2020年 9月 の投稿一覧

欧州車CO2規制ドタバタ劇

菅義偉政権が発足した。このブログは政治にはタッチしない。だが、内閣や党役員の地味な風景に5G(爺)と名付けたマスコミがある。面白い。だが、それがどうした? 5Gどころか身元調査を何回もクリヤーした留任・再登板18Gの布陣。官房長官には失言をしない人が充てられた。隙がなさ過ぎるが、荒治療で多少の血を見ることは覚悟の上の場所には相応しい人材を配置した。

頭に血が上って口を滑らせて失敗したのが自動車生産台数首位のVW。言わずとしれたディーゼル燃費不正問題「ディーゼルゲート」事件である。バレたのが米国。巨額の賠償金を支払う羽目になった。VWはディーゼルは止め!これからEVにする!と宣言してしまった。

誠に威勢がよいが目算があるわけではなかった。ドイツ市場でもSUV人気があり車重からみて走行できるのはエンジン車。アウトバーン300km走行は当たり前。2年前の欧州のEV実績は0.2%のみ。2019年では“なんちゃってPHEV”を入れても1%。2020年にはトータルコストはEVがお得とのCM戦略にでたが、実態は政府補助金増額を要請し、それをテコにした販売で、米国から賠償金を逃れるためには売値を下げてでもEV比率を上げることに躍起となっている。“なんちゃってPHEV”の最新車でも59kmまではモーター、その後はエンジンとなってアウトバーン300km走行の炭酸ガス発生量は、今後予定の2021欧州炭酸ガス規制値の95g/kmを遙かに超えてしまう。新基準に合格するのはトヨタHEV。ヤリスが代表的。トヨタはHEVに関する膨大な数の特許を自由に利用できるよう発表した。しかし“ストロングHEV”技術はベールに隠したままである。“なんちゃって“とは筆者の表現で一般的にはマイルドPHEVと言われている。

 

 

 

 

 

 

 

 

この図から2021年に欧州車が新基準をクリヤーできると考えられない。そこで、なにやら複雑な式を開発して「マイルドPHEV」は環境適合車にしようとの動きがあるようだ。VWグループのアウディは507馬力ガソリンターボSQ7をこれから欧州で発売。マイルドPHEV搭載車が解釈規制に合格することを見越して発売に踏み切ったのであろう。それだけでは市場は動かないとみて数年前に発表していたe-TRONも同時発売した。確かにアウディのQ2,Q5,Q7シリーズは人気がある。その市場の声には逆らえない事情があり、少しだけでもの埋め合わせのつもりであろう。

ゼロ排出にはEVのみ。トヨタのストロングHEVやPHEVは対象に入れないと欧州は強調したものの、実態はマイルドPHEVが落としどころ運動をしている。市場ユーザーは恐らく勝手にしてくれ!ではないだろうか。同じことを言っていたのが中国。でも、EVは当面ダメだと気がつくと、さっさとHEVに切り替えた。この決断には驚いた。EV補助金に300万円を政府は出していたが、輸出減退もあり補助金は極僅かとなると、たちまち販売は滞った。VWは中国頼みの生産販売台数だけに二重の大きな失敗をしたことになる。

日本では現場を知りすぎて大きな改革が遅くなることはあるが、首脳が現場を知らずに方針を決定することは希である。欧州の自動車メーカーは階層社会なのか? 専門領域外なので何とも判断できないが、現場知らずの首脳が下した様にはそれらしさがある。今回のミスはあまりにもお粗末。日本における輸入車は長らくVWがトップだったが、今はメルセデス・ベンツにとって代わられた。筆者はVWを乗り続けたが止めた。一旦信用が落ちると回復は難しいのは会社も人も同じ。偉そうなことを言わずに自分も胸に手を当てて考えてみよう。

先駆的な技術者はドタバタ劇をみて、市場の要求に対して現在のEVでは満足することが出来ないギャップに開発の狙いがあるとして、虎視眈々と狙っているはず。日本人技術者の得意なところだけに期待したい。 水素燃料は有力技術になると思われる。

 

幼児置き去り対策クルマとは

幼児をクルマに置いたままはしご酒。クーラーをかけていたから大丈夫と言い訳。パチンコ業者には駐車場を見回るところもあると聞く。それだけ事例が多いのだろう。幼稚園バスで幼児を残してドアを閉めて翌日発見された事件もあった。親の自覚放棄、保育園・幼稚園の管理意識の欠如。。。。指摘するにも幼児が亡くなるまでの様子を想像するに筆舌に尽くしがたい。日本以外でも報道されている。これを受け2022年欧州で室内に置き去りにされる幼児の検出規格設定に対応すべく、クルマの自動運転に必要な人、物体の検出装置を開発しているメーカーは開発を急いでいる。音を拾う方式(泣くとは限らない)、カメラ方式(夜間では効果が低い)、レーザー方式(これが主流か)など。テスト方法は後部座席のチャイルドシートに、毛布を掛けて、ドアを閉めて数分間経っても運転手が気がついて戻らないときは携帯に警告がでるようなシステムになるようだ。

通信する電波領域としては66GHzが適用される。今までこの領域は使用していなかったが、米国でGoogleがPIX4を発売以来、解放された領域で、日本でも今年から利用できる。確かに、家電量販店でみるGoogle PIXの画像は違いが分かるが、それに伴い77G領域を開放していたとは知らなかった。

幼児に限らず、ペットはどうなんだ。ペットは室内を走り回る。レーザービームの先にじ~っとしてはいない。

筆者の友人はDIYで実験装置を作り、ある実験をする為に、参考として炭酸ガス濃度の変化を測定している。聞けば6畳程度の広さの密室に閉じ篭って長時間の在宅ワークをしていると、恐るべき速度で炭素ガス濃度が上昇すると報告してきた。「室内クーラーに頼ってばかりで窓を開けないでいると能率が低下して、ダメですね。それも1時間に一度くらいの換気をお勧めします。但し、10分程度の換気をしても案外、炭素ガス濃度が下がるのに長時間を要するので、窓のみならずドアも開けて、サーキュレーターや扇風機も併用が必要でしょうね。」 とのアドバイスを添えて。

自動車の話に戻れば、確かに窓を閉め切って走ることが多い。エアコンは夏冬始終ONだ。音楽などを聴くことや、ハンズフリーで電話をするときには特にそうだ。今のクルマは自動運転レベル2。なのでブレーキを踏む回数が少ない。アクセルも前クルマ追随で不要、レーンキープしないと警告振動など至り尽くせり。そこで眠気が襲ってくる。てっきり手足を動かさないことによるものと思っていたが、先の炭酸ガス濃度の上昇は考えられる。今のクルマは遮音・静音化対策として室内の密閉度は以前のクルマより高い。炭酸ガス検出濃度が幼児1人ではどうなのか。。。などは検討する必要がある。日本の分析装置の精度は高いので、この応用はできるのではないだろうか、そして検出結果として「幼児・ペットが置き去り」を窓ガラスに表示されることや、もっと簡単にはホーンが鳴り続けば周囲が気がついて救出できる。

クーラーを掛けたままの飲み歩きやパチンコでは効果が疑問。親の意識が鍵だ。そんな当たり前のことをブログで言ったところで解決にはならない。分かっている。説教めいたことは言わない。自助・共助・公助のキャッチフレーズの新総理。バカ親の自助できない場合は子供は社会の宝なのでここは共助・公助でカバーしようではないか。

少し固い話になった。菅義偉総理の選挙区は神奈川2区(横浜西区、中区、南区)。とくに南区の商店街の弘明寺で盛り上がり写真を添付します。99代総理にちなんで9をつけた価格が目をひく。

西区は横浜駅、みなとみらい、行政の中心、中区は山下公園、元町・中華街、本牧、イセザキなど観光地としてお馴染み。南区は昭和の匂いのする商店街と三者三様の顔をもっている。失礼ながら風貌からは弘明寺商店街か阪東橋商店街が似合っている。仕事ぶりは見た目とは全然違うことをお断りしつつ、弘明寺のフィーバー(古い昭和表現)をお伝えします。

コミュニケーション(Ⅱ)VUCA

土曜日の早朝に知人を訪ねた。開いているお店がない。駅前に小綺麗なパン屋さんがあり、できたてのリンゴパイのパンがあったので買い求めた。訪問先では知人とお隣の奥様と道路を掃除しながら立ち話。不織布を縫いたいがミシンが無くってと知人。それを聴いたお隣さん「私、名古屋。ミシンはお嫁道具必須アイテム。任せて!」それを聴いて当方は「名古屋の嫁入りはトヨタのクルマにトラックを連ねて。ミシンはブラザーと決まっていますね~。」と相槌。「そう。名古屋は食器はノリタケ、ミシンはブラザー、クルマはトヨタ。これが標準パターン」。知人「味噌煮込みうどん。えーっと」当方「山本屋」・・・・・で。話題は膨らむ。パンだけに話題も発酵した。「これ、そこで買ってきたパンだけどどうですか?」と渡した。もう仲間になってしまったのだ。

なんともノンビリした風景を最初に記載したには理由がある。

日経ビジネス4月3日付け「日本人は自ら問いを立て、議論する力が必要だ」早大・川本教授執筆記事があり気になっていた。

【要約すると】

*大学で教えていると、日本の教育は自分の考えをまとめたり、伝える力が重視されていなかったことに驚く。企業にも同じ。

*日本の企業は真剣な議論もなく上司の言ったことが通る。VUCAの時代には到底やっていけない。

*卒業性には自分の専門能力の外に専門外のことも語れる意見を持ちなさい。個々人の考える力、伝える力を伸ばすことで日本はもっと良くなる。の言葉を贈っている。

確かに外資系企業の社外取締役をされている川本氏の体験に照らし合わせても、VUCA時代を乗り切るには今の体質では心配するのは非常に理解する。

だが、より大きく基本的な問題がある。それは、異質の人にでも、初顔合わせの人でも会話ができること。つまりは人間力が前提。それが筆者は重要だと考える。NHK番組「家族に乾杯」で鶴瓶さんが見ず知らずの人と一瞬で本音を引き出すあの話芸というか人あたりの良さが理想だ。会社でどれだけ偉い地位であっても退職したら世間と会話ができず孤立する人が多いと聞く。昔の肩書きを言っても距離を置かれるだけの滑稽さは身近なところに転がっている。会社の中では上意下達がコミュニケーションと勘違いをしていた証拠でもある。「幅広く意見を聞かないと ああいう悲哀となる」と学校で紹介すれば、効果的だと思うが如何であろうか。

冒頭の話はミシンが切っ掛けであるものの、お互い引き出しがまだまだあって、次にも会いたいと思わせる。そんな切り口を表している。

でも、それはノンビリした風景なのだ。昔の商店街風景に「これツケといて」といってツケで買い、月末に精算する方式が多かった。馴染みの客は大概そうだった。で、子供が手伝っても同じなので、「どちら様ですか?」なんて聞こうものなら、ご機嫌をそこなってしまう。なので、日頃から馴染み客やそれに準じた頻度のお客さんの顔、しゃべり、名前はシッカリ記憶する必要がある。忘れることは即収益に直結する。少しだけの会話を通じて記憶の紐付けするスキルが求められる。同じツケでも身元保証が何重にもできている祇園お茶屋とはレベルが違うが。

ここまでお読みになった人はVUCAって何だ?とネット検索をされたでしょう。色々な解説がある。GLOBIS CAREER NOTEによれば予測不能な状態を示しVolatility 変動性、Uncertainty 不確実性 Complexity 複雑性、Ambiguity曖昧性)の頭文字。10年前から使われていたとある。知らなかった。英語の略語はゴロゴロあって頭に入らないとは言い訳で不勉強のセイ。 あまのじゃくの筆者として、このVUCAって今に始まったことか? そんなことはない。歴史が短い国においては初めてかも知れないが、2700年の歴史を有する日本の歴史をみれば、何度も経験してきている。ノンビリどころか命のやり取りなのだ。

誰でも知っている織田信長は天下布武として応仁の乱に終止符をうち、平和で経済豊かな時代を切り開くことを目的とし改革に着手。時代に追随できない人に望みは絶たれたが、継承者である秀吉により完成した。長浜の楽市楽座など貨幣経済が活発化したのもこの時代。内紛というか、人望がない後見人がリーダーの西軍は関ヶ原で敗れ徳川時代に。その徳川は長期政権を築くためにNo.2クラス大名の財政を削る政策により、今のGAFAmのような体制を執った。

VUCAを活かすには、GLOBIS は①仮説思考 ②自己変革力 ③ネットワーク構築力④テクノロジーの理解と情報収集力 ⑤学び続けるチカラ とある。

ここまでお読み頂いた方はもうお分かりかと思いますが、自分以外の特性お持ちの人と会話ができる総合人間力が極めて重要であり、それができれば自然と①~⑤は満足することができるのだ。大阪のおばちゃんに学ぶところはある。理屈の前に「人間を好きになること」

コミュニケーション

ゴミ出しぐらいで家事を手伝っていると思っていた、そこのアナタ。在宅勤務になって、家事って如何に大変なことか痛感している御仁が多いのではなかろうか。今までの贖罪もあろうか、精をお出しになって頑張って下さい。若い時はイケメン度が高いと、多少割引きされるところがあっても、年齢と共に消失し、役に立つか、立たないのか?で評価がキッチリ定まる。丸く部屋を掃除した後から掃除し直されることがあっても落ち込まないこと。洗ったつもりの食器も乾燥後にムラが発見されてしまうことがあっても落ち込まない。アイロン掛けで複数の折り目ができても笑ってごまかす。それより奥様のブラウスをアイロンを掛けながら、小さい身体なのに活動できることに感謝すべきだなぁ~と想いを馳せることもあろう。言ってみれば男は単純作業しか与えられていない。女性はクリエイティブ担当だ。代表は料理や裁縫。何を作るか、冷蔵庫の中をみて考える。足らないことがあったら最小限買い物に行く。男は余計なモノも買う傾向があるので任せられない。

家事で頭を使うのは女性。旦那の稼ぎが少ないかand/or社会との接点を維持したい女性は自宅でできる仕事を持っている。在宅勤務の旦那とは別の部屋で仕事をしているはずだ。男は集中しても2時間で休憩。フラフラとリビングに出ては休憩する。だが、女性は部屋からでてこない。それを見て、そそくさと仕事部屋に戻ってパソコンと再対峙する。パソコンの画面は「休憩をとって下さい」と勧められてもだ。

結局、旦那は会社オフィスでワークするより、家事は勿論、仕事も家族の視線手前、オーバーワークにならざるを得ない。稼ぎが少ない理由が露呈し能力査定されるからだ。そんなところが標準的なところの風景ではなかろうか。男がそれらしく見せるには確定申告。サラリーマンであれば収入が高いか、副収入があること。それがないなら、男の価値は奥様になりかわり国税が評価する。笑えない。家庭内平和であるにはコミュニケーションが大事と再確認した人は多いのではなかろうか。

でも正直なところストレスは蓄積されていくだろう、そうするとテレワークは長続きしないかもしれない。それでは会社としても損。まだテレワークが定着したと断言できないと思う。

話は転じて

After コロナなのかwith コロナなのか依然不透明だが、株価は巨額の政府の財政出動もあり略元水準に戻っている。だが、実態経済はどん底状態にある。米中冷戦の行方もあり混沌するだろうとの不安感もある。個人収入面でも経験をしたことのないレベルになっている人が多い。会社の離合集散の動きは従来より激しくなるであろう。技術イノベーションを活かした発展的な企業合弁の出現を期待する。

筆者は○年前に社風が異なる3社からなる新会社設立に向けて出向したことがある。 設立の背景には3社の重複する事業を単純合算しても欧米の超巨大会社には到底追いつけない。それどこか、グローバル経済のなか、喰うか喰われるかの背水の陣であった。各社からは凄腕、豪腕の猛者、精査・緻密が得意な人など(筆者を除いては)優秀な人材が集合した異能集団となった。

問題はコミュニケーション。 例えば週報。 あるグループの週報は事細かに記載してある。どうして、そんなに細かく書くのか?と質問すると「日曜日に自宅で読み返して戦略を考えるには必要だから」との返事。なるほど納得。凄いな。別グループの週報は文字ポイントも大きく、頁当たりの文字数も制限している。同じ空気を吸っていれば、黙っていても理解できる環境だったのであろう。暗黙知。経営者には短く報告の徹底。なるほど納得。 当方には月報はあったが、週報はなかったので、さてどうしたモノかと思案。当時の社長は文系出身でありながら週報に目を通すとのこと。 そこで考案した週報が「スポーツ紙スタイル」形式は新聞そっくり。DTP機能を駆使して数段に記事・写真・図表・イラストを添付。なによりもタイトルをインパクト強く表示。文字デザインも工夫した。

週報作成は実は予定通り進展していないと辛い仕事。でもスポーツ紙のような紙面作りは、仕事の進捗に関わらず愉しかった。プロ野球で3割バッターはプロ中のプロ。化学はセンミツ(3/1000)と言われるくらい低い。打率0.03割。年間ヒット1件以上あれば大いに威張ってよい。 打率が低いのは人にあらず、その組織にしたシステムのなせる技であると胸を張って明るく対処してほしい。芸能コーナーのような真偽怪しい記事は御法度であるが、週報には不似合いとされていた飲み会などは載せた。

この効用は2つあった。まず、文系社長のお気に入り週報になったこと。理解度がハンパではなかった。二つ目はグループ内メンバー相互コミュニケーションが進み、あるテーマについて多少勇み足で記事を書いた手前頑張ってなんとか実現しようとの雰囲気になったこと。

現在のプレゼンテーションの主流はパワーポイント。アニメーション、動画の挿入など工夫しているが、色塗り見直しなどで時間をかけているようだ。それが目的化しているところもある。 でも紙資料としてはA4サイズ1~2枚で見やすく印象に残る方が好ましい。ふざけているとのお叱りの責任は負いませんが「スポーツ紙ライク紙面」を試みては如何でしょうか。 会社はその後急成長し世界で存在感を出している。あの当時のコミュニケーションもお役に立っていると信じたい。

ここでブログを終わりにしようかと思っていたところ、スポーツ新聞記者の内面を紹介する記事があった。 サッカー中村俊輔の番記者として活動し自分では中村選手に肉薄したつもりでいたが、俊輔さんからはトップ記者とは大差だと言われた。 トップ記者はしつこいと思われる程アタックしていたが、この記者は遠慮して本音に迫っていなかった。と言うのだ。その後ゴルフ担当となり松山選手の番記者になってもスタイルは同じだった。その時中村選手から電話で「空回りし続けな全力で」とのメッセージを受けて目覚めたとある。中村俊輔さんのキャリアでは華々しい時もあればベンチスタートが続くときもあったが、「空回りし続けな。じゃないといざという時に、全力で回れないから」。今の不透明な時代を生き抜くには貴重な応援メッセージであると思う。あのド派手な紙面つくりの裏面では記者の生き様も反映していることをも知った。 (引用2020/05/28 日経 塩畑大輔)

全部EVになる?

テスラモーターの総資産がトヨタを越えた。ホンダがEV車を10月から本格発売などEVを巡る情報が活発化している。欧州ではEV車割合いに応じて会社への課税が変わることもあり、ホンダは採算度外視して発売と発表している。多少、今後のクルマへ搭載予定の機能開発予算を全部当該機種に込み込みさせたことによる採算問題であるので、発表については多少割り引いて聴く必要がありそうだ。でも軽並ボディサイズで450万円。庶民には高い印象だ。サイドミラーがカメラ、インパネには5つの画面がずらっと並び音楽~ナビなど個々にハンドリングできるとあって、ただの小型車ではなさそうだ。1回の充電で280kmでは遠出は厳しいが街中では十分以上に利用できるのは確かとのメーカーの談。しかしEV経験者によると①旅館に電源スタンドの有無を電話する手間 ②上り坂ではドキドキしながらの運転とコリゴリとの声も聞こえてくる。これらの風景は今後変化すると思われるが購入では考慮のひとつの要因である。

一方で、エンジン車やハイブリッドに代わって全部EV車になったら、この電源は再生エネルギーでは圧倒的に足らないことは、このブログで何度も記載した。夜間にEV車に充電するのが普通なので太陽光発電を蓄電しておくシステムが必要だ。

リチウム蓄電池やフライングホイールでのエネルギー保存はコストや規模の面で全て解決とは行かないようだ。NEDOと早稲田大学など共同体は静岡に圧縮空気の形で風力発電の余剰電力を蓄える実証試験を実施している。(写真)圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Compressed Air Energy Storage)システム。

太陽光発電の蓄電方式については別のプロセスが検討が進んでいるとの情報もある。こちらも目が離せない。再生効率80%との報告がある。

 

 

 

 

 

 

そんな時に、そおっと静かに発表されたニュースがある。それは日本の森林は従来公表してきた森林量より約2倍多いとの調査報告書である。えっと驚いた。森林炭素量が多いということは炭酸ガス吸収量も多いことを意味する。

自国で発生した炭酸ガスは森林で吸収される。今まで日本は炭酸ガス排出量に見合うために、カーボンクレジットを余剰国から購入してきた。森林吸収量との差し引き計算が違っていたとなると実に勿体ないことをしていたのか。

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雑誌名:「Scientific Reports」(2020年5月出版)

論文タイトル: Carbon stock in Japanese forests has been greatly underestimated

著者: Tomohiro Egusa*, Tomo’omi Kumagai, and Norihiko Shiraishi *Corresponding author

ポイント

  • 森林の炭素貯留量と炭素吸収速度を正確に知ることは、地球温暖化の抑制にも関係して、森林生産計画の策定に重大な意味を持ちます。
  • 近年整備が進んできた日本全国に渡る15000点に近い毎木調査(注1)点の結果を、これまで日本の森林蓄積量を評価してきた収穫表(注2)による結果と比較しました。
  • 新しく算出された森林炭素蓄積量・炭素吸収速度は、炭素換算で16憶トン・4850万トン毎年となり、これまで発表され正しいと信じられていた値の、それぞれ1.72倍・2.44倍となりました。これら新しい値は、我が国のこれからの森林管理政策に多大の影響を及ぼすでしょう。

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こうなると、EVでなければならないと主張する国の森林はどのような状況なのか、調査報告書が6月に公開されたので、一部を引用する。

 

 

この図で十分な森林を有している先進国は日本だけ。世界中のどこでも走る車なら炭酸ガス吸収能がない地域としてEVが重要かもしれないが、こと日本では本当にそうなの?と疑問の声が聞こえそうだ。森林関係についてど素人だけに素朴な疑問である。