。

超高層マンションは知らないが、一般マンションや戸建ては窓は開閉できるので、寒いといって開けないでいるとウイルスが漂う空気を吸い続けることになる。窓を開けても壁などの断熱材の熱で部屋の温度はそれほど下がらない。

着替えするときに窓から差し込む光で衣服から剥げ落ちる繊維微粉末を見ることがある。なかなか沈降しないで浮遊している。あれより細かいウイルスは長時間漂う。通勤電車は相変わらず満員を運んでいるが、今は姿を消したが6ドア車両の方が換気には好ましいのかも知れない。後の祭りではあるが。

余計な話をもう一つ、海のマイクロプラスチックで比率が高いのは繊維屑である。摩擦摩耗により剥げ落ちて水に流れて海。それにタイヤと道路の摩擦によるタイヤ屑。嘘だと思いの人がおられれば玄関フロアが黒ずんでいるのは、タイヤ屑が靴に付着している証拠。

*睡眠時間と水分供給

カリフォルニア大の報告では6時間以上の睡眠が必要とある。これが意外と難しい。仕事が頭にあると、つい起きて途中で仕事をやり始める。働き方改革のしわ寄せで、仕事が集中する人が出ている。会社は重要な人材のことに配慮すべきではなかろうか。

 さて、上に上げた事例は庶民ができる話である。ただ今回問題になったのは、国全体、地方自治体の動きの悪さと受け入れ設備の不足問題。

 ダイヤモンドプリンセス号の対策は本来は船籍のイギリスがすべきところ逃げた。運営会社のアメリカも特別機をだして自国民を米国に移送したが、これも責任を取ろうとしない。。検疫は厚労省の仕事だが、下船した人をフォローするのは地方自治体の保健所が原則である。下船前から神奈川県・横浜が対応する必要は基本はないのだが、目の前の大黒埠頭に停泊の船をみるとそれぞれの範囲がコンタミせざるを得なかったのだろう。それでは下船乗客をフォローするのが地方自治体だとして、病院数・病床は十分なのか、検査態勢は十分かと言うと現実は厳しい。その背景にあるのは地方自治体の経済的疲弊問題がある。 関東圏の住みたい都市ランキング1位は横浜。その経済健全度の指標である経常収支比率(80以下はセーフ)をみると3年連続の977%前後である。100を超えると財政破綻(倒産)扱いになる。隣の川崎市も同様。補助金と地方債で辛うじて賄っている歳入もこの比率が高いと地方債の発行が不可になる。それだけ、全国の地方自治体は綱渡りの行政をしていることになる。なので何年に1度の疫病が発生しても柔軟に対応するだけの医療設備やドクターなどインフラを維持できないお寒い状態なのだ。

時あたかも226日に東京・日野市が財政破綻声明を出した.。 経常収支比率が100を超えた。 日野といえば日野自動車の城下町で筆者も大きな仕事をさせて頂いた馴染みの都市である。コニカミノルタも存在している。まさか、破綻するとは思いもしなかった。相当の無駄遣いをしていたのだろう。

横浜市はいま財政破綻寸前。だからIR誘致をしていると理解したいが、みなとみらいを見下ろす超高層市役所ビルが完成間近であることを対比すると腑に落ちないところもある。

横浜港大黒桟橋に停泊しているダイヤモンドプリンセスが市政に頂門の一針を刺しているように筆者には思う。ともあれ、今は国難。結束して撲滅にあたろうではないか。