2022年 2月 の投稿一覧

芋による認知症予防

高血圧を始めいろんな疾病対策として医師、整体師などの各方面から発するyou tube情報が多い。食物(摂っては良いもの、悪いもの)、運動などは共通している。食物では減塩をして、食物繊維の摂取が勧められている。中には面白い実験をしているのもあり参考になる。例えば飲酒につれて排尿の塩分は飲酒前濃度0.9%から徐々に0%になるのは興味を引いた。アルコール度数が高いと体内に塩分が増えても排尿しないとのこと。NaClがアルコールに溶解しないだけの話だが実用ではこの説明で十分だ。但し、この論文を探したが見つかっていないので信ずるも信じないのも自己責任でお願いします。

大雑把な括りだが女性は年齢を重ねても記憶力は男性より高いと感ずるのは筆者の周りだけではないと思う。男性に都合が悪いことを何年経っても昨日のように指摘する。男性は楽しかったことは記憶にある。いや、楽しくはなくとも経年で美化加工して脳に収納している。昨日の夕食は何だったか瞬間に出てこない筆者にとって興味ある論文が発表された。タイトルにある芋が今回のキーワード。

筑波大学から興味ある論文が提出された「食物繊維を多く摂る人は要介護認知症の発症リスクが低下する」 (筑波大学プレスリリース2022.02.10)

山岸教授の発表の「研究内容と成果」から超抜粋すると秋田、茨城、大阪の3地域の住⺠で、40〜64歳の3739人を21年間にわたって追跡し、その間に発症した要介護認知症をチェック。

食物繊維を多く含む芋類・野菜類・果物類の摂取量により4つのグループに分けた。要介護認知症の発症リスクは摂取量によることがわかった。特に水溶性食物繊維が効果ある。

世界で初めて疫学的に示されたと報告している。

ここからは食品業界の仕事なのだろうが、この摂取量とは一体どれくらいなのだろうか、20年の間には食生活も変化しているはずだ、健康に関する関心も高くなってきた。具体的に何を食すれば良いのか? そこが本当は知りたいところだ。

秋田といえば“きりたんぽ”。野菜・舞茸・牛蒡と繊維が多そうだ? でも毎日ではないだろう。 茨城の“さつまいも”は非常に美味しい。とは言えシュガースイートは高価なので常食ではなかろう。茨城といえば研修の短い滞在だったが寮の食事は豚肉だった。芋なら埼玉だと関東圏どうしの当て擦りも見たいものだ。大阪では昆布だしのうどんが影響しているのか?出汁中の水溶性繊維は?それとも徳島サツマイモにも近い。。。など地域により違うだろう。区分が地域に偏在しているとなれば、それも食品や健康サプリ開発のヒントになる。

できたら「健康のため」と力を入れないで自然で摂取できるような食品が好ましい。一人のための錠剤サプリよりは家族全員が摂れることが良いし、長続きすると思われる。

いずれにしても、食物繊維が便通や腸内環境を整える菌の餌だとの認識から大きく飛躍して認知症予防に役立つとは有意義な発見であり、20年以上のワークを継続されてこられた先生方のお仕事に感謝し、私どもの食生活改善を図りたい。焼き芋はスイーツ化している。遠赤外による焼き芋は口の中でトロける。昭和時代には冬になると壺焼きをするお店(駄菓子屋さん)があった。今で言うインド料理のナンを焼く壺と類似して、中に針金で吊るしたサツマイモはほっくりして美味し買ったのを微かに覚えている。現在の比較的高級スーパーで売られているのは工業的生産だろうが、どの波長を照射しているのか興味ある。男子で焼き芋を買うには抵抗がある人がおられるならば、今はスマホで糖分をチェックできるので、品質管理データ収集と屁理屈をつけて、大いに芋を楽しもう。データ整理も含めて認知症予防なら最高だ。

温暖化・大雪

地球温暖化が太陽系の事情か人間による工業化によるものかは別として、大雪を目の前にすると温暖であることを可視化せざるを得ない。TVでは太平洋側でも寒気弾が入り込むことから大雪になると報道。交通網が混乱することから無闇な外出を控えて在宅ワークを勧めている。オミクロンもピークを超えた今、新ネタとして関東地方の降雪を異常なほどエキサイティングに報道した。降っても10センチ程度であり、一晩で30〜50センチは珍しくない日本海側、滋賀県米原地区の人から見れば何もそこまで大袈裟に取り上げることはないのでは?と思う。大雪であろうが彼らは出勤している。また東京居住の人でも雪国出身者が相当の割合を占めていることからTVに言われなくとも理解しているのではなかろうか。

朝起きると朝食もそこそこに雪かきを始める。汗をかきながら除雪作業すると下手をすれば午前中一杯潰される。下着を交換し昼食を摂って仕事開始となる。筆者が関係する研究場所は東北にあるが、現地からの情報は大体このような様子が冬に繰り広げられる。雪かきには土日もない。なので平日にできない仕事は土日の午後に回さざるを得ない。乾いた粉雪ならば家庭用の除雪機が効くが、水分を含んだ牡丹雪ではスコップの出番となる。利き手によってスコップの方向が決まるので腰の筋肉は一方向に固まる。両手が利き手であれば疲労も軽減されるはずだが、滅多にそのような人はいないようだ。良いこともあると研究員はいう「雪かきは無心でできる作業でもあり微分積分の世界でもあると」小さいところからコツコツと(西川きよし師匠)のようであるが、この人の仕事の仕方も似ている。当方の関西風チャッチャとやる、東京風ザックリ・シノゴノ言わずにやるとは違いがあり面白い。

でも、降雪はもう沢山だ。今後どうなるのだろうか。温暖化で海の温度が高くなると上空の飽和水蒸気量は増える。それが大陸からの乾燥した強風に煽られたり、さらに水蒸気と接触すると降雨・降雪となる。

図は大雪注意報(神奈川は警報)が出された温度を衛星からの観測である。日本海の越前岬沖の温度は6℃と思っていたより高温だ(図1)。6℃の時の飽和水蒸気は0℃付近より約1.6倍含む事になる。(図2)。

 

これに新雪のマップを見ると大陸付近と日本陸上(山岳)に降雪している。(図3)

大陸付近は乾燥空気が吹き荒ぶことで雲から雪になっているのだろうが、日本に近い日本海では降雪がなく、白山、立山連峰、アルプス連峰で吹上られての温度低下で降雪になるメカニズムは理解できる。

対策はないものか。飽和水蒸気も上空では過冷却状態だろうから、何か氷結する核剤を散布すれば雪となるはずだがコスパが課題だ。良い知恵がない。発明したら少なくともイグノーベル賞ものだ。どなたか挑戦しませんか?

大雪で可視化されたものがもう一つある。それは地方自治体の懐事情。すなわち除雪費用が捻出できなくて、住民サービスの低下を余儀なくされていることだ。除雪車はなかなか来ない。雪が降らない永田町において経済健全化(増税)vs.積極財政との議論も地方で行なってみてはどうか。我々庶民ができることは返礼不要のふるさと納税。

好感持てる頭の良い人

かなり強い雨が降っていた。歩道には傘をさして先を急ぐ人々。日常の情景だ。その時、ドサッと前を歩いていたご婦人が倒れ顔面制動した。その時、さっと駆け寄った女性が倒れたご婦人を抱え上げ、もう一人は持ち物を、そして小生ができることは傘を差し出して皆さんが濡れないようにするだけだった。高齢になると段差と言えないようなギャップでも転倒することがある。ましてスマホを見ながらではなおさらである。メインで助けた女性がみんなにご協力ありがとう的な笑顔を投げてきた。なんて素敵な人だろうか。平素から優しく、行動ができる人であろう。思いがけないことが起こっても平静にアクション取れ、何事もないように去って行く。カッコいい。本当に人として持つべき頭脳と精神のバランスが取れた人の所作なのだ。何か助けを求めるような事態になった場合でも、多くの人が無償で助けるだろう。その意味において本人は意識しないだろうが頭が良い人である。

「頭の悪い人、良いように見せる人vs. 頭が良い・見える人」をYou tubeで発信した人がいた。この人の言う「頭が悪い、良いように見せる人」は無愛想、真面目な表情、ジェスチャー使わず、専門用語・横文字を多用 新しい話・皆が知らない話をする。ここまでは何となく解る。特に若い学者に多いような気がする。

「素早く行動する人は頭が悪い」とこの人は断定している。これは間違。経験不足と見た。飛躍する話題であるが、先日も東レが樹脂材料の燃焼試験ULを長年誤魔化してきたことがわかった。東レ全体から見ると些細な話だが、ことは会社全体の信用に関わる。不都合なことは素早く対応しないと会社の命運にも影響するのだ。

さっさとアクションしないと顧客を苛立せるが、全く逆だと好感を持つ。先日、取引実績がない会社のwebの問い合わせ欄にコンタクト希望を入れた。その1時間後に電話がきた。Web経由では早くて3日後が多い。クイックアクションされるところを見ると、相当ユーザーの信頼を得て儲かっているのでは?と開口一番話すと、先方は明るい声で対応してきた。ビジネスではクイックアクションは褒め言葉と受け止められているのだ。この会社では適用しうる製品はなかった。ありそうな他社を紹介してもらったが、迅速対応と他社を紹介するこの会社になんとなく期待感があって、紹介された会社にはコンタクトしなかった。その後、自社開発するからと返信があった。クイックアクションはビジネスでは有力なツールなのだ。

頭が良い悪いのは想定質問を考える余裕の有無、アドバイスする仲間の有無、自分の能力を冷静に分析するかしないか。これらは単独か若しくは複合の結果だ。

頭が良い・見える人は 余裕があり、メリハリが効き、ジェスチャーが多く、楽しそうに話す、聞き取りやすい声で話す。と言った。これは素直に同意だ。身近に見本がいる。6年前のプレゼンテーションを忘れない。原稿を最後まで推敲しストップウオッチ片手にリハーサル。普通はこれで準備万端としてプレゼンの順番を待つところだが、その人は当方から離れた席に移動してアナウンサーがする本番前の滑舌訓練をしているのだ。これには驚いた。そこまで徹底するのかと感心した。プレゼンテーションの相手に伝わって初めてプレゼンと言えるとの理解が徹底しており、見えないところで努力しているのだと知った。これを考え実行できるのが本来は優れた頭脳を持つプロ。プレゼン10分、質疑5分のところ、プレゼンは時間通り、質疑になると、それまでの発表では審査員1〜2名の質問に対して7名全員からの質問が投げられた。理解され共感を得た。

日頃の生活での風景で見る好感がもて頭が良いなぁと思う例は、 1)路上で白杖を持って歩行している人が大丈だろうかとそっと眺め、本当に必要な時はエスコートする 2)食べながら話をしない 3)立ち歩きで物を食べない 4)電車の入り口でガンとして動かないようなことはしない 5)電車では妊婦さんに席をさっと譲る 6)何にでも“ありがとう”と言う。 7)色んな話題をポケットに入れてウイット・冗談の味付けをして会話が楽しめる人 8)電話・メール・Lineへの返事の早い人。結論はマナーの良い人。いつも100%できているとは言えない筆者に対して「思うだけなら誰でもだ!実行しろ!」と天の声。ありがたく頂戴して実行しなくては。

揚錘蓄電

太陽光発電は夜間には発電できない。そこで昼間の余剰電力を何らかの形で蓄電することが必要で、このブログでもLiバッテリー、揚水発電、フライングホイル、圧縮空気での保存を紹介してきた。この3者の中ではイスラエル企業が実用化しているプロセス:圧縮空気として保存し、圧力を放出しながら小型水力発電機を作動させるのが最も安価で優れていると報告した。

ところが、思わぬ伏兵が現れた。揚水発電は余剰の水を昼間に元のダム湖に戻しておき、必要の時に落水させて発電するものであるが、水の代わりに錘を余剰電力で巻き上げておき、必要な時に落下する時のウインチの回転(モーターの回転)により発電をする仕掛け。いわゆる位置エネルギーを利用しての蓄電。気がつかなかった。そんな手があったのか。揚水はダムがあっての前提だが、これだと普通の場所でも可能だ。一種の巨大倉庫のような設備があれば可能だ。圧縮空気タンクを地下埋設する必要はないが、錘が落ちてくる時の音・振動対策が特に都会では必要だろう。

言われて気が付くまさにコロンブスの卵だ。欧州では既に実用化に向けて試験装置が稼働しているとの情報がある。文献によれば重さ3.6 トンの錘を100mの高さからつるべ落としをすると1k Whの電力が得られるとのこと。(日経クロスネット 9月抜粋)

つるべの数、高さ(深さ)、錘の重量などが蓄電量の変数となる。欧州では炭鉱の廃坑を利用することや、巨大倉庫の中につるべ落としを設営することも考慮中とのこと。見逃せないのが、そのコスト。それもあって、将来の蓄電法の割合は図のようになるとの予想がされている。圧縮空気の蓄電を国内複数の企業群に紹介したが、興味を示すところはなく、Li電池が主流だとして見向きされていない。ところがこのグラフを見ると半信半疑でも良いから準備する必要はあると思うがどうだろう。

 

揚水の代わりに揚錘(同じヨウスイと読むには日本人は得意なはずだが)とはまさにコロンブスの卵。冗談半分だが、小学校の雲梯で降りる時にウインチを回転させて「ハイあなたは○W発電しましたね。とか言えば興味を持つかも知れない。

筆者は子供の頃、夏休みの自由研究で句碑のコピー(拓本)を集めていたことがある。加賀千代女の「朝顔やつるべ取られてもらい水」を見つけた。草ボウボウの茂みの中にある状況を写真に収めた。先生から高度成長時代には俳句する心の余裕もなく草取りもしないことが何より物語っていると指摘されたことを覚えている。綺麗事は言わないが自分も企業成長に傾倒まっしぐらだった。

今、「つるべ」がESGの投資対象になるとは、一旦高度成長をすぎて、ここに戻ってきたのかと千代女は言っているかも知れない。重力蓄電は環境にとって良いだろう。疑うことは少ない。だが、ちょっと待てよ! その蓄電の行く先は本当に環境に、しいては人に優しいのか? パッと咲き誇る朝顔を見て取水を止めたように、流されてはイケナイように何らかのストッパーを必要とする。高度成長で大気汚染などの歪みを生み出し、反省し改善を継続してきた日本人ならでは気づくことある。それを強く意識したい。