2020年 10月 の投稿一覧

水素ディーゼルエンジン

カリフォルニア州は山火事が多い。炎が家を舐めるように焼失させる光景を良くTVで見る。州知事は気候変動が原因であり、その主原因は自動車排出炭酸ガスによる温暖化であると断定し、2035年の自動車は炭酸ガスゼロのクルマで無ければならぬと主張。日本も気象変動を受け温度は高いが山火事は少ないので自動車排ガスで山火事ホント?と疑いたくもなる。尤も、湿度は日本は高い。森林での水蒸気量(蒸散)の差=土地が含む水量が強く関係しているのだろう。小学校か中学校の地理でカリフォルニアの水源はシェラネバダ山脈の水源を延々と引いていると習った。水不足気味気味の土地なのだ。また作物もワイン向け葡萄とあって水分を果実に取り込む。つい自動車による炭酸ガスを主原因にするには気の毒だと思う。

だが、カリフォルニアに同調する州が11もあるので、自動車メーカーも動かざるを得ない。筆者が州知事なら森林から山火事は発生するものとして、居住を森林から10km離れた土地に限定するような措置をとるのだが。

ついに来たか!

欧州のクルマはディーゼルゲート事件があってEVに振っている。筆者はこのブログにおいて、ドイツのもの作り企業群がエンジンを頂点にTier 1,2,3と構成されている国柄では雇用維持面も含めエンジンを無くしてEVに転換するには抵抗が大きいのではないかと記載した。どうやら、その動きが見えてきた。灯油・ガソリンの化石燃料を燃焼させてCO2や窒素酸化物を排出するなら、化石の代わりに水素を燃焼させる「水素ディーゼル」をさせれば良い。単純な理由は別にもある。即ちEVはとどの詰まり中国にPHEVは日本に対して競争力がないこともありできるなら回避したいことが根本にある。だが、EVもPHEVも安心できないことは2030年以後はクルマ作りにはLCAが適用されること。(Life Cycle Assessment)にある。EVに使用されるレアメタル(Li,Co)の発掘、精錬工程に消費されるエネルギー(発生するCO2)もクルマ製造過程エネルギー(CO2),そして走行時のCO2の全部をトータルしてのCO2量が規制される。 現在はtank to wheel (燃費)、これがwell to wheel になり、2030以後はトータルLCA。話は飛ぶが自動車軽量化を目的としてボンネット、フェンダー、ドアパネルの外板はアルミに替わっている。そのアルミは実はボーキサイトの採掘から精錬までの環境負荷が極めて大きい。かつ、アルミニウムは不純物を嫌うのでリサイクルは制限される。自動車では鋳物にダウンせざるを得ないが、その用途も自動車ではもはや少ない。外板を樹脂で成形した方がLCAからみた環境には良いと思うがどうだろう。

話を戻して、クルマに詳しい人ならば、マツダがロータリーエンジンを利用して研究開発していたことがあることを覚えたおられよう。2000年に開発をしていた。

欧州ではBMWが同じ頃ロータリーではないディゼルエンジンを水素燃料適用の開発をしていたが中止した。最近はボッシュが水素エンジンに関して開発を進めている。(日経Xテック8月3日号)

技術面で最大の課題が、過早着火(バックファイア)と冷却損失である。水素エンジンの冷却損失が大きいのは、水素混合気の層流燃焼速度がガソリンの約7.6倍と非常に速く、水素燃焼火炎が燃焼室壁面に勢いよく衝突してしまうからだ。バックファイヤーの研究をしていたのが武蔵工大(現:東京都市大学)の元学長で古浜庄一氏。精力的に水素エンジン車を研究していた。(1970年)。再び話題は現在の学術会議のテイタラク。当時に50年後の環境を考え、武蔵工大に大型科研費を出すように進言勧告したことがあるのか? 当時のオイルショックがあろうが長期的視野で学術は進歩させるべきである。

欧州で水素ディーゼルを手がけたBMWは現在何を注力しているかと言えばe-fuelである。水素と炭酸ガスをフィッシャートロプシュ法で反応させて炭化水素(ガソリン類似化合物)を合成を試みている。化学を知らない自動車メーカーらしいが筆者は、到底経済的に合わないプロセスでありフィッシャートロプシュ法で消費するエネルギーとのバランスを欠いている。無理してでも現在のエンジンに拘っている証拠ではある。

自動車メーカーではなく化学メーカーの冷静な判断に委ねた方が好ましい。

欧州の自動車メーカーはe-fuelをありたがって担ごうとしている一方で、パーツメーカーのボッシュが水素エンジンをの研究開発していることは面白い。将来の水素ディーゼルエンジンはガソリンエンジンを凌駕する目標を置いている。水素燃料電池の水素より純度が低いようなので現実的なソリューションかも知れない。

期待したい。マツダ頑張れ! 本来の研究のあり方の手本を示して欲しい。日本技術再興だ!

ポリフェノール(ワイン・コーヒー・蜂蜜)効果

デパ地下をぶらぶらしていたら懐かしい肝油を売っていた。小学生のころ冬休み前に先生から注文書を渡されて、購入したことを覚えている。サメの肝臓から採ったものだと聞いてかつ、金属缶が赤と黒のおどろおどろしいデザインだけに、サメの肝臓と疑わなかった。寧ろ、甘く味付けしてあったので、何粒/日と決められていてもおやつ代わりに食べてしまったものだ。今はサメの肝臓ではなく、ビタミンE,C、Dも分子構造が判明しており、合成できることからサメではなくなった。缶のデザインも明るくなった。懐かしさもあって1つ買い求めた。変わらぬ独特の甘さは昔の通りだった。もっとも子供のころは親が支払っていたので比較はできないが、買い求めた商品の値段は高価であった。

ビタミンEは酸化防止剤としてプラスチックスの劣化防止に配合されている。ポリフェノール類の一つであり、人体においても酸化防止(=老化防止)として作用する。ビタミンCはプラスチックス(高分子化合物)の分子一次構造の研究者でノーベル賞をとったライナス・ポーリング博士がビタミンCは風邪に効果ありと発表して注目された化合物である。

プラスチックス(高分子化学)と医学分野は離れているようで、実は相互に化学グループ範疇のなかで利用関係にもある。

プラスチックスの酸化防止剤の多くは(ポリ)フェノール基を有している。酸化防止剤は高分子や人体が劣化するのを防止するに自らの分子構造が変化することで防止作用がなされている。その為劣化の結果としてプラスチックスは劣化しないが、色が黄色に変色していることが多い。色が無色から黄色に変化しているのはフェノール分子のOHのHが外れて残りの分子が電子共鳴の発色基となったことを示している。

固い話はここまでにして、2ヶ月ほど前、コスモサイン加藤社長が赤ワインと完熟巨峰カルピスをブレンドすると美味しいとFBにアップしていた。ワインも巨峰もポリフェノールが含有されている。さらにカルピスはご承知のようにカゼリ菌(CP2305株)が含まれており、心理的なストレスを和らげ睡眠の質を高める機能があることが知られている。ワインとカルピスの組み合わせが偶然にしても面白い。

日経ヘルス9月号にワイン、緑茶、コーヒーなどに含まれるポリフェノール濃度が記載されている

コーヒーの代表的なポリフェノールはクロロゲン酸類、緑茶はカテキン類。緑茶、紅茶は蒸しの工程が入るので、ポリフェノールは減少するのだろう。なので勤務時間帯は珈琲と抹茶の併用が、飲食では赤ワイン+珈琲の組み合わせが推奨されるのであろう。日経ヘルスでは両方併用した場合のシミの程度を評価している。

 

 

 

 

 

なるほど、抹茶ロール、抹茶ショコラ、抹茶アイスも人気、秋になると栗抹茶と珈琲の組み合わせか。

 

 

COV-19による各種展示会も部分解除になった。横浜パシフィコではバイオ関係の展示があった。やはりWEB展示とは違い、質問―応答の速度が違う。多くを学んだ。幾つかは別の機会で報告するとして、今回のテーマに近いポリフェノールについて石川県立大・生物資源環境学部・食品科学科が「食による感染症予防の可能性」「抗インフルエンザウイルス作用に関する食品機能性評価の紹介と実例②として蜂蜜の抗インフルエンザウイルス活性に関する研究を紹介していた。蜂蜜も多種類のポリフェノールを含有しており(表参照)この中で抗インフルエンザに特に強い性能を示したのはキュウリョウトウ、ホワイトであるとして詳細の検討をしている。フェノール総量だけでなく、他成分の寄与(相互作用)もあると結論されている。

石川県立大の前身は農業大学。自然に学ぶサイエンスに農業からのアクセスは今は非常に重要になっている。今回の蜂蜜分析ベースデータが医薬・食品など開発に貢献するだろう。実は筆者は煮小豆に蜂蜜をかけて朝に摂っている。今年、風邪をひくか否か蜂蜜が証明するか愉しみだ。

デジタル行革(TV)

プロスポーツでは1日休むと元に戻すには一週間以上の練習リカバリーが、一週間では1ヶ月以上、1ヶ月ではよくて半年は必要と聞いたことがある。そんなもんかと思っていたが、今年のプロ野球、サッカーなどは開幕までの凍結期間が長く、それが開けては変則開催でTV放映されることも極端に少ない。

長らくTV放映でプロ野球やサッカーを見なかったことから、“観るにもリカバリー期間が必要”だと気がついた。巨人が首位だとか、パは混戦だ。。。あっそう! やっているんだぁ。実につれない。以前なら(と言っても20年以上前のことだが)ゲーム差は知っており、自分が監督なら、、、、と百花繚乱の話題とビールや弁当を飲み喰いしながらワイワイしたものだ。そう、そのビール片手に試合を眺め、誰とも知らない人とハイタッチをしたりなどが味わう球場に行けず、そんな風景を放映されても活性化しない。

今回のテーマとの関係は希釈だが、スポーツ活性化にはやはりオリンピック開催が重要と考える。開催しない場合の経済云々の問題ではない。是非、開催して欲しいものだ。精神的に肉体的に完成した選手が躍動することで、沈滞気味の我々の戦う姿勢に渇が入るのではなかろうか。

2020オリンピックが延期になったのは新型コロナによるものであるが、思わぬところが露わになってしまった。それは開催前提でシミュレーションを重ねて準備してきたTV放送にポッカリ穴があいて、埋め合わせが大変だったことであろう。幸か不幸か穴埋めネタは必然ではあるがコロナ問題。毎日の陽性者数を報告し、都度コメントするショーが穴埋めをした。民放は特に他局より異なる切り口や面白コメントするタレント風医学関係者を必要として起用し続けた。ウイルス感染専門医の発言は慎重でショーとしては面白みに欠けるとして発言が素人コメンテーターから無視される風景もあった。

でも常識人はその方向を単純に信用することなく、ネットで専門家の見方も参考にしている。情報の多角化に救われている。50歳でTVとネットの視聴率割合いが均衡し、若い人はネットに比重があり、高齢者はTVを中心だとか。若い人は通勤前の時計代わり。それもテレワークで必要がなくなった。

今回の事態は思わぬ方向に展開するだろう。新型コロナによるスポンサーは無傷ではなく相当の落ち込みで、スポンサーを降りはじめた。トヨタのCMは姿がなく、自動車はネット中心となった。TVでは健康サプリなどが多い。世田谷ナンバーのクルマをみるとつい世田谷○○○○と条件反射してしまう。 クイズ番組、サラメシ類似番組、バスあるき、不倫にクスリ事件、それでも埋まらないときはアーカイブから引き出してくる。TVのもつ魅力は色あせた。それではTV装置を製造販売している業者は共倒れする。4K、8kと画面の精緻さを競っても意味が無いと思ったがどっこい、家電販売店で最近のTVを見に行った。驚いたことに、リモコンにYouTube,Netflix,HUHU,等6個のボタンがありインターネットが大画面で利用することが可能。音声検索はスマホと同じ。Zoomを大画面で観られることで遠隔地にいる親・友人と会話出来る。これは良い。

一方、従来のTV放送は極端に言えば、地震・台風など身近な危険情報のプラットホームは必要だがあとの時間は電波の無駄遣いのように見える。電波使用料が少ないので、放送しないよりはした方が得策なのかも知れない。

問題はその電波帯域と日本の成長戦略の中で、TV局が所有する帯域(40チャンネル)死守していることが、どのような位置づけになるのか。そこが大問題。

IoTは電波を使用する。自動運転、遠隔医療(遠隔ロボット手術)、ドローンによる農作物管理(糖度チェック、農薬散布)、レジレス精算スーパーコンビニなども電波を使用する。身近なところでは駅構内のCM画面。品川駅の港南口方面通路は有名だ。写真はランドマーク入り口風景。

 

使用可能な電波帯域で消防、警察、防衛は別枠として、使用しない帯域をTVと携帯電話会社が占めている実態は見直しが必要で、20年以上議論はしてきたが、結論に至っていない。OECDや発展途上国を含めても電波オークション実施していないのは日本と高橋嘉悦大教授。菅総理の携帯料金引き下げ要請の意味深な発言にドキッとした人もいるでしょう。

あの発言の本音は帯域の有効活用による成長戦略路線を走るぞ!と。

面白いことにデジタル庁を新設し平井さんが入閣した。平井氏はTV、新聞のマスコミの経営者である。ただ、このままでは業界は衰退するかも?の意識を持っていると聞いているので、どのような業界対策をするのか、見守りたい。筆者がもし経営するなら未使用の帯域をオークションで高値で売り、その収益で次の成長分野に投資するが今やタイミングを失したと同じく高橋教授説。工業製品でも寿命30年と言われ、今や10年説。TVも例外ではない。

デジタル行革(マイナンバーカード)

先日、個人の印鑑証明登録証をとりに駅構内にある行政窓口に行った。区役所は交通の不便なところにあるので、通勤時に利用できるのはありがたい。早朝7:30から開いているのも嬉しい。印鑑証明を取得するには登録カードかマイナンバーのどちらでも良い。申し込み書に登録カードかマイナンバーのいずれかに○をつけることになっていた。マイナンバーを使ったことがないので、この際利用してみた。ところが、職員から「お願いです。登録カードにして下さい。この申し込み用紙に登録カード記載の番号を記入して貰えれば直ぐ発行できますから」。“直ぐ”の言葉にピンときたのは“マイナンバーでは遅くなる。駅構内窓口は少人数なので理解してほしい”と読み取った。国の制度と地方行政との紐付けが確かでないか、時間がかかるのだろう。納得して登録カードを差し出した。

だが、今度は収入印紙を発行するマシンが職員の業務に支障となった。2台のうち1台は故障表示でストップ。稼働しているマシンに1000円札をいれて300円2枚のボタンを押した。が、収入印紙が出てこない。取り消しボタンを押しても1000円札が戻ってこない。職員さんが調べてもサッパリ分からない。マシンに吸い取られた1000円を信用してもらって返してもらった。隣のマシンは実は修理済みで故障表示のまま。早朝ではさもありなん。表示を外して利用。無事印紙を入手。

今回の政権では行革の一つがデジタル庁新設と言われたので本件に気がついたのだろうが、マイナンバーって精々今の段階では免許証と同じ程度の身分証明書レベル扱いになっている。マイナンバーの目指すゴールは銀行口座、国税(地方税)、医療保険、社会保障・助成金支払い、序でに言えば運転免許証更新も含む紐付けされるのだとすれば、家のパソコンからマイナンバーをカードリーダーで読み取り電子記録または印刷できるようにならないのか? 収入印紙はデジタル処理と連結させてもよいのか、故障しがちの印紙発行マシンは不要だ。などつらつら考えた。

いやいやマイナンバーをマイナポイントとして利用している人もあるでしょう。5000円もしくは5000円プラス2000円だとして、囲い込み運動が広げられている。筆者も折角だからマイナポイントを申請しようとしたところ、ドコモ口座、P○yP○y、、、、事件が勃発。銀行にも責任があるようだが、様子見をすることにした。マイナポイントはとんだとばっちりである。

登録証ができるまで、収入印紙発行マシンを眺めて気がついたことある。以前の収入印紙発行マシンは小型で背が低いおばあさんでもボタンに手が届く範囲で造られていた。今回見たマシンの高さは1.75m。背が低い人が手を伸ばしても厳しいところにボタンがセット。文字は大きくシニア向きだが、それ以前の問題で手が届かない。幸か不幸かトラブルが起きたのでマシンを空けて中をみることができた。

なんと、下の方がガラガラで工夫すれば全体のマシンは低床化できるとみた。マシン入札スペックを決める人が現場を見ないで設計したものと思われる。平均身長は戦後生まれの人より遙かに高くなったが、設計・製造する会社にセンスのなさが分かる。気づきを商品に結びつけることができる設計者は机の上では作っていないはずだ。駅の自動改札装置を開発した旧立石電機(現オムロン)の技術者は毎日毎日駅の様子を観察し続けて改良開発をした記録画像を見たことがある。デジタル行革は進める必要があるが、リアル現場を熟知する必要があり そうでないと職員の合理化はできない。

話はかわって

横浜市は住民380万人に職員は3万人。大阪は260万人に職員6万人。だから横浜は進んでいると胸を張っている(元中田市長)。油断をしていると大阪都が出現したら追い抜かれる覚悟をしておいた方が良さそうだ。新しい横浜市役所に併設して立派な市議会議場がある。年間何日利用するのか知らないが、テレワーク市議会で随時開催できるのではないだろうか。その分の予算を地下鉄ブルーラインを小田急線との接続に投資した方が経済活性化すると予想される。

ちまちま横浜の話題で恐縮ですが、横浜、東京では70歳以上になるとそれぞれ地方団体の交通網(地下鉄、バス)はほぼ無料で利用できる。年会費は所得に依存して無料~25,000円。高額な年会費を支払っても利用して年間10万円以上相当を使いこなす御仁がおられる。改札は有人窓口に無料パスを見せることになっている。シニア人口が増えた結果、有人窓口の通路が窮屈になっているのだ。普通の改札でも通過できるようにICチップを埋設しておけばと思う。認知症徘徊の人をキャッチする方法としも利用できないか?プライバシー議論は当然あるだろうが。探す家族からみれば藁にも縋る思うではなかろうか、そんな時代が目の前にきている。デジタルが実力が発揮する側面があると期待する。

写真は桜木町駅前に完成した市役所風景