高齢者の逆走

逆走が増えている現状の中で、65歳以上の高齢者による逆走が特に問題視されている。認知症が一因とされることが多いが、それ以外にも様々な要因が影響している。筆者は指摘されてはいない高齢者故に事故る原因があるのでははないかの視点を考えた。

一般的なシニア層の特徴として以下の6点が挙げられる。

  • 視力の低下
  • 運動能力の低下
  • 薬の副作用
  • 道路や交通ルールの複雑さに追随できない
  • 心理的要因 慣れない道路では過剰緊張ゆえの要因
  • 道路標識の劣化 シニアがわかる表示方法と言えるか

だが、そのほかに長年の運転経験の過信も原因である可能性はないか。

65歳以上、とりわけ75歳以上の人はモータリゼーションの立ち上がりからの経験者でもある。運転に関しては(体力の衰えを差し引いても)ベテランである。ベテランであるからこそ勘違いをするのではないか?との疑問が筆者は思う。

モータリーゼーションの立ち上がりの道路を考えてみよう。当時は道路幅が狭く国道といえども片側1車線が普通だった。交差点で信号が設備されたが、片側1車線での逆走は多分0に近いだったはず。高度成長の都会では片側2車線、大都会では3車線が敷設されたが、都会の交通量が多いのが幸いして信号停止による停車が見えることから逆走はしない。

これに慣れたベテランドライバーが交通量の少なく複数車線道路の交差点で右折するときに一番左のコースに車両が停止していないと、てっきりそのコースが正常コースと勘違いして走行することになるのでは無いか?と思うのである。そのような事例はコンビナートの道路によく見る。

精油・石油コンビナートには片側3車線が多く、中央分離帯の幅が3車線分ぐらい広いところもある。理由はその下に高速道路が敷設されているようなところがそれに該当する(国道16号京葉コンビナートなど)。交差点の信号は遠いところにあるので、信号機は別の道路に対しているものだと勘違いをしやすい。

筆者もこの道路を右折するには同乗者に確認を都度している次第。同じコンビナートでも国道23号線(名四国道 名古屋―四日市)では都市間交通とあって交通量が非常に多いので、そのような勘違いはない。遠すぎる信号機の場合、道路に方向ペイントを太くしておいた方が良いと思う。

東北道でのIC平面交差を逆走した事例はこれらとは違うものの、料金所で間違って出てしまったのをリカバリーするために再度入ったところで、先ほどと同じ方向に行けば良いと勘違いしたのも、昔からの道路事情(一般道路で渋滞している時は住宅街の中をバイパスをして元の道路と同じ方向に行けば合流できるハズとしたの)と同じ感覚だったのではなかろうか。

片道1車線でのベテラン故にその後経験したこのない新しい道路システムに適合しなかった。あくまでも推定。 最近のカーナビには逆走検知システムがあり、警告音やフラッシュなどで知ることができる。長年乗り続けることが経済的にまたは物を大事にするシニア層の車での最新カーナビ搭載は極めて少ないと思われる。そしてまた、過去にカーナビを信じて妙な道に入ってしまったことがあり、カーナビより自分の感を信ずるようになってしまったのもあると思う。自分の経験から他の人もあるのだろうと思うのが根拠

最後に日本の道路種類と単線・複数車線の割合を参考までに紹介(データー元が複数大量にあるので割合比率は条件加味した仮定数字)

加齢ととともに薄くなる肌をビタミンCが予防

昔のシニア層より今のシニア層は圧倒的に若く見える。デパートで店員が「お若いのでこれがお似合いです」と言うのは単なるビジネス上のお世辞ではない。店員に聞いたところによると、肌と姿勢で判断しているとのこと。TVで「私って幾つに見える?」と大阪の中高年女性は言うシーンが映し出されると、確かに肌に艶があり、弾力性がある。

皮膚の構造などについては、このブログでも記載したが、今回、東京都健康長寿医療センターとロート製薬の研究員が「年齢とともに”薄くなる肌”をビタミンCが防ぐ可能性」を発表した。(2025/4/30リリース)

超要約(下線部引用)

加齢により、表皮は薄くなる

・ビタミンCは、細胞増殖に関連する遺伝子のDNA脱メチル化を介して、表皮角化細胞の増殖を促進する

・DNA脱メチル化は、遺伝子のオン、オフを決定するエピジェネティクス制御の一つ

・皮膚でのビタミンCの役割に「エピジェネティクス制御による細胞増力」が加わり、年齢とともに薄くなる肌への新たなアプローチとなる可能性がある

 

 

 

 

 

 

ヒト培養表皮を用いた研究により、ビタミンCが取り込まれると表皮の厚み、細胞の増殖、およびDNA脱メチル化の指標である5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)が増加することが示されました。また、DNAマイクロアレイおよび全ゲノムバイサルファイトシ-ケンス解析により、細胞増殖に関連する12遺伝子の発現がビタミンCにより増加することが判明とのこと。加齢に伴い表皮が菲薄化するのを防ぐのに、ビタミンCが有用である可能性があることが示唆。

参考までにビタミンCの化学分子構造を示しておく L―アスコルビン酸が通称で正式な名称は(5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-[(R)-1,2-ジヒドロキシエチル]フラン-2(5H)-オン 一度には覚えられないが、野菜・果物は自然と合成することに驚く。

ちなみに野菜ではパプリカ、ブロッコリー、ピーマン、ジャガイモ、サツマイモが果物ではキウイ、レモン、ミカン、イチゴ

などに多く含まれている。 ビタミンCといえばレモンと思いがちだがパプリカはレモンの3倍。意外にもジャガイモにも対レモン30%だが存在していることに驚いた。高温の油で揚げるポテトチップスのビタミンCは分解するか調べてみたら、おおよそ160〜180℃でビタミンCの熱分解温度190℃より低いことがわかって安心。ふりかけ塩の方が心配かも。

とはいえ、過剰摂取は腎臓にとってよくない。尿路結石の原因の一つと言われている。ここでもバランスの取れた食事が肝要といつもの結論。 徐々に夏日になってきた昨今、日傘が目立ってきた。紫外線による皮膚の劣化対策ではあるが、それほど強くない紫外線の日射では日傘を使わない方が賢明と書いた。理由は60歳を超えると一気に皺が増えることが報告されているからである。皮膚の体積が減ると物理的にシワになるのはわかる。信じるか信じないかはお任せする。

最後に化学結合に関する研究でノーベル賞をとったライナス・ポーリング博士は晩年突然にビタミンCが生体内反応に重要な機作をするとの発表をされた。ビタミンCが現在でも100mg/日が基準であるところ、2〜3gを摂ることでスペイン風が抑えられたはずであると主張された。生化学分野から異端児された。常時摂取と必要時の瞬間摂取とは切り分けてみるのもアリかと医薬面の素人ながら思う。

三方よし vs. エゴ 成立するのは

ブログは企業や個人がウェブ上で集客するためのツールとしての役割である。その意味ではコスモサインの材料マイスターブログの内容は本来のブログ目的からほど遠い。関係者一人の独り言、日記であることと都合よく解釈して、今週もこのブログは脈絡なく始まる。

最近の話だが、展示会で名刺交換するとき、〇〇のご出身だろうなぁと思っていると「甲賀なんです。滋賀は伊藤忠、西武の堤家の出でして。。。。と何気ない会話。滋賀県の人は今や商社首位となった伊藤忠商事を自慢に思っていることは確か。西武は池袋・所沢のイメージがあるが琵琶湖東地区の近江鉄道やバスは西武。ライオンズバスが走行しているとエッ?と思うことがある。

伊藤忠の「三方よし」はあまりにも有名。商売は「買い手よし、売り手よし、社会よし」の三条件が基本。ディーリングが得意な某国大統領であれば当然知っているはず。売り手の圧力だけで残りの2条件が揃わないと長い商売はできない。左ハンドルの欧州でも米国車は極めて少ない。環境・エコ・エネルギー不足の欧州の厳しい消費者から見ると購買意欲が出ないのだろう。

前職で、先端材料と新機構を盛り込んだコンセプトカーを試作すべく欧州のデザイナーに依頼したことがあった。その時の第一優先事項は スモールカーであること。理由は欧州の古い街特有の駐車場問題が指摘された。市内に入るにはナンバープレートが奇数・偶数で分ける都市もあったほどだ。提案されたスモールカーは日本の軽自動車サイズだった。既存の駐車場スペース1台分にコンセプトカーなら2台は可能。今、欧州では日本の軽自動車に熱い視線が注がれているのは理にかなっているのだ。三方よしを満たしている。 米国車で売れているものはJEEP その理由はオフロードに適しているからとニーズの条件に満足しているからだと思う。ただし利用者は2〜3台目でありメインユースではない。

欧州では特にトヨタ叩きもあってEVに猪突猛進したものの、冬場問題、社会インフラ問題もあり頓挫した。肝心の環境問題もLCAで見ると怪しいとの(現状レベルでは)情報も浸透しつつあり、ルール変更すればトヨタを叩けるとの考えが一方的な売り手戦略であり「買い手よし」を補助金で釣ったが、補助金が切れると「買い手条件」を満たしていないとわかりまさに混乱状態。

ところで、米国は日本のクルマ事情を全く知らないのだろうか? いや待てよ! フォードは戦前に横浜(今の新子安)で製造工場を持っていた。生産車はT型フォード。関東大地震では東京から特注生産を担ったほどだ。日本は舗装もされず、細い道路で住宅が密集の中、車サイズは大きくできないなと技術者は思っていたはずだ。戦後は経産省の方針もあり撤退を余儀なくされたものの、マツダに資本参加するなど日本情報には熟知していたはず。よく事情を知っているからこそ、拡大することに躊躇したとも言える。

特にクルマは高価であるから、ディーラーが近くにあり、相談に相談を重ねてわかる営業マンの人柄、ほとんど故障しなく、リセール価格、点検も修理体制など諸事情を考えて購入するのが一般的。 クルマという商品はE-コマース的には日本は向いていない。売り手の合理化都合だけの条件は日本では成立しない。

話が飛躍するが(このブログでは通例ですが)発明をして特許申請を特許事務所に依頼すると、やり取りはFAXがメイン。理由は電話通信回線なので情報漏洩面において圧倒的信頼性があるから。今時FAXなんて時代遅れだとか、ニホンパラバゴスの一つと揶揄されるFAX。発明出願日が1時間遅れても無効になる、その間、情報を抜かれることが一番堪える。パソコンデジタル化がFAXを駆逐したように見えるが、2重ロックでも安心はできない。FAXか紙書類持参しての打ち合わせが最も信用性がある。 一種の三方よし なのだ。日本で絶滅危惧種になったFAXだが、いずれ見直しがくるだろう。 新技術、新コンセプトビジネスが出ると注目するのは当然なのだが、隠れているところを見つけるのは困難だ。

総じて、瞬間的には圧力に堪えきれずに妥協しても、長期的には双方及び社会において満足されないものは、やがて変わりゆく。

環境レジリエンシーと細菌叢

いつの頃の話だ!と怒られそうだが 子供の頃の京都・大阪の水道水には独特の臭いがあり閉口した。大阪での食堂ではこれでもかと冷えた水を出された。臭いマスキングのつもりでもppm, ppbの匂い成分は嗅ぎ分けられる。子供頃はこれが高度成長の一つの現象だと理解をしていた。大阪の空は工場排煙によるどんよりの鬱陶しさもあって納得していたが成長ってこれだと今から考えると勘違い。

その後、京都・大阪の水源は琵琶湖と知ったが、TVでは家庭からの排水により琵琶湖湖面に泡立っているのを写し出されていた。もちろん浄水処理はしてはあるが限界はある。その後に琵琶湖に流れ込む工場排水、家庭排水について対策がなされた。なお、京都の料亭や湯葉の製造においては地下水を利用していたが、95%以上の一般家庭は琵琶湖からの水道に頼っていた。

あれから数十年が経過した。水源管理の滋賀県の各市町村の排水基準が厳しいことは湖東地区のペットボトルリサイクル工場建設に少しだけ関与したことで実感した。

そんな時に面白い文献が発表された。「琵琶湖に注がれる河川の水、土に棲息する細菌群衆の活性から当該地区の生態系の壊れにくさを診断する」。近畿大学、龍谷大学、海洋研究開発機構、京都大学が2025年4月4日にリリース。

要旨は次のとおり(原文掲載

  • 微生物は、有害物質の無毒化・植物への栄養供給・カーボンサイクルの維持などの観点で、生態系の土台となっている。
  • 生物多様性の喪失と生態系機能の劣化を独自のシミュレーションモデルによって予測することで、細菌の集団が担う生態系機能がどれだけ壊れにくいか(生態系レジリエンス)を定量的に診断・評価する技術を開発。
  • 自然環境以外に、農地や都市などさまざまな環境に応用可能な技術。生態系レジリエンスの長期モニタリングや自然環境保全地域・自然共生サイトの選定、および土地開発時の環境影響評価、TNFDレポートでのLEAPアプローチへの早期活用が期待される。 

知らなかったのは文中に「細菌は地球上で植物を除いて最も生物量の大きなグループであり、人間も含めた動物すべてを合わせた生物量の30倍近いカーボンを保持しています」の記載があること。この件だけでも元の文献を読む価値がある。

滋賀県には京都からの大学、企業の移転およびアクセスの便利さから京都・大阪への通勤する人の住居など開発が相次いでいる。その余力があるのかを見るにも生態系機能の劣化をチェックする必要はある。

 

 

 

 

 

 

生態系の壊れやすさをどのように診断するのか。

 

レジリエンス指数 [細菌叢内の機能遺伝子数] = c×[単位分類群数(ASV数)]a という式であらされる関数を用いて生物多様性と生態系劣化の程度についてのシミュレーション結果を近似し、指数aが大きいほど壊れやすく、aが小さいほど壊れにくい生態系であると診断(元文献からの引用) 

 

この図に記載の河川が流れている市町村は次のとおり。位置関係おおよそお分かりかと思う。琵琶湖東側の市町村をピックアップしている。図1のシミュレーションで劣化しないとされた地域は琵琶湖の西側で比叡山からの狭い土地であり住居が多い地区でもあるのだろう。

  • 姉川(あねがわ): 長浜市、米原市
  • 愛知川(えちがわ): 東近江市、愛荘町、彦根市
  • 日野川(ひのがわ): 日野町、東近江市、竜王町、近江八幡市、野洲市
  • 野洲川(やすがわ): 甲賀市、湖南市、栗東市、野洲市、守山市、草津市(河口付近)

琵琶湖が壊れやすいのが何故だろうか? それぞれの河川では細菌多様性が琵琶湖より低いのだが。 これが疎水を通じて京都への水道源となるとすると継続して琵琶湖の細菌叢(さいきんそう)維持にお願いしたい。

冗談半分で京都人から滋賀人にクレームを出すと「琵琶湖の水止めたろか」とやり返される。京都は「やれるものならやったらどうですか?」と言う人もいる。実際止めると湖岸周辺地域の床下浸水が予想されている。

でも疎水は京都市が上下水道管理、国が環境管理、発電所は関西電力となっているので、本来は京都・滋賀よりも国がレジレンシーの管理をお願いするのが筋なんだろうだが。 それはさておき、今回の細菌叢に関する文献は足元をよく見ろとの忠告としてありがたい。

食品成分による糖尿病抑制

医薬品ビジネスから撤退(事業売却)をした三菱ケミカルHC。傘下の田辺三菱を事業売却する理由が「医薬品が従来はケミカル合成反応の範疇だったのが、バイオ・遺伝子領域になったことからケミカルとは異なる分野となった」が挙げられていた。特許が存続している間に売却をした。なるほど製薬事業は非常に投下資金見合いの成果割合が非常に薄いので厳しいのは確か。たとえ新薬が線虫やラットに効きそうだと確認されても人への適用までの道のりが長い。かつ巨額と投資が必要。

そんな中、最近の街には漢方薬局が目につく。デパートやSNSでも宣伝活動も活発。子供のころ漢方薬局の前を通ると、薬草の瓶詰風景や独特の香があり、西洋医学に比較して遅れている感を持っていた。お客さんはシニア層で、親戚の家に行くと漢方薬を煎じていて独特の匂いに家中がセピア色に見えた。漢方薬は即効性がない、忙しいビジネスマンからは距離があった。

それが、なぜ最近漢方薬が見直されているのか? コロナワクチンが合わずに不具合のニュースを目にするようになってきたことで西洋医薬に100%頼ることの疑問が生じたこと。漢方薬サイドの説得力あるCMもあるのだろう。

代表的なフレーズは「長い時間の中で劣化した臓器が即効を謳う医薬では対応できない」「表面的に見える疾患は実は内臓疾患であり有効処方は漢方にある」など。これらにNOと言えるには、それ相当の長期間を必要とする。

それを踏まえると、長期にわたって臓器が劣化するかといえば、食事と運動不足であること自明の理。できるならば適切な食物を選択したい。すなわち正解=(食事+東洋医学(漢方)+西洋医学)*運動の単純式。

横道にそれるが、漢方薬は複数の生薬の組み合わせが多く、それぞれ長年使用された実績もあるので、西洋医学の新薬とは薬事事情は違うのではと考えたので一応調べた。薬機法で確かに定められている。面白いのは漢方だからこその項目がある。

「漢方薬特有の審査とは」以下の通り

  • 生薬の品質管理: 生薬の産地、品種、採取時期、加工方法などが品質に影響するため、詳細な規格基準が設けられている。
  • 漢方処方の妥当性: 漢方医学の理論に基づいて、処方の構成や量が適切か評価。
  • 伝統的な使用経験: 長年の使用経験がある漢方薬については、その経験も参考にする

ここでは薬事も必要のない日頃食べている食材由来の成分が糖尿病予防する文献を紹介する。 広島大学 、山口東京理科大学 2025.03.21 発表

機構解明に実に面白い実験をしている。

「アピゲニンはタマネギ、オレンジ、パセリなどの食物に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用などを示し、かつ小胞体ストレス応答の誘導(GRP78, CHOP)を抑制し、小胞体ストレスによる細胞死を抑制しました。さらにアピゲニンは、小胞体ストレスによるインスリン抵抗性改善効果を示した。」 次の図に集約される。

 

 

 

 

 

 

筆者が面白い実験と表現したのは文献の次のくだり。

「作用機構を明らかにする目的でアピゲニン結合タンパク質を検討しました。アピゲニンとリンカーを介して磁気性ビーズに結合させたビーズを作成し、本ビーズに結合するタンパク質を SDS-PAGE、銀染色、nano LC–MS/MS 解析により同定しました」 僅かな知識しか持ち合わせていないが、なるほど勉強になるなぁと感心。

玉ねぎは酢玉ねぎとして毎朝摂っているが、アピゲニンは玉ねぎの皮に多く含まれているので、本当は表皮を集めて煎じた方が効果大と思われる。ただ、スーパーで万人に触られていると、ためらうところがある。中身を多く摂ることでカバーするか。

参考までに、アピゲニンは玉ねぎ、オレンジ、パセリ以外にも セロリ カモミール グレープフルーツなどフラボノイド系柑橘類に含まれる。

投球時の指滑り観察文献紹介

選抜高校野球が終わり、N PBが開幕。MLBでは大谷が好調。まさに野球シーズン突入。実況中継では子供頃になかった球種「フォーシーム」「ツーシーム」などを聞く。その度、アナウンサーは凄いなぁと冗談半分思う。

投球からキャッチャーに届くまでの0.4秒の間にボールの縫い目の数を数えられるのだから。スライダーの言葉は馴染んできた。子供頃は直球、カーブ、シュート、ドロップが使われたものだ。ちなみに筆者はシュートが得意だったが肘に負担がかかった。

子供の頃の話が続くが、ピッチャーで滑り止めの粉が入った袋を「ドージンバック」と聞き間違えて使っていた。長じてロージンバックをアナウンサーが話すことで、ロジン(松ヤニ)と炭酸カルシウムが配合された粉だったと気がついた。松ヤニとしてはハリマ化成、荒川化学がロジン由来の製品を開発している。繊維や紙産業向けから現在は電子材料まで幅広く利用されている。

以前のMLBではピッチャーの帽子の鍔のところに粘着剤を塗布して指とボールの粘着を高める不正を盛んにやっていた。必要もなく帽子や袖に触る仕草があった。今はマウンドを降りたピッチャーに審判がチェックする仕組み。それでもツバで指を舐めることは今でもあり、キャッチャーが返球の際にボールをこれでもかと捏ねる。

前置きが長くなった、ここはピッチクロックよろしく本題投球開始。

東北大学と宇都宮共和大学が「野球における投球時の指先のすべりを初めて定量化! ~投球パフォーマンスの向上や投手の障害予防などへの貢献に期待~」なる文献を発表した。 2025.03/28 リリース

要旨を転載すると

  • 高速度カメラを用いて、野球において直球を投球する時のボールリリース過程(注 1)における指先とボールのすべり距離を推定する手法を開発しました。
  • 水で指先を濡らした場合に比べてロジン(注 2)などのすべり止めを使用した場合には、ボールリリースまでのすべり距離が 1/2 以下(平均でおよそ 8 mm)ということがわかりました。
  • 摩擦力の低下によってすべり距離が増加すると、球速や回転数が低下し、ボールは狙った位置よりも上方に到達する傾向がみられました。また、特に回転数の低下に大きく影響することがわかりました。

 

実際の指から離れるところを撮影した図が本文にあるので見ていただきたい。

 

投球速度が遅くても「キレがある球」とはこの回転数を指しているらしい。プロ野球のピッチャーであれば平均ボール回転数は2,300rpmとのこ球速が遅くても176勝,奪三振2041の実績を上げた星野伸之さんのような人はどのような指をしているのか知りたいところだ。放送を聴きながら次の球種が区別できるでしょうか。同じような球道だけに素人にはわからない。

シュート/ツーシーム、スライダー/カットボール、シンカー/ドロップ。

わかるのはカーブ、ナックル、チェンジアップ。打撃の神様である川上哲治だったら球種がどうであれ球が止まって見えたそうだから関係がないのか。長嶋は「きた球をカキーンと打つ それだけ」これも球種は関係なさそうだ。

今のピッチャーの160km超える場合はどうなのか架空実験をAIでやってみたら面白い。現在ほどの精度のある高速速度カメラがない時代の豪速球投手、江夏、江川や尾崎行雄、金田さんなどは知りたいと思いませんか? シュートでは稲尾、西本や平松さんを比較したい。エッ知らない人ばかり。それを聞いて落ち込む=それをシンカーというのか。

歩数と健康

「だらか言ないこっちゃない! 過ぎたるは・・・」と言われたOBがいる。なんでも毎日2万歩を数年続けたことで膝を痛めたとのこと。見た目にはスマートな体型だけに歩くことのメリットはあったのだろう。だが、過ぎたるはである。 かく言う自分の歩数は昨年は390万歩を超えた。1日1万歩強。 最近の情報ではでは1万歩を超えても健康効果はない。膝がやられるなど良いことないから8000歩説がもっぱらである。シニアでは6000歩だとも。

一日の歩数内容は自宅内500〜1,000歩、ビジネス6,000歩、散歩・買い物5,000歩。日により割合は変化する。 散歩ではお気に入りのスニーカー(H社製)をここ3年半利用した。それまでのスニーカーより快適だったが、内側に綻びが出てきたので同じメーカーのものに買い替えた。ショップのスタッフと歩行のノウハウなど楽しい情報を交換しながらスニーカーを選択。

値段は安いとは言えないので躊躇したが、これから歩数も1万歩/日とし綻びするまで履くであろうと計算すると1歩が4銭前後の計算。これを高いと見るか安いと見るか。健康で医療の出費がなければ非常に安いことになる。

さて表題の歩数と健康に関して。

ダラダラ歩くのではなく、インターバルに速度アップを入れないと効果がないとも言われている。情報過多のところがあるので、エビデンスが欲しいと思っていた。

愛媛大学から「あらゆる歩数が健康に寄与する」2025.03.17 プレスリリースされたので早速チェックした。

中高年女性の日常生活における歩行活動パターンを特定し、それらのパターンとメタボリックシンドローム発生リスクとの関連を検討した論文である。

確かにダラダラ歩いての1万歩とサッサと高速歩行での1万歩では健康に影響あるのは定性的には理解できる。だが、買い物を例にすると行きはサッサでも帰りは荷物を持ってダラダラになりがちである。

結論はなんと

1)「主に中高強度の歩行時間を蓄積することで1日1万歩程度の歩数に達するパターン」と「主に低強度の歩行時間を蓄積することで1日1万歩程度の歩数に達するパターン」のメタボリックシンドローム発生に対する予防効果は同程度である。

2)6000歩と高速歩行1万歩では効果が少ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダラダラではないが普通でも良いのか。 確かに友人とお喋りしながらゆっくり歩いている女性の方が健康的に見える。横浜は坂の街。坂道を上る運動量はダラダラ1万歩より違うだろと思っていたが、このパターンを見ると単なる言い訳なのかも知れない。

男の場合、歩行速度が速い方が出来るビジネスマンと見られがちである。本当は出来る風情を見せているだけなのかも。ゆっくり歩くことで得られる情報を削除しているのは勿体無い気もする。 建築現場で見る工法の今昔での変化を知るのも楽しい、交通整理している人との雑談の中に意外なことを知ることもたまにある。海外で営業活動の経験を話す人もおられる。先を急ぐことばかりではない。だが、1日の歩行数を決めたからには実行する、その継続意識は人との交流、スポーツ、ビジネスには必要なのだろう。陳腐なワードではあるが、「継続は力なり」か。

ではいつ歩くのか? それを解明した文献があればと期待する。俗説かわからないが食後の散歩は血糖値が上がっても緩やかなので良いとか、朝起きの散歩はやめた方が良いなど諸説ある。エビデンスがあればどなたか教えて頂いたらありがたい。

歩くことで着想することがあれば、筆者には縁遠い哲学の領域を拓く可能性があるとすれば、歩くことは非常に重要。歩くことに関する文献があれば今後も随時紹介していきたい。

勘違いの原因?

日本の研究.comを眺めていると驚くようなタイトルに出くわす。思わず「そう・そう」と相槌を打ったのが今回紹介する文献。

自分はよく勘違いをするのは確かで、しっかり者の家族から都度指摘される。昔の上司のそのまた上司(後に専務まで務められた方)の記憶力は驚嘆したことがある。実に30年前のことを議事録にでも取っていたかのように話されたこともあった。どのような頭脳をしているのか知りたいところではあるが、人より3割は大きい頭だけに、収納能力が高いのだろうと勝手な理屈で納得していた。

メモリーの都合で過去は美化されて記憶に収めるのが普通。ここで美化は嫌なことを消去して良いところだけ残す作業を自分は意識してやっていると思っていた。

しかしである。今回の文献によると「記憶は無意識のうちに変化する。勘違いを生み出す脳の仕組み」を理化学研究所からプレスリリース(2025.02.21)。

超要約すると ある出来事の連続(例:Aの後にBが起こる)を記憶すると、その出来事の逆さまの記憶(例:Bの後にAが起こる)も無意識のうちに生まれます。その後、時間が経過すると、本当の記憶と逆さまの記憶が脳内でまとまり、区別ができなくなります。」 実験例が紹介されている。

 

 

 

 

 

 

なぜこのようになるのか脳に核磁気共鳴装置を取り付け観察すると海馬に変化が認められたことが判明した。

 

 

 

 

 

 

ここまで読んで「勘違いするのは脳の自然な成り行きなのだ」と言い訳は50%当たっているだろう。でも30年前のことを正確に言い当てた人の脳はどうなっていたのだろうか、気になる。

50%の言い訳で世間では通用しない。むしろ危険なことに繋がりかねない。

現在、スマホにはメモアプリが標準で入っている。これを利用して音声を文字起こしで暫定的に記録することもできる。スマホ画面に向かってペンもしくは指で記録することもできる。PCに転送して保存することもできる。PCも容量見合いでクラウドを利用することや、最近では格安の家庭内サーバーも人気が出てきた。

一方で現代は情報化社会となって刺激を多く受けないと、それによっての組み合わせができない。あるほど逆に記憶して置いたものとの掛け合わせがクリエーター的でもあるかもしれない。

奇人・変人・妙な人がクリエートすることもあるので、先週のブログ記載の音ハラや何ハラを無くしてはつまらなく、成長がしにくい社会になると予想される。

確定申告風景と年金

毎年 2月中旬〜3月中旬は国民義務感が強く漂う季節である。確定申告の時期。サラリーマンは雑収入や相続など給与所得以外の収入があれば申告が必要となるが、ほとんどの人は年末に保険や医療費を経理に出して終わり。最近はふるさと納税やiDeCoを利用する人は確定申告をする。その確定申告でもe-TAXが以前よりチューンアップされてきたので非常に楽になった。

数年前はe-TAXで申告書作成の途中でソフトのバグにより、それより先に進まない事態があった。近くに臨時の申告書提出所があったので相談に行くと、長い行列の後ろに並ぶように指示され、申告にきたのではなく、バグを回避する方法を教えて欲しいとお願いした。国税担当者もバグを見つけたので、急遽紙で提出。それはさておき驚いたのは申告書に必要な書類を手に順番を待つ行列の長さ。 部屋の中ではパソコンを前に職員が書類を見ながら入力されていた。あぁこんな楽な方法があるのなら自分も来年はそうするか? と不謹慎ながら思ったことがあった。

今年、e-TAXをパソコンで申告した後で、買い物ついでに臨時の申告会場風景を見るべく立ち寄ったところ、別の意味で驚いた。 まず、列が非常に短い。従来は国税1管轄分だけだったのが、今年は2つの合同提出所。それにも関わらず列が短い。もう一つ驚いたのはガイドの職員から「スマホをお持ちですね」の確認の声。作業テーブルにはパソコンはない。マイナンバーカードとスマホで申告作業に切り替わった。一旦学習すれば次年度はこの提出所にくる必要は減少する。だから行列が短いのかと思った。一方でスマホのソフトはGAFAMに握られて、その分国家赤字(デジタル赤字)の拡大となっていることを改めて痛感した。日本製ソフトにならないのかと。

行列の長さが減少した大きな理由は「公的年金受給者の確定申告不要制度」だ。 公的年金だけの収入で400万円以下、雑所得が20万円以下の人は申告不要。公的年金で400万円の人がいるにはいるだろうが、非常に少ないと思う。最近のYoutubeで年金額を聞く場面を多く見る。(編集もあるのだろうが)遥かに400万円に届かない。会社生活から定年1年目は申告作業が大変だが、2年目からは申告不要生活になる人が結構多いのではないか。(注:国税は不要でも県民税の申告が必要あるので要確認)

日本の年金は年休受け取り側の生活が回るように年金額を決める給付建ではなく、若い人の拠出額を一定にした拠出型になった。(年金100年安心制度)。足らない分は受け取り側の年金を減らす方式なので、受け取り年金は増えない。年金受け取り側の生活は楽になることはない。

仮に年金が15万円/月だとしたら、大きな貯金がない限り、とても生活できないのでアルバイトなどで食い繋ぐしかない。その雑収入が上限20万円を超えると要申告。ここの見直しは必要だと思うが如何だろうか。ちなみに、G7の申告制度には疎いが、フランスを除いて一定の所得以上に義務がある。フランスは全員所得によらず申告義務と透明性が高い。G7全部が電子媒体申告。スマホを持たない人はどうしているのか。不法難民対策もあるのか。

話は飛躍するが、マイナ保険証が実施された。 不法な背乗りを排除するには好適。 4月からはマイナ運転免許証制度が始まるが心配なのはスマホでチェックしないと有効期限がわからない。気がついた時には失効になるかも。従来通りハガキ通知はあるのか、ないのか。マイナンバーを紛失した場合の再発行と免許復活には2ヶ月ほど必要となると、従来通りの免許にする人が多いと予想する。遅れていますか?

SDVと課題

クルマのパワートレインの混乱もEV熱が冷め、H V,PHVに集約しつつある。これから熱効率の優れたエンジン、その先に水素エンジンになる模様だ。だが、利用者から見て、動力源がどうあれ利便性に重点を置いてのクルマ選びになる。そのポイントがSDV (Software Defined  Vehicle)。 ソフトウェアによって機能や性能が定義される次世代の自動車を言う。

SDVはソフトウェアのアップデートは無線通信(OTA(Over-The-Air))によって機能を追加・更新できるため、購入後も常に最新の機能を利用できるという特徴があり、NTTデータなどが力を入れている。運転支援機能、エンターテイメント機能などが利用できる。最終的には自動運転・安全運転機能、その他のエネルギー有効活用運転支援などが挙げられている。そうなると運転免許にも昔はオートマ限定とあったが、自動運転限定免許が出るのだろうか。返納免許を返し欲しいとの声が聞こえることも予想される。車が必要な地域の高齢者にはありがたいシステムになろうか。年金生活では購入不可でも市町村公共輸送システムなら利用できるかも。

 

そんな薔薇色の社会ではあるが、課題もある。サイバーセキュリティ、ソフトウェアの信頼性、ハードウェアとソフトウェアの連携など。余計な一言だが自動車メーカーでこれらに追随できないと落ちこぼれていくのは必定。トヨタ、ホンダ、三菱自動車にはソフトウエア、通信関係の仲間企業がいる。宇宙関係に強い三菱企業群と関係すると三菱自動車の位置付けが変わる可能性がある。

 

 

 

 

 

 

 

さわありながら、早くもSDVに注意を喚起する文献が出てきた

走行中の自動運転センサーを長距離から無効化できることを発見 ~脆弱性を明らかにし、より安全な自動運転車両の開発に貢献~ 慶應義塾 2025,02,25リリース

超要約すると 60km/hrで走行する車両に110m以上からLiDARセンサーを攻撃するシステムを開発した。実自動運転車に対して オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を搭載した車両に対して LiDAR 攻撃を行い、衝突事故や急ブレーキが誘発されることを実証とのこと。 詳細は文献を参照のこと。


 

実際 路上先に歩行者や車両障害物があった時、LiDARレーザーは認識して停止または回避するところが、障害物が実在しないと処理することで事故になる。また逆に実障害物はないのだが、あたかも存在させたかのようにLiDARが検知してストップすることなど任意にできてしまう。

セキュリティ防業と攻撃のイタチごっこが自動運転車両で展開されるとなると、いつ安心して利用できるのか、そこが知りたい。下手をするとテロに利用されるとなると自動運転に両手あげて大歓迎とはならない。 側にいる人から「そんな大袈裟なことを言わなくても、携帯を見ながら突っ込んでくる自転車の方が殺人的だがなぁ」と言われた。そうか、歩きスマホ、スマホ自転車を見つけたら一瞬で画面が消えて警告がでるシステムを作った方が安心かも。