北陸新幹線が敦賀まで延伸した。一週間遅れだが乗車した。たまたま福井に用事があり利用した。その時の印象を綴る。まずは横浜を出て東京へ、ここから「かがやき」に乗車。停車駅は大宮、長野、富山、金沢、福井と少ない。乗車時間は3時間を切った。時間よりも乗り心地が素晴らしく3時間も乗車した感覚はない。車両の揺れがなく、シート間の距離がのぞみより広くゆったりしている。グリーン車やグランクラスでなくても十分すぎる。
大宮までのノロノロ運転を強いられていた「かがやき」は、それ以後実力発揮の250〜260km/hrで疾走する。
東京を出て1.5時間後の車窓から日本海が見えたのには驚いた。通過駅ではあるが糸魚川付近から西にターンして金沢方面へと向かう。日本海の青さと民家の屋根が漆黒のコントラストは太平洋側の風景と違い一服の絵のようだ。
東京からの乗客はほぼ満席で北陸割の影響かと思ったが、筆者も北陸割を申し込もうとしたが売り切れだったので、満席が全て北陸割を利用はしていない客だと推定。本当に敦賀までの乗客だろうか?と思っているうちに金沢駅に到着すると、約8割の人はここで降車してしまった。
あぁ〜福井や敦賀は金沢に比較するとまだまだ認識されていなことがわかった。空席だらけになったものの、今度は乗車してくる人でほとんど埋まった。主としてインバウンド客。筆者の周りは英語が飛び交う。まさにテキサス新幹線がこうなるだろうと予想される風景。
やがて福井駅に到着。駅の西口、東口ともイベントで盛り上がり恐竜もお接待に忙しく首を振って愛想を振り撒いていた。それらを横目にして用事を済ませて、帰路に向かう。
帰路は折り返しても良かったが、周遊券を利用した。福井から敦賀までは北陸新幹線の「はくたか」を利用したが、その先が問題。 東京方面には米原乗り換え「ひかり」になるが、敦賀から米原までが従来なら金沢からの「しらさぎ」が運行していたが、短距離特急となった「しらさぎ」の運行本数が激減しているので敦賀で1時間待ちが生ずる。JR西日本在来線で普通もしくは快速列車で行く方が便利な組み合わせのケースもあるので、事前の下調べが必要と痛感。若狭出身の社員に聞くと地方はそれが常識と一蹴されてしまった。
乗り換え時間が延伸前には話題になったが、実際は2分であっけないくらい。案内人が多数配置されていたが、フロアーの行き先別色塗りなどで誘導されているのが実態で混乱はなかった。
筆者は時間を潰して「しらさぎ」に乗車したが、敦賀駅でサンダーバードと並行して乗客を待っている姿は、以前ならブイブイ言わせていた車両だが、どことなく格落ち感漂う雰囲気。 正直なところ大阪までの延伸を実態として拒絶している京都府の態度への批判が強くなるだろうと予想する。リニア新幹線は奈良を通過し京都には寄らない。見放されてから気が付くのであろうが、早期着工しないと過去の遺産維持は困難になるだろう。
米原からの「ひかり」は“いつもの”東海道新幹線。先ほど経験した揺れのない車両からいつもの車両揺れ、振動が再現されている。JR東海がリニア新幹線に力を入れる理由の一つがわかったような気がする。現行の東海道新幹線では次世代は通用しないのだ。レールに非接触で振動なく、500km/hrで走行できるリニアへと革新しないとドル箱維持には厳しいのだと。(国際の新幹線建設への参加魅力を失うことも背景にある)
リニアが品川―名古屋が開通した場合、現行の東海道新幹線の本数は徐々に削減されるか貨物併用になる。 何かと開通に抵抗している静岡県案件は政治問題なので言及はしない。だが、その誰かさんの地盤となっている浜松へ行く場合、鉄道ファンとしては品川から名古屋までリニアを選択。どのみち浜松駅から訪問先までは自動車を利用するとなると名古屋から自動車(その時は自動運転レベル3以上)の方が便利になると思われる。
結論は帰路も北陸新幹線の方が便利だと感じた。経済圏も変容するだろう。
(お詫び:先週のブログでタイプミスがありました長井長政→浅井長政の間違いです)