γ―オリザノールと認知機能

「こぬか雨」。演歌の歌詞にあったような記憶。愛しい人を待てど来ない雰囲気を表現しているイメージがあった。こぬか雨が小糠雨と知ったのは相当の後だった。漢字の歌詞ではイメージが異なるので、ひらがなにしたのだろうか。作詞家の術策にハマった。糠に釘、糠喜び、糠働き、糟糠の妻(今は死語)のように糠を揶揄するような言葉がある。それでいて日本食には糠漬がやはりいいなぁと。

現代より玄米文化が浸透していた時代の方が認知機能は良かったのではないかと思わせる文献があるので紹介する。

琉球大学のプレスリリース(5月31日)は「ナノ粒子化γ―オリザノールによる認知機能改善効果の実証〜玄米機能成分の摂取が加齢に伴う認知機能低下を防止・改善できる〜」

ナノ粒子のポリビニルアルコールに玄米成分であるγ―オリザノールを包摂し、マウスに経口投与実験を実施したところ、記憶を司る海馬における炎症が鎮静化し、神経新生が促進され、低下していたマウスの認知機能が顕著に改善すること確認されたとのこと。(下線引用部)

 

我が家では子供がアトピー出会ったこともあり玄米食だったが、成人になるにつれ欧米化(および京都の一銭洋食由来の牛肉文化)に飲み込まれ、いつか食べにくい玄米から距離を置くようになってしまった。その一方でファミレスで白米ですか?雑穀米ですか?と問われると、一種の見栄で雑穀米を選ぶこともある。

あの時、この文献が早く出ていたら現在の記憶力低下のだらしないことにはならなかった。

顔はわかるが名前が出てこない。アレ、アレ、喉まで出ているが、、、、と苦しい言い訳。幸い相手もアレでわかってくれることもあり、最後は笑って終わる。人生これで終わりでは寂しい。

親類同士で糠床の交換があり食事に季節の漬物が添えられているのは助かる。それ以外の食品でγ―オリザノールが含まれているものを列挙すると、米糠油 米糠クッキー、米糠パン ブラン、酒粕など。

清酒は酒米の表面を削り取りコアの濃度を高めて醸造するので、副産物の酒粕に米の表皮成分のγ―オリザノールが含まれているのは当然。AI検索では「一般的には、100gあたり10mg~30mg程度含まれていると言われている」とのこと。筆者の朝食の味噌汁には酒粕、豆腐orわかめが入る。この文献を頼りに酒粕増量するか。酒の肴(アテ)は糠漬けが理にかなっているのかも。

糠漬けの魚(へしこ;日本海若狭地区名産)も美味しい。アレ・アレの数は減ったが、ソレ、ソレ、あの、あの、あの人・・・もある。アレで優勝した阪神が不調なのは、優勝を逃した球団が対策を立てたことを認知しなかったソレが原因。と無責任なあの人の声(笑)

現金はだめ?

QR決済かPay Payにして下さい。誰でも知っているストアで言われて驚いた。レジ担当の言い分は「精算機で紙幣や硬貨を入れる場合、紙幣が戻ってこないことを確認する手間がかかるのです」 そのような背景があるとは知らなかった。

品物のバーコードを読み取るのは従業員、それを客は指定された精算機で支払う仕組み。経営者なら手数料3%前後を管理会社に取られ、入金は翌月なら、現金支払いの方が好ましいだろうと考えていた。現場の従業員の立場では関係ないらしい。従業員が機械精算に不慣れた客にアドバイスする様子は見るが、紙幣が戻ってくるか否かを確認している風景を見たことがない。

以上が先月、筆者が経験した顛末。精算して他の商品を追加しようと探していたら館内放送があり、先ほどの売り場まで来て下さいと呼び出された。行ってみると精算機に入れた紙幣がその後で戻ってきたとのこと。客が変なことをしなかったのかを知りたいとのこと。そして冒頭の発言が飛び出したのだ。戻ってきた紙幣は折り畳部分なく正常。精算機の不具合を調べるのが先だけどなぁと思いつつ現場検証?に立会い。

政府の目標はデジタル決済の割合を80%とおいている。ビジネスの流れが可視化できるなどメリットはあるのだろう。大きなストアとならずとも小規模商店が連なる戸越銀座は殆どが政府の肝入りでPay Payを導入したのが数年前。だが、現実にお店で聞くと「導入したから客が増えたことはない」と至極まともな声。食堂などは現金を触ってレジした後は丁寧に手洗いをする必要がありデジタル決済の方が良いのはわかるが、それ以外の物品販売では本音は現金が好ましいと推測。

QRは処理中に背後から撮影されないよう注意が必要だし、Pay Payも残高をみようと思えば可能だとしたら、残高が少ないところを見られるは恥ずかしいので使用していない。

NHKクローズアップ現代の中でQRコード詐欺が報じられたが、偽ECでの購入にハマると大変なことになるのもQRコード決済をしない理由。まだまだセキュリティが完璧ではないのでは?と見ている。(もっともイタチごっこで完璧はありえないが)。

最近のレジでは時間がかかっているところが増えた。その理由はスマホでポイントを貯める際に、1回の買い物で2〜3の種類のアプリにポイントが貯まるシステムのためでもある。先日3つのポイントが貯まるとあって、スマホをいじる必要があった。

後ろに並んでいる人に悪いなぁと思いつつ。お店によっては買わなくても入店しただけでポイントが貯まるとのことだが、それをする度胸はない。ポイ活と現金支払い云々とは関係がないが、結論として紙幣は残しておいてほしい。

精巧で偽札が絶対無理な印刷技術で外国紙幣も日本で印刷している程日本紙幣印刷レベルは凄い。7月3日から新紙幣が発行される。3Dホログラム印刷など新技術が織り込まれている。印刷技術は将来の1nm半導体印刷などの基礎技術でもあるので技術(技術者)が継承できるが好ましい。

余計な苦言だがPay Payとなぜ客に2回も命令形で言うのか?奥ゆかしい日本の礼儀に相応しくない表現だと思うのは小生だけかなぁ?

お年玉、賽銭、ご祝儀もデジタルになるのか、読み取り機ですぐに金額が知られるのは気が引ける。また「現金な人」の言葉も若い人から見ると現金派の人と誤解されるだろう。

たまたま、この原稿を書いているときに親戚の幼児が来た。泣き喚く声が止まない。そこでアニメグッズを渡したところ、ニコニコ顔で愛想を振りまいた。現金な子だね〜 となる。

昭和も40年あたりまでは小さな商店ではつけ払いがメインで、現金30〜50%程度。月末になるとつけ払いの請求書を起こし届ける。そして翌月末か2ヶ月後に集金に歩くシステム。だから現金支払いが余程お店としては助かる。現金支払いとなると“ありがとうございましたぁ!”と一段と声が高い対応となる。これを「現金な人」という。知っている人も少なくなったのではなかろうか。

血圧基準変更

4月に厚労省が地方自治体に向けた資料の中に血圧などの基準値確認文書があった。とりわけ血圧はいつでも測定できる身近な健康指標だけに関心が強い。抜粋すると次の表の通りである。

従来の血圧上限は130mmHg以上が高血圧であった。検診で1回目にこれをこすと深呼吸をして再測した。

130mmHgの根拠としては高血圧症の多くの患者の統計的処理によるもので、それ自身を疑うわけではない。ただし、統計には母数の変化や後で追加因子が出てくることもあるので、いつまでも同じ数字ではあり得ない。今回の基準変更の理由を厚労省など資料検索したが現在のところ見つけていない。

 

血圧上限160mmHgと聞いて、なんだか1960年ごろの年齢+90に戻ったような気がしたが、設定の考え方は多分異なるだろう。戦後の人口パターンと現在は違う、高齢者が増加して、意外にも従来基準の血圧であっても健康に過ごしている人を多くみる。母集団の性格の違いにより見直しがなされたのではないかと想像する。

一般的にわかりやすいように、「老化に伴い血管が固くなる、血管にコレステロールが付着して見かけ内径が細くなるので心臓ポンプは昇圧しないといけない」と言われている。定性的にはわかるが、何か定量的な事例をとモデルケースを考えた。

極端なケースにおいてポンプ圧力を計算する。内径が1mmと2mmで長さ10mのパイプに水を1リットル/分の速度で流す時に必要なポンプ圧力を求めた。物理でお馴染みのベルヌーイの定理から計算できる。

結果は 1mm : 34,700Pa,   2mm : 10,900Pa (Pa:パスカル)これを受けて0.8mmを追加計算すると 147,000Pa となる。もちろん、極細パイプに同じ量の水を通すとの前提とするとこれらの圧力が必要になるのであって、逆に圧力が一定であれば、通過する水の量は少ない。

水と血液では粘度、血管と血液の摩擦係数など違いがあるので一概には言えないものの1mmが0.8mmになると尋常な圧力になるので、逆に言えば血液流量は少なくなると言える。

血管の太さをMRIや超音波で測定して個人個人の最適血圧が算出できるならば、ビジネスになるかも知れない。保証はしないが。

内径が太いと低圧力で送り出しできるが、細いと高い圧力が必要。これを体に置き換えると末端の細い血管まで血流を届けるには相当の高圧力が必要。もし血圧が低いとやがて臓器の機能は低下し、末端では壊死も起こりうる。心臓は1つしかない。補助作用する脚の筋肉を送り出し補助材として利用することの重要性がわかる。

ここで血圧が高くても元気なシニアがおられることが気になる。血管は細くなるのであれば高圧に耐えられる血管の補強が必要となる。その補強材がなんとコレステロールであると聞いて驚いた。コレステロールには悪玉、善玉があり悪玉は血管閉塞の原因(動脈硬化)との定説がある。しかしながら和田秀樹先生によるとコレステロール値は下げるべきでない。コレステロール値をあげた方が死亡率は下がるフラミンガム研究結果を紹介している。表参照。

 

血管を頑丈にすることで血圧が高くても破れない。とすると悪玉・善玉の表現を変えないといけない。この説を裏付けるデーターとして1日あたりの脂肪摂取量と死亡率の推移を引用されているので最後にご紹介する。(雑誌プレジデントより抜粋)

大相撲ルネッサンス&洗髪シャンプー量

大相撲をTVで見る機会がめっきり減った。時間帯も見ない理由の一つだが、初日から数日経て今場所開催しているのだと気が付く程度が昨年までだった。それが、今年に入り、大の里、尊富士など髷が結えない若手力士の大活躍で記録を次々と塗り替え優勝した。これには驚くと同時に嬉しくなった。小兵の宇良、翔猿が圧倒的に優る力士を技ありで倒す面白さでかろうじて人気を支えていたので尚更の感がする。横綱・大関が休場する中、琴桜が奮闘したが空回りしたと見た。時間になって塩を手にするときの凄みのある形相に、大関として頑張らねばならぬ覚悟を見たが、一方で大鵬の所作は実に冷静であったことと対照的だ。双葉山は黙鶏に至らずの心構えを説いた。形相を作るエネルギーは攻めるには有効だろうが、相手のエネルギーを吸収して攻勢に転ずる「後の先」もあるのだがと思いつつ、ビジネス面でも当てはまるなぁと感じている。

時代を超えて、大の山、尊富士に大相撲ルネッサンスと感じたのは小生だけであろうか。大銀杏が似合う大関、横綱を目指して欲しい。

大銀杏が結えなくなると廃業って本当か知らないが、激しい立会いの緩衝材として髪が必要なのだろう。サッカーではヘディングを抑える動きもある。認知症の原因の一つが頭部の損傷であるとしたら、頭部が薄くなったら帽子を被ることも必須か。筆者は帽子を購入するも、いずれも似合わないのでお蔵入り状態。認知になったら似合う・似合わないどころではないのだが。

大銀杏の形にするには床山さんが椿油で整えるので、洗髪するにはシャンプーを多く使用するだろう。昔のワックス様整髪料でコテコテに髪を整えているシニアの人もいる。埃の吸着量も多いので毎日洗髪するのであろう。洗髪頻度が多いとハゲになる説もあり頭皮及び髪に対するシャンプー最適量が気になっていた。

タイミングよく、洗髪におけるシャンプー量・頻度に関する記事を見たので紹介する。

大学の先生が学生にデーターの面白さに興味を抱くような息抜き記事を連載している。名古屋文理大の落合先生は雑誌「化学」4月号に紙も頭皮も綺麗にするにはシャンプーの量と回数について、計算事例を紹介している。

問題:「髪を洗うときは、多め(5ml)のシャンプーで1回洗うのと、少なめ(3ml)で2回洗う、どちらが効果的か?」計算前提としてシャンプー密度1.1 シャンプーに含まれる洗剤分子量を200、頭皮には0.5mg/cm2 の皮脂が分泌され、頭皮面積580cm2,髪は10万本。」

さて皆様、計算トライして下さい。紙面の制約があるので途中経過と結論を引用する。3mlで十分。 髪の汚れのほとんどが塵・埃なのでお湯洗いをした上で少量シャンプーが有効。

計算過程でフサフサ髪であってもその断面積トータルは頭皮面積には及ばないことがわかったことは意外であった。勿論、髪の長さで表面積は変わる。

この文献の冒頭で先生は進化論で見れば髪は体毛の名残に過ぎないと記載。サザエさんの波平さんは見事に進化した人であったのか???と考えさせるだけに面白いと同時に、いずれ筆者も同様な頭皮となるであろう。

その時は進化のエビデンスだ!と言いたいが、多分、世の中に貢献した進化は何かあるのか?と厳しい声が聞こえるだろう。そう、人間 体毛を失うことで得ることを選んだのだとすれば、それは何かが問われている。

歩数と健康寿命 AI指標

前回のブログで歩数8000説が一般的だがエビデンスがあるのか調べると書いた。巷間言われているのは「万歩計」と名付けたらから1万歩が常識になったが、膝関節を痛めること 及び8000歩以上は健康効果が出ないというもの。

その結論は今までの統計処理による結論だとして、機械的統計AI処理が可能となった現在は見直しがされた。従来の年齢、男女など因子に加え栄養調査、疾病履歴などもを加えた結果が報告された。

京都府立医科大学によると「健康寿命を延伸するための一日歩数の目標値は 9,000 歩/日 自覚的な健康状態を改善するための一日歩数の目標値は 11,000 歩/日」と発表された(2024/05/1プレスリリース)

筆者の平均歩数は12,000歩であり、そろそろ8,000歩にしようとしていた矢先なのでショックな報告。計算過程は複雑で門外漢には理解できそうにないが結論だけ引用するので、興味がある人はオリジナル文献の参照を願いたい。

同大学によれば、以前より健康寿命に大きな影響を与える要因が、うつ病などこころの病気、腰痛や骨折など筋骨格系の問題、脳神経疾患などであることを報告しているが、今回は運動により健康寿命の延長ができるとしてウオーキングの歩数との関係を調べたとのこと。

纏めの表が記載されているので参照して下さい。(補足:心血管病発症抑制には歩数72,00歩、死亡率低下には8,800歩制限されることない活動には9,000歩、自覚的な健康状態維持には11,000歩が目標値となる)

 

 

 

 

 

年齢別、性別の健康寿命HCAL((HCAL:health condition without activity limitations)

 

 

 

 

 

 

 

勝手な解釈をすると 若者は8,000歩でも健康寿命は維持できるが、シニアでは可能ならば12,000歩が必要となる。確かに80歳以上でラグビーやシニアオリンピックで活躍する人がおられる。若い時から現在に至まで維持しつつ歩数を増加してきたのであろう。筆者の場合はやや怪しいので、せめて今後は歩数を低下させるのではなく維持したいが、膝関節を痛めないような姿勢と歩き方、及び靴の最適化をすることにした。自宅で家事やリモートワークをしても精々1,000歩程度。なので、社員の健康寿命のことを考えると、リアルオフィスに出勤し、できるなら手前の駅から徒歩することなど工夫が必要だろう。

40秒運動効果

健康には食事と運動が大事。耳タコ状態だ。筆者の運動と言えばウオーキング。年間平均で1.2万歩だったが、8000歩以上は効果が同じどころか、膝を痛める危険があるとの声もあるので抑えている。エビデンスを知りたいところだ。

つい最近AI統計処理により具体的な健康寿命と歩数についての報告が出たので、別の機会でレポートする。ただ、歩数によらず、だらだらの歩きではなく、強度を変えたインターバルウオーキングが好ましいのは共通しているのだろう。幸か不幸か横浜は坂の街なので自然に織り込まれていると勝手な解釈。その他、大股で歩くこと、踵から着地することなど、単なる歩きにも注文が多い。

一方、MBLやサッカーの試合前の準備運動は日本のプロ野球に比較すると、あっさりしている。もっとも日本の方は試合の前にかなりのエネルギーを消耗するのに対して、関節を柔らかくするのに重点をおいているのかなぁと思っていた。この曖昧な思い込みに対して、非常に面白い&サイエンス心をくすぐる発表があった。

それは「わずか40秒の運動で身体に起こる劇的変化」の論文を早稲田が発表した。これは時間のない人にとっては朗報。週150時間のエクササイズは不要。最近流行りのチョコ○○○もこの流れかも。前振りはこの辺で内容を紹介。

方法は自転車ペダル漕ぎを強烈に10秒 休憩80秒 の繰り返しパターンと強烈ペダル20秒 休憩160秒繰り返しパターンをとり、その間の酸素消費量をガスクロマトで検知し、肉体(太もも筋肉の活動をMRIで測定するもの。

結果は1)強烈ペダル漕ぎ 40秒を分割して強烈漕ぎ10秒、20秒で大きな運動効果が得られる。2)1回目に比較して2回目の効果は低い。それ以上やっても飽和。ということ。

図:高強度間欠的運動実施前後の大腿部のMRIの横断画像例。各筋の色の変化が筋活動の度合いを反映している(青-緑-黄-赤の順で筋活動が高くなる)。

従来の運動パターンとの比較図は以下の通り。

 

 

図1:高強度間欠的運動(A左図)と従来の有酸素運動(B右図)

この文献を眺めながら、脳も筋肉だとして全力勉強・研究 インターバル休憩再度 全力投入 方式の方が効果を出すような経験と一致するのではないかと。筆者はダラダラ、ながら勉強なので好ましくない。遅いが心を入れ替えるか?

会社も矢継ぎ早に、次商品、次商品を世の中に出さないと・・・・と全時間 全勢力投入していると疲労は勿論、新事象の見落とし、品質管理の不徹底などがあり、大きな損失になるのではないかと思うが如何だろうか。

余裕のない人に余裕こそ大事だと言えば怒られるだろう。だが 最近 良いことに リアル会議・打ち合わせ時間は長くて1時間にセットされている。

正直なところ、コア集中タイムは前半1、後半1 でそれぞれ15分程度。あとは雑談。雑談も接着剤として重要であるが、コアが充実してナンボのもの。時計を見ないでも充実した打ち合わせは案外1時間内で終わっている。

思いつきだが、軽い笑をタイミング良くとる関西人と、じっくり長いシナリオの最後で深く大きく笑わせる芸とはどちらが、頭脳筋肉に効果があるのか、MRIが利用できればトライしたい。域に達している噺家の1時間にも及ぶ落語の最後は笑いと涙腺を動かすのも確か。地域差はあるだろう。両方ができる人のプレゼンは納得する。芸の領域の人はいる。

熟練技とAI

GW中に半日コースの超近場に出かけた。渋滞が予想される国道246の一部を走行するので、いつでも下車して、あとはウオーキングでもいいか的な考えで路線バスを選択。大袈裟だが目指すは独特の焙煎作業所をもつ珈琲複合店。11時には到着してしまったが、製菓直売、関連商品なども充実していることから焙煎作業所見学の13時まで時間を潰すには程よい。

さて、行ってみたい動機を紹介する。お台場の青海地区には産総研、東京都産業技術研究センターなど研究機関があり、依頼試験や装置借用しての研究など利用している。港湾関係会社が入るビルの一角に早朝から焙煎の香りが漂っている焙煎作業所が同居している。焙煎の香り、煙に誘引されて仕事前の一杯を求めて出勤者が集まってくる。価格が以前は100円(その後に値上げして120円のスタンダードと200円の“高級グレード”もある。90%の人は100円のホットかアイスかのサーバーを選択する。筆者も仕事始め、昼食後は100円珈琲を求めるのがルーチン化している。 ルーチン化には価格にしては味が良いこと、焙煎作業を目の前にすることができ、作業している人との会話が楽しいことも影響している。

ある日、焙煎担当している人が今月末で退社しますと話をしてきた。焙煎の知識と腕を必要としている会社があるのだろうとしてN社ですか?と問えば。当たりっ!と。機会があれば会いましょうとして月日が経過。青海の焙煎は都市ガス燃焼。N社のそれは備長炭燃焼によるもの。ガス燃焼であれば温度調節はバルブの開閉度によりコントロールできるが、備長炭はどうするのかに興味があった。

その前に備長炭焙煎の“豆”知識をレビューすると。

*均一焙煎が可能。 遠赤外線効果により豆の芯まで熱が伝わることで雑味が少ないこと *焙煎時間が長いので中煎りから深煎りの甘味を引き出しやすい *備長炭の香りが微妙に反映して、かつ焦げが少ない。

一方で*時間がかかる。*すぐに火を落とせるかと言えばできない。*作業者の経験に依存するところが大きい などのデメリットがある。

実際、焙煎作業所に足を踏み入れた時、焙煎中であったが煙モクモク、珈琲の香りがしない。なにこれ?と驚いた。その代わり排気ダクトが従来見るよりも違うことに気がついた。焙煎時の1ハゼ、2ハゼ時に少量サンプリングして色目、香りを作業者がチェックしながら備長炭の追加をしている。この時の香りを嗅ぐには煙モクモクは邪魔なのだと。それと焙煎完成後冷却ターンテーブルに排出されると早急に除熱しやすいように排気ダクト能力が設計されていることにも気がついた。喫茶店などのスケールでは電気焙煎も利用できるが、大量生産の場合はこの2つの条件を満足しないといけないのだろうと感じた。

見学後、焙煎豆200gを購入。このチェーン店では豆購入すると珈琲を飲むことができる。都会でいただくより緑多い中での一杯は格別なものであった。味成分には今見た熟練技能も含まれている。

その翌日、知人が起業するに及んで色々な相談を受ける中で、会社の名前、事業性格を反映したロゴをAIで作成していることを知った。今までは名刺デザイナーなどに依頼すると3件ほどの提案があり、その中から選択して費用を支払うシステムであった。AIアプリを開き基本的なやりとりが終わるや否やロゴの候補が続々とアウトプットされてきた。アウトプットの速度もさることながら、デザインの新規性にも驚いた。iPadに向かって呟くだけでいい。どのような仕組みなのか知らないが、デザイナーにとって厳しい時代になったのかと。簡単なプログラミングではSE不要説はよく聞く。

良いのか悪いのか、ますます頭を使わなくても良い時代になった。。。。。と呑気に構えていると自分がやがて・・・不要扱いになる。大宅壮一はTVが出た時は国民総白痴になると警告。今は電車に乗れば8割がスマホ操作に没頭。電車から降りるにも画面眺めつつ、そのあとはエスカレーターに乗りつつスマホ。この流れではAIが人の行動を制御しているとチャップリンが生きていたら言うだろう。

AIではできないことは何か? 備長炭焙煎珈琲をいただきながら考えることにしよう。

多様性の強さ

新横浜は関西から新幹線でアクセスが便利であることもあり関西に本社がある企業の支店が多く、整然としたビル群が存在する。日産スタジアムとアリーナがある街でもある。

新横浜で仕事おわりにチョット行きますか?と言われたものの、新横浜といえばラーメン博物館しか知識がなく、先方にお店選びを委ねた。華金もあり、かろうじて入った店に圧倒された。タバコの煙で視界不良、大声で叫ばないと同じテーブルのトイメンの人にさえ通じない。話す相手の言葉が聞き取れないので、適当に相槌を打つかアルコールを重ねることしかやることがない。まるで昭和の時代の再現ドラマかと思うほど。驚くべきリーズナブル価格も昭和的。

昭和と違うところの一つはメニュー注文をスマホですること。100dB相当の騒音では致し方ない。もう一つは赤ら顔がほとんどいないことである。そこが昭和とは違うと感じた。日本人の47%はアルコール由来のアルデヒドを分解する酵素を持っていない。下手に飲酒すればDNAがアルデヒドにより傷がつきDNAを正しく再生できない。ノンアルの進化とコンプアイアンスが浸透していることもあり適度な社会空間を作っているとも言える。

欧州系民族はアルデヒド分解酵素が少ない割合は非常に少ないのに比較すれば日本のそれは不思議。一説によれば縄文人系は分解酵素を有しているが、弥生人には少ないと言われている。弥生時代の米作と渡来人による人口増加もあり縄文人の割合が20%程度になり、居住も東北がメインになったとの説がある。米作地域としていち早く発達した濃尾平野、近畿三重、北陸の一部を中心とする地域より離れた地域、特に東北出身者がアルコールに滅法強いのはそのせいかも知れない。アルデヒド分解酵素を有する割合53%にはこの説では満足していないが、長い歴史の中で交配が進んだのであろうと勝手な推察。

ここから、さらに勝手な説を唱える。日本はなぜ略50/50なのか。それは存亡の危機に遭遇した場合、単一組成では全滅する危険性があるからではないか? というもの。

蟻や蜂の集団において働き者と何もしない者も同居した集合体を形成している。何もしないで体を舐め回して暮らしている。働き者は子孫を残すための生殖も許されることなく、ただひたすら女王様のために働き尽くす。働かない者に対して愚痴を発しているかは知らないが、健気な働き者は過労死が待っている。その時、働かない者の中から変心?して働き者になることで集団全体の維持ができる仕組み。働かない者の割合は20〜30%。時々外に出て道に迷って思わぬ収穫を見つけることもあり、組織としてはバカにできない存在とも言われている。

なんだか人間社会に似ていると思いませんか?働き者グループに属しているものの成果を上げられない人、働かない者グループに属して楽しんでいるが、いざ国難となってもピンチヒッターとして頭角を表す人材がいない場合の集団の弱体は目に見えている。

今の巨人ではないが、大昔は各球団の4番バッターを移籍させてオーダーを組んだ。四番の主力を抜かれた球団にはそれを好機として代わりを務める選手が出現した。アリの世界と同じ。一方、巨人の方はどうかと言えば、必ずしも圧倒していたわけではない。4番バッター経験者に送りバンドのサインは出しにくい。また以前の球団では4番だったのがなぜ6番を打たないといけないのか?と妬みが生ずると実力は消滅していく。試合運びがぎこちないのだ。

同様に毎年同じ球団が優勝するのも組織としては弱い。資金力にモノを言わせて勝つよりも、ストーリーに酔いしれるのがファン。新しいビジネスは思わぬ人材から芽生えると信ずることが重要かも。とかくムヅカシイがイェスマンだけの集団にならないことが会社も政治の世界も同じことかと思う。

自動運転バス・タクシー

バス運行停止距離が国内全部で4万キロだとか、バスが来ても1日2便だけ。これが過疎地の風景かと思いきや、都会でも珍しくないとのニュースに驚いた。

タクシーも同様で運転手確保がネックになっているようだ。近くの交差点にデカデカと運転手募集の看板があり、年収600万円!と謳っているが本当だろうか? 看板がいつの間にか撤去されたのは、募集が成功したのか、それでも集まらなかったのか。タクシー運転手の平均年収が300〜350万円だとするとトータルではこの業界が魅力あるとは言えない。

でも書くからには証拠の一つもないといけないので、普段は利用しないタクシーに乗った。行く先を告げる →  えっ?→ 耳が遠い運転手→大きな声でもう一度→ そこはどこ?→ ナビはあるが使えない→ 結構有名なところだが知らない。結局当方がナビする羽目に。74歳のドライバー。体が動けば年齢は問われないとのこと。大都会の街だがいくら頑張っても230万円が平均だとか。耳が遠いのでは運転免許更新できるのか?やや心配になったが、あと20m走行してメーターが上がることは知っていた。頼りにならない運転手だが、最後はプロ意識?を見せた。

筆者の希望的観測を入れると「自動運転バス、自動運転タクシー」はなんだかんだ言いつつ実現するだろう。「動力はHEV,ガソリン車、超進歩バッテリー駆動のEV」が好ましい。同時に重要なのは歩行者、自転車など自動運転に協力するための視認対策と走行分離システムだろう。

動力源にガソリン車を入れた理由は山間部・農作業においてはガソリン車が便利であること、高齢者は運転免許返納が好ましいとして返納した途端、認知症を発症するケースもあることから、外出、体を動かすことに慣れているガソリン車は残すべきであろう。歩行者としては横断歩道の手前で自動運転バス・タクシーに信号が届き、歩行者の存在を視認できれば停止する仕組みになるはずが、横断歩道以外を横断してトラブルになりそうな事例が博覧会であった。その時は安全管理者が同乗していて人がストップ作業をした。完全な自動運転はそれができないだけに歩行者、自転車にも共同意識が必要となる。

自動運転バスの運行テストを2年前の人とクルマのテクノロジー展で三菱電機が発表していた。福井県永平寺町で有料運行サービスを実施。自動運転制御システム開発は三菱電機、遠隔監視システムはソリトンシステムズ、バス運行業務はZENコネクトの協働体制。確かバスは小型でヤマハ製だった。その後に自転車と接触する事故があり運行停止していた。トライ・実験には失敗はつきものであるが人身事故にならなかったのは良かった。原因は学習データ不足とのことで、禅寺・永平寺にふさわしく表現すれば、学習をさらに広く・深くすることで悟り=自動運転可能になることを期待したい。北陸新幹線延伸ができたので、お参り兼ねて乗車したい。

自動運転タクシーでは都内でも自動運転タクシーのトライアルが昨年4月から開始されている。塩尻市では地方版MaaSが成功すべく市をあげて挑戦中。是非成功して欲しい。

現在のレベルでは ①視認性の劣る夜間・悪天候での自動運転が可能か ② 雪道走行など通常とは異なる道路事情に対応できるのか ③タクシーを呼ぶにはスマホなどで情報を伝えるだろうが、現在のナビでもとんでもないルートを指示することがあり、客は修正可能だろうか ④ その時に事故を起こした時の責任は客なのかシステムにあるのか ⑤実現する時期のクルマがEVである時、規定の電池容量リミットでチャージ基地への行くことが優先され、客の目的地があと少しのところで足止めされかねない などは想像できる。

日本では物販の積み下ろしのための駐車で走行するには障害が多い中でどのように制御するのか、これまた興味ある。興味はあるが最初に乗るか?と言われれば信頼度が99.999%確保できるまでは利用しそうにもないが。

それまで「相乗りシステム」になりそうだが、コミュニティが成立している地域であれば成立する。現に富山県高岡市では運行実績がある。運転者の手取りは決して高くはないが、ボランタリー的活動を通じて社会貢献をしているとの思いを対価に加えることは決して損ではない。

学歴と実力

今は海外企業の人が日本にて会議をする際に、日本スタイルに準じて名刺交換から入る。筆者が若い頃は、海外出張に行くと日本式の名刺交換はなかった。

この違いはどこから来るのか? 相手は当方の実力を会議や発表内容により判断して、関係を深くすべきかどうかを決めている。お眼鏡にかなえば名刺交換となる。こちらも同様。名刺交換は会議の後だった。

会社での肩書きDirector や Dr. は極端に言えば信用していない。当方の名刺は国内では課長であっても、海外に行くときには最低Director に格上げにしておくことがあった。先方から見ればDirectorが合意したのなら約束が実行されると解釈する。ところが、国に持ち帰り返事しますと言わざるを得ないことに遭遇すると先方から「決定者は誰だ!」とイライラさせる。

つい最近、どこかの首長が学歴詐称問題を蒸し返されている。上記の海外の常識から言えば学歴より実力で判断するので、首長としての大いなる実績を強調して、何を騒いでるの? 海外では実力・実績が第一だから文句ありますか? と言えば収まるはずなんだが。

マスコミが逆に学歴を意図的に高等小学校卒として持て囃した首相がいた。田中角栄である。仕事バリバリ実行、東大卒の役人を心酔させる手腕に今太公と称した。コンピューター付きブルトーザーの別名もあった。仕事ができ国民のために獅子奮迅活躍すれば問題がない。その前に池田首相がいた。貧乏人は麦を食え発言は炎上したが、公約の所得倍増はお釣りが来るくらい成功した。

選挙公報に嘘を記載したから選挙民はそれを信じて投票した人はいるだろう。だが、選挙公約を実行しない方が大嘘つきと追求すればよろしいが何故か日本人は甘い。 公約の実行は所詮できないと見抜いて諦めている人が圧倒的に多いので、学歴ぐらいしか広報に載せる価値なのかもしれないが。

日本人との面談では卒業大学を聞くのも話題の一つと来日前に言われたドイツ大手化学会社の人から筆者に海外留学先大学はどこですか?と聞かれたことがあった。いや日本を一歩も出ていないと答えると先方は妙な顔をしていたことを思い出した。今思うと英語を褒めたのではなく、ひどい訛り英語にどこの地域なのかと確認したかったのだろう。(笑)それにしても、日本の会社は人の実力を見抜くことができず、大学で選別しているのでは、某首長を非難する資格はない。その前に世界にから取り残される。

マニフェストの言葉は一時流行った。元三重県知事の北川さんが提唱して、各政党は選挙となるとマニフェストを発表した。美辞麗句、庶民派にウケが良いような「約束」。 パーティバックマージン問題よりマニフェストを実行しない方が大きな問題だが、大きくなればなるほど縁がないとして無視されがち。

民間の方が約束と実行は即会社の命運を左右するだけ厳しく問われる。トヨタはEVもいいが全てのユーザーが満足するクルマを提供すると約束して実行。EV狂乱の国においてハイブリッドの販売が急増と見通しが評価された。

エネルギーの一つとして水素があるとして、川崎重工は水素エンジン搭載バイクと四輪車でラリー完走。着々と実績を上げている。次世代ロボットも然り。実力がなければ成立しない。その実力の中に学歴(学問をした歴史)を組み込むことは当然ある。だが、〜27歳まで(日本では特に)教授のお手伝い的な学習で得た資格は通用する場面は少ないのだ。

実力は本人単独もあれば、社員、協力企業、知人なども含めたグループが組み合わせた形が実現可能たらしめる本物の実力。その意味で「嘘はこの関係を崩す」。そこがポイントなのだとつくづく思う