2023年 4月 の投稿一覧

相鉄・東急・新横浜線 にわか鉄ちゃんの感じたもの

3月18日開業の日に新線にたまたま乗車した「にわか鉄ちゃん」の感想です。

横浜一地方の出来事なので全国区の話題ではないことをご容赦下さい。それより大阪駅の新ターミナル(うめきた新駅)で東・西への延伸で便利になったことや、北陸新幹線敦賀延伸およびその先の話題が多いことは知っている。

今回の話題の中心は相鉄の東延伸・東京アクセスにあるべきだが、JRや東急のしたたかな戦略に話題を持って行かれた感がある。歴史的には東急創始者の五島慶太が東急、相鉄、小田急の社長を兼任していた時もあったので、今回の東急のやり方はそのDNAを引き継いでいると思えた。その五島慶太が阪急創始者の小林一三と気脈を通じていて、今回もなぜか阪急が協議会に参加していることを見ると、関西地区でも同様な動きがあるのかも。余計なことを言えば阪急京都線は京阪電鉄だった。京阪は阪急京都線や阪急千里線をどう見ているのだろうか。一瞬の経営判断がその後を大きく転換する。そんな思いもあり新線に乗車した。次は羽田直結におけるJRと東急・京急の動きに目が離せない。

まず、横浜の鉄道網を示すと。大雑把に言えば内陸・横方向に小田急線、東急田園都市線、海岸沿いには東海道本線、京浜東北線(根岸線)、京急線が、中央に新幹線がある。これらの横串をつなぐ役目としてJR横浜線、相鉄線および地下鉄がある。東急東横線は元町・中華街・みなとみらいから横浜を拠点に渋谷までのS字カーブの東横線が存在。

新幹線を利用するには地下鉄かJR横浜線が定着していた。横浜西部地区の人は横浜経由しか方法がなかった。今回相鉄が相鉄新横浜線を開設したことで便利になったはず。新横浜から渋谷までは東急新横浜線に乗り入れて利用することができる。従来の東横線で横浜〜新横浜には直接アクセスできず、日吉まで行って戻る形になる。料金が渋谷まで行くより高いのでほぼ皆無だろう。

 

(マップ説明:相鉄の西谷から新横浜に相鉄新横浜線を作り、東急目黒線に乗り入れ澁谷へ、東急は相鉄のいずみ野から相鉄経由して新横浜へ、東急新横浜線を作り東横線の日吉を経由して渋谷に向かう。いずれも新横浜を利用するには便利な新路線となった)

 

 

にわか鉄ちゃんの見方

*相鉄が将来の人口減を見越して東京へのアクセスに舵を切った。そのため2019年にJRと羽沢横浜国大駅を作り埼京線乗り入れを図った。だが新横浜駅を経由しなかった。JRとしては高層マンション林立で武蔵小杉の乗客を捌ききれないとみての対策であろう。JR東海に利便を計るよりは、埼京線接続を優先したと考えるのが自然。

*新横浜を横浜駅、みなとみらい地区に次ぐ第3の都心としたい横浜市と新宿・渋谷から新横利用を増やすことを期待する東急との思惑で東急・新横浜路線ができたのだろう。

実際、新幹線利用は品川までは都区内なので料金は0。京都まで新幹線で行く場合14,170円。一方、東横・東急新横浜線の358円を入れてもトータル13,858円。300円お得?と思いきや、それだけではない。新横浜発6;00発のひかりは前を走行する列車がいないこともあり、のぞみ並に走る。休日クラブ利用であれば3割引。朝が早いシニア層にとっては大歓迎なのだ。

*東急がいずみの線乗り入れしたのか、そこにも興味がある。現在の終点である湘南台から平塚(寒川)よりに慶應湘南藤沢キャンパスがある。東横線が三田のほかに日吉に慶應を開設し1、2年生教育と工学部を設け街と東急は発展した。この経験からいずれはこのキャンパスまで延伸するのではないか。

などを考えながら乗車していると新横浜到着。料金は通常ルートより50円高。

相鉄が東京アクセスを結果として2つ持つことになったが、東急はその間に別の戦略を織り込んできたと見る。相鉄の王道である横浜駅への乗客40万人を大事にしすぎて判断が遅くなったのか。だが濃紺外観、内装はセンスがあり相鉄の車両は好きだ。小豆色カラーの阪急と同じく品がある。ちょっと応援してみたい気分だ。

 

 

 

野球観戦ボリュメトリックビデオ

巨人ファンにとって憂鬱な時期が続きそうだ。選手層が高齢化しつつあり配置転換も噂される中、新人が頑張っている。どこかでエネルギー切れがないのか心配になる。

と書くとブーイングの嵐になりそうだが、その一方で東京ドームでの放映には最新技術が織り込まれているのには驚く。技術開発のエネルギーはどこまでも続くのはありがたい。今までも臨場感を出すためにアンパイアにカメラを付け、投球動作を撮影していたが、今話題の最新技術とは「ボリュメトリックビデオ」である。

「ボリュメトリック」の言葉から想像するにボリューム(体積)を撮影するビデオだろうと予想はできる。馴染みのピクセルが2次元(平面)であるのに対して小さな立方体単位からなるボクセルの時間軸連続(3Dスキャニング)記録とでも言い換えができるか。

実際にドームでは98台ものカメラをフィールドに設置して撮影。98台からの情報を即座に合成して立体的に見えるようにしている。東京ドームには時々行くが、本当のところホームランを打っても、打球音と歓声でなんとなくホームランと分かっても、打球の軌道がわからず着地での人の動きでやっとわかるのが実態。大型ディスプレーで再現シーンは出るが、新技術ではボールそのものにも焦点が当たって軌道を遍く追随している。実際にドームで観戦するよりわかりやすい。図は日経クロステックより引用(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07936/

キャノンが開発し、撮影・処理も担当しているとのことだが、3Dデーターを切り取れば3Dプリンターとして立体像が成形できる。記念のシーンについて3Dプリンターとしたいと希望する人はいるだろう。データー販売もビジネスとしてありうるのではないだろうか。観客が映り込むとまずいのでデーター販売も限定的になるだろう。欲しいのは”サッカー三苫選手の3mm” “大谷vs.トラウト対決“

スポーツ選手の体の動きを立体的に解析してオリンピックに備えるなどは筑波大学などで行われてきた。その場合は複数のカメラがある実験室での動きをキャプチャーしていた。しかし本場で再現するのは至難の技ではなかろうか、多分違うところを見破るには凄腕のコーチしかいない。野球で言えばプロの選手はそれなりに実績があり、こだわりがあるので素直に聞かない。ダウンスウィング、アッパー、ドアスイング、神主打法etc. 究極は長嶋さんの「スーッと入ってきた球をカーンと打てばいいんだ」、もっと古くは川上哲治の「止まって見える球を打つ」の極意は言葉で表現できない。とするならば、その時の身体の軸、筋肉の動き、目の動き、バットの軌道、投球動作のタイミングとの時間差において、どのように動きがあるのかを3次元時間スキャンで解析ができるなら、AIコーチの方がよほど頼りになるだろう。

投手の癖も全部丸裸になるのは困るか(笑)。少なくとも妙な審判は不要の時代になる。判定に疑問のリクエストもない。審判侮辱で退場シーンもない。故意死球の時は試合総括責任者が判断して、ウグイス嬢が放送して終わり。乱闘は試合没収とルールも変更。MLBのような投球動作、打者の時間制限を設けるより、はるかに良いと思うが皆さんのご意見はどうだろうか。今までグラウンドにいたはずの審判がいないのは面食らうだろうが、そのうちスコアボードだけで十分なことになりそう。

データー野球の大先輩である三原脩監督、野村克也。WBCで三原マジック(統計データ)を駆使した栗山英樹の成功はデーターに重きを置きつつ心理面での解析応用に優れたからだと思う。今後、このボリュメトリックビデオ技術が織り込まれていくと、どのような采配になるか興味深い。

巨人ファンの皆様。東京ドームで試合を重ねるたびに巨人はAIコーチの指導を受けられます。そのおかげもあり、浮上するでしょう。きっと。どこまでかは“知らんけど”と関西某球団ファンが言いそうだが。

なんば歩き初心者

卒業・入学式が終わったが、女性の着物姿を見るとやはり日本はいいなぁと思う。ただ足元は着物に調和した履物ではなく、持ち物の履物の中でなるべく合わせるべく選んだとしても違和感がある。もう一つ気になるのは歩き方。

普通の歩行スタイルは西洋式。手と足が交互に動く。和服であれば小幅な内向き歩きか、なんば歩きをしないと前が崩れやすい。西洋式は左右の手と足が交差することで身体を捻りながら歩くのに対して、なんば歩きは手と足の方向が結果として一致しているか、または手を動かさない。極端には能・狂言における両手を腰前にあて腰を落としつつ、(スキーのストックを持って、やや前屈み重心で)移動をする様と言えば分かるだろうか。

若い人はそれを教わっていないので無理もないが、中高年のおばさま族も西洋式でお歩きになっているのを見ると、「いや帯がなんとか、染めは京都の誰々・・の物で高かったのよ」と口では言っても、お里帰り知れるので注意が必要だ。その京都では観光客が舞妓さんライクの着付けをして闊歩している様を見ると、チグハグ感は拭えない。その時になんば歩きをしていれば、都人も認めるであろうが。それが着物を生かした“はんなり”となるがどうだろう。ちなみに“はんなり”を多くの人は誤解をしているので、参考までに翻訳すると“上品で華がある”である。

と偉そうなことを言いつつ、自分は昨年トータル*****万歩歩いただの、距離では*****km歩いただの、バカ丸出しの結果を吹聴して憚らなかった。いやはや。結果はどうなったか。恥ずかしながら言えば、確かにふくよかなお腹周りは引き締まったが、膝の柔軟性が劣り、足先が痛むことの副作用を味わうに至った。知り合いに2万歩/日を実践した強者がいたが医者から強く止めるよう指導があったとこぼしていたことを思い出し、当方も歩数については(このブログでも文献情報をお伝えしていることもあり)8000以上 1万歩未満とすることにした。

さて、とはいえ傷ついた膝と足先対策をどうしたものか・・が冒頭のなんば歩きを当面実践してみることにしたのが理由である。

侍は脇差を腰に刺しているだけに手を現代のような振り方はできない。下手にしようものなら隣の人に当たり傷害事件にもなりかねない。庶民も腰回りに身の回り品物とくくりつけるか、天秤棒で物売りでは今式の歩行スタイルでは商品が捩れて歩行どころではない。など事情はあっただろうが要するに身体は捻らずに上下運動だけ、前進には身体をやや傾けてその重心移動のベクトルで体がついていく方法らしい。確かに腕を大きく振りつつ捻りでは運動エネルギー(二次モーメント)ロスは大きい。

なんば歩き1ヶ月。正直なところ慣れない。意識している間はなんとか形にはなっても、ここぞという時には元の西洋式がつい出る。本来は咄嗟の難場の時に“なんば”でかわすはずだが、ニワカなんばでは習得はムヅカシイ。だが、少なくとも分かったことは坂道・階段昇降ではなんば歩行が楽。これは言える。

ものの本によると、元々日本人はなんば歩きが基本だったのが明治になって庶民も西洋式の軍隊のように訓練する中でなんば歩きをしなくなったとある。ある日 you tubeで自衛隊、防衛大学などの総合パレード風景を見た。揃って行進する中で一人だけ先頭で捧げつつのリーダーの歩き方が違うことに気がついた。普通は膝を伸ばして踵から着地するのに対して、その人は膝を伸ばさず、後ろ足を前にスウイングして置きにいくスタイル。捧げつつの剣を持っているので手は振らず腰の位置。“準なんば歩き”とみた。リーダを務めるのだから勉学・実学において優秀なのだろう。筆者はある企業の新人教育の一環として、朝霞自衛隊に体験入隊をさせられた。40kgの土嚢をかついで100m競争だの、歩行整列訓練だけだったのだが、毎日これを平然とやってのける自衛隊の人の体力は凄いと感心したものだった。それを思い出し、このリーダーの歩き方は合理的な体力の使い方ではなかろうかと、長い時間をおいてフラッシュバックしてきた。

と書いてきたが、文章がチグハグで軸がないことに気がついた。肺活量が大きいと一呼吸で一気に書くことができるが、肺活量が小さいと、小刻みな息継ぎの度に文章が揺らぐ。書く前に肺活量を大きくすべきであるとの奥方のアドバイス。その命令を免罪符として今日も街をぶらぶら。にわかなんば歩きで。

コオロギの前に「おから」でしょ

少人数の勉強会のあとの会食はコロナの時は弁当だったが、昨日は久々の居酒屋。それだけに話題が盛り上がり。やはり潤滑油はアルコールだけでなく、コロナから解放された気分も後押しとなった。当方の小さいテーブルでは元大企業副社長、トップ大学名誉教授、国立大学名誉教授に幹事と小生の5名。話題は「このままでは日本はダメになる説を唱える1名の名誉教授」それに対して元大企業副社長は「その見方は間違いで、具体的には・・・」と譲らない。もう一人の名誉教授は「専門外領域にはタッチしない」。それぞれである。当方は元副社長と同意見ではあるが、その事はどうでも良い。専門外領域は情弱になりがちだが、表面的で深掘りしない情報で自分は正しいと信じてしまうと、論点は相手にどのように勝つかに移ってしまう。この姿勢はなまじプライドがあるだけ厄介。

前置きがいつものように長い。何を言いたいのか。それは偶然にも図書館で1冊の雑誌を手にしたからである。その領域には当方は全くの素人。情弱の極みではあるが、赴任地で一部を経験したこともあり納得するところはある。雑誌のタイトルは「アレルギー疾患と環境」アレルギー72(2)144-150.2023 国立成育医療研究センター大矢幸弘氏の総説。

おりしも花粉症の時期だけに興味があったことと、大気汚染と喘息の昭和45年当時の公害問題から書き起こしており、当時を知らない人にも全容が理解できる文献であるのがその理由。

筆者はこの領域には情弱であることを許して頂いて、この文献ではエコチル調査(赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときから13歳になるまで健康状態を定期的に調べる、出生コーホート(集団を追跡する)の結果をまとめていることもあり、生まれてからより妊娠中の母親の生活が大きなウエイトを占めている事例が紹介されている。

大人の常識が胎児から低年齢ゾーンに適用できると考えがちだが、この文献ではやや違っている。妊娠中のお母様は特に注意が必要。

その一つが魚介類の摂取。飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸が好ましい。とりわけオメガ3と言われる脂肪酸が良い。さらにEPA,DHAの摂取が好ましい。耳タコ状態で食用油の選択やサプリを購入する。(筆者もその一人)だが、n-3PUFA摂取量が多いと幼児のアレルギー性鼻炎/花粉症、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎でのリスク上昇が認められたとのこと。

ここでn-3PUFAについて復習すると、飽和脂肪酸は二重結合が0に対して1つ以上含むのが不飽和脂肪酸。オメガ3は二重結合が3、EPAは5、DHAは6個分子中に含む。オメガ6は意外にも二重結合は2個なので要注意。エイコサペンタエン酸、DHAはドコサペンタエン酸と化学式にしては愛嬌のある名前。

その他、毎日使用している洗剤は共生する微生物嚢と生物多様性を低下させ、有害微生物の上皮下組織への侵入と上皮修復機能が低下する。妊婦さんで頻繁に医療用殺菌剤を仕事で使用していた場合、妊婦から生まれた子供は気管支炎喘息やアトピー性皮膚炎になる割合が高いとのエコチル調査は報告している。妊娠中には風邪薬も避けて耐えている人が多い中、気が付かない要因でエピジェネテックな影響があることを知った。

それを知ったら、タンパクは将来なくなるからとしてコオロギが話題になっているが、エピジェネティックが明確になるまで待つのが賢明ではないだろうか。

それよりも、日本人の足元には「おから」がある。豆腐製造工程で排出される「おから」は年間4万トンとも6万トンとも言われており、多くは廃棄されている。以前は学校給食に出さたこともあったが、なぜか今はない。生おからは足が早いので流通には乗らないのだろうが、過熱蒸気処理した乾燥おからはそれがないので販売されている。もっと活用すべきだろう。野菜との和物にも好適。豆乳・牛乳に入れてもコクがある。

言うだけは誰でもできるので、早速スーパーで乾燥おからを購入し使用を開始した。日本人の胃腸とそこに住む菌と長い付き合いで証明されている「おから」や「きな粉」を利用しつつ、コオロギについては医学面でのエビデンスを蓄積していくのが好ましいと思うが如何だろうか。近くの良品店ではコオロギパウダーの売り場は消えていた。