豪雪(報道)に思う

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2023年明けましておめでとうございます。日本海側の皆様には豪雪により心身共に疲労するなかビジネスに勉学にスタートする今日は1月4日。ハンデを負いながらの故郷愛。頭が下がります。

サイエンスや工学はそれに応える必要がある。例年通りの降雪パターンであれば散水道路、面状発熱体の敷設工事など対策がなされてきた。今回は線上豪雪。ボクシング12ラウンドを例に挙げると、各ラウンドで1発食らっても立ち直れるが、1ラウンドに12発の連打を受ければノックアウトになる。今回の豪雪はそんなイメージだと思う。

豪雪地帯に存在する国立大学において豪雪に正面から取り組んだ例は少ない。筆者が覚えているのは新潟大学で(坪川教授親子)がグラフトカーボンを利用した面状発熱体を開発し道路に敷設し雪国救済だとして頑張っておられた。その新潟大学も2012年の特許1件で以後ない。

ついでに日本海に一部でも面している国立大学で融雪に関して特許出願を見ると

4件 福井大学、3件 北海道大学 1件 新潟大 以下0件 弘前大学 秋田大学、山形大学、富山大学 金沢大学 京都大 神戸大学 鳥取大学、島根大学

大学を責めるつもりはない、責められるべきは予算配分が極めて少なく、科研費を申請しても深い理解をしない文科省であろう。科研費を獲得できないと1講座平均年間7〜10万程度で何かやれという方が無理筋である。出願の事例を見ても大学単独での出願より企業とのコワークの結果としての共同出願である。豪雪を取り上げない政治家は何をしているのかと。冬という喉元過ぎれば豪雪はなかったような大局観のない政治家は要らない。むしろこれは経済成長の大きな要因であるとして議員立法を目指すべきであろう。コロナ患者が豪雪で病院に移送できないなど事例がでないと動かないのかも知れないが。

昔のことなので名前を出しても問題はないとして紹介すると、河野一郎大臣(今の河野太郎さんの祖父)が自衛隊の火炎放射器ですぐに豪雪は消えるとして派遣したことがあった。

少なくとも雪害を意識されての発言であり行動だった。これは良い意味で理解される。ただ実際火炎放射したが10分後に隊員はスコップを握りしめていた。現場感のない役人が情報を入れなかったのだろう。年中好天気湘南の代議士が日本海豪雪を想像するのは難しい。今も報道姿勢は大変大変と言うだけに終わっている。

これは実際のビジネスでも笑えない。相手の事情を熟知した上で説明資料を用意しないと一方通行で終わる。リモートよりリアル面談の価値があると感じたビジネスマンは多いはず。何より相手の顔の様子、話すリズムの振動と共振することで、良い面談になることに改めて気がついた。

さて、個人の積雪対策はこまめな雪かき作業。だが子供〜10代に経験した人は長じて(それも老齢になって)体力があり、肉体的年齢は若いのではなかろうか。それが雪の精のプレゼントだと受け取って頑張ってください。

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