ブラジル南部一帯が大寒波による霜害で凶作との知らせが9月ごろあり、最近、日本のコーヒ豆販売店頭でもブラジル産入荷が滞っている。
お店の人も辛うじてブラジルでもこの銘柄なら在庫があります。との状況にある。生豆なら冷凍保管できるが、焙煎豆は精々冷蔵庫でも2週間が限度。ちなみに冷凍といっても、家庭の冷蔵冷凍庫ではー15から―20℃なので豆の細胞が膨張破壊されて豆は萎びる。これを避けるにはー60℃の冷凍庫に入れる。サイズにもよるが案外安価だ。野菜・魚介類の保存ならお試しは如何でしょうか。
ブラジルのとうもろこしからバイオアルコールを生産する際に筆者は無闇な森林伐採による水不足が来ると予想した。この予想は不幸にして当たった。二年前に水不足でコーヒー園は打撃を受けた。アマゾンの大規模森林が地球に及ぼす影響は大きい。寒波は海水温度が高ければ霜被害は少ない。赤道付近で温められた海水は塩分濃度が高く(比重が高く)いずれ深海へ沈み込む。この流れが地球の海の中でベルトコンベアの様に繋がっている。ブラジルは大西洋のNYあたりから冷たい塩分濃度の高い深層水が流れている。この冷たい深層水が森林破壊などによる要因で表層に出させたのであろうか。超スーパーコンピュターでの解析を得意としている日本の出番だ。
ところで、日本茶の農園では霜対策として大型扇風機が所々に立っていることを見たことがあるだろう。日本茶も霜害は怖いのだ。
静岡、京都(南部の宇治)鹿児島は温暖で霜害が少ないところと土地の性質、土地の水はけ(僅かな傾斜)が重要になる。ところで、先にあげた日本茶生産地の他に見逃せない実力者がいる。その土地はかぶせ茶で有名な伊勢茶である。伊勢神宮方面でなく、鈴鹿山麓から伊勢湾に向かう四日市水沢地区、鈴鹿地区である。四日市地区は半導体製造の先端技術製造群と隣接し、鈴鹿はホンダレーシングや椿神社が隣合わせの土地。そのコントランスが面白い。京都宇治〜滋賀湖南〜鈴鹿山麓はお茶生産に適した土地と知られている。
京都、静岡が超有名で先行しているが、鹿児島も大型スーパーモールや関東主要駅なのでPR活動を展開し猛追している。伊勢茶の生産量は全国3位であるが、ホント?的な位置付けだ。 そこで戦略として“かぶせ茶”に出た。
芽が出る前に黒いメッシュの布で覆って直射日光を遮る。広大なかつ傾斜している農園を覆う作業(時には外して、また覆う作業)はシンドイ。三重県人の性格は穏やかで忍耐強い。そんなことも、かぶせ茶生産に向いているのだろう。
結論は非常に美味しい。抹茶に肉薄する味わいながら、淹れるには手間がかからない。四日市の研究所に勤務時代には常に会社にも家庭にも存在したが、離れては縁がなかった。
そんなとき、仮設店舗を横浜伊勢丹フーズの入り口に設営し、tea-packとポットを紹介していた。そのメンバーは北新横浜の一級建築士の女性の方々。北新横浜と鈴鹿とは意外な組み合わせ。かぶせ茶の魅力記憶が呼び覚まされ、つい話し込んだ。一つを買い求め、翌日の出張時に保温ポットにいれた。時間ごとの味覚を楽しんだ。渋みが出る様ではダメなので、適当なところでpackを除いた。
さて、日本茶を我々がいただくのは、和食レストラン、(回転)寿司ぐらいで、抹茶を立てるには正月。あとはPETボトルお茶による夏場脱水対策ぐらいだ。
それでは勿体ない。美味しい日本茶を見逃している。
コーヒー豆不足も理由の一つであるが、かぶせ茶を時に味わって見てはどうだろう。日本茶にはカテキンが含まれコレステロール、内臓脂肪、中性脂肪を下げる効果があることが知られている。コーヒーのクロロゲン酸も並んで同じ効果があると言われている。飲料頻度ではコーヒーが高いと思われるが、日本食が糖尿病予防に良いと言われていることを考えると日本茶をコーヒー並に常用するのが得策ではないだろうか。
(参考:https://www.whais.jp WHAISの日本茶応援プロジェクト)