2023年 1月 の投稿一覧

街頭インタビュー

カメラとマイクを持った二人の男が閑散とした広場を歩いていた筆者との距離を縮めてきた。

「○○TVです。金利についてどう思いますか?」とマイクを口元に。どのような答えを待っているかは自明の理。いきなりの質問に対しては日頃感じていることを口にするのが普通。

「いや〜物価の値上がりに加えてのローン金利のダブルパンチでは生活できない。厳しいです。実際にスーパーの値引き時間に行くとか、それでも副菜が減ってきた。暖房費も始末しないといけないので最終的に健康も心配」と言えばTVマンは満足するのだろう。

しかし捕まえられた男は(カメラに撮られるのを避けることもあり)彼らから見て的外れの返答をした。米国の深刻なインフレ、欧州のドタバタなどグローバルな事情から話を起こして、次に国としてのあるべき姿、企業として、そして国民の生活についての各ケースについて話を始めたのである。短い放映尺の中で入りそうもない。まして内容もTVが採用するはずがない。

しかしながら、マイナス情報をいくら集めてもプラスにはならない。情報には分布があって然るべきである。情報の質・内容における分布を整理することで、まずは中心ゾーン1シグマに対する対策を提示する。そんなマスメディアであって欲しい。国民は金利に加えての増税に関心があるはずで、トータルでの意見集約が好ましいと思った。あのデフレの原因を作った金利+増税=成長しない唯一の国と揶揄された30年には癖壁しているのが実態ではなかろうか。

話を戻して金利0.5%ぐらいは調整幅として捉え、世界が混乱している間に日本らしさを活かした技術開発を推進し、過ぎてみれば日本の一人勝ちになるようにすべきである。そのための政府がやるべきことは大きいし、企業も従業員の給与アップをしつつも耐えて新規ドメイン開拓をすべきであるとは強調しておいた。TV編集では残らないだろう。

年末に読んだ橘玲さんのベストセラー「バカと無知」に照らし合わせて見ると、放映の中で自分よりも悲惨だなぁ〜と溜飲を下げることで暫定幸せを感じさせるようなものかも知れない。

筆者のコメントが放映されたとしても恐らく視聴者は見抜くであろう。「あのような発言は本音の裏返しである。本当は冒頭の用意された答えと同じなんだろう」と。一見きらびやかに振る舞う人々がいる。だが実態は違うだろうと読み取るものだ。つい最近の東京地検ガサ入れ事例もこのケースにあたるだろう

実は今は大きなチャンスだと思う。

COP25のパリ協定では地球の温度上昇範囲を1.5℃以下と決めた。だが、ウクライナ侵攻によりロシアからの天然ガスがストップするや火力発電・原電廃止の声だかの国はやむを得ないとして古い火力発電を稼働させ、ついにCOP27では1.5℃は再確認されなかった。開発途上国の先進国から金よこせの交渉の場に変説した。他国は2050カーボンニュートラルゼロができもしないのに宣言し、つられて日本もした。しかし日本の取り組みは真面目である。ファンタメンタル技術が揃っているから達成できる可能性があると思われる。

新聞社、TVの街頭インタビューは3年間に3回。コロナワクチン、東京オリンピック、そして今回の金利。風貌・体型から生活感が“並” “少なくとも1σ(68%)内”だからだろう。知り合いから、以前ブログに道をよく尋ねられることを書いていましたね。あれと同じでは?と言われた。この指摘は鋭い。一本取られた。(笑)

レアメタルから見たBEV vs.エンジン

岡田真澄という容姿端麗なフランス生まれの俳優がいた。駐車場がなかなか見つからない時に子供に言った。「あの歩いている人は駐車場が見つかった人なんだよ」と。クルマ保有率が今ほどでない時代の話。何を言わんとするかはお分かりの通り。

これを現在に置き換えてみると「EVに乗っているのは、戸建で自動車を2台所有している人なんだよ」となる。遠出や降雪時にはガソリン車かハイブリッド車とし、近くの買い物など近距離にはBEV(バッテリー電気自動車)と2台を持つことでBEVが巷間言われる充電設備不足、充電時間が長い、運転距離が短いなど指摘されるような短所とは関係がないクルマの使い方となる。(全個体電池の充電時間は1/3の見込みで開発中)。

遠出は滅多にないのでガソリン燃焼によるCO2は無視できるほどであり使用頻度の多い近距離ではBEV使用で(運転時の)環境に貢献だ。となる。筆者には2台おけるスペースも200V電源がないが、散歩がてらに近くの日産のショールームで話題のサクラを見た。受注再開のお知らせとともにリチウム値上げによる価格改定がなされていた。軽自動車のサクラ(上級クラス)は300万円越え。隣に展示してあるリーフは100万円値上げで580万円。

驚くか驚かないかは読者の懐事情にあるので、ここでは言及しない。EV先駆の日産のみならず後発BEVメーカーは押し並べてそうなのだろう。先の定義に付け加えるなら「経済的に余裕があるか、補助金を地方より多く出せる東京都の住人」であることになる。

リチウムの場合は灌水から 塩化カリウムを生産する際の副産物として生産される場合と, リチア輝石から主産物として生産される。前者がチリ、後者が中国である。携帯などのリチウム電池対応には200年の埋蔵量があると言われていたが、さて爆食いのBEVとなるとどうなるかわからない。 理由の一つが埋蔵地=生産地とはならない。図参照(表面技術 東大・野瀬、阿部 2012)。政治的、環境意識レベルによりサプライチェーン及び量は変わることに留意する必要がある

リチウムより一緒に使用されるコバルトの方が先に枯渇するかも知れない。だったら両方とも市中鉱山(携帯やBEV)からリサイクル回収すれば良いではないかと思われるが、電池の使用量増加率がリサイクル率を圧倒している場合は、それも寄与しない。

それで思い出したのがインジウム(In)である。スマホの表面を指でなぞらえると画面が動いたり、拡大するのはスマホの画面に導電性のインジウムが塗布されているからである。

液晶TV画面が大きくなるにつれ、このインジウムは枯渇するのではないかとして、業界がざわついたことがあった。対策としてCNT(カーボンナノチューブ)を配合した導電フィルムで代替できるとして新規ビジネスを謳った企業があった。目には見えないナノサイズなので透視できる。でもインジウムに比較するとやや暗い印象はあった。

やがてインジウムは鉱石として亜鉛と一緒に採掘されるので、亜鉛を精錬すると副産物として得られるとわかって、価格も一段落したことがあった。鉱山に精通していないと少しの情報で右往左往するのが実体経済だと筆者もCNTの分散に少し関係しただけに、思い知った次第。

 

極めて楽天的に言えばリチウム埋蔵量の多くは海水にあるので、そこから取る技術・経済的に成立すれば安泰であるが現実は遠い先の話。

イーロンマスクはテスラを大幅に値下げしたのは、まさか海水をあてにしてはいない。利益が出過ぎている段階で雨後の筍のように輩出するBEVメーカーを脱落させ、逆にリチウムを独占できることを狙ったのではないかと筆者は推定している。どの業界でも3位までは利益確保できるが、4番目は踊り場、5番目以下は余程の技術的優位がないと厳しい。技術がなければ地獄。モーターと電池さえつければBEV的なメーカーはいずれ姿を消すであろう。

BEV反対派の人は採掘からバッテリー製造時までのCO2発生はガソリン車より多い説を言われるが、その採掘における環境破壊分を算入できているかどうか公開されていない。更に上回ることもあり得る。なんとなくBEVが環境に良さそう的なオーラを振り撒きながら補助金政策でEVを(本音は別にありそうだが)推進してきた欧州メーカー。

その一方で最近は欧州のユーザーはハイブリッド購入比率が高くなり、日本ではなんとなく水素エンジンが良さそう的な動きが出てきた。このブログでも掲載したが、トヨタの水素エンジン搭載カローラ(ヤリスエンジン)のレーシング走行や、川重、ホンダ、ヤマハ、スズキのバイクメーカーも水素利用の共同研究歩調を取り始めたことも大きい。話は飛躍するが製鉄におけるコークス+水素で実質CO2ゼロの製法を開発した神戸製鋼はスゥエーデンから受注。いずれ火力発電にも水素が利用されると、石炭+水素発電→送電→BEV となり火力発電の電力使用のBEVは少し負担が少なくなる。だが、水素直噴エンジンがトータルのエネルギー効率は高いので有利には変わらない。

今回はレアメタルの面から眺めているので、BEV,HEV,エンジン車に利用されているレアメタルを超アバウトで纏めると以下の通り。

 

 

 

 

 

冒頭の岡田真澄は何かのTV番組でアイロン掛けを披露したことがあった。霧吹きが良いのか、腕が良いのかわからないが、見事な出来栄えだった。あの手順は非常に参考になり筆者も真似をしているが、イケメンだからサマになるが、当方は全く当てはまらない。フランス時代の家族経済事情の経験からモノを楽しく大事にされていることだとは思う。日本のエンジンであれば20年楽勝〜40年は稼働する。水素エンジン車が普及した時を想像すると40年モノビンテージ車をカッコ良く乗りこなす、モノと環境を大事にする日本。それが美しいとは思いませんか。

アルツハイマー治療薬ニュース

今週のbreaking newsはエーザイによるアルツハイマー病に対する治療薬レカネマブがFDAより迅速承認を得たことだった。脳内ゴミであるアミロイドβプラークの減少を示した臨床試験に基づいたもので、軽度の症状に効果があるとのこと。

あれ?と思った人も多いのではないだろうか、筆者もその一人。確か3年前にアデュカヌマブがアミロイドβ減少に効果があると発表されたのを記憶している。当時は臨床試験など条件付きであったが、(今回の発表の後追いで調べると)申請取り下げがなされていた。アデュカヌマブの発表当時の株価は4000円前後から一気に1万円を突破したことを覚えており、アルツハイマー病に対する期待は大きいと思った。1月6日FDA発表を前に株が売られ、ひょっとしたらFDAの結果は思わしくないのかな? それとも値上がり前の利益確定の売りなのか?と当方株を所有していないのに余計なことを考えていた。

それにしても医薬品の名前はスッと覚えられない。LEQEMBI™(レカネマブ) スペルの何処が『ネ』なんだ。と言っているうちはアルツハイマー病ではないとしておくことにする。(まるで一人漫才的ではあるが)

人の名前が思い出せないことが多くなった。同年輩の人との会話がそれこそ漫才的であり「あぁ あの人、あれが・・」「そこ、それが問題、で・・」これで相互には話が通じているが、お互い「あの人の名前」が出てこない症状。言い訳をすると行動範囲が昭和のころより格段に広く、記憶すべき人の数は多く、悪いことにパソコン、スマホに頼ることができることも一因であろう。

そこで人の名前が出ない症状と認知症とは何処が違うか元資料(慈恵医科大・繁田氏)を引用した。名前が出ないのは加齢による脳の劣化で、ヒントがあれば思いだすことができる。とのことでひとまず安心。だが、軽度・及び認知の症状について記載があるのでご家族・周囲に方に該当する人がおられるか参考にして下さい。

 

65歳以上では7人に1人はこの範疇に属するとあるので油断はできない。75歳以上の後期高齢者が25%を占める時が迫っている。90歳になると女性は9割、男性は4割が認知。この差がなんなのか気になる。男性で90歳まで生存の母集団が小さいので明確に原因は言えないが、女性より肉体を駆使した労働に従事したとか、逆に女性は朝早くから夜遅くまで家事労働で睡眠時間が少なかったのが悪影響しているのかなどヒントはあるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのような時に実に面白い研究発表があったので紹介する。群馬大学が1月6日にリリース。タイトルは

「低糖質・高タンパク質食生活で作業記憶能が低下-海馬の健康と食生活の関係を示唆」

低糖質・高タンパク質の食事は肥満・糖尿病患者に検討されたものであるが、健康な人にとってはどうなのかを調べた。詳細は日本の研究.comを参照願いたい。ネズミの作業記憶による評価であり人にとって同一か否かまでは言及していないが、健康な人にとっては警鐘になるのではなかろうか。文献では脳の海馬におけるDcx mRNA量やIgf-1r mRNA量との関連付けがなされているので参照されることをお勧めします。「このLC-HP食摂取は、作業記憶に関わる海馬においてDcx mRNAやIgf-1r mRNA の発現を低下させることがわかりました。これらのことから、LC-HP食摂取による作業記憶の低下は、海馬の神経可塑性の低下により生じる可能性が示唆されました。」

 

 

 

 

 

と要約が記載されています。スーパーのコーナーにプロティン食品がデカデカと陳列されているのを見る。シックスパックを夢見る人ならありうるが、その摂取には要注意かも知れない文献だ。我が身の腹は6どころか見事なワンパック。それもヨシとするか。

豪雪(報道)に思う

2023年明けましておめでとうございます。日本海側の皆様には豪雪により心身共に疲労するなかビジネスに勉学にスタートする今日は1月4日。ハンデを負いながらの故郷愛。頭が下がります。

サイエンスや工学はそれに応える必要がある。例年通りの降雪パターンであれば散水道路、面状発熱体の敷設工事など対策がなされてきた。今回は線上豪雪。ボクシング12ラウンドを例に挙げると、各ラウンドで1発食らっても立ち直れるが、1ラウンドに12発の連打を受ければノックアウトになる。今回の豪雪はそんなイメージだと思う。

豪雪地帯に存在する国立大学において豪雪に正面から取り組んだ例は少ない。筆者が覚えているのは新潟大学で(坪川教授親子)がグラフトカーボンを利用した面状発熱体を開発し道路に敷設し雪国救済だとして頑張っておられた。その新潟大学も2012年の特許1件で以後ない。

ついでに日本海に一部でも面している国立大学で融雪に関して特許出願を見ると

4件 福井大学、3件 北海道大学 1件 新潟大 以下0件 弘前大学 秋田大学、山形大学、富山大学 金沢大学 京都大 神戸大学 鳥取大学、島根大学

大学を責めるつもりはない、責められるべきは予算配分が極めて少なく、科研費を申請しても深い理解をしない文科省であろう。科研費を獲得できないと1講座平均年間7〜10万程度で何かやれという方が無理筋である。出願の事例を見ても大学単独での出願より企業とのコワークの結果としての共同出願である。豪雪を取り上げない政治家は何をしているのかと。冬という喉元過ぎれば豪雪はなかったような大局観のない政治家は要らない。むしろこれは経済成長の大きな要因であるとして議員立法を目指すべきであろう。コロナ患者が豪雪で病院に移送できないなど事例がでないと動かないのかも知れないが。

昔のことなので名前を出しても問題はないとして紹介すると、河野一郎大臣(今の河野太郎さんの祖父)が自衛隊の火炎放射器ですぐに豪雪は消えるとして派遣したことがあった。

少なくとも雪害を意識されての発言であり行動だった。これは良い意味で理解される。ただ実際火炎放射したが10分後に隊員はスコップを握りしめていた。現場感のない役人が情報を入れなかったのだろう。年中好天気湘南の代議士が日本海豪雪を想像するのは難しい。今も報道姿勢は大変大変と言うだけに終わっている。

これは実際のビジネスでも笑えない。相手の事情を熟知した上で説明資料を用意しないと一方通行で終わる。リモートよりリアル面談の価値があると感じたビジネスマンは多いはず。何より相手の顔の様子、話すリズムの振動と共振することで、良い面談になることに改めて気がついた。

さて、個人の積雪対策はこまめな雪かき作業。だが子供〜10代に経験した人は長じて(それも老齢になって)体力があり、肉体的年齢は若いのではなかろうか。それが雪の精のプレゼントだと受け取って頑張ってください。