プレスリリースタイトル 妊婦の血中重金属元素(鉛、カドミウム、水銀)濃度と妊娠高血圧症候群の関連について:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)掲載日:2025.10.28 国立環境研究所 のタイトルを見て驚いた。水俣病、神通川イタイイタイ病は昭和高度成長時代で、四大公害対策は1970年代に重点的に実施された。四日市の空はコンビナートの排煙による曇りの毎日が芦屋の空と同等になったと報道されたものだ。それが今回のエコチル結果レポート。鉛、カドミウム、水銀問題が今でもあることに正直驚いた。要旨は以下の通り。
- エコチル調査は非常に多面的・精緻に実施されているので信用するしかない。これまでの研究で、妊娠高血圧症候群の発症は将来心血管疾患のリスクを高める可能性があると指摘されています。
- エコチル調査にご協力いただいた妊婦88,670名の血液中の重金属元素(鉛、カドミウム、水銀)濃度を妊娠中期~後期に測定し、妊娠高血圧症候群発症との関連性を調べました。
- 血液中の鉛、カドミウム、水銀の濃度が高い女性は、濃度が低い女性と比べ妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いことが示されました。
- 重金属のばく露を減らすことが、妊娠高血圧症候群および将来の心血管疾患のリスク軽減につながるかについて今後の研究が必要です。
事例の一つとして鉛濃度による妊婦高血圧症候群を図示する。

エコチルの仕方など元文献には実に詳細に記載されているので、統計を扱う人には参考にされては如何でしょうか。
4大公害問題から鉛、カドミニウム、水銀など重金属の規制が厳格化された中で今回のエコチル結果は矛盾しないのか、日常の生活で何に気をつければ良いのか。そこを我々が次に知りたいところだ。
(鉛その1) 以前は水道管(家庭までの細い管)は鉛製だったこともあり、朝一番の水は捨てるように言われた。今はポリエチレン製なので、このようなことはない。置き換わっていない地域では早急に切り替えるべきであろう。漏水問題が要因としては大きいだろうが。
(鉛その2) 江戸〜大正時代の白い化粧は鉛成分が利用されていたが今は使用禁止。ただし、古い家屋の塗料は鉛含有なので要注意。欧州の屋根は鉛が多いがどうなんだろう。
(鉛その3) ハンダには低融点を利用して利用されていた。子供の頃ハンダ付けを得意としていたが、何ら意識していなかった。類似して海外の缶詰の溶接に利用されていたこともあるので、缶詰を買うときは注意された方が好ましい。
(カドミウムその1) イタイイタイ病から玄米におけるカドミウム濃度は規制されている。現在は0.4ppm 以下で食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準」で厳格に規制されている。 なので今回の妊婦問題は米由来とは言えないのかも。(素人発想なのでご容赦)
(カドミウムその2) タバコの煙説、甲殻類説などあり。
(水銀その1) 火山噴火や岩石の風化説
(水銀その2) 魚介類(マグロ、カジキ、キンメダイなどの大型魚や寿命の長い魚に高濃度で蓄積。これが現代の日本人にとって最大の暴露源とされている。 先日横浜市の区民祭の時に開設されていた臨時ブースで県の職員さんから大型魚を摂る頻度などは注意が必要と言われた。知っている人は知っている。 EPA ,DHAが豊富なので魚介類は必要なので魚の選定が重要になる。
幸い マグロ、カジキ、金目鯛を毎日摂る食事は現実的ではない。アドバイスとして週1程度が好ましいとのこと。 なお、マグロではクロマグロが“黒”でキハダマグロ、ビンナガマグロ、アジ、サバ、イワシ、サケ、タイ、ブリ、カツオは“白”とのこと。自分の好物たこ焼きは?と質問があろうかと思い調べたら“白”でした。
そこで気がついた!
日本は痛い目にあった後、官民一体で環境対策を実行した。曇っていた空が見違えるように青く澄み切ったのは自慢をしたものだった。だが、それは一種のバカの壁。
経済発展途上国では進歩と引き換えに公害問題発生している。それ以前の日本と酷似している。経済・物流がワールド化するに従い、その地域からの魚介物・農業生産物が国内に流通するようになった。水際の検査体制強化の防止策と同時に攻めの環境対策も当該国が利用できるように従来以上に実施すべきであろう。先に開催されたアジア・アフリカ会議の模様も数年前から随分の変化してきたことは分かるが不十分。世界の真ん中で環境でも咲き誇る日本でありたい。













