CO2濃度と眠気

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9月中旬なのに暑い! エアコンは終日夜間も稼働しているが、つい換気には“せっかくの室温がもったいない”意識が働く。フルオープン窓換気頻度は少ない。

知人がパソコンなど作業部屋(8畳・一人)のCO2濃度を時間と共に変化するかをチェックしたことがある。彼によると相当速くCO2濃度が高くなる結果を得ている。次のとおり。

「マンションの24時間換気を作動下において8畳(ベッド、本棚、机の体積分は減る)においては、一人が居室すると、6〜12時間程で凡そ1000〜2500ppmに上昇。窓を開放しても4時間程換気しないと500ppm以下(正常値範囲)に戻らない。

再度、窓を閉め密閉するとこの繰り返し。センサーのマニュアルに記載されている二酸化炭素濃度は、500ppm以下:正常 500〜1000ppm:注意 1000〜2000ppm:危険」。 彼から特に注意されたのは「自動車空間は狭いので窓あけ換気をするように」とありがたいアドバイス。

室内でのパソコン作業効率が低下すると、コーヒーによる覚醒とついでに糖も摂るが、効率の波が低い方向に次第に収斂して最後は睡眠に誘うことに。皆さんもきっと経験がおありだろう。

それがCO2の所為なのだとの文献がリリースされた。東北大学9月3日発表『健康なボランティアの睡眠潜時に対する二酸化炭素曝露の影響: ランダム化対応クロスオーバー研究、睡眠潜時反復検査による証拠』

内容を極めて大雑把に引用する。

1)建築物環境衛生管理基準では 1,000 ppm 以下、事務所衛生基準規則では 5,000 ppm 以下に抑えるよう基準値が定められている

2)実験として、日中に 2 時間毎に 4 回行われる、各 30 分の検査中に 5,000ppm(注 2)という比較的高い二酸化炭素濃度にさらされると、日中の眠気が顕著に強くなることが示された。

さて、対策となると

・観葉植物の設置。サンセベリア、ポトス、ドラセナが比較的CO2を多く吸収すると言われているが5000ppmは無理。

・空気清浄器の稼働。 活性炭フィルターやHEPAフィルターによるPM2.5はキャッチするが、濃度センサーはNO2、CO2はあるものの、センサーであり吸着・吸収機能はない

・CO2は弱酸性なので、化学屋さんならアルカリ化合物をおいてCaCO3などへの転換を考えるだろうか。

 

などあれど窓を開けるに越したことはなさそうだが、冒頭の知人の実験では短時間に換気はできそうにない。

そこで以下の条件で計算してみた。

6畳部屋・窓1つ(1m平方)でCO2が5000ppmであるときに窓を開ければどの時間で外気CO2濃度と同じになるか? (換気率1回/時の条件)ざっくりの計算は76時間。当然ながら室内温度=外気温度となる。確かに“せっかくの冷えた部屋の温度面では損”。換気率を上げるには追い出し(反対側の窓空け、扇風機、換気扇の併用)が必要となる。

そして、その間はショート散歩を入れるのが仕事効率アップに良い。筆者の場合はショートどころかロングが問題ではあるが。それと知人の自動車運転時の換気は、車外の音を聞くことによる眠気防止にも役立つことから注意は非常に重要だと再認識した。

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