2021年 11月 の投稿一覧

コーヒー豆不足と緑茶ニューウエーブ

ブラジル南部一帯が大寒波による霜害で凶作との知らせが9月ごろあり、最近、日本のコーヒ豆販売店頭でもブラジル産入荷が滞っている。

お店の人も辛うじてブラジルでもこの銘柄なら在庫があります。との状況にある。生豆なら冷凍保管できるが、焙煎豆は精々冷蔵庫でも2週間が限度。ちなみに冷凍といっても、家庭の冷蔵冷凍庫ではー15から―20℃なので豆の細胞が膨張破壊されて豆は萎びる。これを避けるにはー60℃の冷凍庫に入れる。サイズにもよるが案外安価だ。野菜・魚介類の保存ならお試しは如何でしょうか。

ブラジルのとうもろこしからバイオアルコールを生産する際に筆者は無闇な森林伐採による水不足が来ると予想した。この予想は不幸にして当たった。二年前に水不足でコーヒー園は打撃を受けた。アマゾンの大規模森林が地球に及ぼす影響は大きい。寒波は海水温度が高ければ霜被害は少ない。赤道付近で温められた海水は塩分濃度が高く(比重が高く)いずれ深海へ沈み込む。この流れが地球の海の中でベルトコンベアの様に繋がっている。ブラジルは大西洋のNYあたりから冷たい塩分濃度の高い深層水が流れている。この冷たい深層水が森林破壊などによる要因で表層に出させたのであろうか。超スーパーコンピュターでの解析を得意としている日本の出番だ。

ところで、日本茶の農園では霜対策として大型扇風機が所々に立っていることを見たことがあるだろう。日本茶も霜害は怖いのだ。

静岡、京都(南部の宇治)鹿児島は温暖で霜害が少ないところと土地の性質、土地の水はけ(僅かな傾斜)が重要になる。ところで、先にあげた日本茶生産地の他に見逃せない実力者がいる。その土地はかぶせ茶で有名な伊勢茶である。伊勢神宮方面でなく、鈴鹿山麓から伊勢湾に向かう四日市水沢地区、鈴鹿地区である。四日市地区は半導体製造の先端技術製造群と隣接し、鈴鹿はホンダレーシングや椿神社が隣合わせの土地。そのコントランスが面白い。京都宇治〜滋賀湖南〜鈴鹿山麓はお茶生産に適した土地と知られている。

京都、静岡が超有名で先行しているが、鹿児島も大型スーパーモールや関東主要駅なのでPR活動を展開し猛追している。伊勢茶の生産量は全国3位であるが、ホント?的な位置付けだ。 そこで戦略として“かぶせ茶”に出た。

芽が出る前に黒いメッシュの布で覆って直射日光を遮る。広大なかつ傾斜している農園を覆う作業(時には外して、また覆う作業)はシンドイ。三重県人の性格は穏やかで忍耐強い。そんなことも、かぶせ茶生産に向いているのだろう。

結論は非常に美味しい。抹茶に肉薄する味わいながら、淹れるには手間がかからない。四日市の研究所に勤務時代には常に会社にも家庭にも存在したが、離れては縁がなかった。

そんなとき、仮設店舗を横浜伊勢丹フーズの入り口に設営し、tea-packとポットを紹介していた。そのメンバーは北新横浜の一級建築士の女性の方々。北新横浜と鈴鹿とは意外な組み合わせ。かぶせ茶の魅力記憶が呼び覚まされ、つい話し込んだ。一つを買い求め、翌日の出張時に保温ポットにいれた。時間ごとの味覚を楽しんだ。渋みが出る様ではダメなので、適当なところでpackを除いた。

さて、日本茶を我々がいただくのは、和食レストラン、(回転)寿司ぐらいで、抹茶を立てるには正月。あとはPETボトルお茶による夏場脱水対策ぐらいだ。

それでは勿体ない。美味しい日本茶を見逃している。

コーヒー豆不足も理由の一つであるが、かぶせ茶を時に味わって見てはどうだろう。日本茶にはカテキンが含まれコレステロール、内臓脂肪、中性脂肪を下げる効果があることが知られている。コーヒーのクロロゲン酸も並んで同じ効果があると言われている。飲料頻度ではコーヒーが高いと思われるが、日本食が糖尿病予防に良いと言われていることを考えると日本茶をコーヒー並に常用するのが得策ではないだろうか。

(参考:https://www.whais.jp WHAISの日本茶応援プロジェクト)

在宅と健康問題

経団連が政府の在宅7割策を見直すことを要望した。両手を挙げて賛成する。その理由は大きくは以下2つである

  • 日本独特のすり合わせシステムはface 2 faceが必要で成長戦略の影の主役
  • 健康問題

日本独特のすり合わせシステムを古いと非難する声があることは重々知っているが、それならば問う。この2年間ZOOM会議において初めてお会いした人で印象に残っている人はいるだろうか、ZOOM 会議で予想外に漏らした発言でヒントを得て発明や新製品に繋がったことがあっただろうか。筆者は例外あるが80%ない。画面では裃を着た態度に終始することも影響している。効果があるという人が居られるなら、ZOOM講演者が素晴らしく魅力があったか、それ以前に実際お会いして人柄も含め理解されているかのどちらかだろう。

実際にお会いしていると、この人なら序でに見せたい、話したいとして展開することが実際ある。最近、ある案件で特許申請をした。これのヒントはface 2 faceでお話をした会社の営業部長の新商品開発紹介を受けた時だった。その会社の商品は勿論コンセプトも全くの当方業界とは違ったが、両者の技術が融合した結果、商品ができた。当然その会社に連絡したが非常に驚きながら喜ばれた。異業種・境界情報は役立つとは公式のようになっているが、実際は異業種で活躍している人そのもの。その人がなぜその業界・分野で活躍しているか、そのエネルギーを汲み取ることがポイントであろう。

先般、湘南セラミック白石社長のジルコニアに関するZOOM講演があった。その時に寄せられた質問12の質問数は普通のZOOM講演ではあり得ないほど多い。白石社長の実績に裏付けられた丁寧なプレゼン内容に触発された質問とみた。そして質問内容と白石社長のご回答は非常に貴重であり次に繋がることを示唆された。ZOOM会議で初めてというより、司会者(コスモサイン)を介しての交流など日頃の白石社長の魅力と実績に触れているからであろう。

さて、次に健康問題

10万円配るなら在宅勤務で腹回りが拡大してスーツが会わなくなった人にお願いしたいとは冗談半分だが在宅による健康問題は深刻だ。会社に行かずに在宅勤務された人が多少健康問題は気になったところであろう。

会社によってはサテライトオフィスを契約したところがある。多くは急なこともあり在宅。自室を与えられている人は少ない。家人の監視?のもとで仕事をこなしているはずだ。下手に一服でもすれば、「そんな仕事振りだから実入りが少ない」と言われかねない視線を浴びると、休憩も取らず、ひたすらパソコンを叩く。ZOOMでファイルの画面共有にモタモタしようものならデジタルができないと烙印を家族からも押されかねない。

このようなストレスと座りっぱなしは体の異常となって現れる。太るのはまだ可愛い方で、足のむくみに始まり、下肢動脈瘤や肺塞栓症など血管閉塞による症状があり、極端には死に至ることもあるとのこと。

時あたかも11月4日の「NHK所さん大変ですよ」でこの特集がされていた。

座りっぱなしの時間12時間以上がなんと24%、10時間からも16%と非常に長い座りっぱなしの実態が報道された。在宅勤務実態として机の前でパソコン作業を勤務時間の7時間実行し、その後、食事、TVを観るなどの様子が放映されたが、実態は違うのではないだろうか。

パソコン作業は残業的なものを含め12時間は普通で、食事の合間にYou tubeを見たり、仲間が投稿していないかFacebookをチェック。正直に言えば、筆者もこの部類。それでも散歩は欠かさないに心がけている。雨降りでは散歩はできないのでYou tubeの痩せるダンスを利用して埋め合わせをしている。歩くよりダンスの方が息は上がる。 通勤で駅まで歩き、満員電車の中で揉まれているのも、見方を変えればダイエット・ダンスだったのかも知れない。

そんな筆者であるが、恥ずかしながら胴回りが拡大してしまった。クローゼットからスーツを取り出し、これは会う、これは辛うじて、これはダメっぽいと分類。情けないが、お気に入りほどダメと分類された。そういえば、最近のCMにお仕立てしませんか?2着目は割安!的なセリフが踊る。既製つりスーツでは肥満の寸法が標準を離れたこともありそうだ。

今のお仕立ては3D採寸。それが中国に飛んで、日本のテーラーとの合弁会社で縫製。多分、それで比較的リーズナブルな価格帯で提供可能なのだろう。

既製品にしろお仕立てを購入するにしても、残りのスーツにはダイエットの成果まで待ってもらうことにした。政府にはこの笑えないような悲惨な人の実態に10万円支給はあっても良いのでは? なんだ それがこのブログのオチ?かとのお叱りを受けつつ。健康に気を使いつつ、経済復活に努めましょう。

 

価値の加減乗除

コント「やさしいズ」から。友人から寿司を奢ってもらう約束をしているAはBさんから職場で助けられたので牛丼を奢らせてくれと言われる。Aは寿司を断り牛丼を選ぶ。普通なら寿司を選ぶでしょと首を傾げるBに向かってAは「エッ!?牛丼選ぶでしょ」と答える。

テンポよく会話が進むが、ポイントは 「寿司の値段3万円、牛丼の値段380円でも両方美味しいから等価である。即ち牛丼は3万円である。差し引き30,000―380=29,620円も牛丼の方が得しているのである」聴衆は意表を突かれて笑いがどっと起こる。このコントはあらぬ方向に展開するのであるが、この段階でも非常に面白い。

と言うのは等価ならの前提条件で商品をユーザーが選択するという視点を我々が商品企画をする際意識しているか?との鋭い指摘をしているのだ。世の中、付加価値、付加価値としてユーザーにとって使用頻度の多くない機能をつけて価格を積み上げていないだろうか。使用頻度が少ない機能はこのコントの等価論から言えば価格0になる。アイリスオーヤマが汎用家電商品で成功しているのは機能の引き算をしているなぁと商品を見て思うことがある。話は飛躍するが、アイリスオーヤマは大山ブローと言って灯油缶、工業薬品缶を中空成形で製造していた。この事業をスパッと始末(引き算)して新展開した。その変わり身は見事だ。

買い物上手の主婦は割り算が得意だ。瞬時の暗算が凄い一例をあげる。健康ブームでリコピン含有トマトジュースが店頭に並んでいる。まず価格➗容量を計算し、価格➗リコピン含有量を算出。その次にボトルを逆さまにしてジュースの粘性が高いか低いかをみる。粘性が低いとトマト何個分の謳い文句に疑問符をつけるのだ。さぞジュースメーカーも真っ青だろう。

再びコント「やさしいズの外食」から。今度の計算は積分。自炊が安くつくとのBに対して外食が安いとしてBを説得するA。自炊には原料買い物、調理時間、食器洗い、食器片付けを20年続けると人件費は3億円にも上ると説明。数値が莫大だがなぜか納得してしまう。

逆にいえば、ここにも新商品、新システムを企画開発するネタがありそうだ。

調理済みの宅配は既に軌道に乗っている。介護ビジネスも大きく括ると該当する。アイロンフリー衣服も多くなってきた。クリーニング業も絶対自分では不可能なものに特化することになろう。

逆に弱いのが微分。コロナ報道では感染者数は強調するが、微積を駆使して収束する時期を言うことはしない。できないのが本当だろう。統計数学者の高橋教授はワクチン接種条件前の前提付きで見事に当てていた。だが、マスコミは取り上げなかったのは理解できない他に別の理由もあったのだろうが、数学大好き子供を育成する機会を奪った。残念なことだ。

元北大・現京大の教授の最初の計算(42万人死亡説)はこの条件でしたと今からでも遅くないから明言することだろう。科学において修正は前進するに必要なのだから。

なぜ、このブログにコント「やさしいズ」の話題を取り上げた理由は、小学校に上がる前の頃 兄弟での硬貨交換の件を思い出したからである。5円相当のものを持っている自分が10円相当品を持っている姉に屁理屈をつけて交換をせしめたことがあった。自分は原則無理を承知していたが、今で言う黒を白と主張するディベートの類といえば格好が良さげだ。だが、就職して最初の上司はこの黒白が得意技だった。判事のご家系もあり論旨は理路整然。相手が首を傾げているうちに納得させる名人であった。子供の頃の硬貨交換経験者としては運命的な上司を戴いたものだ。

開発において一方的な視点で突っ走ると落とし穴がある。そんなはずはない。なぜなら。。。。と反論を受けることで、複眼的なアプローチで技術完成への確度をあげることの重要性を教えられた。当方の屁理屈を上司は受けて投げ返すことの繰り返しは実に面倒くさいが、人間関係を強くすることの効果があった。その後新入社員がグループにやってきた。大学院では研究より教授とのディベートが実社会では役に立つとして鍛えられてきただけにレベルが普通の社員とは違う。筆者は上下にサンドイッチされた格好だが、筆者が異動する機会に同行させることを願い出た。筆者が同行させたい理由を言わなかったが上司は何も言わず笑顔を返してきた。これは大変ありがたかった。あの当時のディベートはいい思い出だ。

出口調査

今回の衆議院選挙で初めて出口調査なるものを経験した。注目選挙区の一つだったのだろうか? 中学校が投票所で、門を出るとNHKと日テレの人が待ち構えていた。一緒に投票に行った家内は手を振って断ったが、こんな経験はなかったので興味本意で日テレの方の調査を受けた。

iPadに質問事項が並んでおりチェックするが、候補者の名前、どこの政党に比例を入れたかの他に項目が多く、後から思い返すと10項目はあったと思う。設問の中には本来あるべき回答項目がなく、2者択一の項目があったので、これは設問自体が違うのではないか、どちらを選択しても偏向になりはしないか?と係の人に質問したら、その場合はチェック無しにして下さいと返答。何だかオカシイと思いつつひとまず回答を終えた。投票に行った時間は昼前だった。

20時のテレビ速報はNHK、日テレをチェック。早くも当確の情報が流れる一方で、政党の当選予想数が出口調査を基に各社報道されていた。その後の実際当選者数とは大幅に乖離している会社がほとんど。なぜ乖離したのか出口調査を実際経験したことから、ありうる原因を考えた。

それは、本来は候補者と政党名だけで十分なところ、財政健全化についての質問など調査項目が多すぎることで、データーを受けた方の整理に時間がかかるのではないだろうか、コンピューターで整理したとしても、チェックを人が介すれば15時頃には調査打ち切りしないと20時に間に合わないだろう。

午前中に投票にくる人はシニアの人が多いのは通説。その人たちの多くは日頃、新聞、TVからの情報を是としている。従って出口調査はシニアの意見を色濃く反映していると考えるのが妥当なところだろうと思う。若い人は外出から戻って間に合う時間に投票行動をすることがあり、ネットからの情報、リアルな社会生活感で投票行動をしたことで実際の当落に反映したのであろう。また、家内がいう「出口調査にはサイレント・マジョリティは応じないものよ」が乖離において的を射ているかもしれない。

これから、一刻を争う当落報道よりは、むしろ、残りのアンケートの内容を解析した方がより国政への反映する機会提供になるのではないだろうか、出口調査も20時までやって、報道するときは15時締め切り時点での当落は〇〇、その後の投票行動により変動します程度に抑えておけばよかったのではないだろうか。どの道 開票3時間もすれば大勢が見えてくるのだから。

それにしても選挙って国民は賢明で上手い差配をするものだと思うことがある。レジ袋有料化を環境大臣だったときに省令で決定し自慢していた○田さん、形成不利と見ると話をしなかった。だが、選挙民は見ていた。落選。宮沢喜一氏が総裁候補になったとき、幹事長の面接試験に合格しないと候補にすらなれない珍事があった。宮沢さんはTVカメラの前で、「大幹事長様・・」と頭を下げた。その権勢を振るった男が小選挙区で落選。昭和の時代はようやく終わった。今回の一刻を争う当落予想風景もいずれ形を変えていくだろう。