2021年 8月 の投稿一覧

EU2026 エンジン生産停止に思う

2026年 エンジン車製造廃止を打ち出す メーカーが特にEUで続いている。EV車への切り替えだ。ハイブリッド車もダメとは裏にはトヨタ潰しという人がいる。その通りだろう。EVの電源はどうかにもよるが、水力発電が 90%以上を占める スウェーデン、原子力発電のフランスは良いとしても、 不安定なエコ発電を補完する火力発電に頼る国では トータルのCO2削減できるか見ものである。

“見もの”と無責任な表現をした。太陽光発電、風力発電の余剰電力を蓄電し電力平準化する技術とインフラ規模でカバーできることに自信があると思われる。

古色蒼然たる火力発電を見ると、一気にこの際、火力発電不要を唱えるのもわかる気がするが、日本のように技術の選択肢が豊富でないだけに、二者択一的なやり方はやや焦りに近いものがあるような気がする。

筆者の愛用車は 当該国で生産されたエンジン車であり、次回は生産しないと報じられているので、次回買い替えることがあっても、このメーカーを選択することはない。実際国内のドイツ車のディーラーでの営業マンは頭を抱えている。都会ではマンションが圧倒的であり、マンションでの充電設備設置の費用捻出や運営方法については相当難航する。早々と見切りをつけて他の業界に転出したディーラー営業マンもいる。後述のe-fuelが入手できることや、水素エンジン、アンモニアエンジンの実用化を期待して現在のクルマを乗り続けることになろう。

基本的にEV車は

(1)電池コストが高い (2) リチウムバッテリーイオン電池は リチウム資源に限界がある。ニッケル水素電池でもバイポーラ電極(ミルフィーユのような積層電極)で従来の2倍のパワーがトヨタで開発されており、リチウムに頼らないことができる。(3) 現在のリチウム電池EV車は補助金がないと販売は厳しい。 中国はEV車による乗合タクシーを増やしたが、補助金廃止に伴い、HEVに切り替えられ、EV車は下取りでも人気なく、まるでEV墓場と揶揄する写真が公開された (4) マンションなどでは 充電設備がない 。戸建てでも200ボルトの電源が必要であるなどだ。

日本では一気のEV車比率アップにはなかなか結びつかないようだ。テスラは高速道路のSAには充電インフラが揃っているので、なに不自由なく長距離走行が可能とのYou tubeがあり見た。なるほど、課金も自動で対応できるなど便利だ。ただ、ドライバーは優雅なランチ、ディナーを採る必要がありそうだ。充電時間1.5hrを甘受できるユーザーはそうは多くはないだろう。走行しながら充電するe-Power方式(発電用エクステンションエンジン)に慣れているユーザーは、何故100%EVの必要性あるの?と思う。

このブログで幾度かエネルギーの多様化と将来について言及してきたので 重ねて言うことはないが、そういえば10年前に京都の市バス燃料として 家庭用の天ぷら廃油利用が奨励され 町内会で特定の日に集合場所へ持ってくる運動をしていたことがあった 現在 57万キロリットル集め これをメタノールと反応させてバイオディーゼルとして ゴミ収集車燃料として利用されている 京都がその後拡大しているかどうか 実家の周辺でもあまり聞かない メタノールとケミカル反応するには業者の規模が合わないと推測する。

2013年の資料ではあるが、それぞれの位置付けが一眼でわかる図を紹介する。やはり液体燃料系が優れている。京都の事例は小スケールであるが、これを大規模に植物油から石油化学の原料のナフサを製造すれば、これから誘導される従来の石油化学プラントでプラスチックス、繊維、タイヤなどがバイオ材料となる。そのような動きが出てきた。これば別の機会にレポートする。

デング熱と蚊の撥水・撥油性

オリンピック開会式及び閉会式では全身オイルでテカテカの旗手が際立った。トンガの名物選手とのことで冬のオリンピックでも出場したときもオイルボディを披露。凄い肉体だと感心したと同時に、それって趣味なのかトンガで暮らすにはオイルが必要なのだろうか?と思った。思った理由は花王の研究者によるデング熱の媒体である蚊よけ技術開発の文献を読んでいたからでもある。トンガは日本でもラグビー選手を輩出する国であり、多くの選手はオイル塗りをしていない。なので、この旗手は趣味だ。花王の文献(化学Vol.76.No8 2021)によれば蚊の脚の先端は皮膚に引っ掛ける爪と水溜まりで成長するに必要な撥水性をもたらすナノ凹凸構造からなっている。シリコーンオイルを皮膚に塗布して蚊の様子を観察すると、皮膚にタッチするやいなや逃げて行くとのこと。凹凸部に親油性物質が侵入して身動きができないとのこと。例えば体重60kgの人が急に57kgの荷物を持たされたようなものと表現されている。

蓮の葉は表面のナノサイズの棘で水玉ができて濡れない。これを利用したのがヨーグルトの蓋。これが採用されてから蓋に付着することは少なくなった。約20年も前の話なので、若い人は何ら不思議とは思わないだろう。確か東洋アルミが最初に製品化した。

文献を疑う訳ではないが、ヨーグルトの蓋にオリーブオイルを垂らしてどうなるか観た。接触角を測定する術がないので、見た目で判断しかできないが「文献の通り」と言える。(左:水滴 右:オリーブオイル)いずれ人肌に優しくテカテカしない製品ができるのであろう。

話をデング熱に戻して、

WHOによれば、「世界人口の約半数が感染の脅威にさらされており。全世界では、毎年、3億9000万人(95%信頼区間:2億8400万人~5億2800万人)が感染していると推計」とある。亜熱帯・熱帯地区+水溜りがある箇所はネッタイシマカが主として発生し媒介するが、温帯で見られるヒトスジシマカも媒介する可能性があるとのこと。 温帯は日本も入る。まして地球の温度が予想より早く1.5℃高くなるとのICPP報告を受け報道が最近目立ってきたので、日本も亜熱帯・準熱帯地域になりかねないので注意が必要だ。厚労省のHPではワクチンはないとのことだが、武田薬品工業がデング熱予防ワクチンを開発しており欧州医薬品庁へ承認申請をして受理されたとある。日本の製薬会社もコロナワクチンの陰ながら、立派に仕事をしていることに感心した。

横浜ではアフリカ会議が開催されるが、その時の人気商品の一つが蚊帳である。日本では姿を消したが、住友化学のアフリカでの主力商品となっておりニーズがある。昔の蚊帳ではなく、防虫剤を糸に配合した蚊帳で、確か奈良の会社が製造していた。古いが新しい事業展開へのヒントになる。

それと、このブログでも触れたが、猫がマタタビの葉を夢中になって擦り込んでいる理由は蚊除けであるとして成分を特定した。また、花王の研究者はカバの表皮にも蚊除け成分があるのでは?と注目した。自然を観察し仮説をたて、実証する手順も非常に参考になる。コンピューターの中にソリューションがあるとは限らないと教えてくれているのは嬉しい限りだ。

あったらいいねシルバーセンター業務

オリンピックは盛大なうちに閉会となった。次はパラリンピックだ。大いに応援しよう。オリンピックに10種目競技があるが、日頃の生活では10種どころか、あれもこれも、こなさないと社会においても、家庭においても間に合わない人となりかねない。

先日 駅前広場でシルバー人材センターが臨時会場を設営して道行く人に求人案内していた。パネルには求人状況の幾つかが貼附してある。貰ったパンフを見た。自分がシルバーになったとして、紹介された業務が可能かチェック。結論は「到底できないものばかり」と気がついた。日頃、家庭における10種アイテムをこなしていなかった証拠を突きつけられた。

 

技能、体力、持久力、経験が不足しているとできないモノばかりだ。網戸張りは○でも襖張りはX、簡単な木工作業は△でも綺麗なペンキ作業はX いずれもDIYのプロ並経験がないとダメ。まして料理は××。除草と水遣りなら○でも剪定はX。 草取りなら可能とは言ったものの、交通量の多いカーブで運転手から見づらいような道路の縁に座って実に丁寧すぎる作業をしているのをよく見る。草が道路走行部分のところまで延びていると体を道路側に移動しつつ除草している。危険を感じて、そこはテキトウにやっても良いのではと声掛けしたことがある。シルバーの人は実直な人が多いと思う。

 

老人の話し相手ならできそうと思っても、女性は圧倒的に井戸端会議の実力があり○、男は敬遠されるであろうし、珍しく男性老人相手の話があっても、過去の経歴によってはマウント取り合いになりかねないなど、男性シルバーで合格する人は希だろう。

話題:昭和~現在までの話題についていける記憶力が必要

姿勢:すぐ友達感覚になれるか、シルバー人材の性格が大きく関係する

態度:またお会いして次回の日が愉しみなるような愛嬌の良さと顔の雰囲気

勝手に妄想した筆者の条件であるが、まぁ該当する人は多くはないでしょう。老々介護で疲れているのであれば尚更人材不足であろう。別の言い方をすれば、高校生や大学初年度当たりで経験すると、その後の社会生活においても幅(選択肢)を広げるのであろうと思う。

さて、この人材募集の項目を眺めて気がついたことがある。それは「あったらいいね業務」だ。

イマドキの高齢者はスマホを始め若者が扱うような電子機器も使いこなしている。

各地にいる家族、孫とはLineやZOOMでやり取りしている。検索でも音声入力を実に器用に利用している。Lineでは気の利いた絵文字や動画も送ってくる。

但し、インストール、ダウンロード、ID、PW設定などは苦手(元会社員であってもシステム部任せ)の人が多い。今はスマホを購入しても取説がない。パソコン購入してもソフトインストールには以前のようなDVD、CDがない。まずはインターネットの接続、ウイルスバスターのインストールなど手順がある。量販店ではやってくれない。身近な詳しい人にお任せしているのが多いのではないだろうか。法人相手のシステム会社では相手にしてくれない。これって意外に“あったらイイネ”的な仕事だと思うが如何だろうか。Windows でもMacでもサポートセンターがあり電話相談は可能だが無理。何に困っているかを聞き取る能力は高齢者が適している。また、電話相談の多くはマニュアル通りの回答になるので、それで解決できる領域は少ない。Face to faceでの解決が圧倒的に優れている。

実際使用して自分もネックを経験したのは強みである。隙間産業として成り立つのではないだろうか。今のスマホでは家庭の照明などホーム管理ができる機能がある。高齢者が外出時の不安を除くにもこれから重要度は増すのではないだろうか。

最後に、シルバーセンター作業価格をチェックした。民間企業でも家事お助け事業をしているので、それと比較してみたが、ほぼ同額。公が民を圧迫してはいけない理由があるのだろうが、逆に言えば民の方が安いとも言える。そちらの方が問題ではないか?とも思う。テレワークでは家庭内作業もこなさないと仕事にも影響する。さて10種のうち、せめて5種はマスターするか。

盛り上がりオリンピック

連日のオリンピック盛り上がりは予想以上で愉しませてくれる。柔道、卓球など破竹の勢いもさることがなら、初めて登場したスケートボード、サーフィンなども観ることができた。フェンシングなど過去頂点に立つことがなかった競技でも大活躍である。

インタビューの内容に驚いた人も多かったのではないだろうか。かっての絶叫調はなく、きれいな日本語で理路整然と端的に話す選手が多かった。恐らくトレーニング中には表彰台を目指してのイメージをしており、インタビュー当然あるべしとして作成し自問自答などで鼓舞していたのであろうと思われる。多くの選手は開口一番、開催して頂いて感謝している。この5年間を凝縮した結果だと述べている。リオから来たるべく四年後を目指して体調がピークになるよう積み重ねてきたのが、延長。その間、中止論も持ち上がる空気では、普通の精神力では萎える。この逆境は世界の選手も同じ条件であるが、よくぞ東京大会を信じてやってこられたと感心する。

オリンピック放送の初日に誰の・何の為の大会か?と某放送局は発言した。答えはこの開催期間で十分学んだものと思われるので、パラリンピック終了後に総括の言葉を聞きたいものだ。

誰のため、何のため。 実は3月に筆者は共同通信のインタビューを受けた。

記者:オリンピック開催に対する意見がありますか?

当方:勿論、大賛成!

記者:エッ? ほとんどの人がNoですよ。珍しい人ですね。何故ですか?

筆者:賛成の理由を次のように言った。記者はスマホに凄い速度で記録。

  • 日本も世界も未曾有の精神的落ち込みの中にある。活性起爆剤が必要
  • 前回の東京オリンピックでの日本人の活躍、アベベの裸足マラソンなど世界には多様・多能の人がいることを知った。
  • 東京オリンピック記録映画(市川崑監督)を観ると、例えば男子100mスタート時の筋肉の動き、眼光鋭さなど頂点に挑戦する様を目の当たりにして感動しない人はいなかった。バレーボール、体操、柔道の活躍は記憶と記録に残っている。でも女子110mハードルの依田いく子さんの痛ましいほどの追究した体(テーピング)、国を背負って42kmを走り最後で3位になった円谷幸吉さんの覚悟は現代に欠けている。

悲壮感とは違った形で今回は見せてくれるのではないか。

  • ワクチン外交に努力している(3月時点)ことを評価している。

而して、無観客ではあるが開催された。兄妹同日金メダルは空前絶後の出来事で興奮した。卓球混合ダブルスの準決勝、決勝の大逆転劇はTVであっても興奮させてくれた。逆にメダルに届かなかった選手は1年順延の影響が余りにも大きく影響する種目であったと同情する。打倒日本水泳と頑張って成長した世界の選手に拍手だ。

裏方も実は5年間の業務を淡々とこなしてきた。目立たないが、マリンスポーツの沿岸は東京湾を中心に茨城~湘南地区と非常に広い。この海域のリスク管理を海上保安庁は5年間詳細なロードマップを作成し作戦行動を執ってきた。拠点を横浜に置き活動しているのを知っている。自衛隊の協力なしには運営は厳しいが、その自衛隊も熱海土砂崩落に活動されている。このように競技以外のシステマチックな活動があっての開催ができることを有難く感謝している。まだまだ続くオリンピック、パラリンピック。頑張ろう日本。

最後に柔道で金メダルと獲ったウルフ・アロンさんの中学二年の時の作文を転載する。(写真 左下から右上)

この覚悟を今我々は持っているかを鋭く説いている。有言実行・武士道にも近いではないだろうか。