2023年 3月 の投稿一覧

放流は生物多様性を損なう。さて人間社会は?

学校行事だろう、孵化した幼魚を子供が一斉に放流する様子をTVなどでよく見た覚えがある。「帰ってきてね〜」の可愛い声と一緒に微笑ましい風景。漁業関係者は当然ながら放流した幼魚が成魚で戻ってくれば経済的には潤う。

そこに、なんの疑いも持っていなかったが、ある論文が発表されて驚いた。

「北海道大学とノースカロライナ大学の共同研究チームが「放流しても河川に魚は増えない、長期的には悪影響」の論文を発表した。」(研究論文は、米国科学アカデミー紀要(PNAS:Proceedings of the National Academy of Sciences)に2023年2月7日付けで掲載された。)30数枚の膨大な英語論文であり、かつ理論式を駆使しているので全文に目を通すには頭がついて行かない。ポイントは

魚の放流は既存の魚類群に影響を与える。放流された魚は増えることなく、既存生息している魚など生物群集を減らす。実際の河川における魚群集の調査と理論式が概ね一致している。実際に魚群集がどのように変化したのかは次の図を参照して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

感心するのは着眼点、理論式、そして長年に亘る実地調査であろう。

この文献を見て、つい、人間社会にも言えないか?と鈍い頭によぎった。

4歳では遅いとあって英会話、ダンス、ピアノ、バイオリン、更には塾通い・・・土日は子供の将来のためとして、これらの送り迎えなど土日もゆっくりできない両親。そして然るべく学校に入り、やがて一種の孵化設備から脱して世の中に放流される。でもその放流先はよく似た人が集まって入る会社や組織という次の養殖場だったりして。そこで泳いでいるうちに淘汰される一方で全体組織の質からも影響をうけ金太郎飴的質が養生されてダイバシティは失われる。定年後に本当の放流がなされた途端に戸惑う。昔“濡れ落ち葉”の言葉があった。定年後何もすることなく奥さんに何かと付きまとう哀れな亭主をさしていた。商店街で小さなお店を持ち、たとえ経済的に恵まれていなくても明るく夫婦で支え合って暮らしている風景を羨ましく思う。

社会の流れがそうだから、我が社も主流になりそうな動きに乗り遅れないようにと飛びついたBEV一本槍はどうか。ディーゼル燃費不正がバレ、BEVという乗り合い船団的仕掛けを作り、急いで乗り始めた。だがBEVを進めたとしても自国の利益につながらないばかりか労働環境悪化につながるとわかり始めた。ウクライナ案件がトドメを刺した形でドイツが船団から離れ始めた。同調してイタリアも。BEVオンリーでは電力事情やインフラ整備が未十分なアフリカ・その他の地域に対するビジネスチャンスを放棄する形になる。彼らからみたらHEV・FCVおまけに水素エンジンとダイバシティ方針のトヨタが完全に掌握するのは具合が悪いと気がついたからでもあろう。

笑ってはいられない。日本国内を長期的に眺めるならば確実なのは人口減少である。

農業・工業・一部サービスはロボットやAIで補うことができるが、人の生活・特に移動手段については深刻であろう。現在の人口は1億2000万人だが2045年には2,000万人減少。地域別で増加するのは東京0.7%増のみ。減少率の大きい県は

秋田-41.2%         青森-36.9%         山形-32.1%         高知-31.9%         福島-31.4%

岩手-31.3%         大分-30.5%         徳島-29.3%         和歌山-29.2%     山梨-28.9%

驚くべきである。この地域の中において、さらに過疎地域において鉄道は廃止の憂き目になり、乗り物が存在しているかも疑って方針を決めることになりそうだ。少なくともBEVではなさそうだし、給油所も少ない、水素ステーションも少ない。乗合タクシーが稼働し始めているがが、ショッピングセンターも人口減により寂れるとなると生活の質=生きがいにも繋がる。複数県統合すれば却って過疎化が進行しかねない厄介な問題。

過去の事例踏襲(例えば産業都市政策)は取れない。従来の教育、会社生活の中で共通としてインプットされた(一種の情報教育の放流・育成)だけでは正解とはならない。

先日、米国の大学に留学され帰国後は旧帝大の教授になられた人と雑談した。留学された大学の研究室において後継者を選ぶときは、他大学から招聘するとのこと。いわゆる子飼いの中から指名すると、選んで頂いた教授を超えられないとのこと。そうやってダイバシティを維持しているのかと納得した。日本企業のサラリーマン社長の継承パターンとは真逆で弊害を時々見るだけに新鮮に聞こえた。

顔パス・新QR ・新タグ

以前に大阪の企業で入館の際に顔認証システムを試行のニュースがあったと思ったら早速JR大阪で実用化された。今のところは定期のみの運用で、そのためには顔写真を送付して許可されることが前提。昔は歩く速度が東京より速く、それが商都の勲章的なところがあった。開発したメーカーが大阪であり、実用化に踏み切ったのも大阪。なんとなく分かる。

今の東京ではシニアのノロノロが律速に加えて若者の携帯歩行により以前より格段に遅い。シニアのノロノロの理由は日がな1日をゆっくり過ごすには適しているからでもあるとして、歩行時に若者が瞬時を惜しんで漫画をスマホで読まなくてもと思うのは筆者だけではないと思うがどうだろう。

さて、元に戻って“顔パス”と仮称。しっくりくる名前。会社では以前は守衛さんが社員の顔を覚えていたのを置き換えただけ?とシニアがいえば、それは単独ビルオフィスの話で今は数社が入居しているから、そうはいかない。反社の人を社員が関わることなく拒否できることも採用の理由だろうか。顔パス・指紋認証などでDXするのは理解できる。社員でない訪問者は従来、受付で用紙に記入して担当者への連絡をお願いするのが普通だった。東京大改造の流れの中でITインフラの整った新設超高層ビルに集中している。自社ビルの建て替えまでの仮オフィス利用のケースも多々ある。入居社の数だけ受付が共通フロアにひしめく状態になるが実際はそうはなっていない。

訪問者がオフィスに入るやり方の一つにQRコードをゲートに当ててバーを開ける方式をとっているビルがある。その会社とはコロナ渦中は訪問することなく、訪問再開と思いきや知らない間に移転しており、QRコード方式が採用されていた。ビルのメインフロアーには訪問先の受付がない。事前に訪問をPCやスマホで約束すると、先方から入館証QRコード発行するナンバーが送付されてくる。メインフロアーにあるQR発行装置に数字をインプットし入館証を受け取る。その入館証をセキリティゲートの読み取り部にあて入館する仕組みとなっている。高層ビルを共用している会社ごとの受付はあるが、QRコード発行と同時に訪問相手のスマホに連絡が届き、受付で待っていただくスタイルなのだ。スムーズな流れである。DXの一端であり防犯も兼ねている。以前なら記入しながら受付の人と会話することができたが、それがないのはちょっと残念だが。

ビックサイトでグリーンファクトリーDXなど8種類の展示会があり、NEC、iProなど数社が顔認証システムを発表していた。多くの人が集まるような場所において特定の人を認識するところまで来ているようだ。指名手配の顔をポスターに貼っている時代が昔はあったなぁ〜との会話がもうすぐ来る。会社訪問において顔が登録されていない場合は上記のようにQRコードにて初回は入館するシステムとなっている。そのQRコードはよく知られている。非常に便利でいちいちhttps;//******と打ち込まなくても即刻アクセスできる。好きか嫌いではなく使わざるを得ない状況になっている。定食屋でも注文できない。これがデンソーの技術者が考案したとは予想外。カンバンシステムの中で効率よく資材及び製品管理のために開発をしたものと思う。これが製品のサプライチェーンが連続して可視化できるツールまでなっているのには感心する。製品によってはQRコードのサイズが合わないこともあり長方形の形も登場している。

ここで、今回の展示会で『えっ?!』と思うブースに目が行った。そこでは現行のQRコードを複写してよからぬことをすることを防止するとして、新型QRを発表。小さな記録面に細緻なQR情報を印刷することで、複写をしても複写機解像度及びトナーのサイズ制約もあるのだろう、再現はできない仕組みとなっている。また、別の展示会では産総研が導電フィラーインクを対向電極間に印刷し、導通確率50%のランダム導通パターンを印刷するタグを発表。具体的には下の図を参照されたい。

日曜日のお天気に誘われて散歩。途中の横浜税関の展示ブースに立ち寄った。模倣品との比較を展示していたが、さっぱりわからない。プロが目利きしているとしても、漏れなく真贋判定するには今回の新QRコードは役に立つのではなかろうか。

尚 コスモサインのオフィスはこじんまりしているが、スタッフの明るく笑いが絶えない雰囲気が漂っている。昨年秋に近くのビルにアネックスをオープン。面談はもちろんBiomicステインの作業やAGTシンタリングファーネス新製品ポーセレンファーネスも設置し、ステイン品の焼成も可能となっている。皆様との情報共有など“揺らぎ+笑の大事さもあり「フード担当が皆様のお越しをお待ちしています」とのこと。是非お出かけ下さい。勿論 大事なお客さまのお顔は脳内QRコードにインプットされていますので”自動顔パス“です。

5G庶民感覚

確かに携帯がないと不便ではあるが、歩きスマホもせず、電車でずっと画面を見るようなこととは無縁だけに機種変更には興味がなかった。たまたま量販店にプリンターのインク購入のついでに、携帯電話会社のブースをブラブラ。最新機種ではカメラの性能が良いのだとか通信速度が速いとか・・それはわかっている。だからといって機種変までは気がすすまなかった。

だが・・・素人の落とし穴を店員さんに見抜かれてしまった。「満充になってから電源を外さず放置していることありませんか? 頻繁に充電することありませんか? 充電しながら利用したことありませんか?」 そう言われる根拠は何? 充電メーターでは100%充電となっているから問題はないはず・・・。それが間違いだと指摘されて、大学時代の電気化学講義を思い出した。電池の劣化度に於ける充電率が100%を示しているに過ぎなく、劣化度が80になれば事実上利用が厳しい。

実際チェックすると90%を切りそうな雰囲気。そうなると鈍い頭でも機種変更を考えないといけないなぁ・・・・となっていたが、そうはいっても費用対効果を考えると躊躇していた。

かくなる潜在意識がある中、事件が起こった。今使っているキャリアの関連会社を名乗る人物から夜8時ごろ固定電話。「契約者のお名前は間違いありませんか?年齢が**以下なら光通信費用がディスカウントすることになったので、年齢の確認をさせて下さい」と。

出だしから怪しい。携帯電話契約の書類があれば直接携帯に電話をするはずなのに、固定電話にかけてきた。サービス契約書には生年月日が記載されているので、わざわざ確認する必要がない。間違いなく新種のオレオレ詐欺だろうと判断した。

対象とは違うと3回伝えても粘る相手。いや値引きがあろうが興味ありません!と拒否したところ、男は何も言わず電話を切った。翌日確認をすると、値引きの案件と年齢の案件は別物であることがわかり、詐欺的行為の手の内とはこんなものかと分かった。

さて、かくなる事件が起きたことで、この本物のキャリア会社には申し訳ないがこの回線を使う気が減衰した。重い腰をあげて機種変更とキャリア変更をすることにした。

一年前から断捨離として生命保険の見直し、使用頻度が低い割に年会費とプライドが高いカード、効果があるのか不明な健康ドラッグ類の見直しをやってきたが、切り替えが億劫だが携帯費用もバカにならないので、この際見直すことにした。

現在では機種変更イコール4Gから5Gへの乗り換えになる。

5G,6Gの世界は理解しているつもりだが、庶民の暮らしにおいて通信遅延時間の短縮は関係がなさそう。遠隔操作による離島の手術サポートなど社会インフラとして必要であるとの理解のもと5G基地局の整備がなされているのは知っている。

先月だったか記憶が定かでないが、NHKが報じたニュースがあった。それは通行人が突然倒れたとして、そばにいた人が救急車を要請すると消防局からの通信で画像を共有して緊急処置を指導するシステムが全国25都道府県で実施されていると報じた。通信速度と容量が大きい方が良いのはわかる。翌日、川崎ラゾーナに所用で行ったときに防災展をやっていたので、消防ブースでこのことを確認した。二人の署員は口を揃えて「初めて聞いた。ホント?」。驚いたのは当方。インフラが進まなければ庶民にとって5G利用は先になりそう。

3Gは廃止され、やがて4Gもその流れでなくなる。庶民はそれに従うだけ。画質が良くなる、大容量のDLが瞬時に可能と言っても具体的にはDL時間より脳の遅延時間が問題であり、テレワークも徐々に元に戻りつつある中、本当に必要の疑問が正直なところ。

話は転じて会社間のメールに対する返信が早い・遅いは社会に於ける会社のレベルと概ねあっていると思っている。返信の遅い会社は社内情報伝達の仕組みが旧態然で社会のスピードに乗らなくても問題はないと考えているのでは?とみる。ここに無頓着な会社が日本には案外多くビジネスチャンスを逃しかねない。いや無頓着は言い過ぎで「完璧な返信をするには時間がかかる。だから遅くなる」が本当かも知れないが、「メールを見た。いつまでに返信する」と返信する人や会社はあまりいない。

この説に従うと庶民レベルでも今は5G,6Gは関係がない・・・と言っていることこそ「遅れてる・・」と判断されかねない。今のところ何を持って判断するのか分からないが、何が利用できそうかと見る目だけは持たないといけないと思う。

(実はこのブログは4Gから5Gへの機種変更手続きの間に書いた。結果として波に乗れない文章となってしまった。いつものブログもそうだとの声が聞こえそうだが)

蒸気機関車とコーヒー

やや固い話題が続いたので、今回はコーヒーを飲みながらの息抜きブログです。

皆さんはエスプレッソがお好きですか? 本格的に高圧スチームでコーヒー粉からエキスを抽出する。カップに注いだ後で泡立てたミルクで表面にハートマークやパンダなど模様を描いて提供されるラテも人気がある。熱いこともあるが、せっかくの模様を壊して飲むには速度が遅くなる。

お店と略同じ性能の家庭用マシンは18万円前後とあって到底手が届かない。いや6万円であるよと言われても、それも手が届かない。そんなとき3,000円前後で買えるイタリアのビアレッティ(モカ)で大外れではないができる。と書いたが念の為お店を訪れると6,000円。蒸気でコーヒーを抽出する原理とはいえ価格も上昇しなくても・・・と冗談の一つも言いたいところ。

コーヒーの淹れ方の多くは豆を挽き、濾過装置のサーバーにいれてお湯を注ぎ抽出濾過するのに対して、ビアレッティは 下部容器に水またはお湯を入れ、コンロの直火で加熱。下部容器の上部にメッシュと濾紙を設えコーヒー粉を充填して水蒸気を通過させる。装置の頂点で濾液(エスプレッソ)が得られる仕組みである。お湯の沸騰準密閉容器内圧力は高くても+0.2~0.4気圧程度なので、本格装置の10気圧には到底及ばない。それでもエスプレッソもどきは得られる。ハートマークを描くと、それだけでテーブルで待っている家族・友人はわぁ〜と驚く、その様もコーヒーの一つの楽しみ方だ。

気楽にと言いつつ、ミルクの泡立ても化学屋らしい見方をしてしまう。ミルクに砂糖を2%ほど加え55〜60℃に加熱し高速攪拌機で泡立てる。甘味もあるが砂糖の分子によるミルクのタンパク質との相互作用(見かけの擬架橋もどき?が形成されていると想像しているが)起泡性と気泡の安定性に関係するからでもある。さらにカップに注ぐときはカフェオレもラテも最初はカップから高い位置からミルクを落とすが、流動する時の剪断と重量により消泡しコーヒーよりミルクの比重が高いためにカップの底に沈む。ついで、カップの淵からミルクを流し込むと剪断速度が極めて遅いため消泡することなく表面に浮かぶ。計算が得意な人は泡のサイズ=内圧と外からの剪断で消泡現象がどの速度でクリティカルになるか式を作れるはずだ。できたら教えて欲しい。膜厚など必要なパラメーターも加えて。

タイトルの蒸気機関車が一向に出てこない! だが感が鋭い皆様ならお分かりの通り、蒸気で抽出する方法は19世紀の蒸気機関車の実用化に始まり、それまでのコーヒー粉を鍋で煮詰める方法などから変化したことに深く関係しているからである。サイフォン方式もアルコールランプで加熱され内圧が高くなり上の容器にお湯がいき抽出する仕組みで広い範囲で蒸気機関車に触発された抽出とも言える。

ご家庭では圧力釜の1つや2つはあるはずだが、慣れていない男にとっては圧力調整弁からのシュッシューと音が出始めると気が気でない。釜の1/3を超えるほどに内容物があると噴き出すトラブルがあるからだ。友人は吹き出して天井に張り付いて後の掃除が大変だった、その事件以後は圧力釜も普通の鍋として利用しているとのこと。このビアレッティにも過剰加圧防止はあるものの、本当のところはドキドキ物ではある。

コーヒーの淹れ方も、忙しい人向けには自動抽出やサーバーの上部に一度にお湯を注ぐと徐々に点滴注湯できる器具などある。だが、ゆっくりするときは昔ながらのサイフォンが好ましい。茶店でみる機会は少なくなった。学生の頃はサイフォンの前で講座の助手と話をしながら過ごしたあの風景が思い出される。時効だから言えば、その助手にはお気に入りのママさんがおられたことで、当方はそれに利用されていることはわかっていた。マイルスデービスがどうのこうのとか、コルトレーンのあれが好きだとか、知ったかぶりのJAZZ談義するうちにコーヒーが仕上がりいただく。今流行りのドヤスタバはなかった。のんびりしたモノだった。

これからのコーヒーの淹れ方も技術の進歩とともに変化するだろう。筆者が想像するに亞臨界か超臨界抽出、抽出後の濾液のカラム分離によるテイストの調節などが起こるのではなかろうか? いかにも化学実験室のようでは味気ないので、そこは芸術家の人々が活躍してくれるだろう。蒸気機関車が発明してエスプレッソ。今は電磁石で電車が浮く時代ならば、どのようなことになるのか? 淹れたてのコーヒーを電車に持ち込みゆっくり考えてみよう。

シンギュラリティの入り口気分

京都の友人からリスクリングなんて英語をなぜ使うのかなぁ?と問いかけがあった。日本は経済、医学、科学、その他文化において外国語を的確な日本語に置き換えることで国民に周知することができ成長してきた。それを踏まえずに役所はカッコいいと思って作ったと思うが、再学習であると分からない人にとっては機会損失リスクの(risk-ring)だろうねと答えた。座布団3枚のお返しがあった。

これは笑えるとしても、さて何を再学習するのだろうか? それこそシンギュラリティが迫っているというのに。またここでも英語だ。だいたいこの言葉がしっくりこない日本人代表が筆者だ。日本人は言語面の原因もあり、世界の蚊帳の外に置かれているとも識者は言う。Webによると技術的特異点で人間と人工知能の臨界点を指す言葉とある。DXなど話題がここ3年で良く目にする。ホワイトサラリーマンの職業はことごとく人工知能にとって代わられるとのことなので、子供、孫の職業に影響するだけに、無頓着ではいられない。

さりながら身近に出来事が起きないと肌感覚ですら感じないのが正直なところ。そんな時にこの1週間で経験したことを次に紹介する。

パソコンmacのOSをバージョンアップすべくDLした。次にパスワードを要求されたが動かない。パスワード記録帳を確認しても間違いがない。確定申告のICカード読み取り装置と連携させないと間に合わない。macサポートのあるショップに出かけた。「以前はお客様のパソコンを一緒に操作しながら解決したのですが、今は個人情報の関係でできないです。申し訳ない。電話相談があります」。そうか時代が変わったのなら是非もない。早速、電話相談すると再起動してくださいのみでダメ。チャットではそれ以上なら有償で教えるとのことで申し込むと「少しお待ちください」表示が14時間点灯。待ちに待った答えがパスワード変更方法のみ。早速トライしたがダメ。あぁ〜DLするんじゃなかった〜と反省するも手遅れ。PINコードを試しに入れたら動き始めた。動いたから良かったが、なぜかが分からない。

前回は遊びで使ったChatGPTに今回は本気でなぜか?と質問すると非常に丁寧な回答があり納得。Microsoft支援企業のOpen AIなのにmacの連中より詳しいし、無料かつ丁寧。何のことはない、数多ある情報を拾ってくる速度・精度が人間を超えているのだ。上記に紹介したサポート業務はなくなるだろう。どのような回答だったかmac OSで困っている人がおられるだろうとして末尾に紹介する。

さて、身近なところでシンギュラリティと言えないが入り口にはタッチした気分になったので、色々考えた。

今のコンピューターであればオープンソースを利用してネタを代入すれば論文や特許などの文章作成は多分5分程度で大凡はできるだろう。 論文を査読する方も、拒絶理由を考える特許庁もそれで対処するかも知れない。

例えばクリエイティプネタの論文3、特許を5件持っていれば博士号論文提出は1ヶ月で十分な時代になったとも言える。実験ノートにクリエイティブ案件を記入した瞬間以前の文献・特許・公知情報に対して新規であることが証明される必要がある。論文提出時の情報では瞬間に更新されており無効となる危険もある。それほど情報の移動が速いと覚悟しないといけない。知的財産権も然り。

量子コンピューターがいよいよ実用化してきた。現行のパソコンを数台繋げたコンピューターでも人は追いつけないのに、量子コンピューターでは到底人類は追いつけない。では何が職業として残るのか、基本は体力を使う業務(スポーツも含む)、ロボットを巧みに稼働させる労働(危険な現場、介護、警護)、体力とスキル知識が必要な医者(歯科医)だろう。DXやシンギュラリティで疲れた人を癒す精神科医は生き残る。

そして、技術面ではそんな馬鹿なぁ〜!!と驚くようなことを発想し挫けずにトライする者が生き残る時代になった。 そのような人材を抱える資本家と現在のクレージー技術者などを活かせる時代。それが意外にも早く来そうだ。

時代においてクレイジーと言われ、時には排そ対象にもなったこともあるイノベーションが時間をおいて認められた歴史を考えると、今でこそシンギュラリティの新しい言葉で表現されるものの、実は通底するものは共通している。但し、その速度があまりに速い。それも楽しみに利用する側に立って挑戦するか否か我々が問われている。