2019年 1月 の投稿一覧

川柳・俳句・プロ魂

サラリーマン川柳100選が紹介された。そこで私的にも作ってみた。

「ヤバイの語源調べてマジ・ヤバイ」。 若い人の言葉は「悪い意味」なのか「良い意味」なのか区別がつかないことがある。「ヤバイ」とはその筋の業界用語だったはずなので、普通の人は口にするのも憚れる言葉だったはず。

「怖~、こわっ!」も驚いているのか、凄いと言っているのか分からない。TVで芸人コメンテーターが盛んに発している様をみると、正鵠を射た言葉を使って欲しいと思う。歯科技工の方が心をこめて作られた作品を患者が装填した結果「ヤバイです」と言われたら、ウ~ン??。この人には日本語よりGJor NG?と聞いた方がよいのかと歯科医。それとも本当に怖い「鬼のような怖~い歯」を作りましょうか?と突っ込みたくなるでしょう。

♪ちょっと前なら覚えているが、、、的な意味不明言葉に「シャレにならない」があった。上司の指示に対して意見が言えないで自分を無理やり納得させつつ上司にも一矢報いるために利用していたように思うが、「洒落」という言葉に失礼だといつも感じていた。もう聞くことはない。だからヤバイやマジも何れ消滅するだろう。

 川柳は人にまつわる悲喜こもごもを詠むのに対して俳句は風景、季節が人の心をどのように感動し行動したのかを詠嘆する。同じ五七五であるが内容が全く異なる。TVでの夏井先生とタレントの掛け合いが俳句人気を底上げしている。完璧な俳句よりも凡人の句を先生が詠み人の本音を聞いて句を因数分解のうえ加筆する。その工程の鮮やかさと、そのような発想があるのかと驚く。風景や心情を浮かび挙がらせる様は3Dプリンターの作品と同じだ。無駄がない。また無理にこじつけ感の言い方で恐縮であるが、拙作な文章を見事な切削で修正し本来の姿を表現しているとも言える。いつもながら感心する。キリに「や」なのか「に」なのかで俳句の趣が変化する。まさにプロフェッショナルの称号に値する。

 先日の豪州オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手。プレーはまさにプロフェッショナルは言うまでもない。ランキング1位!。でも驚いたのはチャレンジ精度。審判・線審の判断が違うのでは?と再審査を要求する。その精度に驚いた。チャレンジは12回可能。肝心なところ(点においても、相手への心理作戦面)で使う。滅多矢鱈使っていいものではない。審判への尊敬と試合コントロールで決まっている。大坂選手のチャレンジは当たっていた。目で判断しているよりも、何千回、何万回もの体で覚えたストロークがアウトであるはずがないとのプロ意識がさせていると思う。

 これらのプロ意識は業種は異なるが参考にすべきだろうと思う。スポーツは元々dis port が語源と見たことがある。文字通り、port その場をdis 離れることが転じて運動になった。なにも運動だけでなく、お客様の場所に立って、もの作りの方々への場所に立って、技術開発の立場に立って、上司になったつもりの場所に立って、、、、いろんな角度からリフレッシュ感を現業に活用していくことは重要だと考える。

筆者もそうありたいと願うが、、、で句会に勤しむ家族に向かって、下手な川柳を最後に。

「句会の部屋、会食準備は俳句無縁のこのワタシ」

「あの人俳句のセンスあると先生言い」対句で「が・と・はの意味知り傷つくワタシ」

 

米国の原油とプラスチックス事情

<はじめに>

米国は国内シェールガスの生産量が増加したことで、①中東からの原油輸入に頼る地政学から距離を置き始めた②シェールガスの価格に引っ張られ原油価格はOPECが以前よりコントロール出来なくなってきた ③プラスチック原料としてシェールガスが利用され、大規模なエチレン、誘導体生産プラントの能増、新プラント建設が米国に軒並進展している。このところ強気の米国であるが、根本的に自前でエネルギー確保も原因の一つである。シェールガスについては2017.12.06ブログで触れたので参照して下さい。

今回は海ゴミ問題でプラスチックスが敬遠され新規大型プラントなどありえないとのイメージがある日本からみて、米国の事情を眺めた。

          参考)2019/1/14付日本経済新聞

3R意識>

日本ではレジ袋有料化やエコバッグ持参が進んでいる。海ゴミ問題でプラスチックへの潜在意識の流れが変わりつつある。如何にもプラスチックスは環境に悪いとのイメージが消費者の潜在意識があるようだ。このテーマについては、このブログでも取り上げたが、プラスチックはトータルのエネルギー消費、炭酸ガス発生量で計算されるLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)では決して環境に悪い材料ではない。但し、より良い方向としては、3RReuse,Recyle,Reduce)を従来よりを進めることが重要であることは言うまでもない。

環境立国先進国を自負していた欧州の国は現実はゴミを中国に輸出して、自分の目の前はクリーンだと主張していたが、中国から拒絶されると頭を抱えている状態。フィリッピンでも某国に返品する動きもあるなか、日本のリサイクル商品は消費者の分別意識、業者の徹底した選別と洗浄など工程が優れクリーンだけに中国のプラスチック加工業者からの引き合いが非常に強い。プレスチックスペレット(粒)製造のコンパウンダー業界の稼働率が100%を越えている。日本以外の国とは対象的である。日本は環境先進国などと空威張りはしないが、着実に実行している。国際スポーツ大会で敗けても観戦後に掃除をしてゴミ持ち帰る若者は世界に衝撃を与えた。環境とマナー意識の高い国柄であるとの認識が海外に浸透してきた。嬉しいことである。

<米国プラスチックスプラント能力増強>

さて、日本でのプラスチックス製造能力はここ20年は横ばいである。中国、台湾、タイ、インドでの製造能力拡大が著しいのはご存じの通り。一方、米国についてはシェールガスを生産をしているから、安価なプラスチックスを製造するのだろうと漠然と思っていたところではないかと。

その漠然イメージがクリヤーになってきた。北米でのエチレン生産や誘導体のレジ袋メイン材料の高密度ポリエチレン(HDPE)の製造能力拡張・新設計画が目白押しである。

2013~2015年までにガルフ地区でのHDPEの能力増強分90万トン/年は稼働済みであり、2017年から2021年までに能力増強するのは295万トン/年と驚異的に伸びを予定している。2025年までに更に150万トン増強と、留まるところはない。この背景にはシェールガスが関係していることは言うまでもない。

米国は従来は中東からの原油を輸入してクラッカーにてエチレンなど誘導体を製造する一方で天然ガスからのエチレンを利用してのHDPEや低密度ポリエチレン(LLDPE)を生産していたが、シェールガスの生産量が増加するにつれて、中東からの原油輸入は減少し、むしろシェールガスを輸出するとの立場は変わってきた。

それでは米国は日本の製品構成群と似たようなプラスチックス用途に向けるのだろうか疑問が出てくる。

<新増設プラントのプラスチック用途>

先のHDPE(日本ではショッピングバッグ・薄肉高強度フィルムがメイン)だが米国のそれは中空製品とパイプで圧倒的パイプ用途とのこと。鋳鉄管では錆問題と地震に弱い。継ぎ目からの漏水があるなど欠点はあったが、大口径では樹脂では出来ないものもあり、依然鋳鉄管が利用されている。大口径パイプには機械設備投資が必要であり、かつ樹脂への信頼確認が不十分であることから見送られてきたことは事実ある。信頼性試験については北海道での埋設試験が漸く2年目で、日本ではまだまだ先ではあるが、ISO規格制定の作業はおそらく今年中には終わると勝手ながら予想している。

そうなると、パイプは大型需要となること、海ゴミ問題とは無縁であることが一層進むことが予想される。

かって塩ビはダイオキシン問題やなんだかんだと非難され目の前から消えたが、パイプは国内より米国の活発な需要に支えられ信越化学の収益率は化学メーカーの中でいつもトップの位置を占めている。

これのHDPEポリエチレンバージョン。でも哀しいかな日本の石化メーカーでシェールオイルに対抗するようなコスト構成、製造規模から競争力は低い。 

パイプ加工メーカーもトップ3強を除けば、弱小で大型パイプを供給する能力がない。各家庭へ供給する細い水道パイプの製造設備はあるものの、大型パイプ製造は試作段階にある。一方、鋳鉄に限らず鉄は安価である。なので、安価な製品を価格の高い(原料及び大型投資見合いでの加工費用)プラスチックパイプで置き換えことは、疲弊している地方自治体からみると、即置き換え実行とは行かない事情がある。

プラスチックパイプは①錆ない ②漏水がない ③地震など地盤が変形しても伸びて破断することはない ④極端にいえばトラックの荷台にパイプ成形機を設置して加工しながら現場で敷設することが可能 ④製品寿命は電力ケーブルなどと同じ添加剤配合をすれば100年は持つ設計が可能 とメリットは大きい。

事故、地震などで給水できないと水のありがたさが分かるが、長期的な経済性を理解して手を打つのも予算の使い方だと思う。

アクティブシニアとキョウイク

ある大学の卒業生で会社や大学を定年後も活動している勉強会がある。大学が違う小生が招集されたのは訳があるが、いつも皆さんの活発な活動に圧倒される。3ヶ月に1回の頻度で開催されている。持ち回りで研究発表をする。2時間を超える講演もあり、活発な質疑応答が繰り広げられる。議論が熱くなると英国テイストのティータイムとなり、後半のもう一つ発表を聴く。半導体の過去と将来をわかり易く、かつ次世代デバイスを解説し展望する人。国家戦略上負けることができないコンピューター特許係争を凌いだこと。工学部出身ではあるが芸術ディレクターとして活動している人は日本と欧州の芸術文化の違いを解説。つい最近はホーキング理論について。タイムカプセルの理論解析など学生時代をいい加減に過ごしてきた身としては、難解な理論をさらりと説明する人の粋で余裕のある姿勢は輝いて見える。なかなか高いレベル。

覚悟はしていたが、ついに小生の番となった。そこで、進展が速い「3Dプリンターのよもやま話」のタイトルで基礎からメディカルへの応用などを発表。コスモサイン加藤社長と共著の歯科技工紙連載2018年1月号~5月号)からもネタを利用した。進展が速い分野だけに、次の講演を依頼されてしまった。3Dプリンターが製造世界をどのように変えるのかに皆様の関心がある。

会社の現役を退いた人もいるが微塵もそんな雰囲気はない。講演・発表のあとは恒例の飲み会。質疑の続きや、近況報告など実に明るい。ほとんどは会社経営層や大学教授職を退いているが、起業や別の機関で現役を続行しておられる。何かの仕事をしていることが元気の素なのか、元気だから仕事ができるのか?多分前者であろう。

ある会社の懇親会で「キョウイク」が話題に。「教育」ではなさそうな話の流れ、やがてこれが「今日行くところある?」の略だと判明。定年で自由の身になったものの、やるべきことも無く、行くところも無く。行くところを考えるのもシンドイの話の流れ、やれやれ。アクティブシニア層と大変な好対照だ。女性なら「キョウモイク」でしょう。

幼児教育の型、お受験の型で小中学校を選択し、それなりの高等教育の型を経て、有名な会社に入り、会社の型の中で活躍する。しかしながら、定年後は「型がない」。さて、どうしたものか? 手許には会社時代の名刺だけで、もはや関係が薄いどころか顔を出せば迷惑顔をされる。第一男のプライドが許さない。大雑把に言えば、こんなところだろう。

昨今、副業を認める会社が出つつある。同じ業種ではなく異なる世界にタッチすることで視野が広がることを期待してのことだろう。そして定年後にも活躍できるようにと。至れり尽くせりの制度?それとも給与対策なのか。ひねくれないで前者だとして足を一歩踏み出すのも有益ではなかろうか。

尚、この大学は面白い経緯があって設立されている。江戸時代の各藩では特有の陶磁器があり技術を他に漏洩すると処罰の対象であった。鍋島、伊万里、古九谷、清水などは独自の技術と商圏を確保していた。それが新政府になったとき、各藩の技術を解放し集大成すべく愛知の瀬戸・多治見にセラミックセンターを設置、大学を東京は蔵前に設置した。

なので流派が多少違う小生でも受け入れる素地があったのだろう。陶磁器は主要産品として輸出を請け負った。蔵前は東工大となって有意な人材を世に送りだしている。東急の大岡山が手狭になって長津田すずかけ台に広大なキャンパスと最新鋭の設備がある。大学開放の時に訪れるのも良い。技術の融合が根源にあるのか、工学と医学の境界を融合させて新境地を開く諸先生方がおられる。

話は飛ぶが京都・清水焼では最先端のセルロースナノファイバー利用で新境地を拓こうとしている。その京都は陶磁器技術の統合・発展に貢献している。淀川から清水坂まで燃料運搬の拠点が松風発祥の地でもあり歯科とは無縁ではない。

おまけ 冒頭のホーキング勉強会資料より抜粋。 完全なAIで人類滅亡と予言。厳しい時代になりそうだ。

床屋談義(Ⅱ)サブスクリプション

床屋談義が好きな街のスーパー経営者オヤジが今日もやってきた。

なじみの理容師Aさんに挨拶もそこそこに

(オヤジ )  

2019年はサブスクリプション」するぞ!

(A)        

エッ急に英語で言われても、オヤジさんホントに分かってんの?

(オヤジ)  

知識がない人とは話しができないね~。 年の初めになると、お偉い人が、今年は○○だというではないか、その一つがサブスクリプション。波に乗らないと置いてきぼり食うからね。

(A)     

ちょっと前はオムニチャネルが新商売の道具だと言って騒いでいたが、どうしたの?

(オヤジ)  

そうなんだ。うちの店は名前はスーパーだが、全部の商品はない。で、お取り寄せできますので、後日取りに来て下さいとお願いするんだ。それがオレ流チャネル。

(A)     

なんだ昔の本屋さんと同じで、何にも変わっていないね。今の若い人はお店に入って製品を確認する。そしてアプリで最安値のストアを探して注文。受け取る場所を帰宅途中のコンビニや自宅配送もしてくれるって話だ。ポイントカード代わりにお店のアプリで特典がつくようにして客を囲うところもあるらしいよ。

話を戻してサブスクリプションって真面目な話、なんなの? また妙な講釈を垂れるんじゃないでしょうね。

(オヤジ)         

前回は俺がいろいろ教えたのに、今回は立場が逆だなぁ。年齢には勝てないなぁ。でも「サブスクリプション」は自信ある。予約定期購買だ。美味しいかどうか分からないから味見をしてもらう。納得したら定期的に品物を買ってもらう。デパ地下では一瞬の単品販売だが、これは継続して販売できるので安定経営ができるってものだ。 年賀状ソフトを一旦気に入ったら、次の年の干支に合わせて追加料金で新バージョンが送られてくる。 ソフト更新・バージョンアップする度にDVDでスタートアップしなくてもいいし、第一最近のパソコンはDVDが外付けで面倒だから、予約購買サブスクリプションは便利だ

A     

もうカタカナ英語は良いよ。立派な日本語があるんだから。そういえば、ビックデーターなんて言うけど、以前といっても50年ほど前は富山の薬売りは、定期的に訪問しながら、補充の置き薬を販売していた。その際に家庭環境も全部把握され、縁談までしたっておばあちゃんから聞いたことがある。

(オヤジ)            

確かに富山の薬売り、伊勢神宮の神楽での御札売りなど、個別データーを利用しての農作業アシストなどしてたなぁ。この横浜駅の隣の高島が発祥の高島易団発行の暦などを謝礼に置いていったものなんだ。ビックデーターって言うけど日本古来のビジネスをベースにコンピューター、インターネットを組み合わせただけとも言えるな。そんな知恵を出すことはAIには出来そうにもない。

A     

この理容・美容業界も同じですよ。昔はアメリカ女優にあこがれてケバい化粧品を販売すれば売れたが、地道に家庭を中年女性が訪れて、お互い皺を隠すにはどうしたものかと相談しながら販売した。それが今や立派な化粧品会社になっている。 現場を知らずに事業計画立案なんて絵に描いた餅という客がいました。おんなじですね。

(オヤジ)             

ところで、年末年始はTVを見なくなったなぁ。昔は紅白でどちらが勝つかも景気を占う目安にさえなっていたが、今は見ない人も多くなった。結局はCMカットした録画かネットフリック、WOWOWなどの動画配信。自由な時間にみることができるので現代の生活にあっているんだな。俺でさえそうなんだから。

(隣の客)  

へエ~。ネットフリック知っているんだ。 ネットでは配信される音楽や画像を次から次へと聞かされ、見させられる。しだいに、考えることの重要性、書くことの重要さを忘れさせ、さらには感情の表現すら他人にコントロールされるような人間ができるような気がする。

思い出したぞ。大宅壮一がTVは一億総白痴化すると言っていた。一方、立花隆はパソコンできないと時代遅れになると。どっちも当たっているが、スパコンで管理される前に自分軸をシッカリもたないと、さまよえる生物に成り下がるような気がする。。。

この一言でシュンとなったオヤジと理容師Aさん。

その顔を見てニヤニヤしながら、話は飛躍するけど。あの大学駅伝ってどうよ。「大学」って冠がついているんだったら、途中で大学教養部の問題を解くようなコース設定もあって良いような気がするな。点数でタイム調整なんて。面白いぞ。文武両道が真のリーダーになれる。その試金石だ。

また、床屋談義に変なオヤジが加わった。悪気はなさそうだが、床屋談義だから可愛いところもある。ご容赦を。