2023年 10月 の投稿一覧

ATM振り込み手数料

日頃鈍い神経でも流石に驚いたのは10月1日からATM振替(法人)手数料の爆値上がり。同一銀行間は従来通りだが他行宛には330円から770円に変更。知らずに3万円を送金したところ受取証には770円記載されビックリ。金利にすれば2.6%。1000円を振り込むことはないが、その場合でも770円。

窓口振り込み依頼の金額と間違ったのだろう。いずれ精算しなくては、とそのときは思った。あとでWEBにて個人の場合の変更前、変更後の表が掲載されているのを知った。法人は見落とした。その後別案件で銀行に行き手数料について質問したところ、机の引き出しから印刷物を取り出してカクカクシカジカ。もう皆さんから批判轟々で大変です。中には支払いを2ヶ月、3ヶ月分まとめて送金する法人もいると銀行員の話。被害の連鎖反応が心配だ。

インターネット振り込みもするが、間違いがあっては取り返しがつかないので心臓に悪い。 大手銀行を名乗る本物と区別がつきにくいネット表示も結構ある。となるとATMも使う。そうこうするうちに10月10日から銀行間システム停止のトラブル。単純な頭脳は「苦情が殺到して混乱したのだ」と早合点。

トラブル原因は50年以上使用している自社内計算機(オンプレ)にメインフレームの電電公社時代(言語はコボル)システムが疲労の限界に来ているとのことらしい。修理するにも年配者に頼らざるを得ないとあって、熟練シニア技術者を集めるにも時間がかかったのではなかろうか。最終的にはユーザーに影響した。処理量が50年前と圧倒的に違うので素人目には勤続疲労と思う。

理工系の大学2年生になると一般的に数学が不得意な人が多い化学系においても化学工学の計算にフォートランやコボルを使い始める。(50年前の話) 高く聳える壁に四苦八苦していたことを思い出した。あの時に壁を乗り越えSEになった人は定年をとっくに過ぎている。トラブルの原因は技術継承断絶と新時代に切り替えができずに先延ばしにしてきた管理運営会社の責任感のなさであろう。

全銀システムには郵貯も含まれるので、このトラブルの場合には郵貯は銀行の補完にはならないが、手数料は圧倒的に安い。郵貯同士のATM振替では100円。比較的低額の場合は郵貯の活用が広がるような気がする。770円との差額でワンコイン軽食はいける。

都銀の場合、同一銀行同士とはいえ地方には殆どが政令都市にある程度。東北には仙台のみ。これでは地銀を選択せざるを得ない。融資の必要あれば都銀より地銀、信用金庫が便利だが、都銀から送金するには高額となる。

それを考えると貯金額を確認する程度であれば、どこにでもある郵貯が便利。今回の手数料値上げで再認識した。所有したことがないので新規開設を申し込んだ。今まで郵貯は奥様方の「へそくり通帳」だと思っていたが、男もすなる時代になったと言えば親戚に郵便関係者がいるだけに、やんわり諭されそうだ。

(余談だが化学もサイエンス。実験とカンピューターで成立したのは昭和まで。今は実験の前に量子化学、計算機化学を駆使した上で実験の流れなので数学嫌いでは務まらない。昭和時代の知識は生成AIにとって代わられつつある。)

音力発電

慶應義塾や阪神の応援団に味方? をするかもしれない発明が東大から発表。と書き出すと東大の野球部もたまには勝つ時があるとコンプレインがあるかも。音が電力に変換できることが9月1日プレスリリースされた。元の英文の文献には音によりLEDが点灯する、マスクを付けてしゃべることでマスクの先端に取り付けた小さなLEDが点滅するなど、音振動による発電の模様を見ることができるので是非チェックをされたい。

この発表を見て、記憶が定かではないが、圧力を電力に変換するシステムを慶應湘南キャンパスのメンバーが開発し、駅の自動改札口にシートをおいて発電を実証した。東京の桜橋か記憶が怪しいがトラック・自動車の走行により夜間の橋の照明を補填する試みもニュースになった。

踏む圧力と音圧は比較するまでもなく大きな差がある。冒頭の野球応援団で言えば、交互に立ったり座ったりする広島応援団のベンチは圧力変換シートで応援団の人数に依存するがこちらが明るいだろう。慶応は薄暮ゲームになりそうな時は「モリバヤシが足りない!」と大声を出すと明るいフィールとなるかも。阪神がAREを達したタイミングが甲子園であれば阪神・阪急電車は回生電力として利用できるので2度美味しい。そんな漫画のようだがどうなるか楽しみだ。

冗談は生真面目な東大に似合わないので、早速技術内容を見てみよう。超簡単に言えば圧電性のあるポリフッ化ビニリデン樹脂を用いナノファイバーを作成しナノメッシュ電極とサンドイッチしたものである。ナノファイバーの製造は電界紡糸法である。ナノファイバーの製造では以前から実施されているものである。特に福井大学繊維工学ではナイロンなどでナノファイバーを作成し、その表面を金、銀でメッキを施して殺菌、滅菌、ウエラブル導電衣服などの開発を実施していた。 溶融樹脂をノズルから押し出し電界を印加する。 おそらく、事業化には生産性に劣ることから、ノズル付き押出機から噴き出すメルトブローン方式になるのだろうと思われる。

タイトルは「世界最高電力密度の超薄型音力発電素子の開発に成功 ―会話や音楽、環境騒音など様々な音を利用した高効率の発電を可能に―」発表のポイントとして

  •  世界最高電力密度(8.2 W/m2)の超薄型音力発電素子の開発に成功した。
  •  この音力発電素子は、圧電材料を含む柔らかいナノファイバーシート 3 層から構成されており、総厚さは 50 マイクロメートルと極薄である。
  •  会話の音や周辺からの音楽といった環境音を用いて発電することが可能であるため、今後、モノのインターネット(IoT)やウェアラブル機器への様々な音を用いた電力供給が期待される。と記載されている。

 

発明には種類があるが、多くは既存技術+他分野技術+α の組み合わせであり、それぞれの組み合わせにおいて工夫をする。奇想天外新世界を突然発明することはごく僅か。その意味でこの発明は組み合わせの典型的事例だと思われる。工業的には電界溶融紡糸法はラボスケールであって、ここは既に市場でポリプロピレンのナノファイバを製造している企業があることのでプラスすることが好ましい。

大学でやるべきこと、企業がやるべきこと、双方が途中から組み合わせながら実用化を図る。それが特に地域に存在する大学に求められるのであろう。

なお、振動発電には圧電式、静電誘導式、そして電磁誘導式がある。電磁誘導は馴染みがあるのは永久磁石揺動(永久磁石の揺動により磁束が変化)、磁歪(磁性体内の磁束方向と応力により応答が変化)と面直磁界式があると 横浜国大の大竹准教授がJSTで発表している。これもミリ〜数Vまで対応、動作温度範囲が広いなど特徴があるとのこと。今後の発展に期待したい。

このブログを見て、いびき発電、寝返り発電で家計が賄えないかなぁと誰かの超嘆息が聞こえてきそうだが、笑い声発電が世の中をさらに明るくしてくれそうだ。

SDGs酒量とは

「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証」の文献を見た。(筑波大学2023/10/05)。 要旨の冒頭に「過剰なアルコール摂取は世界的な課題の一つで、国連の持続可能な達成目標(SDGs)にも含まれています。」とある。正直にいえば実は知らなかった。

日頃、SDGsといえば脱炭素が主役だけに意外だった。【目標3“すべての人に健康と福祉を”】に該当するとのこと。厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコール量約20g程度であるとされている。

思わず缶ビールのアルコール表示を見た。350ml 缶で15.4g。ということはSDGsを信望する人は1.3缶/日が上限となる。一週間まとめれば9本は飲めると勘違いしてはいけない。肝臓はアルコール・アルデヒド分解器官であり処理能力を超えると故障し健康に悪影響する。背広の胸にSDGsのバッチをつけている人は缶ビール1本で我慢しているのであれば立派。そうでないなら、そ〜っとバッチを外すだろう。

前置きはさておきポイントを抜粋。

参加者(123人)を2分。好みのアルコールをそれぞれ選択して12週間。一方には12週間の内3回ノンアルコールを提供。アルコールだけのグループには終了後にノンアルコールを提供する仕組み。(図参照)

この図を見ると (1)ノンアルコールを併用していたグループはアルコール量が減少しており、テスト期間が終了後はやや増えてはいるものの、概ね少量で推移している(2)期間中アルコールのみのグループは期間終了後にノンアルコールを提供されるとアルコール量は低下の傾向を示している。

両方から、この文献の言わんとする「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証」ことは分かった。

世界で初めてとは大袈裟な表現だと呑兵衛なら言いそうだ。初めの頃のブログでは民族により、日本でも地域によりアルデヒド分解能が異なることを書いた。アルコール限界量は個人差が大きい。アルコールバッチテストでの分類ができることが好ましいのではないだろうか。大過剰アルコールを無理に勧める習慣は消えつつあるが、依然として過剰レベル。とてもではないが20g/日で収まるレベルではない。

アルコール耐性のあるドイツでも日本のノンアルコールが歓迎されている光景を見た。ビールをアルコールと認識していない国民なので、ノンアルコールでもビールと同じ風味であれば受け入れているのかも知れない。ひょっとして本物より別の飲み物として利用されているのかも。日本の抹茶を買い求めるインバウンドを見ると彼の国の人もバリエーションを拡大してみたら美味しい飲み物を発見した・・そのようなことかも知れない。が結論は彼らの健康も促進していることから見ると大いに良い傾向である。

次の図はノンアルコール量とアルコール量の関係。ノンアルコール飲料が増加するにつれてアルコール量は減少している。

実に面白い。理由にはノンアルコール製造技術の進歩があり、アルコールの肴にも、それ以外の料理にもマッチングさせたこともあるだろう。

一方で面白くないのが財務省か。強かな財務省だけにご懸念に及ばぬようだ。2026年からビールも発泡酒、新ジャンルの酒税は一律35円に統一される。チューハイも発泡酒類として酒税がアップ(350mlで35円)。。。この流れで酒粕はもちろんノンアルコールも新ジャンルに知らず知らずの間に組み込まれるかも。そんなことはないだろうが、もしそれが通用するようならとてもその案は呑めない。

だが、なぜ節度ある適度な飲酒量なのか? 根拠はあるのは当然だろうが、最近、岡山大学からマウス段階ではあるが有益な研究が報告されている。(プレスリリース2023/6/29)「ノンアルコールビールを経口摂取したマウスでタバコに含まれる肺発癌物質に起因する肺腫瘍が有意に減少」

要旨は「マウス肺癌モデルにて、ノンアルコールビールやアルコールを除いたビールを餌に混ぜてマウスに食べさせておくと、肺発癌物質による肺悪性腫瘍の発症数が有意に減少し、うち約 2〜5 割(15 匹中 3〜8 匹)のマウスには悪性腫瘍が発生しなかったことを明らかにしました。」

このような研究があってのSDGsご指導があるのなら納得もするところではある。岡山大学の研究継続に期待したい。

灯台方式ビジネスの行方

9月29日から10月1日の3日間に亘ってワールドデンタルショーが横浜パシフィコ&ノースにて開催されました。コスモサイン・Aidite共催のブースにお越し頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。加藤社長をはじめ社員、関係者一同気持ちを新たに、皆様のご要望に応えられるべく精進してまいります。従来にも増して皆様のご指導を賜りますようお願い致します。

さて、

ビジネスのやり方に“灯台方式”がある。新規ビジネスを始めたらしいが、軌道に乗りそうなのかと模様ながめを決め込む。成功した会社が出た!となると(これが航海で頼りになる灯台として)資金力に任せて猛烈後追する。それが灯台方式。現在の自動車業界の灯台はテスラのBEV。CO2クレジットを買う立場と受け取る立場を考えれば当然とばかりに欧米をはじめ日本でさえ補助金政策をテコに推進している。これら強固な地盤の上に大型灯台が設置され明るい光を発している。一方のガソリンエンジン、ハイブリッド航路の灯台はやがて撤収するか自然崩壊する運命と予想して。

だが、待てよ。クルマって何?

クルマは「いつでも、どこでも、どこまでも、人と荷物を移動することができる構造体」の要素から成り立っていて、その価値に対して人は金を払う。次に安全運転、価格(含む下取り価格)、デザインがあり環境も要素に入った。だが環境だけで残りの条件を満たさない場合は市場性が低いのが一般的自由経済の原則。

いつでも :チャージ時間ネック、レアメタル枯渇

どこまでも:移動距離はバッテリー性能見合い

電力インフラ不十分な地域は見捨てられる。

移動体  :車重量からくる積載量、道路・ブレーキ摩耗屑問題

安全性  :自動運転レベル以前の問題にバッテリー発火案件

CO2.    :トータルLCA  レアメタル採掘・処理を含めては不明。

この条件から忖度なしにいえば

鉄道>HEV・PHEV>従来エンジン>BEV

米国・欧州ではBEVの在庫がハイブリッド・エンジン車の3倍に積み増しているとの情報がある。わかりやすい市民の反応。筆者の独断と偏見で恐縮だが、一神教の欧州は一択の環境最優先政策がお好きのようだ。日頃気にしていないが日本人は良ければ受け入れるマルチ政策。前者は排他的になりがちで自分が勝つためのルール作りに固執するが、後者はどのような場面であっても柔軟に対応することで先の先までを考える。(体力と基礎開発力があることが条件ではあるが)。

HEV,PHEV,従来エンジンが規制されるとなると、水素エンジンの可能性を追求する他、BEVの中においても蓄積技術と開発力で徹底した差異化を図っている。販売量では現在圧倒されていても追い越す準備万端の雰囲気を醸し出している。全個体電池、水素エンジンなんでもあり状態。欧州勢が勝負できるのは合成ガソリン。合成ガソリンの原料はCO,CO2であり火力発電所からの回収による。風力発電に頼り原発も停止した国が量的供給を含め可能か疑問。

自動車業界も基本シェア競争。どのような業界においても汎用品の製造販売で採算が取れるのは1位と2位まで。3位以下は特異な製品で生き残りをかけるか、別の上位を狙える業界に進出するかである。

現在の自動車業界では1位トヨタ、2位VW  3位以下は2035年(英国は2030年)脱エンジン規制を灯台としてBEVで追いかけている。3位以下のメーカーにとって1位のトヨタはBEVに熱心ではなさそうだ。そこがチャンスと見た。米国IRA法案で米国内工場生産BEVに対する手厚い補助、減税に対してトヨタはもちろん日本BEV車を蚊帳の外に置いた。まさに米国内ではテスラ一強は技術以外の成果ゆえである。

米国に限らず将来の自動車がBEV絶対変更なしが前提条件ならば、諸事情あるのは承知の上で、競争レースに参加してシェア獲得をしないと負けになる。ホンダが自動車分野でBEV一本化したシナリオは分かりやすい。BEVの世界には既にBYD1位、テスラ2位。これらを押し除けて2位以内に食い込むのには時間の制約もあり相当厳しい。

開発費用の捻出にガソリン関係の断捨離を始めた。真岡のホンダエンジン工場を2025年工場閉鎖はすでに発表、その前に狭山事業を閉鎖し寄居に集中。長年付き合いのある八千代工業をTOBした後でインドの会社に売却すると発表。樹脂製ガソリンタンクや樹脂製内外装部品の製造会社である。筆者の若かりし頃は金属製ガソリンタンクを樹脂化にするために情熱を注いだだけにこのニュースには驚いた。

断捨離の速度も速い。ホンダの主戦場は海外だけに、海外のBEV風力は厳しく受け止め判断させたことと、ホンダらしい秘策があるのだろうと受け取った。昔の秘策はCVCCエンジンでカリフォルニア排気ガス規制(マスきー法案)をいち早く突破してシビックがカリフォルニアに登場した時のインパクトは印象的だった。

今回の秘策はなんだろうか? 一つはSONY・HONDA連合か。ソニーが得意とするイメージング・センシング、通信、ネットワーク エンタテインメント技術と組み合わせるとパワードライブがBEV自動車の範疇から一歩違う業界で橋頭堡を作り新しい灯台になるかも知れない。

もう一つホンダ秘策に水素燃料電池車(FCV)がある。トヨタより先にクルマを製造したが、一般向け発売はしなかった記憶がある。 水素充填時間はガソリン並と水素ステーションの設置に依存するが今後目が離せない。トヨタとホンダ良きライバルであるが新規の灯台に向けて頑張ってほしい。

英国はBEV一本槍の先頭グループにいた。多くの自動車メーカーがEU離脱に伴い撤退。トヨタだけ英国のことを考えてあえて残った。そのトヨタにも打撃を与え続けた。

だが、ここにきてガソリン車の継続使用期間を延長することが国民のためになると言い出した。トヨタやホンダの新技術がやがて現在のBEVを凌駕駆逐することを考えると引き留める方が得策と見たのかもしれない。灯台の光の光源パワーと継続性を見極める必要がある。刹那的な照るさに目が眩みがち。そこは自動車に限らずビジネスにおいて普遍的なものであるだけに他山の石ではないのだろう。