2025年 11月 の投稿一覧

抑鬱・笑いの効果

女性が男性より長生きする理由の一つに笑いが多い説がある。確かに、何が面白くて笑いこけているのか分からない若年層から、シニアに至るまで仏頂面の男性より遥かに多い。そのシニア層の男性でも地方の村によっては年末に「大笑い」風景が放映されていた。作り笑いから始まり、本格的に大笑いに移行する様は見ていてこちらも気持ちが明るくなる。世の中、辛いことがあっても笑い飛ばして新たな年を迎える準備としては非常に面白い。

医学面でも笑う人は鬱になりにくいとの発表が東北大からリリースされた。日常生活でよく笑う人はうつになりにくい ~毎日笑う人と比べて、ほとんど笑わない人は抑うつ状態に至るリスクが1.5倍~ 2025.09.26

本文と図を引用する

高齢者32,666人を約6年間追跡した結果、日常生活でほぼ毎日笑う人と比べて、ほとんど笑わない人は、追跡中に新たに抑うつ状態に至るリスクが1.5倍高いことがわかりました。(図)

笑いは作り笑いでも効果があるとのこと。 TVに向かって独り笑いでも効果があるが、本当は二人、複数人を笑わせる方が、笑の往復となって効果は大きいことは日常経験する。笑顔の人と話しているうちに話の内容に関わらず、こちらも精神的に笑顔になっている。

笑顔吉が営業マンに適しているのは勿論、職場のリーダーとしても好まれる。昔はコワモテで声の大きな管理者がリーダー像としてあったが、むしろ今は一見おとなしいが笑顔を絶やさない人材が組織の要にいると、組織が活性化されるのは理解される。

組織の毎日は多種多様な化学反応が起こる。その時に一次反応なのか、それとも励起状態にいるだけで、その先の落ち着く先の方向を冷静に考え対策するのかで、組織全体の本当の活性化がなされる。励起状態(興奮、混乱の状態)において余裕で笑いを絶やさず、的確な行動を示すことが理想だ。先日、会社横断で研究会を構成していた人物の数人と会食した。その際、上の条件にぴったりの人が研究管理職だと聞いて、その会社は成長間違いなしと思った。

ならば、笑の大阪、武家作法を受け継ぐ東京では鬱患者は違うのか? 調べてみた。

10万人あたりの鬱患者は厚生労働省の統計に基づくうつ病の総患者数(医療機関を受診した患者数)で見ると、東京都:約14.9万人 大阪府:約13.3万人。大阪がやや少ないが、笑いだけでは鬱の原因とは言えない。

当然のことながら鬱になる要因は以下の通り多くあり相互に絡み合って発症する。

  1. 精神的・身体的ストレス
  • 喪失体験: 大切な人との死別・離別、退職、経済的損失など。
  • 環境変化: 結婚、昇進、配置転換、引越しなど(喜ばしい出来事であってもストレスになる)。
  • 過労・睡眠不足: 心身のエネルギーの枯渇。
  • 身体の病気や内科治療薬が原因となることもあります。
  1. 生物学的要因(脳内の変化)上記のストレスなどが引き金となり、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなど)の機能が低下し、情報伝達がうまくいかなくなることが関与。
  1. 性格的要因(危険因子)メランコリー親和型性格: 生真面目、几帳面、責任感が強い、他人の評価を気にしすぎる。執着性格: 仕事熱心、完璧主義、弱音を吐かず何でも一人で抱え込む

日本人の多くは上記の要因を濃度の程度はあれ有している。頑張りすぎる。完璧主義、仕事に集中、働くことが美徳など誰でも日本人は持っている。そこに業務のロードマップの目標完遂確認で追い込まれると鬱になりやすい。 会社退職代行を利用したとしても、これら要因は継続するはず。 入社した頃に他部署の年配者と開発の進め方で口論になったことがあったが、今に考えると、間接的な原因として、生まれ育った地域の環境があったと思う。

笑いの違いに地域差が代表される。 大阪は事実をやや大袈裟に言って笑いを取るのに対して東京は事実を言えば誹謗中傷、個人情報だとか、無礼な人だとの理由で笑いのネタには絶対しない。大阪では笑いが商売潤滑油になっているのに対して、東京はビジネスライクなので大阪の人から見たら何を面白いのか分からない。本音を言う大阪、言わないのが東京。東京では ばかばかしい架空のコントを設定をして笑っている。話芸よりコントで笑いをとっているのが東京のような気がする。

ここで大阪と京都では同じ関西圏でもやや違う。先日の上記の飲み会で当方が何気ない話をしたら、生粋の京都人から「それ京都人の言い方やん」と指摘された。生粋の京都人は裏の裏の裏を読み取る性格があるので、それが気になったので確認したのだろう。京都では裏読みできないと“どんくさい”と評価されてしまう。時間差で後になって本当の裏がわかって笑うのも一興。時間差が鬱にはならないよう埋めてくれる。京都では笑う前に頭を巡らせる必要がある。

結論は世界共通 「笑う門には福来る」

妊婦の血中重金属元素濃度と妊娠高血圧症候群の関連

プレスリリースタイトル 妊婦の血中重金属元素(鉛、カドミウム、水銀)濃度と妊娠高血圧症候群の関連について:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)掲載日:2025.10.28 国立環境研究所 のタイトルを見て驚いた。水俣病、神通川イタイイタイ病は昭和高度成長時代で、四大公害対策は1970年代に重点的に実施された。四日市の空はコンビナートの排煙による曇りの毎日が芦屋の空と同等になったと報道されたものだ。それが今回のエコチル結果レポート。鉛、カドミウム、水銀問題が今でもあることに正直驚いた。要旨は以下の通り。

  • エコチル調査は非常に多面的・精緻に実施されているので信用するしかない。これまでの研究で、妊娠高血圧症候群の発症は将来心血管疾患のリスクを高める可能性があると指摘されています。
  • エコチル調査にご協力いただいた妊婦88,670名の血液中の重金属元素(鉛、カドミウム、水銀)濃度を妊娠中期~後期に測定し、妊娠高血圧症候群発症との関連性を調べました。
  • 血液中の鉛、カドミウム、水銀の濃度が高い女性は、濃度が低い女性と比べ妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いことが示されました。
  • 重金属のばく露を減らすことが、妊娠高血圧症候群および将来の心血管疾患のリスク軽減につながるかについて今後の研究が必要です。

事例の一つとして鉛濃度による妊婦高血圧症候群を図示する。

エコチルの仕方など元文献には実に詳細に記載されているので、統計を扱う人には参考にされては如何でしょうか。

 

4大公害問題から鉛、カドミニウム、水銀など重金属の規制が厳格化された中で今回のエコチル結果は矛盾しないのか、日常の生活で何に気をつければ良いのか。そこを我々が次に知りたいところだ。

 

 

(鉛その1) 以前は水道管(家庭までの細い管)は鉛製だったこともあり、朝一番の水は捨てるように言われた。今はポリエチレン製なので、このようなことはない。置き換わっていない地域では早急に切り替えるべきであろう。漏水問題が要因としては大きいだろうが。

(鉛その2) 江戸〜大正時代の白い化粧は鉛成分が利用されていたが今は使用禁止。ただし、古い家屋の塗料は鉛含有なので要注意。欧州の屋根は鉛が多いがどうなんだろう。

(鉛その3) ハンダには低融点を利用して利用されていた。子供の頃ハンダ付けを得意としていたが、何ら意識していなかった。類似して海外の缶詰の溶接に利用されていたこともあるので、缶詰を買うときは注意された方が好ましい。

(カドミウムその1) イタイイタイ病から玄米におけるカドミウム濃度は規制されている。現在は0.4ppm 以下で食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準」で厳格に規制されている。 なので今回の妊婦問題は米由来とは言えないのかも。(素人発想なのでご容赦)

(カドミウムその2) タバコの煙説、甲殻類説などあり。

(水銀その1) 火山噴火や岩石の風化説

(水銀その2) 魚介類(マグロ、カジキ、キンメダイなどの大型魚や寿命の長い魚に高濃度で蓄積。これが現代の日本人にとって最大の暴露源とされている。 先日横浜市の区民祭の時に開設されていた臨時ブースで県の職員さんから大型魚を摂る頻度などは注意が必要と言われた。知っている人は知っている。 EPA ,DHAが豊富なので魚介類は必要なので魚の選定が重要になる。

幸い マグロ、カジキ、金目鯛を毎日摂る食事は現実的ではない。アドバイスとして週1程度が好ましいとのこと。 なお、マグロではクロマグロが“黒”でキハダマグロ、ビンナガマグロ、アジ、サバ、イワシ、サケ、タイ、ブリ、カツオは“白”とのこと。自分の好物たこ焼きは?と質問があろうかと思い調べたら“白”でした。

そこで気がついた!

日本は痛い目にあった後、官民一体で環境対策を実行した。曇っていた空が見違えるように青く澄み切ったのは自慢をしたものだった。だが、それは一種のバカの壁。

経済発展途上国では進歩と引き換えに公害問題発生している。それ以前の日本と酷似している。経済・物流がワールド化するに従い、その地域からの魚介物・農業生産物が国内に流通するようになった。水際の検査体制強化の防止策と同時に攻めの環境対策も当該国が利用できるように従来以上に実施すべきであろう。先に開催されたアジア・アフリカ会議の模様も数年前から随分の変化してきたことは分かるが不十分。世界の真ん中で環境でも咲き誇る日本でありたい。

ビフィズス菌が皮膚褐色班など抑制

この発表を見て、当方は男性ではあるが、ついスーパーでビフィズス菌M-16のヨーグルト探した。しかし見つけられなかった。その理由は後半に記載したが、賢明な諸氏なれば途中で気が付くであろう。「なんだ そうことか、探す場所を間違えていたのだと」本来は特定の商品を取り上げないブログではあるが、世の中女性はいつまでも輝いていて欲しいとの思いは誰にもあるだろうとして取り上げた。

順天堂大が2025.10月15にリリース。

ビフィズス菌の摂取が、成人女性の顔の皮膚に現れる褐色班などの皮膚の劣化を抑制する可能性を確認

要旨は

「ビフィズス菌M-16V の摂取が、成人女性の顔の褐色班*2や、毛穴などの皮膚の劣化を抑制し、顔の皮膚状態を改善する可能性が示唆されました。この成果は、腸皮膚相関の観点から、ビフィズス菌などのプロバイオティクスが皮膚の健康状態の維持に役立つ可能性を示した。」本研究では、乾燥や気温低下により一般的に皮膚状態が悪化する時期に、ビフィズス菌M-16Vの12週間連続摂取による成人女性の顔の皮膚状態等を評価したところ、画像解析によって褐色班スコアなどの改善が見られ、主観的評価による排便状況も特に50歳以上の方で顕著に改善しました。」とある。測定法 及び効果事例は図の通り

 

 

 

 

 

 

 

図 1. VISIA®スコアの週0からの変化量

(a)総合スコア、(b) 褐色班スコア、(c)毛穴スコア。群間比較で有意(p<0.05)なp値を示した。* p<0.05(M-16V群の0週との比較)、# p<0.05(プラセボ群の0週との比較)

図2 VAS法スコアによる排便状況の評価

(a)全体の解析 (b)50歳以上の集団。群間比較で有意(p<0.05)なp値を示した。* p<0.05(M-16V群の0週との比較)

 

 

ここで、ビフィズス菌M-16のネタバラシ 「ビフィズス菌M-16」は、主に森永乳業が開発・提供しているビフィズス菌株。

この菌株を使った代表的な商品は、特に乳幼児やサプリメントの分野で見られる。乳幼児向けの商品である

ビフィズス菌M-16は、特に乳幼児の大腸内に生息している菌に近いとして、赤ちゃん向けの製品に利用されている。

商品名: ビーンスターク 赤ちゃんのプロバイオ ビフィズスM1 会社名: 雪印ビーンスターク株式会社 (森永乳業グループ)

 

・プロバイティクスとプレバイオティスス はお馴染みワードになってきたが、参考までに整理すると

プロバイオティクス(Probiotics): 善玉菌そのもの(生きた菌)

分類 食品例 菌の種類と働き
乳酸菌・ビフィズス菌 ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ 腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える。
納豆菌 納豆 強い菌で生きたまま腸に届きやすい。
酵母菌など 味噌、醤油、漬物(ぬか漬け、キムチなど) 発酵食品は種類によって様々な菌を含みます。

プレバイオティクス(Prebiotics): 善玉菌のエサとなり、増殖を助ける成分

分類 働き 食品例
水溶性食物繊維 善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸を産生。便を柔らかくする。 海藻類(わかめ、昆布、もずく)、果物、里芋、大麦、オーツ麦、アボカド
不溶性食物繊維 腸を刺激しぜん動運動を促す。便のカサを増やして排出を助ける。 野菜(ブロッコリー、ほうれん草、蓮根、大豆、小豆、たけのこ)、芋類、玄米 きのこ類、

 

夜型生活リズムと網膜症リスクとの関連性

「秋の夜長」は9月〜11月の俳句の季語の一つ。夏の過酷な体力消耗をメンテしつつ文化に浸る季節である。読書、映画、音楽・絵画鑑賞、いや美味しいお酒に浸る人それぞれかと。幼稚園などで提携している農園で子供さんとお芋掘りも楽しいものだ。

先日、お香のお店を覗いてみた。外国女性が香炉とお香を色々思案されていた。外国の人だったらアロマだろうと思っていたが意外だった。お香と秋の夜長はイメージがピッタリだ。京都の堀川通りにはお香の専門店がないはずなのに「堀川」ってよく聞きますが、あるのですか?と(この本店が堀川にないことを知りながら)不躾にお店の人に聞いた。「それ当社の商品名です。よく聞かれるのですが理由がわからないのですが?」との返答。バッグや化粧品に至るまで人気急上昇の政治家の事務所で利用されているようですよと教えたところ自社製品が注目されていることに凄〜い!と驚いていた。

ここまでは優雅な生活とも言える話。現実は通勤に1時間と比較的恵まれていても共稼ぎである場合、帰宅して慌ただしく夕飯作りをすると食事は7時半から8時。後片付けして風呂に入る頃には10時を過ぎる。その間、子供の宿題や明日の準備などで自分が寝る時刻は11時を軽く超える。アルコールを少し嗜みつつ配信動画を見れば12時。画面凝視は睡眠の質を落とすと知っていながらも。これが10〜40年続けば夜型生活リズムが固定される。その間、特に営業職では会食が多く、糖尿病予備軍として活動しているのが実態かと思われる。

そんな中、順天堂大学が2025,10.28にプレスリリースしたのが「夜型生活リズムと網膜症リスクとの関連性を発見 ― 2型糖尿病を有する人を対象とした追跡調査 ―

 要約を抽出すると

「夜型」の生活リズムを送っている「夜型クロノタイプ」の2型糖尿病を有する人では血糖マネジメントが悪化しやすく、糖尿病網膜症の発症・進展リスクが高いことを明らかにしました。夜型生活リズムを持つ2型糖尿病を有する人々では糖尿病網膜症の発症・進展リスクが高まることが初めて示されました。この背景には血糖マネジメントの悪化や睡眠・食習慣の乱れに加え、網膜の生体リズム破綻による炎症や酸化ストレスが関与している可能性があります。

確かに、糖尿病には糖分過剰摂取による血糖値スパイク、血圧などが挙げられていたが、夜型をなるべく避けることも対策になるのはありがたい情報。

職種によってはリモートが週に何度か織り込まれるようになってきたが、本音は給料に余裕があれば居住地の適性選択により通勤時間を圧縮できるのだがと責任の社会へのなすりつけ??。

 

未来は通勤が必須としても、遠隔操作で家事ができるようになるかも知れない。掃除、洗濯乾燥処理はロボットが家庭に入っている。料理は3年前に川崎重工が羽田インキュベート(天空橋)AI_SCAPEでカレーをモデルとして調理できることを公表。家庭に入るには相当の工夫が必要だが、それが実現した姿を想像してしまう。ロボットで作った料理が自分よりも美味しいと家族から言われたら落ち込むのも一興。途中で味をスパイダーチャートで通勤中に送信され「承認ボタン」を押すような風景が見られるとしたら面白い。玄関を開けると「お風呂にします、それとも夕食を先になさいますか?」の応対。案外、未来とも言えないのかも。楽しみではあるが、バージョンアップで交換する時には、ロボットとはいえ、感情移入が更新を躊躇するのかも。このようなことを考えるのは夜ではなく朝であることは確かだ。