2022年 8月 の投稿一覧

EVから大転換の流れか

だから言ったじゃないの♪ とのメロディがエンジン製造会社周辺で流れているとは思わない。がしかし、EV一辺倒の欧州において、特にディーゼルゲート事件を引き起こしたVWの会長が9月で交代と報じられている。排除に近い社内事情があったようだが、新会長はポルシェ社長兼務とあってエンジン車回帰に軌道変更ありうると報じられている。

理由の一つはEVによる雇用の問題との情報もあり、トヨタがかねて主張していることと部分一致する。外部要因としては、天然ガス不足による電力供給力不足も根本にあるだろう。ドイツでは電気使用時間制限もあるとか、充電場所までの非常に長い列の光景。これでドライバーが怒らない方が不思議。停止している古いタイプの火力発電所を再稼働してCO2を排出しているのを目撃すると、何年か前に、これからはe-fuelで行ける!との記事を読んだ人であるなら尚更らだろう。ドライバーの立場ではエンジンレスポンス(含サウンド)がやはり欲しいと思うだろう。日本ではオートマが殆どだが小生の知るイタリア男は頑なにミッション車じゃないとクルマではないと主張しているようなことだから、EVを喜んで受け入れるとは思っていない。

このブログでも何度も取り上げてきたテーマであり、EV一辺倒はないと論じてきただけに、“だから言ったじゃないの〜♭”は開発した技術者に向かってはとても失礼で言えない。EVバッテリーが全固体電池で走行距離が伸びても、電気チャージには変わりがない。環境のための解決法には従来のエンジンを利用した1)e-fuel  2) 水素 最後はユーザーが決める。

まず、水素エンジン。トヨタは水素エンジンを開発で2回サーキッドを走行した。2回目は前回利用したヤリス搭載エンジンをカローラに乗り換えて走行している。1回目の水素チャージ回数、時間を大幅に改良したと発表。

水素はガソリンより燃焼速度が異常に速いことからインジェクタータイミング、水素タンクの流量コントロール、ガソリンと違って潤滑油成分がないのでシリンダ耐摩耗問題や、タンク重量など技術課題に取り組んでいる。なんと言っても実用化には水素インフラ整備が焦眉の課題であることは間違いない。180リッターの水素タンクへの水素充填速度は3分。ガソリン給油と同じだ。

一方のe-fuel本命の声が欧州であるも何故か抑えられてきた。既存のエンジンをそのまま利用できる。燃料を合成するだけの問題でありまさに化学の世界だ。ドイツは戦前には超巨大化学メーカーIG(イーゲー)が君臨し、戦後に解体したものの、BASF, Bayer, Hoechst(バスフ、バイエル、ヘキスト)それぞれは現在も巨大化学メーカーである。ドイツ=化学のイメージが強く、e-fuelもこれらの会社以外でも検討されてきた。

勿論、日本も化学3強の一つである。(ノーベル化学受賞者の多さでもわかる。)

この合成e-fuelの研究開発は日本でも行われている。基本技術はCO,CO2と水素から炭素数5〜12の直鎖につながった炭化水素化合物を合成する。簡単な図を資源エネ庁資料から抜粋する。

発電所など工場から排出されるCOと飽和炭化水素化合物の分解や水の電気分解由来の水素を反応させて合成するプロセスにおいて、ネックは水素の価格をどう見るか。現在レベルでは800円/l前後になるものと思われる。水の電気分解による水素はもとの電源を太陽光パネルに求めるようではバランスが取れないだろう、結局は水素を牛耳るところがe-fuelでも握ることになると思われる。e-fuelの排気ガスは従来通りであるのがカーボン循環とはいえ弱点になるかも注目される。

カーボン循環でサステイナブル面では満足なのに、何が弱点なのかの理由はお隣のオランダの動きが気になるからだ。オランダはサステイナブルからリジェネが理想だとして、農業(畜産)における窒素排出を削減すると言う。これには畜産関係者が食糧不足による生命を犠牲にすると猛反発。大豆など植物由来の人工肉の生産規模が畜産と同等になる見込みと、投資補助金など整備が不十分の中で畜産を制限すれば、お怒りごもっとも。

ドイツ前首相メルケルの超理想主義が破綻して、火力発電、原電稼働に戻って、その間プロセス改良を放置したことで、前より環境悪化した。どうも欧州は超理想を掲げ猪突猛進し諸国を振り回すところがある。そんな欧州には2700年前の孫子の兵法をお読みされることをお勧めする。

「智者の慮は必ず利害に雑う」 一番実践しているのはトヨタかも知れない。

 

賃金と待遇

最低賃金が10月から大幅にアップするとの報道がある。現在の全国加重平均時給930円が31円アップの961円になる模様。東京や神奈川は既に1040〜41円を突破しているので1071〜72円/時となる。大阪も1023円と1000円を超える。僅か31円だけではないか。もっと上げるべきだと言う人も居られよう。中小企業の経営者から見たら、このアップ率(3%)は想定外の厳しいレベル。最低賃金が給与ではないにしても、毎年4月になるとベースアップとボーナスに頭を悩ませるのが経営者。どうしても最低賃金アップ率を横目に決めざるを得ないからだ。政府は中小企業への打撃緩和策として助成金と抱き合わせを考えているものの、ベースアップに対しては利用できない。

今、中小企業が新技術開発、新規ビジネスを企画する際には、補助金・助成金の調査から始まる。補助金の中の人件費をどの程度賄えるかが非常に重要なのだ。それほど人件費の経営におけるウエイトは大きい。補助金の資料作成が面倒・厄介にして、成果確度が承認者に納得できるくらいに開発レベルが到達していないと補助金獲得は困難である。1回のチャレンジで合格するほど甘くはない。大学や有名研究機関と共同でも厳しいのが現実。

最低賃金の決定は前年の失業率を計算に入れて算出すると聞いた。(嘉悦大髙橋教授説明では5.5%-前年失業率)。ではコロナ禍に見舞われた3年の間の失業率はといえば、雇用調整金、休業補償、休業手当てなど手厚いコロナ対策により維持されたのが実態で、もしなかった場合の真水の失業率がどうだったかわからない。失業者増加、企業倒産の嵐だったと思われる。コロナ7波が越えれば2類から5類に移行する考えだとすると、手厚い補助は無くなるはずだ。最低賃金のアップの皺寄せが解雇の形に出るのが怖い。某国の事例があるだけに他所ごとではない。

そんな中、機械工作メーカーのDMG森精機が博士課程卒は年収3割増の682万円を発表した。Face bookでは、この記事に刺激を受け「日本は、総じて海外企業に比べて博士号取得者が軽視されている」と投稿。他の人も「その通り待遇改善が必要だ」・・・が続いた。所謂「エコーチェンバー現象」が発生した。

森精機が高額で優秀な人材の獲得は一つの成長戦術であるのは当然。だが何故そのような措置をしたのかが気になる。筆者は機械加工業には門外漢なので、わからないが。1)過去の蓄積技術(属人化している技術)の解析を通じての見える化(e-ラーニング)に繋げる数学的高度レベル 2)ものづくりとして指示通りの切削加工をするのではなく、例えばトポロジーを活用したデザインを提案できる数学レベル 3)素材の開発・改良につながるような基礎研究が可能で金属以外にも精通している 4)ある専門が好きで好きで寝食を忘れ没頭した結果として与えられたような人物 特に4)であれば大大大賛成だ。

FBに投稿した人によれば「博士は文献査読に始まり未踏の分野に挑戦するなど修士などとは比較にならない努力をしている。」などの理由が述べられていた。面白い理由だ。本当に未踏の分野を極めたのなら起業すれば自らの待遇を決定できるはずだ。日本の博士号取得して起業した実際の統計数字は見たことがないので、コメントはできないが、フィーリングを許されれば、皆無か極々少数だろう。企業では技術研究部門における最高峰としてフェロー制度を設けている場合に、どれだけの人がフェローを取得しているのか、その割合も博士の価値判断になるだろう。

そう、「経営から見ると結果が全て」なのだ。結果までの時間軸の取り方は違うだろうが。経営に貢献大でFAされては困るのであれば更に高額を出すだろう。ダメなら閑職にも甘んじなければならない。米国は博士が多い一方で、突然ダンボールを抱えてオフィスを出るのも普通の光景。クビにしないで次回登板や異業種を展開するには必要かもと思いつつ残す日本がよほど社員を厚遇していると思うがどうだろう。

活かされていないとしたらスキルを発揮する場面に呼ばれない要素があると考えられる。努力しているのは誰でも同じで、技工士もプロ。プロフェッショナルな人は努力+アルファがあるから成功している。社会ではアルファが非常に重要なのだ。ホンダを世界の巨大自動車メーカーに育てた本田宗一郎は類まれな現場力・人間力で「あの人には尽くしたい」と周囲を思わせた。好きで好きで寝食を忘れて集中没頭する、その結果として新しい1ページを拓いたとするとそれが授与するのが大学でなくとも“博士以上”の称号が相応しい。

プロ野球然り、サードといえば長島。男らしさと華麗なフィールディング、ここぞと言うときにホームランと華やかでファンを唸らせた。ショート広岡の前で捌いてしまう。普通は遠慮するモノだが天衣無縫なナガシマだからと納得させてしまった。最近では日ハムとオリックス戦で杉本が2連続死球をくらった場面で、乱闘まではならないまでも、両軍の選手は恒例のごとくマウンドに集合した。その時ベンチからゆっくり杉本に近づく男がいた。Big Bossである。杉本に一言二言謝ったのだ。杉本は気分を取り直して1塁へ。ベンチに帰る途中で次バッターの宗にも一言。これに宗は笑顔で応え、それを見たスタンドは喝采。エンターテイメントの粋を見せたBig Bossだった。このようなことが、北海道北広島の新球場へ観客を呼び込む一つのスキルだとすれば金を出す価値はある。

長島が活躍した頃に全盛期を誇ったのが西鉄ライオンズ。セカンドを守ったのが仰木彬。のちの近鉄、オリックス、ブルーウエーブの監督。データー野球の先駆けとして冷酷な場面もあれば選手の長所を伸ばす名伯楽であった。野茂、イチロー、長谷川、吉井、田口など多くのMLB選手を輩出した指導・経営力。その一方で当時のニュースステーション放映中に小宮悦子さんを口説く艶っぽさもあり幅広い人間力など魅力があった。何より神戸淡路大震災の時「がんばろう神戸」を掲げて地元を団結させ優勝へ導いたことは後年になっても語り継がれている。

待遇云々は言わずともついて来る。ましてシニアになって退職・退官しても人は集まる。それが何よりの待遇だと思うが、如何だろうか。

 

夏休み自由研究の大人版

小学生の夏休みの自由研究を大人がやるとこうなる見本のような記事があったので紹介する。小学生レベルとは大の研究者を捕まえて何を言うか!と叱られそうだが、本人にしてみれば、半分当たっていると笑うだろう。 タネ証をすれば食塩水の電気分解の応用。 陰極からは水素ガスが、陽極からは塩素ガスが生成する。マイナス電極にNa+ナトリウムイオンが陽極にはCl 塩素イオンが引き寄せられる。 誰でも聞けば思い出す。学校で教えてもらって、自宅で電池、配線、アルミ箔を用意して実際水素が泡になって発生するミニ実験をした人もおられよう。

Naイオンは陰極の周りに引きつけられる。これを応用したのがキリン。明治大学と組んで、減塩食を美味しくする「箸」を開発した。微弱な電流を流すデバイス(箸)を用いてナトリウムイオンの箸の先端に高濃度ゾーン:一種のクラスターを生成し、次に放出させることで舌の味蕾に強い塩味を感じさせる仕組み。発表資料によれば塩味は1.5倍になることで、減煙食が無理せずに摂取されるとのこと。 今は箸デバイスの先端には電気波形発生装置がついているので、直ぐに利用できる訳には行かないが、いずれは家庭にレストランには小型電気波形モジュールがテーブルに内蔵され、マイ箸を持参しての会食、食事をする風景が予想される。病院の採用が早くなることも容易に想像できる。無線で飛ばすこともできる(そこは日本人は得意)。文献:日経クロステック2022.07.12

 

 

 

 

 

さて、この文献から、学ぶべきことは減塩に苦しむ人がいることにキリンが着目したことである。では自分なら何をするか。そこを考えるのが実に愉しいのだ。このブログを書きつつ思いついたことが1件。 実験で確かめた上で実用化に耐えうるのかマーケティングで確かめる長い開発工程が頭に浮かんでくる。 本来は退職したシニアの方々の格好のテーマだと思う。我こそと名乗りを上げるのをお待ちしています。あくまでも“思いつき”ですので、話し半分か1/10か考えて下さい。(笑)

小学生の頃は模型飛行機ばかり作っていた。やがて超小型エンジン(OSエンジン)をつけたラジコン前世時代を過ごした。現在、ドローンが流行している。ペイロード(運ぶ荷物の重量)はバッテリーや発電機の重量とトレードオフになっており、これに滞空時間が強く絡んでくる。

で、ある時、子供の頃を思い出して、小型エンジンはダメですか?と提案したことがあったが取り上げられなかった。そうかなぁ〜と未練たっぷりの中で、なんと川崎重工がバイクNinjaエンジン搭載の小型ヘリコプター(ペイロード200kg 高度3,100m 航空距離100km)の発表があった。きっと川重の社員にも子供の頃、ラジコン模型飛行機を追いかけたメンバーがいると推定した。山岳への物資輸送を目的としてドローンの各種規制外の扱いではあるが、省令で変更は可能なのでドローンから見れば強敵になるだろう。 垂直離陸方式となれば、ホバリングができる。そうするとドローンは何で勝負をかけるか。そこに戻って考える必要はありそうだ

平和利用を前提として、案外 子供の頃の発想・行動の中にヒントがあるかも知れないとすると、毎日をどう過ごすか。面白くて、重い課題。

 

マイナポイント

このブログをお読みいただいている人から見たら、既に実行済みで、何を今頃?と呆れた方もおられよう。筆者はマイナンバーカードを所有しているがポイント移行作業はしないままなので反省を込めて本文を書き起こした。

最近、ショッピングモールなどでマイナンバーカード作成コーナーが目立つ。浸透率は低いのだろうか。ただし、仮デスクの数及び役所の人の数は多いが、足を止める人、デスクの前で手続きをしている人は見ている間では皆無。

住民基本台帳で個人番号がついたのは知っているが、使う頻度もなく確定申告にコピーを添付するだけの役目になっていた。ナンバーカードになっても同じだろうとの気分は拭いきれない。その前にも消えた年金問題もありデータ取り扱いの杜撰さに慎重にならざるを得ないのもあるだろうか。個人情報云々と否定的な声に影響を受けている人ゼロではない。

そこは新しい物好きの筆者としては、マイナンバーカードが登場すると即作成した。しかし利用することはなかった。市民窓口で確か住民票をとる時にマイナンバーカードより従来の方が早く出ると言われたことがある。行政府窓口さえこの状態。落としたら大変なカード持ち歩く気分はなかった。確定申告にはカードリーダーを使ったが、送信または受信不良で読み取り不具合。結局、番号記入で対応した。つまりは半手動半自動で送信。

カード導入を促進すべくマイナーポイントをセット。第一段階では作成すると5000ポイント分がSuicaではさらに1000ポイントが追加される。そこでPCでトライした。だが途中で諦めた。非常に分かり難い。JREのパンフを見ても解決できず放置したままであった。パソコンができない人は区役所で代行してもらえるとあるが、小さなプライドが邪魔をした。

それが、今回は第一段階で対応しなかった分を含めて保険証、銀行口座との紐付けで20,000ポイントが付くとあって(どうせ同じだろうと思いつつ、捨て置くには勿体無いので)PC作業を進めると、あっけない程の作業で登録完了。余程のパソコン・スマホ音痴でも対応できる様にソフトが前回と今回の間で改良されている。これは良い仕事をされたと感心した。対応していない家族に早速勧めることにした。Suicaにポイントが直接チャージされるのではなく、JREのアカウントにアクセスしマイページからチャージ手続きをする。あ〜ぁなんとも面倒臭いシステム。ショートカットすると困ることがあるのだろうと邪推した。保険証が利用できる医療機関は現在30%程度ではあるが、診療状況が他の医療機関に移動しても共有できるなどメリットはある。

と感心をしていた丁度そのタイミングで税金に関するレターが届いた。引き落としの筈で何かの間違いかな?と思いつつ区役所へ。理由は判明したが1回限りの調整特別税で引き落とし対象ではないとのこと。珍しいと区役所担当者の談だが、レターにその理由を記載すべきだ。これからは苦情もPDCAに折り込むことが可能AIが対応するとしたら人よりデジタルの方が信頼性高いのかもと思わせる一件だった。

一方でgBizID (各種行政府の連絡・申告書類のやりとりに使用するID)の開設はPCからダウンロードした資料に記入し、かつ印鑑登録証を同封して郵送するシステムとなっている。現段階のセキュリティの面から致し方ないところがあるが、依然として手作業が残りそうと見た。 電子契約書などデジタル化が進み印鑑不要となるはずだが、街の印鑑屋さんは健在で閉店した様子は見ない。電子署名の証人作業など面倒で、かつ量子コンピュータの能力からすると現在の暗号は解読容易とも聞くと、本格導入は先送りになっているのだろう。

新入社員の頃、研究開発業務に携わっていた。上司から言われたのは、既存技術、現行商品を置き換えるには最低3つの要素が必要だとのこと。1)従来にない機能 2)利便性 3)価格も品質と認識することであった。 技術者・研究者は1)を特に集中しがちで失敗パターンに終わることが多い。

マイナーポイントをこの3要素でチェックすると。1)はクリヤー 2)は今後の動き次第 3)価格は行政府の合理化には寄与するも、利用者にとっては不明。が正直なところだろう。行政府は2)に力を入れることで、マイナーポイントがなくてもマイナーカードを所有希望するようなシステムが好ましい。

 

前九年の役・後千年の役

このブログは政治に関わることは取り上げない。ただ世の中は人から成り立っていることから、人に注目することはあって当然だと思う。あの時から約1ヶ月が経過した。和光市に向かう車中で何気なく開いたスマホに唯ならぬことが。しばし絶句した。昼食を摂らずにお客さまのところへ行きTVを凝視。なんとか一命は取り留めて欲しいと希望しつつ、発生した場所が奈良西大路と聞くに及んで、我が脳は前九年の役にBack to Futureした。あまりの衝撃と咄嗟のことで記憶神経回路が間違って違う回路に短絡したのである。

前九年の役・後三年の役は教科書では簡単に触れるだけで、多くはNHK大河ドラマの“炎立つ”藤原三代の物語の冒頭での印象が強い。以下3行は仙台出身で歴史に詳しい同僚のチェックを受けて記載した。

奥州陸奥国を治めていた安倍大俘囚に対して、朝廷は陸奥守として源頼義を派遣し安倍氏(頼時、貞任親子)と戦を始めた。源頼義の弟頼清の郎従であった藤原清経は頼清が陸奥守として赴任した折に陸奥の国に下向し、安倍頼時の娘を妻に迎えていた。都から陸奥・出羽に対して金など税の圧政に堪忍袋が切れた安倍貞任が多賀城を攻撃。軍事派遣されていた源頼義は劣勢になったが出羽清原武則に援軍を要請し、清原氏は渋々参軍。経清は国か陸奥(安倍)か悩んだ末、最後は安倍と合流し戦ったが惨敗。今では放送できないシーンだが経清が川辺で斬首されるところは強く印象にある。その後、頼時の娘は息子(清経の子)を連れて清原武則と再婚することになるが、その息子こそが、のちの藤原清衡である。かくして安倍一族は滅び、九州松浦(説)や青森へ落ちていった。20年後に後三年の役となり最終的には安倍の血を受け継ぐ清衡が藤原姓を名乗り栄華を極めたのはご承知の通り。

長い、実に長い前置きになってしまった。平安時代後期の時の流れに乗ってしまった。

平安時代の大陸の玄関は若狭の国の気比(敦賀)か小浜であり、小浜には滅亡前から陸奥安倍氏から支援を受けていた芳賀寺がある。行基の開設と言われ重要文化財の仏像がおわす。火災により消失したが安倍康李が再建したと小浜の観光紙に記載がある。東北地区との交易は関係が深いのだ。

記憶では何年前に今回亡くなられた安倍氏が訪れたことをニュースが報じていた。

ここ、小浜市は京都への通じる鯖街道で若狭の海産物を物流する拠点であり、京の街に入るには大原の里での京野菜と合流して海、農産物を届けていることはよく知られている。寧ろ今後は(10〜20年後開通の北陸新幹線の駅として脚光を浴びているかもしれないが。

冒頭の記憶神経回路の混線に戻していえば、小浜は「お水送り」の拠点である。もうお分かりだろう、「お水取り」は奈良・東大寺二月堂。正確に言えば、お水送りは神宮寺で芳賀寺ではない、また東大寺と西大路は奈良県にあるとはいえ違う。だが、なんとなく安倍一族の栄華と無念にリンクしてしまった。筆者は小浜には小学校の頃に海浜学校に行った程度ではあるが、市民であれば何人かは「あっ!」と思っただろう。

そう、あれから1000年の経過した今、陸奥の人は「後千年の役」と言うであろう。