地上波・紙媒体とネット

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このタイトルはもはや陳腐化している。

電車の乗客の様子を見れば約10年前から一気に変わってきた。スマホ操作80%、読書・新聞5%、寝ている10%、その他パソコン操作5%が一般的な分布ではなかろうか。新聞をタブロイに折り畳んで読んでいる風景はもはや絶滅危惧種だ。鉛筆で熱心に記事に線引きをして、いかにも風体を見なければどこかの研究者と未間違うJRA馬券売り場近くの公園風景は依然としてあるが。電車内で見る紙媒体では来日された人の日本語学習帳、小学生が参考書とタブレットの両方眺めて宿題をしている風景が目立つ。週刊誌も滅多に見ない。電車の週刊誌中吊り広告がなくなった。時代が変わった。

ただし、スマホ、タブレットでも新聞社の電磁媒体を読んでいるので、新聞離れしたとまでは言えないが、宅配新聞、駅売新聞が減少すると、やがて電磁媒体の内容は量・質ともに変化するだろう。

TVが存在する家庭を含めてどうか。総務省が発表した資料によればTV視聴よりネット時間が逆転したとニュースがありHPをチェックした。これが実に面白い

図―1 年度別全年代変移図 ネットの急進により令和2年ついにTVを逆転した

 

平成24(2012年)から8年の極めて短時間に逆転。

 

 

次に年代別に見ると

50歳以上はTV優位を占めているが、10代から30代はネットが圧倒している。10代〜40代はネットがメイン。50歳代からTVメインとなる。TVのコア層は50以上でありCMはこのコア層対象商品になる。10〜40代のコア層はネットにシフトしているのでTVで商品CMしてもチグハグになる。

トヨタがTVでもクルマのCMを削減しているのは、確かに高齢者に購買を迫るのは無理があると見ているのだろう。番組内容云々の前に時代が変わっていたのだ。

それにしても新聞は減少している。新聞の良いところは注目記事のほかに目を転ずれば意図しない記事を目にすることができることである。でもネットでは関連情報や他の人はこれも見ているとして拡張するので、間に合っているのかも知れない。少々寂しい気もする。

その他 総務省の報告書では以下のことも表記されている。

【連絡方法:若年層は電話を利用しない】

固定電話やスマホでも電話で直接声を聞くことが少ない。特に若年層は電話をしない。新入社員が電話に不慣れだとの話は聞くが、職場で電話の掛け方、受け方をOJTしないといけない時代になってしまった。FAXは日本しか残っていないと揶揄されている。確かに固定電話や複合複写機に併用されているが、紙での自動アウトプットがなくディスプレーにfaxありと表示されても見逃す。即時性を求めるなら受発注でもLineでくる時代だ。

【連絡はネット利用】 LINE, You tubeが圧倒している。Twitter, インスタ、他もある。いずれも自分の世界からの選択された情報だと言えなくもない。フェイクが入り込む余地はあるが、玉石混交の中には隠れた真実があるとしたら、それを見つけるレベルが必要だ。

今回の自民党総裁選挙ではネットでのアンケート結果と新聞社(系列TV)の世論調査とは大きく違った。ネットは若者、新聞(TV)は固定電話に出られるシニア層だからと普通に理解した。新聞TVで国民人気ダントツの候補者はネットでは別の候補に圧倒的に差をつけられた。

しかしながら、世論調査の仕方が違う結果だとアンケート専門家からの指摘があり納得した。即ち新聞(TV)では男女、年齢、など区分をした上で整理しているのに対し、ネットではオープン型アンケート。瞬時に大量のデーターが集積できる強みがあるが、複数のアカウントを持って投票している人を排除できない。

毎日新聞がネットでアンケートを開始したが、途中で多分気がついたのであろうか中止した。オープン型でなく、新聞(TV)と同じくネットでもクローズ型に技術的に可能であればより真実に迫ることができるがどうだろう。

そういえば、先の米国大統領選挙においてフェイクニュースのワードが踊った。

大手新聞社の報ずる情報は無条件に受け入れがちな日本と違って、米国では「その見方もあろう」的に重きをおいていない。支援者が家庭訪問して議論する風景を見る。その時に重きをおく議論ネタは身近な話題で、新聞ありきではない。地区のコミュニティが崩壊している日本から見ると羨ましい。

TV不振の理由の一つはコンテンツの陳腐化。旅番組、大食い、クイズばかりで飽き飽き。クイズ番組で活躍する若者が難関大学に入るまでに育てた親を不憫に思うようでは如何なるものか。視聴率は取れないだろうが小説や古典の朗読+風景を組み合わせたシリーズを企画すれば根強い聴取率は取れるだろう。

歴史物で識者が持論を討論する様子には結構ファンはいた。刹那的コンテンツはほどほどにして人生に必要な教養、芸術、笑の魅力を掘り起こすこともあるのではないかと思う。

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