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デジタル・デトックス

先日、v-tubeとの共演を見た。ステージではプロピアニストが演奏。演奏の合間にv-tuberの画面と音楽論を交わす。 v-tuberはアバターでピアノ鍵盤上の指を含め顔もアバター。音声は遅延なく相手方に届く。5G、6Gの通信技術ならばこそ実現するやりとりに新しい時代を感じた。

 

昭和の頃は海外からのリポートでは画像と音声がずれることが一般的だった。ずれるならまだしも、音声の強弱が波のように強くなったり、弱くなったりの時代もあった。得られる情報が少ない分、想像・空想で埋め合わせていた。時にはそれが海外への憧れとなった。

それが今や高速大量通信時代となるとスマホの数の情報発散基地が形成されることで、逆に数の面で少ない地上波放送が揺らぎ始めた。SNSは大量ゴミと揶揄するところはあるが、ゴミの中に時として宝物があるように、ゴミと宝物を選別する力も養生されてきた。

先週 横浜パシフィコで電磁波展示会があり、兵庫県から参加した大学、企業の人と知事選の話題になり、若い人ほど元知事一択だったとのこと。

地上波を見ない若者だからかと言えば、そうでもなく、地元だけに元知事の実績を見ての判断だったとのこと。知人に偏差値74と愛媛県屈指の進学校である愛光学園出身の東京在住の人がいる。地上波の影響を受けて「酷い後輩がいるもんだ」と元知事を非難していた。後で真実を知って、あの愛光に限ってないと思っていたと見事な情弱ぶりを披露。彼に限らず遠い地域のシニア層では共通していた。

偏った情報が怒涛のように押し寄せる時には注意が必要なのは戦時中のマスコミがあった。それが形をかえて残っているのだろうか。 としたら解決にうけ手サイドの「デジタル・デトックス」があるのかも。

電車内で暇つぶしのスマホを見るのは許されるが、降車する時も画面を見ながらゆっくりと降りてくるとなると「いい加減にしろ」と言いたくもなる。道を行き交う時も視線はスマホ画面。その人を避けるのは当方。これも「いい加減にしろ、勉強なら許してもいいけど」的なニュアンス感覚がある。

だが、これは当方の身勝手な思いかもしれないと思い始めた。

自分自身パソコン操作時間が長い。メール、試料作成、その間にX、FB、Lineのチェックして、再びパソコンに戻る始末。YouTubeでバックミュージックを流しながら。これをデジタル中毒と言わずしてなんというか。

この流れを一旦止めて、休憩か全くタッチしない日を設けるのもありとデジタルデトックス提唱者は言う。

一般的に言われているのは、ノーベル賞の約40%、世界の金融を抑えているのはユダヤ人であり、成長の背景には徹底した休息日シャバットがあるからだとの説がある。ガムシャラに働いて成長した日本と、取るべき安息日を守って成長したユダヤ人。面白い比較。

働きバチ対策の国民休日を増やせば良いと考えた日本とは確かに本質的に違うところはあるのだろう。 ここで、スマホもパソコンも家に置いて温泉に浸かることができるのは日本。温泉での休暇は神様が与えた日本民族の次なる発展へのツールかもしれない。行きたいなぁと言ってパソコンで調べるようでは、そう簡単には解毒しない。

スピーチ・メールの生成AI判定

このブログでは政治には触れないが、候補者の演説やパンフレット手交の場面によく出くわす。先日は維新の会代表選挙として候補者4名が桜木町駅前で各自10分の持分でスピーチ。桜木町はTV映が良いのか、多くの選挙でNHK、民放のTVカメラの放列がある。

ある候補者は自身でパンフを聴衆の中を掻き分けて配布していた。維新の会には投票したことがないので、暇つぶし的にパンフを見た。公約的な9項目が縦書きで記載されていた。多色刷で凝ったパンフ。しかしながら読む気がしなかった。

まず、公約数が多い。どの公約にも現在状況と目標値を定量的に表現されていないこと、および取り組み作戦など具体性に欠けていた。その前に実績の表示もないのでは議員の力量を図れない。

先の兵庫県知事選挙においてSNSからの情報ソースから選挙民は判断したとあるが、You tubeでも図解のないナレーションだけだとタイパから2倍速かショートを見るのが普通だけに、この候補者は時代に取り残されていると判断した。

最後の演者は大阪府知事。ポイントは2点とあらかじめ話し始め、その過程で具体的な予算額を紹介し、実現するための方策を述べた。中身の妥当性は別として、流石に今時の聴衆の心を把握している。他候補より抜けていると思った

話は変わって

メールを見ると右の帯にスケジューラー、連絡先、To Doリストがあり、本文中に予定が記載されている場合、カレンダーをチェックすると自動的に該当日に登録される。連絡先などもあり、それぞれのアプリを個別に開けなくてもメール上で処理できるようになっている。

今月からさらに生成AIとリンクするようになった。例えばメールが長いと生成A Iが要約例を示してくれる。非常にありがたい。

仲間に非常に丁寧な人がおられ、文章がA4 2〜3枚に及ぶメールを送ってくる。5W2Hで表現すれば長くても5行で済むのだが、長い文章では5W2Hのどれかが落ちていることがある。書いているうちに抜けるのはありうる。かっての会社仲間からは5W2Hの***(名前)と言われていた。そっけないと言えばそっけないが、それでも経営陣からは三行以内にしろと言われていたものだ。

ということで、ここまでの文章を生成AIが要約した。

「この文章は、筆者の日常生活での観察や経験を綴ったブログ記事のようです。大きく分けて3つの話題が書かれています。」

  1. 政治家の演説

筆者は、ある候補者の演説を聞いて、その内容が具体的でなく、時代遅れだと感じました。一方、大阪府知事の演説は具体的で分かりやすく、聴衆の心を掴むのが上手いと評価しています。

  1. メールソフトの新機能

筆者の使っているメールソフトに、生成AIを活用した新機能が追加されました。この機能は、長いメールを要約したり、スケジュールや連絡先を自動的に登録したりするのに役立ちます。

  1. 丁寧すぎるメール

筆者は、非常に丁寧で長いメールを送ってくる人がいることに触れ、5W2Hで表現すれば短く済むことを指摘しています。そして、以前の会社員時代に5W2Hを徹底していた自身の経験を振り返っています。

いやはや 生成AI 恐るべし。わずか2秒で要約された。我ながらこそばゆいところもある。

調子に乗って、今回のブログのタイトルは何が相応しいか?と生成AIに聞いてみたが、いずれも紋切り型で面白くない。

そういえばyou tubeなどで実際の人物ではなくアバターが取り入れられていると、内容がどうあれ興味が削がれる。例えば生成AIの指導により野球をしても勝てないだろう。横浜ベイスターズが勝利したのは情熱底力と団結力。そこには生成AIは1mmも効いていない。生成AI で失職すると恐る人もいるだろうが、恐ることはないのではなかろうか。あくまでも踏み台・参考書程度だと(今は)思う。

玉ねぎの効用 二日酔いに良さそう

玉ねぎに含まれるケルセチンが認知症に良いと農林機構が2018年に発表した。

(https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/senmon/1803_chosa03.html)のも記憶に新しい。植物に含まれるケルセチン同HPから抜粋

当時、ケルセチンは玉ねぎの皮に多く含まれるとあって、玉ねぎの皮を収集する企業があった。粉末にしてお茶として服用する。但し、スーパーで多くの人が触った玉ねぎで試すには躊躇する。企業はおそらく農家出荷選別段階で収集しているのであろう。

今回、岡山大学が「玉ねぎに含まれるポリフェノールの細胞保護作用とその分子機構を解明〜二日酔いの症状軽減やアルコール性疾患の予防効果に期待〜」を発表。(2024.09.26)本文を抜粋すると

「東アジア人特有のALDH2 遺伝子多型依存性アルコール不耐症の肝細胞モデルなどを用いて、玉ねぎなどに多く含まれるポリフェノール(ケルセチン)のアセトアルデヒド毒性に対する保護作用とその分子機構を解明しました。さらに、ケルセチンはアセトアルデヒド代謝酵素とともに、抗酸化物質合成酵素の発現増強作用を介して、細胞をアセトアルデヒド毒性から保護することを明らかにしました。」とある。

エビデンスを列挙すると膨大になるので申し訳ないが割愛する。

A LD H2 が不足している日本人の割合については、このブログでも取り上げたことがある。全くの下戸がALDH2不足はわかるが、顔色が赤くなる人もALDH2不足。鍛えて酒に強くなるわけではないので要注意。特に昭和時代の高齢者は酒が飲めて一人前として強制することがあるので、万一そのような場で出会した時は上手な会話と共に玉ねぎを宴会の前後に摂って肝臓障害を回避するのが好ましい。

さて、玉ねぎといえば淡路島が有名だが、関東のスーパーでは北海道産が多い。皆様はどの様に選びますか? 不揃いだが色艶が良いもの、ネットに入っているもの、農家さんのラベルが貼ってあるもの、やや高級スーパーで売っているもの、など。残念ながらケルセチンを多く含む玉ねぎの見分け方は残念ながら外見だけで判断できないとのこと。 一般的だが

  • 品種: ケルセチン含有量が多い品種を選ぶ。(例:クエルゴールドなど)
  • 産地: 北海道産の玉ねぎは、本州産のものよりもケルセチン含有量が多い傾向がある
  • 色: 玉ねぎの外皮の色が濃いもの、特に赤玉ねぎはケルセチンが多い傾向。黄色玉ねぎも白玉ねぎに比べてケルセチンが多い。
  • 重さ: 重量感のある玉ねぎの方が、ケルセチンが多い傾向。
  • 保存状態: 新鮮な玉ねぎの方が、ケルセチン含有量が多い。

なお白玉ねぎについて

白玉ねぎは、ケルセチン含有量が他の玉ねぎに比べて少ない傾向。これは、白玉ねぎが、日光を遮断して栽培されるため、ケルセチンの生成が抑えられるためとのこと。しかし、白玉ねぎにもケルセチンは含まれているので、全く効果がないわけではないとのこと。

いつものスーパーでは3個196円もあれば3個260円、1個 84円からとまちまち。高級スーパーでは1個460円。玉ねぎの顔つきは立派で貫禄がある。誰が買うのだろうか。当方は縁がなく見るだけ。

ケルセチンは調理方法によっては喪失するので要注意。ケルセチンは水溶性ビタミンであるため、水にさらしたり、茹でたりすると水に溶け出すので生食する場合でも、水にさらす時間は短くすること

  • 生食: サラダなど、生で食べる場合は、水にさらす時間を短くするか、全くさらさないようにしましょう。
  • 電子レンジ: 電子レンジは短時間で加熱できるため、ケルセチンの損失を抑える
  • 炒め物: 強火で短時間炒める
  • 蒸し料理: 蒸し料理は、水に溶け出すことがないので、ケルセチンの損失を抑えることができる
  • 揚げ物: 揚げる場合は、衣を付けて短時間で揚げる。

当方はレンチンで加熱し、バター炒めした後でニンニク+ポン酢で味付けした玉ねぎステーキ。及び 玉ねぎをスライサーで粉砕したのち、蜂蜜少々とりんご酢でつけ置きして冷蔵庫に保管。朝食に納豆にブレンドして食している。人の名前が咄嗟に出てこないので食べる量を増やす必要ありだが効果を見るには相当先になりそうだ。

マイクロプラスチックス

不思議な文献を見た。京大が発表したマイクロプラスチックの海洋生態系に関する文献である。―マイクロプラスチック浸出液がマツバガイの捕食者回避に与える影響― (プレスリリース 掲載日:2024.11.08)

元文献が見つからないので、発表資料のみからの印象を言えば、発表を是とする判断には情報が少ない。

その前に、発表内容ポイントを紹介すると

ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ乳酸のマクロプラスチックを海水水槽に入れ、24時間エアレーションしてマクロプラスチック浸出海水を得る。それを海産巻貝類マツバガイに捕食者であるシマレイシダマシを周囲に設置して海産巻貝類マツバガイが防御態勢を取るか否かを観測。

その結果、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドでは防御態勢とる割合が少なく(10%)、バイオ分解樹脂であるポリ乳酸は40%と比較的高いと報告している。

捕食者の出す酸を検知して防御態勢をとるマツバガイ検知能力がマイクロプラスチックス浸出液により低下しているとのこと。

さて、質問をしたいと思われた人はおられるだろう。正直、小生もその一人。

  • マクロプラスチックとマイクロプラスチックを混同(誤植?)
  • マイクロプラスチックは海・海岸から採取したのか、人工的に作成されたのか不明。同質材料を採取するのは非常に困難。工業製品であるマクロプラスチックスをUV照射で劣化させたモデル品と思われる。
  • ブランク(海水エアレーションのみ)データがない。エアレーションにより海水の成分変化(CO2によるp H酸性を帯びたか)の確認がない。
  • ポリエチレン、ポリプロピレンは疎水性で水には馴染まない。添加剤もポリエチレンは無視できる極微量、ポリプロピレンはグレードによるが、疎水性の樹脂中に存在することから海水による抽出は極めて考えにくい

   ポリアミドも膨潤はするが海水成分と反応することはない。塩素と弱いフ   ァンデルワールス的な結合はあるが、海水全体への影響は考えにくい。

  • ポリ乳酸はドライ状態でもマイナス帯電するように親水性であり、カルボニル基の近傍から分子切断して乳酸が分離することは考えられる。

以上のことから、ポリ乳酸由来の酸成分と捕獲者の酸があれば防御するのは理解できるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドから何成分が析出されたから防御態勢を取れなかったかの、化学物理的な分析とそのモデル化合物による追跡解析が重要だと思われる。現象発見としては面白いが考察が必要だが記載されていない。(元の提出論文で確認は必要)

マイクロプラスチックスに注目した研究は大事であるが、その前に汚染実態の把握に基づいての研究が好ましい。2024年10月号「現代化学」に鈴木剛氏(国立環境研究所)が寄稿されている。

大雑把に言えば

マイクロプラスチックス環境流出量=(プラスチックス生産量)―((製造事業所での分離)+(下水道処理設備))のインフラ能力に強く関係している。(図参照) 

最近、注目されているのはタイヤ摩擦、ブレーキ摩擦、衣類洗濯屑。 比重が水より重いので沈降する分厄介。

展示会視線

10月は各種展示会が目白押し。ビックサイト、横浜パシフィコ、幕張メッセ、その他とこちらの時間見合いで駆けつける。日本企業の他に中国企業が4割を占める展示会もある。以前は日本から吸収するだけの国柄が日本にPRする立場になったこと、また諸事情があるのでしょうか日本市場に攻勢をかける必要性があってのことだと思う。

展示会出展には費用がかかる。コスモサインは昨年秋のデンタルショーに6コマブースをセットした経験があるだけに、展示会の経済的負担におおよその感覚はある。

首から下げた入門証にQRコードが印刷されている。出展者は運営会社からQRコート読み取り装置を借用するが、その費用が1日6万円。それを借りないで名刺交換やノート記載の従来パターン会社もあるのは理解できる。

今回、新富士駅近くの会場「ふじのくにバイオセルロース展」に久々に足を伸ばした。セルロースナノファイバーの開発企業の一つ日本製紙の工場横の展示場。セルロースナノファイバー(CNF)ブームがあり、CNFや樹脂とのコンパウンドなど企業が参加している。

ここで意外な経験をしたので紹介する。展示会は多くの場合、前日にセットして、翌日の10時にオープンする。今回もてっきりそうだろうと出かけた。だが現地に着いてみると、準備を開始したばかり。

一般客は午後からだと言われたものの時間潰しの喫茶店など近くにない。ちょうどその時、顔馴染みの会社から出展者の入門証を頂いたので出展者メンバー一員として会場内に入った。各社の準備段階を見ながらの情報交換などができた。

各出店社の準備は着々と進む中、一向に準備が進まないブースがあった。机一つ、椅子一つがあるだけ。遅刻してくるだろうと思っていたが、オープンになったらご高齢の方一人座っているだけで、机の上にシートが1枚おいてある。説明パネルなし。説明資料パンフもなし。誰も近寄らない様子。何をしに来たのか考えるほどだ。123のブースがあり盛況のなか珍しい。今回は静岡県支援とあってブース参加費用は無料なので、机1つの企業も出展資格はある。

当方は間違って早く到着し、セットアップ中に情報交換も略終わっていたこともあり、その空白ブースが気になって近寄った。説明は「シートにバシャと掛けてね〜。それでOK」のみ。禅問答みたいで、この程度の説明でわからないような人には用事がない・・と言っているような雰囲気さえある。

挑発されたものの、あっと気がついた。そこでその人に「このようにしてみて下さい」とお願いしたら、今度はその人がえっと驚いた。相手もそのような機能があるとは予想外だった。冗談のようだが、本当の話で、それから当方は某テーマに取り入れるかどうか検討することにした。

大企業は大きな展示会に何度も出展し発表することができる。資金規模が違う。ただ、新しい見方・発想ができるか否かは企業サイズとは比例しない。下手をすると大企業は同業他社と同じような発想で開発をしていることも多々ある。レッドオーシャンとわかっていてもだ。奇想天外の発想は開発の対象からどうしても排除されることもある。

机1であっても価値ある発想を受取る企業があれば実用化に結びつけることができる。それなりの企業が出展している展示会は見るが、今回の展示会では、たとえ机1つの企業からネタを掘り起こすのも必要であると感じた。展示会への視線・視野を変えることは面白い。

糖尿病・脳梗塞ではBMIゾーン違い?

糖尿病はBMIより腹回身長比を重視すべきという文献があれば脳梗塞後遺症が少ない人のBMIは最適ゾーンがあるとの文献をご紹介する。一体、どのような体型なら良いのか戸惑いながら以下紹介する。

最初に糖尿病とBMIやその他の指数について。

最近、京都府立医大からBMIより糖尿病を懸念するなら男性では腹囲身長比、女性では腹囲調整BMIと腹囲身長比をチェックする方が糖尿病発症予測に有効との発表があった。(プレスリリース 掲載日:2024.10.22)

計算式は次のとおり。ABSIは面倒だが結論から言えばその他指数より糖尿病に関しては低いので糖尿病では無視して良い。

男性115,036人 平均45歳、女性40,587人、平均42歳が研究期間中に2型糖尿病に男性 8,005 人、女性 795 人が2型糖尿病を発症した。

男性では腹囲身長比 カットオフ値 0.497

女性では腹囲調整 BMI カットオフ値 18.6kg/m、腹囲身長比 0.510

カットオフ値の意味はこの数値以上はダメ。ということ。BMIでは余裕の合格圏内でもアウトの人が結構おられるのではないでしょうか。 この数値以上の人がその後に糖尿病を発症した現実を反映しているのであって、既に糖尿病になっている人はこの数値以上になっているのだろうか(素人の考えだが)。

とにかく一度腹囲を測定されることをお勧めする。 偉そうに書いてきた自分の数値は0.51。ややアウト BMIでは23〜24をキープして安心していたが、腹脂肪削減対策を考えねば。

ところが神戸大学が

「脳梗塞患者において過体重~軽度肥満だと退院時の機能障害が発生しにくいことを明らかに」プレスリリース (掲載日:2024.10.24)

 要旨は「脳梗塞患者において、標準体型よりも過体重~軽度肥満の方が、退院時の機能障害の発生割合が低下することを明らかにしました。解析では、BMI(体格指数)が24.7kg/m2のときに、最も機能障害の発生割合が低くなることが示されました。

また、体型が極端にやせ型、もしくは極端に肥満になるにつれて退院時の機能障害が発生しやすくなることも明らかになりました」

続けて「今回の結果は、一般的には肥満が健康に悪影響を与えると考えられている一方で、特定の病気や状態では肥満が生存率を向上させるという逆説的な現象「肥満パラドックス」と同様の傾向を示しました。」 図ではBMIが22.1~27.5 が良好ゾーン。

 

ではやや小太りでありながら腹囲身長比率が0.497を満足させる体型とは何?

因みに生成AIに質問したところ、出っ腹をメジャーが食い込む画像を生成してきた。

生成AIも冗談が好きなのか? それとも、条件を満足する人はいないのか。今回の文献が世界のデーターベースになっていないほどに注目されていることが本当の姿なのだろう。

猛暑と米作

10月中旬で夏日でも驚かなくなった。しかし主食である米作が温暖化でどうなるかの予測文献には驚いた。北海道でも米作が可能になったので良いではないか。など余裕で言える話ではなさそうだ。主食の米でさえ不作もしくは等級が下がる。 それに連動して、日本酒の酒米の質(日焼け米)が影響を受けるので、日本酒愛好家のみならず、大袈裟に言えば日本文化に影響する。

まず、東北と九州の米生産額が気候変動により受ける影響について、福島大学、東京大学から発表されたので結論を引用する(プレスリリース :2024.10.16)

1)気候変動が緩和されず気温が産業革命前と比較して4℃昇温した場合,東北の「ひとめぼれ」と九州の「ヒノヒカリ」の年間生産額は現在の値に対してそれぞれ93.9%と75.9%へ低下する可能性がある。

2)昇温1℃あたりの生産額の低下(経済損失)は東北で70億円,九州で120億円と推定。これは一等米比率の低下に加えて九州では収量の低下が影響

シミュレーションの内容については元文献を参照願いたい。

 東北地区は+2℃では生産額は増加するが、+4℃では減少に転ずる

九州地区は+2℃でも生産額は減少し、+4℃では壊滅的状態になる。

対策としては 高温耐性品種の開発、田植え時期の前倒しだと著者らは主張されている

高温耐性品種で既存品はタイ米になるが、日本人に馴染みのある品種開発は時間との戦いになるが頑張ってほしい。

即効ある対策を考えると、広大な面積を占めている太陽光パネルを撤去して米作に戻すこと。太陽光発電はビル窓など添付型「ペロブスカイト発電」への切り替えで対応する。畑を田圃にして畑作物は植物工場にシフトするなど農業オンリーの対策ではなく全体バランスからの対策が必要だろう。

次に冒頭での日本酒愛好家とって関心の酒米について。

金沢工業大学が【全国の酒蔵を悩ませている高温障害米の問題の解決の一助】をプレスリリース (掲載日:2024.10.07) オンキヨーと金沢工業大学が「酒に音楽を聴かせる」取り組みを2020年から継続しており、その成果として高温障害米(高温障害米とは、稲の登熟期の高温により品質が不良となった米)の醸造工程で特定の音楽振動を与えることで熟成が調整されることを発表。

「高温障害米に消化酵素剤を加え、さらにオンキヨーの加振技術が加わることにより酵素が働きやすくなり、高温障害米のデンプン質を溶かすことが可能となるという研究成果を得ました」とある。そこでオンキョーの特許を調べた。

特開2023-153471(P2023-153471A)。

【課題】振動させる対象物を、幅広い周波数帯域で振動可能とすること。
【解決手段】システム1は、食品(例えば、清酒)、食品の原材料(例えば、米)、原材料から食品となる間の中間生成物(例えば、もろみ)のいずれかである対象物を振動させるためのものである。システム1は、第1周波数帯域で振動する加振器2と、第1周波数帯域よりも高域の第2周波数帯域で振動する超音波振動子3と、を備える。加振器2、及び、超音波振動子3は、対象物を振動させる。

化学の特許であれば実施例、比較例を記載して特許性(新規性・差異化・実用性)で

価値を判断する。この特許は機械・電気システムであるので、それが記載しなくても良い。なんとなく化学専門家から見ると不思議な特許システムではある。

「音楽振動技術により熟成が行われたお酒を加振酒」として販売しているとのこと。乳牛にモーツアルトは有名。日本酒には演歌?まさかのロックかも。利酒ならぬ利音も酒席での会話に味付けがあり面白そうだ。

植物に学ぶサバイバル

植物も食いだめをしないと自然界では生きていけない! とのタイトルでプレスリリースが名古屋大学から発表され注目を浴びた。論文タイトルは格調高く「Integration of shoot-derived polypeptide signals by root TGA transcription factors is essential for survival under fluctuating nitrogen environments(根のTGA転写因子によるシュート由来のポリペプチドシグナルの統合は、変動する窒素環境下での生存に必須である。)

本研究のポイントは以下の通り。

  • 植物は葉の窒素需要(空腹や満腹)に応じて、根からの窒素吸収量を調節している。
  • 本研究では、根において葉由来の空腹/満腹シグナルと結合して窒素吸収に必要な遺伝子群の発現を制御するタンパク質 TGA1 および TGA4 を発見した。TGA1/4 を欠損した植物は、土壌中の窒素栄養量が経時的に変動する環境では、葉の窒素需要の増大に応じた根からの吸収促進ができないために正常に成長できなかった。
  • 植物が葉の窒素需要(空腹や満腹)に応じて根における窒素栄養の吸収量を調節するしくみを解明した。

確かに肥料の硝酸イオンを窒素栄養として根から吸収→葉でアンモニウムイオンに還元→アミノ酸に取り込まれ→タンパク質合成の材料。のフローにおいて雨が降らないと土中の水分は蒸発するので根は硝酸イオンと出会う機会がなく、雨が特に豪雨ともなれば硝酸イオンは流出して濃度が希薄になる。これは大変一大事であるから出会えた時に満腹まで吸収しておく。

ここで、何に関心をしたのか?

植物は与えられた土地で生きることを求められる。あちこち栄養を求めて動くことができない。せっかくの学舎や会社に入った時にこそ満腹になるほどスキル、企画、実行、人脈を構築しておかないと、たとえ高齢になって「あの時にしておけば・・・」と反省することになりかねない。

80歳になる会社OBの言うことに、70歳台にしっかりやっておくべきだった。次に70歳台のOBは「いやいや現役の時ですよ」と。多分植物のTGA!、TGA4に相当する指導者に巡り合って「今がその時」のスイッチを押してくれたらと思うだろう。筆者の場合に確かに「あの時、あの人に出会えなかったらの人」がおられる。満腹にはまだまだ未熟だけれど。

昨今話題に登っているのが日本製鉄。以前は技術一流、実行二流、言い訳超一流との風潮があったが、現社長になって社風が変化。「事上磨錬」だとか。Do and Action ,Do and Do 。サントリーの「やってみなはれ」と同じだろう。巨漢日本製鐵が本当にできたのかは数年後の評価になるだろうが、行動して初めて本当に景色が見え、目標が定まるとの意味だろう。

今の日本製鉄の社員は「今まさに栄養を蓄積し発揮すべきだ」と意識が変わっておられるではないだろうか。

その時に満腹になっても、世の中変化が激しいので過去を所有してもシン・パワーとならないと意見をお持の人もおられよう。DXだの、生成AIの時代 特にホワイトカラーは影響を受ける。 だが、それまで満腹でサバイバルした人は新しい時代・技術をも満腹にしないと明るい明日がないとの記憶があるので、どのように変化しても大丈夫だと思う。

最後に 人間の場合食の満腹を継続すると肥満→糖尿病となって労働人口減少加速と医療費圧迫で国家として揺らぐハメになる。ここは腹八分でしょう。

海洋環境展から・珊瑚生育棚

買い物のルートに横浜市役所をよく通る。先週、アトリウムでは東京湾・河川の環境展示が開催されていた。子供向けに多摩川や荒川の生物紹介、下水道の仕組み、海プラの選別などが用意されており、東京湾での採れた魚の料理教室もあり、多くの人に興味を持ってもらうよう組まれていた。

潮流発電しませんか? と女性説明員から声かけられた。簡単な模型は筒状にピストンを往復させて発電をさせるもので、潮流ではないが原理は同じ。自分もやってみると単純だが発電でLEDが明るく点ると面白い。

これをしながら思い出したのが草津の湯もみ。観光ショーになっているが数人の女性が板を湯船に入れて魯を漕ぐように動かす。女性のエネルギーが板に伝わり湯船のお湯が波打つ。この逆が潮流発電だなぁ〜と気がついたのだ。

船の舵を切るにはエネルギーを使う。舵に相当する板状を海に沈め潮流により発電する。実際、平塚の海岸に潮流発電所があり稼働している。岩手の久慈に最初に設備された。波受け板の形が異なる。 潮流は夜中でも、風がない時でも利用できるだけに安定電源として普及して欲しいものだ。台風、津波など想定以上の潮流が来たときは柳のように受け流すような設計か魯が海面上に出てクラッチされる仕組み。平塚の潮流発電には船舶専門の川崎重工が、潮流板には横浜ゴムが参画している。

次のブースで妙なものを展示していた。マグネシウムの塊とアルミの塊が机の上においてある。イオン化傾向の違う2種の金属を接触させると電位差(微小電位)が発生することを説明に使うのだろうとわかった。商品名アラノード。名前からアノード、カソードからなる電池を表現している。で、何に使用するのか?? これには驚いた。

「珊瑚生育装棚」 説明によると ① 珊瑚は世界の海の0.2% だが海洋生物の25%生存に関与している。② 海はCO2吸収するが、弱酸性になったこと、海水温アップもあり白化、死滅が増加 ③ 珊瑚の成長は遅く、天敵オニヒトデの食害に遭う

珊瑚を速く育成する方法について、橋梁、浮桟橋を生産・工事をしている会社(エム・エム・ブリッジ)が ある日、浮桟橋に珊瑚が付着していることを見つけた。さすが金属が専門だけにピンとくるものがあった。微弱電流で炭酸カルシウムを生成する速度が制御できると考えた。

図は石垣島と阿憙島における珊瑚幼生着床数比較。電流量調整により約2.5倍。

珊瑚はCO2を吸収するが、CO2を排出するので変わらないのでは?の議論が長らくあったとのこと。今は決着がついた珊瑚はCO2固定に有益な生物だとのことブルーカーボンの一翼を担っている。

珊瑚の様子を4Dで観察する技術(若築建設など)も紹介されていた。環境監視が経済的メリットにどのように繋がるのか興味がある。

その他、海上でのペレブスカイト発電が紹介されていた。確かに森林を伐採して太陽光発電パネルを設置するより、はるかに環境には優れている。普及されるには、荒波を消波化する浮桟橋などの設置など工夫は必要だが、伸びるのではないかと思われる。期待したい。

MC I(軽度認知障害)

ショッピングモールの広場でエーザイとBiogen協賛の脳の健康セミナーと演奏会が行われていた。両社は認知症抑制剤(レカネバブ)で知られる。特に今回はMCI(Mild Cognitive Impairment)軽度認知障害に重点を置いて簡易検査、パンフ配布など実施。

「新しい家電の使い方を覚えるのに時間がかかる」「前日の昼食・夕食内容を思い出せない」「物忘れはするが他人事だと感じている」「仕事上のミスが増えた」「メモを取ることが増えた」これが軽度認知障害。さて皆様はいくつ該当するでしょうか?

放置しておくと本格認知症になるとのこと。確かに名前が即時に出なくなってきたが、情報量やストレスが圧倒的に以前より違うのではないかと言い訳をする自分がいる。

MCIの原因としてはアルツハイマー病、血管性疾患、レビー小体病、その他(ストレス、うつ病、不安、ビタミン不足、甲状腺ホルモン不足、薬副作用、睡眠、てんかん)など。渡されたガイドブックには対策として12項目にわたる認知機能維持ポイントが紹介されていた。 食生活、飲酒、喫煙、社会活動など常識であるが全部を守ることができそうにない。

そこで2年前の文献だが、コーヒーと認知症提言に関する新潟大学の報告を思い出したので、紹介する。

「日本人高齢者におけるコーヒー、緑茶、カフェインと認知症リスクの関連」  プレスリリース 掲載日:2022.07.12

 超要約すると、新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野の中村和利教授らの研究グループは中高年のコーヒー、緑茶、カフェインの摂取量と認知症リスクとの関連を縦断的に調べた。(新潟県村上地区 13,757人 40~74歳)

その結果、①コーヒー高摂取と認知症低リスクの強固なエビデンスを得た。②カフェイン高摂取と認知症低リスクの強固なエビデンスを得た。③緑茶摂取と認知症リスクの関連については明確でなかった。というもの。コーヒー好きの筆者は納得したくて納得。しかしながら緑茶の結果には首を傾げた。そのはずがない。

それから2年後の2024年に抹茶とMCI、および睡眠についてのレポートが筑波大学から発表された。継続12ヶ月抹茶を飲み続けると社会的認知が向上した(2024年9月2日)

さらに、漢方薬とハーブティの効果(認知症改善、若返り)について大阪公立大学が発表した(2024年9月19日)

この3つの論文ではコーヒー、緑茶、ハーブティはMCI対策には有意であるとまとめることができる。

さて、地元のシニアによるカルテット演奏。確かに年齢層見合いの認知症とは縁遠いしっかりした演奏。楽器ができれば認知症も遠のく証拠であろうことはわかった。人前の緊張で時々ミスはあれど仲間がカバーしていたことからもサークル活動での人的交流も、大事だと理解した。