2025年 8月 の投稿一覧

EU自動車ルール

EUの自動車を巡る新ルールはEUに輸出する自動車メーカーおよびバックアップの研究機関にとって非常に多忙な夏を送っている。EUは次世代環境に良いエンジンはディーゼルだとしたものの、排気ガスデータが嘘と米国から指摘された。そこでCO2排出ゼロの電気自動車なら文句は言わせないとして、ガソリン車(ハイブリッドを含む)を1930~35年には廃止すると宣言し、BEV車を製造し補助金付きで市場に流した。

やがてEU各国の資金が底をつきそうになると補助金廃止。そこに安価な中国製BEVが登場するとあっという間に市場を席巻。補助金がなくても購入できる車体価格。欧州自動車メーカは二つの対策を出してきた。ここでは非関税障壁を取り上げる

・関税 対中国 従来の10%を最大45%に(対日本は現在10% 7年かけ0%、対EU,米国への関税0)

・EUのグリーン・ディール政策(イコール非関税障壁)

これらの影響を大きく受けるのは日本、中国。そしてEU国民。日本・中国はわかるが、なぜ理想的な環境を作るための規制がEU国民を苦しめるのか? それはとどのつまり、これらの諸政策が実現した時の車両価格を想像するだけで納得できるだろう。

 BEV新車価格及び電気料金維持費で家庭の可処分所得をオーバーしており、さらにリサイクル費用・クルマ設計・新ライン償却費 が価格に転嫁される。長期にそれまでのエンジン車やハイブリッド車を保持していると「リサイクル社会に適さない人だ」と言われかねない。やがてEU域内の自動車工場停止、社員リストラ 社会貧困化につながる懸念もある。

米国車はEU市場では販売量がごく僅かなので対策は何もしない。それどころか米国トランプ大統領はCAFÉ(自動車メーカーの平均燃費を規制する制度)GHG(温室効果ガス)規制の今後の計画は見直し(廃止の方向)で動いている。BEVのカーボンクレジットで巨大な利益を獲得したテスラは今後クルマを製造するより、溜め込んだ100兆円を自動運転などのソフトに注ぎ込む模様。

クルマメーカーは種々の規制を設けられてもパスできる技術・資金・経営方針を十分活かしてクリヤーできるか、それともクルマ製造をやめソフト開発企業に転身するかのどちらかに絞られるであろう。 もっともEU国民は冬場のBEVに閉口し、日本勢のハイブリッド車の販売量が増加。さらに日本の軽自動車が紹介されると、これだ!と一種のブームとなっている。

クルマに限らず、理想実現には衣食住(+医職)を満足してからの話だろうと思う。 地球温暖化は確かにある。中国、日本、インド諸国は猛暑に襲われている、但し欧州は逆に冷夏。温暖化の原因は単なるCO2のみではないが、無理やり自国の都合に良いようにルール変更するのはアングロサクソンの特徴といえば言い過ぎだろうか。

脚の筋肉量の観察と維持には

酷暑となれば男子たるものビジネス以外ではショートパンツも致し方ない。昔はスネ毛モウモウが今は脱毛処理を若い人はしている。一方、中高年となるとそれがないだけに不潔感あり状態。電車でその人がいたら空いていても横には座ることを躊躇する。超高齢者となるとまるで身欠ニシン状態か骨皮筋右衛門状態の人もおられる。心配なのは超高齢者の脚だ。脚だけでなく腕、肩も筋肉が少なく、血管が浮き出ているので、点滴するには便利だなぁと眺めているほど。点滴の前にフレイルとなりいずれ歩行も具合が悪い状態になるだろう。

ふくらはぎが細くなったら筋量減少のサイン —世界初!ふくらはぎ周囲長の変化と筋量の変化の関係性を縦断的に検討— の文献がある。2025.06.26 明治安田厚生事業団、早稲田大学、上智大学、桜美林大学

 

 

 

 

 

(補註:DXA法(デキサ法)は、骨粗鬆症の診断に用いられる骨密度測定法の一つで、X線を用いて骨の密度を測定)

ふくらはぎ周囲長さの変化で筋量変化がわかるというもの。多くの人は「そりゃそうだろう」と思う。骨粗鬆症の診断に病院に行くまでもなく、脚を見れば筋肉の有無はわかる。調査するならば相関が取れたあとの解析として変化が少ないか増えた人はスポーツとか食事の特徴は何か、減少している人の生活状態とはどのような関係があるのなど追求があって欲しかった。

本年が戦後80年だけに少し真面目な話。思うのは南方の戦線で降伏捕虜となった男の痩せた写真だ。見た目、筋肉は限界まで削ぎ落とされている。食・医薬品の兵站(供給路)が立たれ、精神的に追い詰められた環境の結果だ。良い過去のデータがある。 戦後の食(タンパク質)の改善があり身長体重が増加した。筋肉量維持には食ファースト。二番目がスポーツだろう。

 

高齢者でもふくらはぎ部がハリがある人に出会うと、初対面にも関わらず質問してみる。毎日10kmジョギング、階段を何往復などトレーニングしていることを認めてもらったとあって嬉しそうに教えてくれる。 それに対してウオーキングは人並みにしているものの、我がふくらはぎは皮下脂肪膨潤状態。 なんとかならないか調べた。

ものの本には「ふくらはぎの筋肉量を増やすためには、ふくらはぎの主要な筋肉である「腓腹筋(ひふくきん)」と「ヒラメ筋」を効果的に鍛えることが重要です。」とある。 ご参考まで。 ちなみに You tubeには多く紹介されている。https://www.youtube.com/watch?v=VJ0evXb_J7w

ふくらはぎを鍛える筋トレメニューを以下にまとめた。まとめたら自分も行動しないといけない。でも一人ではしない言い訳でいつか止める。ただ、このブログをお読みの方がやっておられると想像すると続きそうな気がする。

  1. カーフレイズ (Calf raise:「ふくらはぎを持ち上げる運動」)

立った状態で行う「スタンディングカーフレイズ」と、座った状態で行う「シーテッドカーフレイズ」がある。

  • スタンディングカーフレイズ: 主に腓腹筋に効果がある。
    1. 壁や椅子の背もたれに手を添え、足を肩幅に開いて立つ。
    2. ゆっくりとかかとを上げてつま先立ちになる。
    3. かかとを上げきったら、1〜2秒キープする。
    4. ゆっくりとかかとを元の位置に戻す。
    • 回数の目安:10〜20回を3セット。
  • シーテッドカーフレイズ: 主にヒラメ筋に効果がある。
    1. 椅子に浅く座り、膝を直角に曲げる。太ももにペットボトルやダンベルなどの重りを乗せるとより効果的。
    2. かかとをゆっくりと上げてつま先立ちになる。
    3. かかとを上げきったら、1〜2秒キープする。
    4. ゆっくりとかかとを元の位置に戻す。
    • 回数の目安:20回を3セット。
  1. ドンキーカーフレイズ

上体を前傾させることで、より腓腹筋に強い刺激を与えることができる。

  1. 膝の高さ程度の椅子や台に両手をついて前傾する。
  2. 背筋を伸ばしたまま、かかとをゆっくりと上げる。
  3. かかとを上げきったら、1〜2秒キープする。
  4. ゆっくりとかかとを元の位置に戻す。
  • 回数の目安:10回を3セット。
  1. アンクルホップ

ジャンプを繰り返すことで、ふくらはぎの瞬発力を鍛えることができる。

  1. 足幅を拳1つ分ほど開けて立つ。
  2. かかとを浮かせたまま、膝を軽く曲げてつま先で地面を蹴るようにジャンプする。
  3. かかとは浮かせたまま、つま先で着地する。
  4. この動作を連続して繰り返す。
  • 回数の目安:10回を3セット。

CCS(二酸化炭素・回収・貯蔵)その2

3年前の環境展ブースでCCS! CCS!CCS!と若い説明員の叫ぶ声に釣られブース前に足を止た。パネルにもCCSのだけの記載で略語の内容が記載されていない。まさか来場者にCCSを知らない人はいないだろうの態度に驚いた。若い人にありがちだが。

そこで何?と質問したところCO2を地底に送り貯蔵するシステムだと教えてもらった。 概要は理解したが、この若い人の情熱先行だけでは広い理解を得られるのか疑問を持った。今年の展示会では説明される人がシニアの方で詳細に最近の情報を教えていただいた。 苫小牧の実証プラントにおける実験データ、海洋への影響など実用データが蓄積され実証プラントが成功していることも反映しているとみた。

詳しくはパンフレットの一部を紹介する。 同時にCCS稼働・実験数は圧倒的に米国が進んでいることに驚いた。 アメリカファーストで環境問題は後回しだと勝手に思っていた。意外や意外。 その進んでいる米国から意外な報告があり、東京大学が原因追及した。

意外な報告とは予想より早い時間で貯蔵が進んでいる。それに対して東京大学は地底の火成岩(多くは玄武岩)とCO2が水を介しないで瞬時に反応固定するメカニズムを発見したとのこと。 文献:「火成岩がCO₂を瞬時に固定:新しい鉱物化メカニズムの発見」発表:2025.07.14 一旦CO2は地下水に溶解してから数百年かけて玄武岩と反応するものだと言われていたことを、先端的な分子動力学シミュレーションを用いてCO₂と玄武岩の反応を原子レベルで解析。 反応式をご参考まで。じっくり眺めると面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、東京大学では大気のCO2が貯蔵される濃度について報告がなされている。

文献;大気中のCO₂を地中に貯留するには“CO₂純度70%” がカギ!
 ―貯留可能なCO₂の純度限界を分子レベルで解明― 発表:2025.07.17

苫小牧の実証プラントでは石油精製プラントからのガス中の不純物をアミン処理などにより除去したCO2を貯蔵埋設しているが、大気中のCO2をダイレクトに地中貯蔵埋設できないか、これもシミュレーションした結果、最低70%あれば可能とのことで、100%にしなくても良いとなると経済的にメリットがある。これも有用な研究だと思う。

話は冒頭の展示会ブースでのプレゼンの仕方に関して、先週開催の宇宙展で思わぬ人に出会った。

京都大学教授(現在は龍谷大学)。人工衛星を木材で作るとして小型見本を前に説明を始められた。将来地球外に居住する際に木を植林するか地球から運んで建築物を作るのだと。 誰しもそんなバカなと思いつつ先生の話に引き込まれる。現在の人工衛星が落下するときに燃えずに(ディブリが)地球(赤道軌道上)にドーナツ状に浮遊する。落下衛星の数は数十万にも及ぶ。アルミナは燃え尽きると思いきや燃え尽きず、太陽光を反射することで極冷感の地球環境も想定される。20年後にもその危険が訪れるとの話になると、木材で人工衛星を製作する本当の意味を理解した。教壇や研究室で若い人に接するときに、思いを理解させることに工夫をされたのであろう。お見事。

シニアこそ楽器を始めよう

このブログで時々出てくる仲間内の話。 企業・大学を定年退職した後も活躍をされている人の集まり。最新技術の発表+飲み会がパターン。筆者には年齢とレベルが違いすぎるので参加資格はないが、飲み会の会計など世話役で加わっている。平均年齢は80歳を超えているが、皆さん非常に元気。過去の話ではなく最新技術をこの会で知るとは不思議な思いさえ覚える。次世代半導体、立体映像技術、量子コンピューターなどの発表など若い人も顔負け。でも活躍されている人に共通点がある。1つはスポーツ 特にテニス 2つ目は楽器演奏を嗜まれている。楽器ではマンドリン、オカリナ、三線(沖縄三味線)。若い時から継続している訳ではなく、仕事一筋でできなかったのを退職で余裕が出た時から始めた人が多い。個人的に先生に師事しての練習と気合が入っている。

そんなとき、継続は力:高齢期に始めた楽器練習の効果―4年の追跡研究で見えた脳・認知機能維持― 京都大学が2025,06,30発表。

超要旨は高齢期(平均年齢73 歳)に始めた楽器練習を継続することが、4 年後の認知機能、脳構造、脳機能の加齢による低下を防ぐことを示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、ワーキングメモリとは、一時的に情報を保持しなから、その情報を処理・操作する脳の機能のことです。会話、読み書き、計算、買い物、料理、物事の段取りなど、私たちの日常生活や学習におけるあらゆる認知活動で、情報を保持しながら処理するワーキングメモリの機能が欠かせません。しかし、ワーキングメモリは加齢による影響を受けやすく、高齢者では若い時に比べたワーキングメモリ機能の低下が一般的です。

Right putamenとは

統計的には人数を増やす必要があるように思えるが、これでも途中でやめた人より継続している人の方がワーキングメモリが高いことは確かである。かつMRI画像で右半球の被殻の灰白質体積の減少が少ないことで裏付けされている。

でもなぜ楽器練習を継続することができるのか、それとも止めるのか。そこが知りたいが、この文献の研究範囲ではない。そこで継続している人の意見を聞いた。

まず挙げられたのが、精神的な充実・向上心。サークルなどへの参加による社会的なつながり、何より重要なのは発達途上を家族が許して(我慢?)いることとのこと。

途中でやめる理由を想像するに 目が弱くなり楽譜が読めない、指、肩、足がスムーズに動かない、先生との相性がネック、先生への謝礼金や楽器購入の金銭的余裕ないなどだろう。

もう一つ、戸建てで隣人に迷惑をかけない居住。蛙が共演するような環境ではなく都会のマンションなどではどうしても「上手になりはったですね〜」と嫌味を言われるとやめざるを得ない。

そんなこともあり筆者は吸音・遮音の新コンセプトを作り開発を進めている。なぜなら、筆者の部屋にはピアノがあるのだが単なる置物化している。ピアノにも申し訳ないのだ。