地球温暖化が太陽系の事情か人間による工業化によるものかは別として、大雪を目の前にすると温暖であることを可視化せざるを得ない。TVでは太平洋側でも寒気弾が入り込むことから大雪になると報道。交通網が混乱することから無闇な外出を控えて在宅ワークを勧めている。オミクロンもピークを超えた今、新ネタとして関東地方の降雪を異常なほどエキサイティングに報道した。降っても10センチ程度であり、一晩で30〜50センチは珍しくない日本海側、滋賀県米原地区の人から見れば何もそこまで大袈裟に取り上げることはないのでは?と思う。大雪であろうが彼らは出勤している。また東京居住の人でも雪国出身者が相当の割合を占めていることからTVに言われなくとも理解しているのではなかろうか。
朝起きると朝食もそこそこに雪かきを始める。汗をかきながら除雪作業すると下手をすれば午前中一杯潰される。下着を交換し昼食を摂って仕事開始となる。筆者が関係する研究場所は東北にあるが、現地からの情報は大体このような様子が冬に繰り広げられる。雪かきには土日もない。なので平日にできない仕事は土日の午後に回さざるを得ない。乾いた粉雪ならば家庭用の除雪機が効くが、水分を含んだ牡丹雪ではスコップの出番となる。利き手によってスコップの方向が決まるので腰の筋肉は一方向に固まる。両手が利き手であれば疲労も軽減されるはずだが、滅多にそのような人はいないようだ。良いこともあると研究員はいう「雪かきは無心でできる作業でもあり微分積分の世界でもあると」小さいところからコツコツと(西川きよし師匠)のようであるが、この人の仕事の仕方も似ている。当方の関西風チャッチャとやる、東京風ザックリ・シノゴノ言わずにやるとは違いがあり面白い。
でも、降雪はもう沢山だ。今後どうなるのだろうか。温暖化で海の温度が高くなると上空の飽和水蒸気量は増える。それが大陸からの乾燥した強風に煽られたり、さらに水蒸気と接触すると降雨・降雪となる。
図は大雪注意報(神奈川は警報)が出された温度を衛星からの観測である。日本海の越前岬沖の温度は6℃と思っていたより高温だ(図1)。6℃の時の飽和水蒸気は0℃付近より約1.6倍含む事になる。(図2)。
これに新雪のマップを見ると大陸付近と日本陸上(山岳)に降雪している。(図3)
大陸付近は乾燥空気が吹き荒ぶことで雲から雪になっているのだろうが、日本に近い日本海では降雪がなく、白山、立山連峰、アルプス連峰で吹上られての温度低下で降雪になるメカニズムは理解できる。
対策はないものか。飽和水蒸気も上空では過冷却状態だろうから、何か氷結する核剤を散布すれば雪となるはずだがコスパが課題だ。良い知恵がない。発明したら少なくともイグノーベル賞ものだ。どなたか挑戦しませんか?
大雪で可視化されたものがもう一つある。それは地方自治体の懐事情。すなわち除雪費用が捻出できなくて、住民サービスの低下を余儀なくされていることだ。除雪車はなかなか来ない。雪が降らない永田町において経済健全化(増税)vs.積極財政との議論も地方で行なってみてはどうか。我々庶民ができることは返礼不要のふるさと納税。