毎週どこかで展示会が開催されている。ビックサイト、横浜パシフィコ、幕張メッセ。大阪インテックが有名である。単一テーマだけでなく関連テーマの併設のケースもある。ビックサイトでは東館1~8ホール、西館も含めると2万歩を優に越える体力勝負でもある。展示出展者リストから興味あるブースにマークを付け、効率的にブース訪問をされている人もおられる。勿論直近のビジネスを進めるには必要である。
しかしブラブラ道草的巡回も結構面白い。何故この商品をこの会社が開発を思い立ったのか動機を探り、他社との差異化ポイントは何か?を聞いて納得することがある。説明者がニコニコ余裕をもっていると、さぞ展示品に自信があるのだろうと思う。ついその笑顔に誘われてブースの中へ。その一方で英語のみのパネルで会話が英語の場合は、突っ込んだ議論ができずに終わることもある。逆に外国人ながら日本語ペラペラの場合はホットして訪問アポまで行くこともある。自分の能力を棚に上げてはいけないが正直なところである。
残念なのは説明員がやたら多く、展示物が見えないことがある。各事業部から派遣された結果、人数が多くなったのであろうが、縦組織で横串の情報管理が行き届いていない会社だなと判断している。展示は商品、技術だけでなく説明員を含む展示ブースに当該会社のカルチャーが出る。美人コンパニオンや販促品は必要がない。内容を議論できるプロがいるとそれだけで十分。今回の展示品では当方の要求を満足することは出来なくても、この会社と組むことで可能性はあると感じることがあり、実際その後のフォローで実用化したことがある。
展示会の面白さと有用さは、一見自分の今の仕事には関係なさそうな展示会を見ると多くのヒントが得られることがある。自動車部品、部品製造装置、食品加工業界、医療装置、電子機器展、環境展、コンバーテック展など物づくりを中心からIOTに必要なセンサー、ソフトウエア、サービス、システム組み込みなどの要素を組み合わせることで課題解決することがある。逆に言えば、多種多様な基礎技術がある日本がサバイバルできることを証明しているが、IOTにコネクトできない製品・企業はどう生き残るのか展示物を見ながら考えることがある。
説明員にも同情するところがある。それは展示場巡りが定年退職者の「教育」ではなく「今日行く」所になっていることが最近多いと聞いたことがある。本当の教育として展示内容を活用して75歳まで現役の高齢化社会を支えて欲しいものだ。
展示会の常連企業があれば消えた企業もある。事業売却に伴い参加すべき展示が変更になったか、業績が悪化したのかのどちらかと読み取ることができる。最近GE(ジェネラル・エレクトリック)の株がダウ平均銘柄から外されたが、事業を航空機エンジン、ヘルスケアに絞り込んだためとしている。数年前から日本の展示には水ビジネスのみであったことから、いずれGEは変貌するだろうとは感じていた。
さて、展示会から戻ると資料と名刺が相当数。これの処理を通じて展示会の復習となる。展示会のみならず日頃のビジネスを通じて名刺の数は相当数あり、この管理と利用が重要である。最近は名刺をスキャンし管理会社に送信すると自動的に整理できるので利用する人も多い。時間節約、情報共有の面では確かに有用である。
市販のソフトがどのようなものか筆者は知らないがクラウドに載せられない案件もありオフラインで作成する人も多い。昔は会社名、所属、名前、住所と電話・FAX程度であったが、現在では電話には代表と直通があり、会社携帯、個人携帯、メール、スカイプ、WEB、FB、インスタグラム、ツイッター、など続々項目は増加している。名刺交換した人と何を、いつ話したのか、そしてリンクすべき資料のファイルなどが最低必要。年々増加する情報量と当方の記憶容量との兼ね合いから5W1Hをキイワードとして記録しておかないと折角の情報が埋もれてしまう。筆者は項目追加編集できるソフトを利用している。 項目の中には情報の写真、顔写真、地図、趣味(ゴルフ腕前)、季節挨拶の有無などもあるが、逆検索で利用するのはキイワード項目。インプットは非常に面倒。(恐らく将来はロボットが打ち込みするだろう)。因みに5000件を越えるころに、その効果が明確になってくるので是非早めに対応することをお勧めする。顔は思い出すが名前が。。。。。会社名は変更したらしいがさて?。。。記憶が朧気なときに役立つのがキイワード。それを基に〇年の△△展示会でお目にかかった。。。とメールを書き出すと時間は経過していても相互の関係を復活させる効果は覿面である。