2020年 6月 の投稿一覧

ドライブレコーダーとAI事故処理

不幸な煽り運転による犠牲者が発生以後、ドライブレコーダーを取り付ける車が増えた。後方を記録するのもある。 何らかの煽り運転や交通事故に遭遇してしまったときの証拠画像としては有力であることは間違ない。 しかしながら、交通事故の場合の多くはドライバーの死角からいきなりクルマが飛び込んでくる瞬間で、何がなにやら分からない状態で、お互いの責任を巡って言い争うになるか、保険が下りるにしても時間がかかる。

で、筆者は知らなかったが、この事故に対してドライブレコーダーは事故の15秒前から記録されていることと、その時のクルマのGPSデーターから位置情報を特定し、地図上で双方のクルマの位置関係・信号記録などから、事故発生をパソコン上で再現することを東京海上日動火災は発表した。 多くの事故例をAIに取り込んで深層学習の成果だそうだ。実用化は始まっているようだが、もし事故が発生したら20分後には、どちらのクルマに責任があったか、双方にあるとしたら何割かなど算出するとのこと。(Automotive 7月より抜粋)。

カーナビ、スマホによるGPS記録が充実していることに加えて、ドライブレコーダーの普及があって可能になった。 過去、不幸な事故があった。また、事故処理によっては重い責任を冤罪罪的に負ってしまったことも中にはあった。それを解決するならば大いにAI適用に賛成だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

思うに、

自動車保険会社は自動車保有台数の減少に伴って、契約者が減少していると容易に推察される。一方で、オンライン契約だと割安! とか、乗った距離数で保険料設定! 夜間休日でも交渉可能! とあの手この手で勧誘している。 レンタカーやシェアカーでの事故発生した場合は修理期間短縮などを考えると、なにより事故責任の明確化と保険金支払い期間短縮が望まれる。 格安云々よりはこちらの因子が大きく、このビジネスは伸びるのではないかと思われる。 利用者としてはドライブレコーダー取り付け車向けは、格安にしてもらえないだろうか。 筆者は無事故無違反でゴールド免許を保持しているが、万一事故に巻き込まれた時に責任が10%以下と判定されたら、救済ゴールド制にならないかなぁと横着にも考えたが甘いか。冗談はさておき、AI偏重では問題がある。 それは、事故車がどうしてそのような行動をしたのか?の解析には有効ではないのだ。

自動車機構内トラブルが発生して暴走したのか、急にストップしたのは電気系統や燃料系統にトラブルがあったのか? それともタイヤトレッドが摩耗していたのか。。。など物理的な因子に加え、ドライバーの体調(持病・飲酒・薬物)(借金・家庭内DV・仕事の失敗など心理面)も関係している。そうなると、責任加重は変化する。性善説のドラーバー同士の事故とは限らない。 保険会社でAIの陰でリストラされる調査員がいるとすれば、寧ろ、こちらのプロになる教育を施して強い現場情報を加味されることが好ましいと考える。シニア向き職業である。如何であろうか。 

マスクとエコバッグの汚染とは

NHKでマスクの外し方を観た友人から「NHKのニュースで、マスクの外し方を説明していたのだが、「マスクの前面は汚れているので、必ず紐を持って着脱してください」と専門家が仰っていた。でも、マスクの前面が汚れているくらいだったら、外に面している衣服は全部汚れていることにならないか?シャツでも、パンツでもみんな駄目じゃん。そこまで気にしないといけないのか?マスク以外の衣服はどうすりゃいいのかな?」と友人からのメール。

マスクの表面の面積に比較すれば、衣服・鞄などにコロナ菌がより多く付着するはず。MSC Software傘下のソフトウエアクレイドル社がCFD(数値流体力学)ソフトscFLOWを用いて嚏による微粒子の飛散を計算し発表している。マスクなし、袖で口をカバーした場合、マスク有のそれぞれの飛沫が空気中でどのように飛散・拡散するか計算している。マスクの有無で相当違い、袖で口を押さえたところで変わりなし、それよりマスクは抑制されることが分かった。しかしながら、それでも飛沫は飛散・拡散している。相手のマスクというより衣服に接触・沈着することが多くみえる。

 

 

 

 

付着するかどうかはコロナウイルスの帯電列がプラスなのかマイナスなのかによるが、コットン、ウール、ポリエステル、ナイロンの天然・合成繊維は帯電・電荷が異なる。また歩行や電車内などでの摩擦により帯電量も異なる。子供のころ塩ビシートを擦り合わせて頭髪などにあてて髪が逆立つことなど遊びながら帯電(静電気)を知った。暫くするとコロナウイルスを付着させない電荷の反対繊維の衣服や、繊維表面をコーティングするスプレーを見つけることになろうかと。先のメールの相手には、帰宅するやシャワーを浴び、アンダーは即洗濯、衣服はスチーム処理を勧めた。 かくいう筆者は衣服のスチーム処理は1回/週程度なので、友人に勧めておきながら反省した。

因みにプラスに帯電するのは毛髪、ナイロン繊維、ウール、シルクでマイナス帯電するのはポリエステル繊維やウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。眼鏡レンズがガラスならプラス、ポリカーボネート製ならマイナスと別れる。ゴーグルに利用しているシートはポリエステルかポリカーボネートなのでマイナス耐電する。

ウイルスの表面が蛋白質だとするとプラス帯電だと思われる。考えてみると衣服の素材ではナイロン減少、シルクはもとより少なく、ポリエステルがメインで裏地ウレタン糸のスパンデックスが多い。吸着しやすいのかも知れない。

 

米国ではエコバッグを止めてポリ袋を復活させたとのニュース。その理由がなんとエコバッグは洗わないので不潔。コロナウイルス対策には清潔なポリ袋が適している。それが理由。日本では7月からコンビニも有料でエコバッグをお持ち下さいと周知徹底を図っている。いや持ってますと答えると「ありがとうございます」と言われる。環境意識がある企業のバスに乗り遅れないとのことであろう。ここに落とし穴があると衛生面では日本より劣ると潜在的に観ていた米国が考え実行するとは思わなかった。

日米まるで反対である。筆者は従来からポリ袋が環境及び経済にもベターだと主張していた。その理由は別のブログに掲載した。今回の米国のエコバッグ廃止の理由が衛生面からとは気がつかなかった。家庭にはエコバッグが幾つかある。使い古したモノもある。でも洗ったか? アルコールスプレーしたか? と言われれば、自分はしなかった。マスク不足の時はマスク再利用の為にあれほど念入りにしたのに。

北九州では第2波、東京では歓楽街で発生が報じられている。横浜では神奈川県から安全とのお墨付きが店頭に表示されている居酒屋、レストランは三密対策されており、往時の賑わいとはなっていないが、皮肉なことに、お墨付きがない店では客が密集して大声が外まで聞こえてくる始末。いずれ第2波が来るか。勝って兜の緒を締めよと古人は戒めた。今はまだ完治までの途中なのだ。

結論先送りテレワークの熱力学

三○総研勤務の人に言わせると「アフターコロナと言っても、元に戻るだけ」と言われたことがある。そんなことはないだろう。テレワーク導入企業が増え、不要な人材も抽出され、折からのデフレ恐怖で、リストラ、事業変換を迫られて変わらざるを得ない。大方の人がこのような見方である。筆者も3ヶ月に及ぶテレワークを與儀なくされた。移動時間がないこともあり便利だと初めのころは思った。だが、解除後の今になって考えるに、この見方は一部の業種は適合しても、多くの業種では違うのでは?、又ビジネスの規模に依っては違うのでは?との結論に至った。冒頭の三○総研の人の言うとおりだ。では何故そう考えたのか。

圧倒的に異なるのは テレワークでは仕事に必要な活性化エネルギーが不十分であること。

これに尽きる。言い換えると「テレワークを通じての情報を聞いて発熱しない。平べったい受け取りの聞くだけの割合いが多く、盛り上がりに欠ける。」相対する人・人集団と直接会うことのメリットは情報交換だけでなく、より良いソリューションに導くための、一見無関係で価値がなさそうな意見も、肌感覚でおおおっ!とセンサーが働くことがある。何より、やる気を評価できる。相手もこちらの本気度、熱意を計測している。 

TV会議はスイッチを切って終わる。会議のあとの雑談や本当の腹の探り合いは全くない。効率が本当によいのか、多分結論まで時間を要すことになるのだろう。実際、この自粛期間中は何も決まらなかった。知らないでいる不安を取り除くためのTV会議だと極論を言えばそうなる。 大きな決断のビジネスでは結論先送りでなかなか決まらない。 踊らない会議・決められない会議。200年前ウイーン会議のデジタル版

 

経済学者が唱える理論とおりに社会は動かない。学者は社会構成メンバー(国民)の方が間違っていると言うだろう。本当か? 複数の大学の経済学部の先生方の講義を聞く機会がある。企業分析が聴衆にはわかり易いとあって例題に挙げて講義される。しかし先生方が研究対象に取り上げた企業はそのタイミングでは成長しており理論では更に伸びる筈だった。それが講義を聴く時には真逆になっており、聞いている方が白けることが小生の場合は多い。(そうでない学者の講義を聴いていないので暴論をお許し願いたい)

経済の素人の筆者が暴論を許されれば心理学や自然科学の方が適合するのではないかと思った。「自然科学」では広すぎる。生物・数学・物理化学など多々ある。そこで一つだけに絞るとすれば、熱力学であろう。

 毎日料理している人は言うだろう。当たり前だ。小豆を水に浸けておいても餡にはならない。加温(熱エネルギーを与え)して柔らかくして機械的にすりつぶすことで練り餡、こし餡ができると。その通りで、エネルギーを与えないと新しいステージには移らない。

化学反応・光反応などは熱及び光のエネルギーを利用している。(図参照)

 

仕事に置き換えて、個人、個々の組織が基底状態にある時に距離が近くなるほど、熱量は高くなる。(正確に言えば、距離が離れるほど熱は伝達し難い)一般的に距離の2乗に反比例して熱伝導は低下する。 テレワークは見かけ上は距離=ゼロに近いのでエネルギーは高くなる筈だが、意識距離はそうはならない。平熱が若干上がるか変化しない程度。それが筆者の3ヶ月の経験。 熱力学でもう一つ見落とせないのがエントロピー。厳密な定義は別にして超簡単に言えば

 熱変化量=温度xエントロピー変化量 

 エントロピーは系の複雑な動き度合い。系を社会とした場合、自粛要請で動きが抑制されるとエントロピーは小さく活動エネルギーは小さい。これは今回、身をもって経験した。激しい動きがあれば熱変化量は大きい。経済もおなじ。

 地方自治体で給付金や補助金を出すにも蓄財量が少なく、ない袖は振れない状況に対して東京は余裕の8000億円をどーんと出した。出し過ぎて残額は500億円になったと贅沢な話。人口、交通インフラ、夜の接待も含めエントロピーでみると東京はダントツ。もろ経済にも反映している。経済活性化には人間の活動活性化させるのが必要だ。下手に閉じると経済は死滅する。 今回のコロナ渦において死者数は医療従事のご努力で抑えることができた。感謝大である。一方で、その他の疾病、交通事故、災害、自殺など全部の死者数は対前年、ここ5年平均より低い。為政者も含め視野は二次元なので経過時間見合いでの自粛発出タイミングになる。しょうがない。でも、四次元の数式解析があれば違っていたのかも知れない。 いやいや四次元なんぞ小難しいこと言わなくてもK値が有効だと阪大・中野教授(物理)が提案して注目を浴びている。

話はエントロピーらしく、あちこち話題が飛ぶ。

人間は蛋白質・脂肪・炭水化物・微生物及び水からなる生物である。ここでエントロピー抑圧を継続するとどうなるか? 材料分野の言葉でいえばクリープ現象が起きて、エントロピーが低くても各臓器が「これでいいや的」になってしまう。肉体的、精神的の両面において。心理面でみると鬱の原因になると筆者は考える。自粛期間中に書物など読む機会があった。個々の基底エネルギー準位は高くなった。今度は人と人と近距離で交錯させることでエントロピーが高くなり、各自が蓄えたエネルギーを合わせて高い励起状態になり新規ビジネスなどに繋がればよいのではと期待される。 結論:テレワークは補助的に利用するのがよかろう。

自動運転レベル3解禁・レベル4視野

自粛期間のクルマ利用はゼロ。多くの国民は春の季節にも関わらず遠出することなく我慢、我慢を通した。 5月に入ると自動車税納付の案内がきた「4ヶ月分差し引いてくれ!」と愚痴を言う人が側にいた。まったく同感だ。 その一方で、4月1日付けで限定条件付きではあるが、自動運転レベル3が解禁になった。国際的にもレベル2止まりでレベル3に踏み切る国はないだろうとの予測を、何かと後追いが得意の日本が先行するとは予想すらしなかった。

まず、条件とは何かを記載すると(当面であるが)

*高速道路

*一定速度60km/hr で左車線走行

*その間は手放し運転が可能。 携帯電話、画面(TV、WEBなど)注視OK

*追い越しはシステムを外れ運転者が実行。

システム搭載のクルマは2020~発売開始。情報ではホンダ、ベンツなどが先行との噂。

高速道路で実績がでれば一般道路でも走行可能となる。 従来、自動運転の場合に事故責任はシステムにあるのか、それとも運転者なのかの決着が付かなかったが、今回は(日本では)自動運転中でも安全運転義務は運転者に課せらる。ただ、条文を読んでも分からないのは「物損の場合は被害者が加害車両の運転者の過失を証明する義務を負う」とあり、作動状態記録装置が物損で破損した場合はデータ証明ができない。 航空機のブラックボックス並の難燃で頑丈な筐体が必要だが。。。。などを妄想する。 この条例では人身事故に対しては被害者救済が徹底され、自賠責保険で最大3000万円までの保障となっている。これで済む話ではなく、多くは外の保険で1億円以上を掛けているのが実態なので漸く追いついてきた。また自動車税が高くなるが。。。の愚痴がでそうだ。

 

世界に先立って自動運転レベル3許可したものの、はたして、左車線走行のトラックより遅く、トラックに下手すれば煽られかねない60km/hrで我慢してドライブができる人は何人いるだろうか。筆者の場合、3密防止もあり某大学までの片道400kmを日帰りすることがある(メイン高速)。サービスエリア休憩をいれて5時間。60km/hrでは7~8時間もかかる。 公共交通では3時間半。を考えると今のレベル3は取り敢えず敬遠か。

 

さて、一方で研究段階ではあるが、面白い試みがされている。それは、完全に自動運転(運転手がいない)無人のクルマが都市一般道路を走行した場合で右折・左折するときに、対面車が道を譲るか、譲らない自己中の車か運転手の心理をデジタル化する研究がマサチューセッツ工科大学(MIT)コンピューター科学・人工知能研究所と、オランダにあるデルフト工科大学・認識ロボット工学研究所の研究者たちは、この「複雑さ」を自律走行車に教える方法を考え出した。 対面車線を走行する車の自己中の心理反映運転状況を2秒程度で判断し、良心的なドライバーであれば右左折するが、自己中車であれば見過ごす。とのことだが、本当のところ2秒間で車はどれだけ走行するか? 40km/hrの速度で11m、止まろうかなぁと速度を10km/hrで落として走行してきたとしても3mとなるので、これでは衝突する。 高速道路走行では取り付け道路から高速への入り口で自動運転はモタモタして追突事故が多いとの報告もあり、人の心理を読むことでは解決しない。さりとて、運転者の履歴を車から発進しながら走行するのも日本では海外でコロナ騒動で携帯電話に行動履歴を紐付けしてフォローしたようなことはできない。

ともあれ、非難は誰でもできる。だから対策としての研究が進むのであるから、むやみに、それこそ自己中な非難・批判はさけ、建設的な提案が望まれる。

参考までにレベル1~レベル5までのステップをAutomobile 6月号から抜粋した。

この図で「あれ? 俺のクルマはレベル2だと思っていたが、レベル1か」と落胆した人が多いのではないでしょうか。 (AEB 衝突軽減ブレーキ ACC 先行車自動追随 LKA レーンキープアシスト)

 

 

 

 

 

ところで、レベル4の規格について 米国国家規格協会(American National Standards Institute、ANSI)と米保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories、UL)は、完全自動運転に向けた初の安全規格となる「ANSI/UL 4600」を日本でレベル3を解禁したその日の発表。ULは材料屋として難燃規格認証機関としてお馴染みであるが、今回は完全自動運転認証機関として昨年10月にコンセプトを発表し2020の1Qには試案を出すと発表していた。

米運輸省など政府自治体の外にインテルなど半導体、ウーバーテクノロジー(トヨタなど出資)、アメリカ日産、ボッシュなど自動車メーカー及び部品メーカーが審議委員会に参加。

完全運転の中でも歩行者(いかなる態様においても)事故にならないことを強調している。

今後は世界標準になると予想されるが、米中冷戦が予想される中、採用する半導体、ソフトを巡っての政治的渦潮に巻き込まれ混沌とすることなども予想され、技術以外の面も注目される。