2021年 10月 の投稿一覧

野球・雑感

大谷選手がMVPを獲得した。遅ればせながら、おめでとう。ファンはホームランを打つたびに“MVP・MVP・・”と叫んでいた。アウエーでも声援を受け、ホームランと奪三振のSHOTIMEを期待される。まさに大リーガー中の大リーガー。何をやってもサマになった。契約金が活躍から随分安くても野球を楽しめることに集中する。その生き様にも共感した。

大谷の最終試合が終わったとき、誰もが今年の野球は終わったと感じたものだ。日本ではまだ野球が続いているのに。

「ビックフライ・・オオタニサーン」もお決まりセリフ。何度聞いても気持ちが良かった。二刀流なんてMLBでは通用しない。バッティングは高校生並みと酷評していた解説者もシーズン始まると早々と白旗を上げた。逆に猛烈な大谷推しに転じた。日本の政治家や官僚の反省しない事例が累々しているだけに、明るい風景に映った。気の毒なのは申告敬遠をした投手。登板を監督から予告されてから、大谷と勝負して男をあげ、契約金に反映させてやろうと、寝ながら考えたに違いない。それが「勝負以前の問題」と烙印を押されては身も蓋もない。何事も統計(スタッツ)で管理される野球より、漫画チックだが投手の魂の球との勝負が見たいものだ。

もし斎藤佑樹が金足農に進学していたら甲子園出場を賭けた県大会決勝で監督は投げさせず肩を酷使することなく、プロで活躍したのではないかと思うことがある。ハンカチ王子、早稲田での活躍ほどにプロでは期待通りとは行かなかった。筆者の仮想モデル(珍説)を紹介する。プロ野球で6日おき(登板22試合)投球数100球だとして10年間では(春のキャンプで、10,000、秋キャンプ5,000)を入れると36,000の投球数となる。中学、高校、大学を入れると50,000球前後と推定される。

人間の体と金属は全く違うが、金属疲労で事故が起きる。負荷応力によりクラック開始点は異なるがSN(疲労)曲線を投手の疲労破壊に置き換えると、時速150kmの直球を10,000球投げ続けると120kmまで低下する。阪急に在籍していた星野投手のように80~120kmでカーブや縦のスライダーを投げることができれば別。捕手は投手の負担のかからない配球が必要で、そこに投げられるコントロールが求められる。名投手には優秀な捕手を必要とする理由だ。斎藤は失敗の原因を解析して将来は指導者として復活して欲しいものだ。

星稜4番松井が5打席敬遠された。相手は明徳義塾。監督が星稜の山下監督に言った。強打者5番を育成しなかった方が悪い。と。星稜の5番打者はまだ高校生。プロなら仕方がないが高校野球では好ましい発言ではなかった。池田高校の蔦監督は豪放磊落と人情のミックスした味のある人だった。松井と対峙したら投手に敬遠指示するかと聞いてみたいところだった。

プロ野球ドラフト会議で珍しい選手が楽天4位で指名された。離島奄美大島の泰選手(鹿児島神村学園)。島に一人しかいない野球選手。海のタクシー運転手である父親の揺れる船で素振りやシャドウピッチングをして足腰を強化したとのこと。デジャブだ。稲尾投手物語を映画で見たことを思い出させた。小舟の鱸を漕いで足腰を強化し神様・仏様、稲尾様と三原監督を言わせたあの稲尾さん。現在のNPBの選手で話題、華のある選手が少ないこともあるので、是非頑張って稲尾二世になって欲しいものだ。

熱から覚めて

上海の空が以前はどんよりしていた。最近は綺麗になってきたと人から聞いた。地球温暖化ガス(CO2)削減で役割を果たすとの中国政府の肝煎だとのこと。空が綺麗になるのは住民にとって良いことだ。

その一方で、その原因が発電抑制のためだとか。燃料が不足しているとの情報もある。確かに世界でもパンデミック明けの一斉経済復活が急ピッチで行われている。その時のエネルギーは天然ガス,石油、石炭の化石燃料が主役を占める。

1972年当時の石油ショックを思い出す。中東産油国(OPEC)の原油政策に世界は振り回された。あの時の結束は米国のシェールガス産出により緩くなったと思いきや、さすが中東商人。今は原油のありがたみを噛みしめろと言ったかどうか分からないが、原油増産しないとあって、この日本においてもガソリン価格が急騰している。化学工業の原料(ナフサ)も影響受け、最終的には製品価格も上昇するだろう。

化石燃料が産油国に握られているのなら、尚更 再生エネルギーに頼ることに普通は考える。しかしながら、今回のエネルギー不足問題が発覚したことで、頼りになるのは“やっぱり化石燃料が現実的”と気づいた。環境意識先進国欧州では英国が電力不足に陥り、EUでは人気のあるEV車を差し置いてガソリン車の販売が好調だとの情報もある。

あれっ!人気と実態が違う? 日本ではホンダがガソリンエンジン製造工場を閉鎖して全面EVに切り替える作業を実施している。エンジン製造していた会社でもエンジン以外の部品を生産していたことで、工場閉鎖に伴いその他への調達に走らざる得ない取引先など混乱している。当該社員から見ると複雑な思いでことの推移を見守っていることだろう。その点、トヨタはガソリンに限らず、転用できる水素エンジンを含めEV、FCVなど多様なパワートレインを開発している。豊富な資金を有す企業だからできる。そうでない企業は“流行に乗る”こと以外選択肢はない。

ブームは新規技術、新しい用途を開発するモチベーションになるので、これを否定しては発展しない。覚めた途端、全否定・逆方向にいくのは避けたい。覚めた時には、ブームの前提はなんだったかところから見つめることも必要だろう。

OPECが原油価格思いのままのやりたい放題対策として、アルコールをガソリンに10%ブレンドすることで凌ぐことをした。アルコールはとうもろこし由来のバイオ燃料である。ブラジルでは100%アルコールもあった。その時、日本の自動車メーカーはこのバスに乗り遅れないように材料メーカーと共にアルコール併用対応材料の開発をした。燃料パイプをはじめ耐久性試験を実施した。その後、この熱は急にさめた。バイオアルコールの値段が高く、市場性が低く、バイオプラスチックの原料に転換することをブラジルは方針変更した。シェールガスの価格の影響もあった。その間、材料メーカーは努力したものの、文字通り梯子を外された苦い想いがある。

今、急に、地球の温度化と炭酸ガスの関係はそもそも関係あるのか?的な発表が出始めた。仮説から検証して初めてサイエンスになるので、その動きは否定せず結論まで見守ることが重要だ。前提がその後の現実と合わないのなら、その他の因子を探す。地味だがそれがサイエンスの基盤。

コロナ禍中にあって諸説がでた。今、そのピークは過ぎた。このブログでも掲載したが、ワクチンが登場するまで、スペイン風邪当時の対策と全く同じだった。喉元過ぎれば熱さを忘れるの類であろうか。でも諸説の中には見捨てるには惜しいネタもあった。なぜ日本人は他国に比較して“さざさみ”で治ったのか。これは人類にとっても意味のある研究課題だと思う。それこそ狙いがノーベル賞であっても良いだろう。意欲のある医学生の出現が待たれる。エネルギーの多様化と同様、アカデミックも多様性が最後には強い。

備えあれば

先日(7日)の東京北区から千葉を震源とする地震(5強)は長い周期で揺れた。道路や建築物の倒壊など目に見える被害はなかった。報道では舎人ライナーの脱線が報じられたが怪我人なし。申し訳ないが安堵した。

ところが、その後にJR蕨変電所から発災し、山手線、京浜東北、宇都宮線、湘南新宿ラインが終日運転見合わせとなった。変電所では臨時の設備点検をしたが異常は認められなかった。と報告した後に発災。トランス室からの火災が濃厚と見られている。トランスの絶縁油はシリコーンだと思われる。難燃性はあるが不燃ではない。映像で見る火炎は燃えたのはシリコーン油だろう。 山岸、須川 電学論B 126巻12号(2006)によると変圧器の火災原因と進展の様相を紹介している。

 

燃えた物質はシリコーンだが、引火の原因はなんだろうか? そこがポイント。

経年劣化の一言で済まされない。例えばコイルが地震の振動で変形したのではないかなど、この図の進展様相を参考に検証が進められるのであろう。明日の事故防止への貴重なサンプルであり、迷惑した23万人への義務でもある。

発電所からの15.4万Vを変電所で2.2〜6.6万Vに変換し、さらに電鉄用変電所で電車用の直流変換及び電圧変換をする。(直流1,500V)。今回はこの電鉄用変電所が発災した。 話は飛躍するが、再生エネ発電の比率が高くなると電車は走行できるのであろうか? 電気に疎いのでわからないが、せいぜい600Vの太陽光発電を直流電車1,500V, 交流電車20,000Vにするには相当の昇圧変電所が必要だろう。変電所としては上げたり下げたりの二重設備が必要で、かつ変動対策として大型リザーブ電池を抱えることになるのだろうか。

骨太のインフラ・製造を稼働する電源は化石燃料、原電(核融合を含め)に頼らざるを得ない。太陽光再生エネルギーの役割はサブにとどめておくのが無難。「明日は雨模様なので電車は間引きします。EV充電スタンドも制限します。テレワークして下さい。製造は晴れた時までお待ちください。」なんて冗談でも想像したくもない。小型原電、小型核融合発電など海外で実用化されている、もしくは研究中の案件があるが、原電で痛い目にあった日本ならではの基準で開発を進めてほしい。地道だが備えあれば憂い無し。

一方、地震翌日の首都高はノロノロ程度で道路閉鎖はなかった。コロナ明けの経済活動活発化によるものか?と一瞬勘違いした程である。

ふと思ったのは、神戸震災、3.11大震災を経験し高速道路の橋脚には炭素繊維や抗張力鋼板によるベルト補強などが積極的に施工されたお陰で大禍なかったのではないだろうか。橋梁、トンネルなど長大建築物の探傷技術も進んできた。ハンマーで叩く、超音波を当てるなどの一方で、深さ方向に浸透能力の高い中性子探傷装置の小型化も理研で開発されている。実に目立たないが交通インフラが破壊されて受ける経済的損害を未然に防止する意味は極めて高い。野球にちなみに“セーブ賞”を授与しては如何であろうか。裏方は目立たなく、あって当然と思う空気感がある。太陽光パネルを屋根に乗せることを行政が指導するとか情報があるが、南側の屋根に重いものを乗せると筋交や壁で南側を補強した家にならざるを得ない。地震に耐える重心対策である。南向きでありながら小さい窓のデザインは居住者にとって好ましくはないだろう。 思いつきは戸建て住宅の倒壊に繋がることを建築家は警告している。謙虚に耳を傾けるべきであろう。軽量のペロブスカイト太陽光発電を地道に開発してきた日本の大学及び企業が陽の目を見る時がきた。まさに備えあれば憂なし。

地上波・紙媒体とネット

このタイトルはもはや陳腐化している。

電車の乗客の様子を見れば約10年前から一気に変わってきた。スマホ操作80%、読書・新聞5%、寝ている10%、その他パソコン操作5%が一般的な分布ではなかろうか。新聞をタブロイに折り畳んで読んでいる風景はもはや絶滅危惧種だ。鉛筆で熱心に記事に線引きをして、いかにも風体を見なければどこかの研究者と未間違うJRA馬券売り場近くの公園風景は依然としてあるが。電車内で見る紙媒体では来日された人の日本語学習帳、小学生が参考書とタブレットの両方眺めて宿題をしている風景が目立つ。週刊誌も滅多に見ない。電車の週刊誌中吊り広告がなくなった。時代が変わった。

ただし、スマホ、タブレットでも新聞社の電磁媒体を読んでいるので、新聞離れしたとまでは言えないが、宅配新聞、駅売新聞が減少すると、やがて電磁媒体の内容は量・質ともに変化するだろう。

TVが存在する家庭を含めてどうか。総務省が発表した資料によればTV視聴よりネット時間が逆転したとニュースがありHPをチェックした。これが実に面白い

図―1 年度別全年代変移図 ネットの急進により令和2年ついにTVを逆転した

 

平成24(2012年)から8年の極めて短時間に逆転。

 

 

次に年代別に見ると

50歳以上はTV優位を占めているが、10代から30代はネットが圧倒している。10代〜40代はネットがメイン。50歳代からTVメインとなる。TVのコア層は50以上でありCMはこのコア層対象商品になる。10〜40代のコア層はネットにシフトしているのでTVで商品CMしてもチグハグになる。

トヨタがTVでもクルマのCMを削減しているのは、確かに高齢者に購買を迫るのは無理があると見ているのだろう。番組内容云々の前に時代が変わっていたのだ。

それにしても新聞は減少している。新聞の良いところは注目記事のほかに目を転ずれば意図しない記事を目にすることができることである。でもネットでは関連情報や他の人はこれも見ているとして拡張するので、間に合っているのかも知れない。少々寂しい気もする。

その他 総務省の報告書では以下のことも表記されている。

【連絡方法:若年層は電話を利用しない】

固定電話やスマホでも電話で直接声を聞くことが少ない。特に若年層は電話をしない。新入社員が電話に不慣れだとの話は聞くが、職場で電話の掛け方、受け方をOJTしないといけない時代になってしまった。FAXは日本しか残っていないと揶揄されている。確かに固定電話や複合複写機に併用されているが、紙での自動アウトプットがなくディスプレーにfaxありと表示されても見逃す。即時性を求めるなら受発注でもLineでくる時代だ。

【連絡はネット利用】 LINE, You tubeが圧倒している。Twitter, インスタ、他もある。いずれも自分の世界からの選択された情報だと言えなくもない。フェイクが入り込む余地はあるが、玉石混交の中には隠れた真実があるとしたら、それを見つけるレベルが必要だ。

今回の自民党総裁選挙ではネットでのアンケート結果と新聞社(系列TV)の世論調査とは大きく違った。ネットは若者、新聞(TV)は固定電話に出られるシニア層だからと普通に理解した。新聞TVで国民人気ダントツの候補者はネットでは別の候補に圧倒的に差をつけられた。

しかしながら、世論調査の仕方が違う結果だとアンケート専門家からの指摘があり納得した。即ち新聞(TV)では男女、年齢、など区分をした上で整理しているのに対し、ネットではオープン型アンケート。瞬時に大量のデーターが集積できる強みがあるが、複数のアカウントを持って投票している人を排除できない。

毎日新聞がネットでアンケートを開始したが、途中で多分気がついたのであろうか中止した。オープン型でなく、新聞(TV)と同じくネットでもクローズ型に技術的に可能であればより真実に迫ることができるがどうだろう。

そういえば、先の米国大統領選挙においてフェイクニュースのワードが踊った。

大手新聞社の報ずる情報は無条件に受け入れがちな日本と違って、米国では「その見方もあろう」的に重きをおいていない。支援者が家庭訪問して議論する風景を見る。その時に重きをおく議論ネタは身近な話題で、新聞ありきではない。地区のコミュニティが崩壊している日本から見ると羨ましい。

TV不振の理由の一つはコンテンツの陳腐化。旅番組、大食い、クイズばかりで飽き飽き。クイズ番組で活躍する若者が難関大学に入るまでに育てた親を不憫に思うようでは如何なるものか。視聴率は取れないだろうが小説や古典の朗読+風景を組み合わせたシリーズを企画すれば根強い聴取率は取れるだろう。

歴史物で識者が持論を討論する様子には結構ファンはいた。刹那的コンテンツはほどほどにして人生に必要な教養、芸術、笑の魅力を掘り起こすこともあるのではないかと思う。