2024年 5月 の投稿一覧

40秒運動効果

健康には食事と運動が大事。耳タコ状態だ。筆者の運動と言えばウオーキング。年間平均で1.2万歩だったが、8000歩以上は効果が同じどころか、膝を痛める危険があるとの声もあるので抑えている。エビデンスを知りたいところだ。

つい最近AI統計処理により具体的な健康寿命と歩数についての報告が出たので、別の機会でレポートする。ただ、歩数によらず、だらだらの歩きではなく、強度を変えたインターバルウオーキングが好ましいのは共通しているのだろう。幸か不幸か横浜は坂の街なので自然に織り込まれていると勝手な解釈。その他、大股で歩くこと、踵から着地することなど、単なる歩きにも注文が多い。

一方、MBLやサッカーの試合前の準備運動は日本のプロ野球に比較すると、あっさりしている。もっとも日本の方は試合の前にかなりのエネルギーを消耗するのに対して、関節を柔らかくするのに重点をおいているのかなぁと思っていた。この曖昧な思い込みに対して、非常に面白い&サイエンス心をくすぐる発表があった。

それは「わずか40秒の運動で身体に起こる劇的変化」の論文を早稲田が発表した。これは時間のない人にとっては朗報。週150時間のエクササイズは不要。最近流行りのチョコ○○○もこの流れかも。前振りはこの辺で内容を紹介。

方法は自転車ペダル漕ぎを強烈に10秒 休憩80秒 の繰り返しパターンと強烈ペダル20秒 休憩160秒繰り返しパターンをとり、その間の酸素消費量をガスクロマトで検知し、肉体(太もも筋肉の活動をMRIで測定するもの。

結果は1)強烈ペダル漕ぎ 40秒を分割して強烈漕ぎ10秒、20秒で大きな運動効果が得られる。2)1回目に比較して2回目の効果は低い。それ以上やっても飽和。ということ。

図:高強度間欠的運動実施前後の大腿部のMRIの横断画像例。各筋の色の変化が筋活動の度合いを反映している(青-緑-黄-赤の順で筋活動が高くなる)。

従来の運動パターンとの比較図は以下の通り。

 

 

図1:高強度間欠的運動(A左図)と従来の有酸素運動(B右図)

この文献を眺めながら、脳も筋肉だとして全力勉強・研究 インターバル休憩再度 全力投入 方式の方が効果を出すような経験と一致するのではないかと。筆者はダラダラ、ながら勉強なので好ましくない。遅いが心を入れ替えるか?

会社も矢継ぎ早に、次商品、次商品を世の中に出さないと・・・・と全時間 全勢力投入していると疲労は勿論、新事象の見落とし、品質管理の不徹底などがあり、大きな損失になるのではないかと思うが如何だろうか。

余裕のない人に余裕こそ大事だと言えば怒られるだろう。だが 最近 良いことに リアル会議・打ち合わせ時間は長くて1時間にセットされている。

正直なところ、コア集中タイムは前半1、後半1 でそれぞれ15分程度。あとは雑談。雑談も接着剤として重要であるが、コアが充実してナンボのもの。時計を見ないでも充実した打ち合わせは案外1時間内で終わっている。

思いつきだが、軽い笑をタイミング良くとる関西人と、じっくり長いシナリオの最後で深く大きく笑わせる芸とはどちらが、頭脳筋肉に効果があるのか、MRIが利用できればトライしたい。域に達している噺家の1時間にも及ぶ落語の最後は笑いと涙腺を動かすのも確か。地域差はあるだろう。両方ができる人のプレゼンは納得する。芸の領域の人はいる。

熟練技とAI

GW中に半日コースの超近場に出かけた。渋滞が予想される国道246の一部を走行するので、いつでも下車して、あとはウオーキングでもいいか的な考えで路線バスを選択。大袈裟だが目指すは独特の焙煎作業所をもつ珈琲複合店。11時には到着してしまったが、製菓直売、関連商品なども充実していることから焙煎作業所見学の13時まで時間を潰すには程よい。

さて、行ってみたい動機を紹介する。お台場の青海地区には産総研、東京都産業技術研究センターなど研究機関があり、依頼試験や装置借用しての研究など利用している。港湾関係会社が入るビルの一角に早朝から焙煎の香りが漂っている焙煎作業所が同居している。焙煎の香り、煙に誘引されて仕事前の一杯を求めて出勤者が集まってくる。価格が以前は100円(その後に値上げして120円のスタンダードと200円の“高級グレード”もある。90%の人は100円のホットかアイスかのサーバーを選択する。筆者も仕事始め、昼食後は100円珈琲を求めるのがルーチン化している。 ルーチン化には価格にしては味が良いこと、焙煎作業を目の前にすることができ、作業している人との会話が楽しいことも影響している。

ある日、焙煎担当している人が今月末で退社しますと話をしてきた。焙煎の知識と腕を必要としている会社があるのだろうとしてN社ですか?と問えば。当たりっ!と。機会があれば会いましょうとして月日が経過。青海の焙煎は都市ガス燃焼。N社のそれは備長炭燃焼によるもの。ガス燃焼であれば温度調節はバルブの開閉度によりコントロールできるが、備長炭はどうするのかに興味があった。

その前に備長炭焙煎の“豆”知識をレビューすると。

*均一焙煎が可能。 遠赤外線効果により豆の芯まで熱が伝わることで雑味が少ないこと *焙煎時間が長いので中煎りから深煎りの甘味を引き出しやすい *備長炭の香りが微妙に反映して、かつ焦げが少ない。

一方で*時間がかかる。*すぐに火を落とせるかと言えばできない。*作業者の経験に依存するところが大きい などのデメリットがある。

実際、焙煎作業所に足を踏み入れた時、焙煎中であったが煙モクモク、珈琲の香りがしない。なにこれ?と驚いた。その代わり排気ダクトが従来見るよりも違うことに気がついた。焙煎時の1ハゼ、2ハゼ時に少量サンプリングして色目、香りを作業者がチェックしながら備長炭の追加をしている。この時の香りを嗅ぐには煙モクモクは邪魔なのだと。それと焙煎完成後冷却ターンテーブルに排出されると早急に除熱しやすいように排気ダクト能力が設計されていることにも気がついた。喫茶店などのスケールでは電気焙煎も利用できるが、大量生産の場合はこの2つの条件を満足しないといけないのだろうと感じた。

見学後、焙煎豆200gを購入。このチェーン店では豆購入すると珈琲を飲むことができる。都会でいただくより緑多い中での一杯は格別なものであった。味成分には今見た熟練技能も含まれている。

その翌日、知人が起業するに及んで色々な相談を受ける中で、会社の名前、事業性格を反映したロゴをAIで作成していることを知った。今までは名刺デザイナーなどに依頼すると3件ほどの提案があり、その中から選択して費用を支払うシステムであった。AIアプリを開き基本的なやりとりが終わるや否やロゴの候補が続々とアウトプットされてきた。アウトプットの速度もさることながら、デザインの新規性にも驚いた。iPadに向かって呟くだけでいい。どのような仕組みなのか知らないが、デザイナーにとって厳しい時代になったのかと。簡単なプログラミングではSE不要説はよく聞く。

良いのか悪いのか、ますます頭を使わなくても良い時代になった。。。。。と呑気に構えていると自分がやがて・・・不要扱いになる。大宅壮一はTVが出た時は国民総白痴になると警告。今は電車に乗れば8割がスマホ操作に没頭。電車から降りるにも画面眺めつつ、そのあとはエスカレーターに乗りつつスマホ。この流れではAIが人の行動を制御しているとチャップリンが生きていたら言うだろう。

AIではできないことは何か? 備長炭焙煎珈琲をいただきながら考えることにしよう。

多様性の強さ

新横浜は関西から新幹線でアクセスが便利であることもあり関西に本社がある企業の支店が多く、整然としたビル群が存在する。日産スタジアムとアリーナがある街でもある。

新横浜で仕事おわりにチョット行きますか?と言われたものの、新横浜といえばラーメン博物館しか知識がなく、先方にお店選びを委ねた。華金もあり、かろうじて入った店に圧倒された。タバコの煙で視界不良、大声で叫ばないと同じテーブルのトイメンの人にさえ通じない。話す相手の言葉が聞き取れないので、適当に相槌を打つかアルコールを重ねることしかやることがない。まるで昭和の時代の再現ドラマかと思うほど。驚くべきリーズナブル価格も昭和的。

昭和と違うところの一つはメニュー注文をスマホですること。100dB相当の騒音では致し方ない。もう一つは赤ら顔がほとんどいないことである。そこが昭和とは違うと感じた。日本人の47%はアルコール由来のアルデヒドを分解する酵素を持っていない。下手に飲酒すればDNAがアルデヒドにより傷がつきDNAを正しく再生できない。ノンアルの進化とコンプアイアンスが浸透していることもあり適度な社会空間を作っているとも言える。

欧州系民族はアルデヒド分解酵素が少ない割合は非常に少ないのに比較すれば日本のそれは不思議。一説によれば縄文人系は分解酵素を有しているが、弥生人には少ないと言われている。弥生時代の米作と渡来人による人口増加もあり縄文人の割合が20%程度になり、居住も東北がメインになったとの説がある。米作地域としていち早く発達した濃尾平野、近畿三重、北陸の一部を中心とする地域より離れた地域、特に東北出身者がアルコールに滅法強いのはそのせいかも知れない。アルデヒド分解酵素を有する割合53%にはこの説では満足していないが、長い歴史の中で交配が進んだのであろうと勝手な推察。

ここから、さらに勝手な説を唱える。日本はなぜ略50/50なのか。それは存亡の危機に遭遇した場合、単一組成では全滅する危険性があるからではないか? というもの。

蟻や蜂の集団において働き者と何もしない者も同居した集合体を形成している。何もしないで体を舐め回して暮らしている。働き者は子孫を残すための生殖も許されることなく、ただひたすら女王様のために働き尽くす。働かない者に対して愚痴を発しているかは知らないが、健気な働き者は過労死が待っている。その時、働かない者の中から変心?して働き者になることで集団全体の維持ができる仕組み。働かない者の割合は20〜30%。時々外に出て道に迷って思わぬ収穫を見つけることもあり、組織としてはバカにできない存在とも言われている。

なんだか人間社会に似ていると思いませんか?働き者グループに属しているものの成果を上げられない人、働かない者グループに属して楽しんでいるが、いざ国難となってもピンチヒッターとして頭角を表す人材がいない場合の集団の弱体は目に見えている。

今の巨人ではないが、大昔は各球団の4番バッターを移籍させてオーダーを組んだ。四番の主力を抜かれた球団にはそれを好機として代わりを務める選手が出現した。アリの世界と同じ。一方、巨人の方はどうかと言えば、必ずしも圧倒していたわけではない。4番バッター経験者に送りバンドのサインは出しにくい。また以前の球団では4番だったのがなぜ6番を打たないといけないのか?と妬みが生ずると実力は消滅していく。試合運びがぎこちないのだ。

同様に毎年同じ球団が優勝するのも組織としては弱い。資金力にモノを言わせて勝つよりも、ストーリーに酔いしれるのがファン。新しいビジネスは思わぬ人材から芽生えると信ずることが重要かも。とかくムヅカシイがイェスマンだけの集団にならないことが会社も政治の世界も同じことかと思う。