「だらか言ないこっちゃない! 過ぎたるは・・・」と言われたOBがいる。なんでも毎日2万歩を数年続けたことで膝を痛めたとのこと。見た目にはスマートな体型だけに歩くことのメリットはあったのだろう。だが、過ぎたるはである。 かく言う自分の歩数は昨年は390万歩を超えた。1日1万歩強。 最近の情報ではでは1万歩を超えても健康効果はない。膝がやられるなど良いことないから8000歩説がもっぱらである。シニアでは6000歩だとも。
一日の歩数内容は自宅内500〜1,000歩、ビジネス6,000歩、散歩・買い物5,000歩。日により割合は変化する。 散歩ではお気に入りのスニーカー(H社製)をここ3年半利用した。それまでのスニーカーより快適だったが、内側に綻びが出てきたので同じメーカーのものに買い替えた。ショップのスタッフと歩行のノウハウなど楽しい情報を交換しながらスニーカーを選択。
値段は安いとは言えないので躊躇したが、これから歩数も1万歩/日とし綻びするまで履くであろうと計算すると1歩が4銭前後の計算。これを高いと見るか安いと見るか。健康で医療の出費がなければ非常に安いことになる。
さて表題の歩数と健康に関して。
ダラダラ歩くのではなく、インターバルに速度アップを入れないと効果がないとも言われている。情報過多のところがあるので、エビデンスが欲しいと思っていた。
愛媛大学から「あらゆる歩数が健康に寄与する」2025.03.17 プレスリリースされたので早速チェックした。
中高年女性の日常生活における歩行活動パターンを特定し、それらのパターンとメタボリックシンドローム発生リスクとの関連を検討した論文である。
確かにダラダラ歩いての1万歩とサッサと高速歩行での1万歩では健康に影響あるのは定性的には理解できる。だが、買い物を例にすると行きはサッサでも帰りは荷物を持ってダラダラになりがちである。
結論はなんと
1)「主に中高強度の歩行時間を蓄積することで1日1万歩程度の歩数に達するパターン」と「主に低強度の歩行時間を蓄積することで1日1万歩程度の歩数に達するパターン」のメタボリックシンドローム発生に対する予防効果は同程度である。
2)6000歩と高速歩行1万歩では効果が少ない
ダラダラではないが普通でも良いのか。 確かに友人とお喋りしながらゆっくり歩いている女性の方が健康的に見える。横浜は坂の街。坂道を上る運動量はダラダラ1万歩より違うだろと思っていたが、このパターンを見ると単なる言い訳なのかも知れない。
男の場合、歩行速度が速い方が出来るビジネスマンと見られがちである。本当は出来る風情を見せているだけなのかも。ゆっくり歩くことで得られる情報を削除しているのは勿体無い気もする。 建築現場で見る工法の今昔での変化を知るのも楽しい、交通整理している人との雑談の中に意外なことを知ることもたまにある。海外で営業活動の経験を話す人もおられる。先を急ぐことばかりではない。だが、1日の歩行数を決めたからには実行する、その継続意識は人との交流、スポーツ、ビジネスには必要なのだろう。陳腐なワードではあるが、「継続は力なり」か。
ではいつ歩くのか? それを解明した文献があればと期待する。俗説かわからないが食後の散歩は血糖値が上がっても緩やかなので良いとか、朝起きの散歩はやめた方が良いなど諸説ある。エビデンスがあればどなたか教えて頂いたらありがたい。
歩くことで着想することがあれば、筆者には縁遠い哲学の領域を拓く可能性があるとすれば、歩くことは非常に重要。歩くことに関する文献があれば今後も随時紹介していきたい。