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勘違いの原因?

日本の研究.comを眺めていると驚くようなタイトルに出くわす。思わず「そう・そう」と相槌を打ったのが今回紹介する文献。

自分はよく勘違いをするのは確かで、しっかり者の家族から都度指摘される。昔の上司のそのまた上司(後に専務まで務められた方)の記憶力は驚嘆したことがある。実に30年前のことを議事録にでも取っていたかのように話されたこともあった。どのような頭脳をしているのか知りたいところではあるが、人より3割は大きい頭だけに、収納能力が高いのだろうと勝手な理屈で納得していた。

メモリーの都合で過去は美化されて記憶に収めるのが普通。ここで美化は嫌なことを消去して良いところだけ残す作業を自分は意識してやっていると思っていた。

しかしである。今回の文献によると「記憶は無意識のうちに変化する。勘違いを生み出す脳の仕組み」を理化学研究所からプレスリリース(2025.02.21)。

超要約すると ある出来事の連続(例:Aの後にBが起こる)を記憶すると、その出来事の逆さまの記憶(例:Bの後にAが起こる)も無意識のうちに生まれます。その後、時間が経過すると、本当の記憶と逆さまの記憶が脳内でまとまり、区別ができなくなります。」 実験例が紹介されている。

 

 

 

 

 

 

なぜこのようになるのか脳に核磁気共鳴装置を取り付け観察すると海馬に変化が認められたことが判明した。

 

 

 

 

 

 

ここまで読んで「勘違いするのは脳の自然な成り行きなのだ」と言い訳は50%当たっているだろう。でも30年前のことを正確に言い当てた人の脳はどうなっていたのだろうか、気になる。

50%の言い訳で世間では通用しない。むしろ危険なことに繋がりかねない。

現在、スマホにはメモアプリが標準で入っている。これを利用して音声を文字起こしで暫定的に記録することもできる。スマホ画面に向かってペンもしくは指で記録することもできる。PCに転送して保存することもできる。PCも容量見合いでクラウドを利用することや、最近では格安の家庭内サーバーも人気が出てきた。

一方で現代は情報化社会となって刺激を多く受けないと、それによっての組み合わせができない。あるほど逆に記憶して置いたものとの掛け合わせがクリエーター的でもあるかもしれない。

奇人・変人・妙な人がクリエートすることもあるので、先週のブログ記載の音ハラや何ハラを無くしてはつまらなく、成長がしにくい社会になると予想される。

確定申告風景と年金

毎年 2月中旬〜3月中旬は国民義務感が強く漂う季節である。確定申告の時期。サラリーマンは雑収入や相続など給与所得以外の収入があれば申告が必要となるが、ほとんどの人は年末に保険や医療費を経理に出して終わり。最近はふるさと納税やiDeCoを利用する人は確定申告をする。その確定申告でもe-TAXが以前よりチューンアップされてきたので非常に楽になった。

数年前はe-TAXで申告書作成の途中でソフトのバグにより、それより先に進まない事態があった。近くに臨時の申告書提出所があったので相談に行くと、長い行列の後ろに並ぶように指示され、申告にきたのではなく、バグを回避する方法を教えて欲しいとお願いした。国税担当者もバグを見つけたので、急遽紙で提出。それはさておき驚いたのは申告書に必要な書類を手に順番を待つ行列の長さ。 部屋の中ではパソコンを前に職員が書類を見ながら入力されていた。あぁこんな楽な方法があるのなら自分も来年はそうするか? と不謹慎ながら思ったことがあった。

今年、e-TAXをパソコンで申告した後で、買い物ついでに臨時の申告会場風景を見るべく立ち寄ったところ、別の意味で驚いた。 まず、列が非常に短い。従来は国税1管轄分だけだったのが、今年は2つの合同提出所。それにも関わらず列が短い。もう一つ驚いたのはガイドの職員から「スマホをお持ちですね」の確認の声。作業テーブルにはパソコンはない。マイナンバーカードとスマホで申告作業に切り替わった。一旦学習すれば次年度はこの提出所にくる必要は減少する。だから行列が短いのかと思った。一方でスマホのソフトはGAFAMに握られて、その分国家赤字(デジタル赤字)の拡大となっていることを改めて痛感した。日本製ソフトにならないのかと。

行列の長さが減少した大きな理由は「公的年金受給者の確定申告不要制度」だ。 公的年金だけの収入で400万円以下、雑所得が20万円以下の人は申告不要。公的年金で400万円の人がいるにはいるだろうが、非常に少ないと思う。最近のYoutubeで年金額を聞く場面を多く見る。(編集もあるのだろうが)遥かに400万円に届かない。会社生活から定年1年目は申告作業が大変だが、2年目からは申告不要生活になる人が結構多いのではないか。(注:国税は不要でも県民税の申告が必要あるので要確認)

日本の年金は年休受け取り側の生活が回るように年金額を決める給付建ではなく、若い人の拠出額を一定にした拠出型になった。(年金100年安心制度)。足らない分は受け取り側の年金を減らす方式なので、受け取り年金は増えない。年金受け取り側の生活は楽になることはない。

仮に年金が15万円/月だとしたら、大きな貯金がない限り、とても生活できないのでアルバイトなどで食い繋ぐしかない。その雑収入が上限20万円を超えると要申告。ここの見直しは必要だと思うが如何だろうか。ちなみに、G7の申告制度には疎いが、フランスを除いて一定の所得以上に義務がある。フランスは全員所得によらず申告義務と透明性が高い。G7全部が電子媒体申告。スマホを持たない人はどうしているのか。不法難民対策もあるのか。

話は飛躍するが、マイナ保険証が実施された。 不法な背乗りを排除するには好適。 4月からはマイナ運転免許証制度が始まるが心配なのはスマホでチェックしないと有効期限がわからない。気がついた時には失効になるかも。従来通りハガキ通知はあるのか、ないのか。マイナンバーを紛失した場合の再発行と免許復活には2ヶ月ほど必要となると、従来通りの免許にする人が多いと予想する。遅れていますか?

SDVと課題

クルマのパワートレインの混乱もEV熱が冷め、H V,PHVに集約しつつある。これから熱効率の優れたエンジン、その先に水素エンジンになる模様だ。だが、利用者から見て、動力源がどうあれ利便性に重点を置いてのクルマ選びになる。そのポイントがSDV (Software Defined  Vehicle)。 ソフトウェアによって機能や性能が定義される次世代の自動車を言う。

SDVはソフトウェアのアップデートは無線通信(OTA(Over-The-Air))によって機能を追加・更新できるため、購入後も常に最新の機能を利用できるという特徴があり、NTTデータなどが力を入れている。運転支援機能、エンターテイメント機能などが利用できる。最終的には自動運転・安全運転機能、その他のエネルギー有効活用運転支援などが挙げられている。そうなると運転免許にも昔はオートマ限定とあったが、自動運転限定免許が出るのだろうか。返納免許を返し欲しいとの声が聞こえることも予想される。車が必要な地域の高齢者にはありがたいシステムになろうか。年金生活では購入不可でも市町村公共輸送システムなら利用できるかも。

 

そんな薔薇色の社会ではあるが、課題もある。サイバーセキュリティ、ソフトウェアの信頼性、ハードウェアとソフトウェアの連携など。余計な一言だが自動車メーカーでこれらに追随できないと落ちこぼれていくのは必定。トヨタ、ホンダ、三菱自動車にはソフトウエア、通信関係の仲間企業がいる。宇宙関係に強い三菱企業群と関係すると三菱自動車の位置付けが変わる可能性がある。

 

 

 

 

 

 

 

さわありながら、早くもSDVに注意を喚起する文献が出てきた

走行中の自動運転センサーを長距離から無効化できることを発見 ~脆弱性を明らかにし、より安全な自動運転車両の開発に貢献~ 慶應義塾 2025,02,25リリース

超要約すると 60km/hrで走行する車両に110m以上からLiDARセンサーを攻撃するシステムを開発した。実自動運転車に対して オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を搭載した車両に対して LiDAR 攻撃を行い、衝突事故や急ブレーキが誘発されることを実証とのこと。 詳細は文献を参照のこと。


 

実際 路上先に歩行者や車両障害物があった時、LiDARレーザーは認識して停止または回避するところが、障害物が実在しないと処理することで事故になる。また逆に実障害物はないのだが、あたかも存在させたかのようにLiDARが検知してストップすることなど任意にできてしまう。

セキュリティ防業と攻撃のイタチごっこが自動運転車両で展開されるとなると、いつ安心して利用できるのか、そこが知りたい。下手をするとテロに利用されるとなると自動運転に両手あげて大歓迎とはならない。 側にいる人から「そんな大袈裟なことを言わなくても、携帯を見ながら突っ込んでくる自転車の方が殺人的だがなぁ」と言われた。そうか、歩きスマホ、スマホ自転車を見つけたら一瞬で画面が消えて警告がでるシステムを作った方が安心かも。

音ハラ

最近は「音ハラ」なる言葉もあるとニュースで知った。職場の不快な独り言、パソコンを激しく叩く音などで一緒にいると仕事に集中できないとのこと。

これに相当する場面にいた事例を紹介する。一つは環境に関する活動報告会。大学・企業そして一般の参加者からなる聴衆構成。報告会に遅れてきた2名が着席するやいなやパソコンを取り出し操作を開始。当方はその2列後ろに座っていたのでパソコン画面を見ないようにしていても、いやでも目に入る。報告会とは関係のない資料作成を開始。ネット検索からダウンロードしてパワポを作成に熱心。キイタッチの音もうるさいが、発表者の話を真面目に聞かず自分の作業に没頭する態度の方が気になった。

2名とも同じ態度なので会場整理のスタッフに対応をお願いした。ところが、返事は「あの方々は某大学の教授と准教授です。その分野では有名で とても言えないです。。。。」と責任放棄された。環境専門家なら周りの雰囲気を察してはどうかと思う。環境と漢字で書くとわからない人でも「地球へのおもてなし」「周りへの気配り」と言えばわかるだろうが。

公演中のパソコン操作の心理として「俺って仕事師で忙しいのだ」との上から目線で許されると思わせている雰囲気が周囲を一層汚染している。

この環境プロジェクトを率いている人のご苦労がよく分かった。子供の頃に「偉くなったら頭を垂れるものだよ」と教えられていなかったのだろう。マナーを「まぁなぁ」と解釈でもしていたのか、お里が知れる。何を勉強していたのか。

次は欧州企業のマシン講習会。外国人社長の挨拶を翻訳するところから講習会がスタート。この場においても隣の席でパソコンの操作する人。パソコンが壊れるほどの激しいタッチに講演者の話が聞こえないので直接注意した。睨みつけられたがパソコンを閉じた。やれやれと思ったら場末の○○よろしくド派手な衣装に加えキンキンギラギラ・ジャラジャラの装飾品を身に纏った女性が遅刻して入ってきた。参加者の中には知り合いが多くおられ、講演を聞かずに挨拶的私語ゾーンが形成された。

でも、このような人が会社や国の経済を発展させるとしたら苦情をいうのはどうかとも思った。もう死言なのだろうが「TPOを弁えろと」

実機マシンの操作説明において通訳されていた社員が操作説明。その説明の文章の約半分が英語。非常に発音がネイティブで巻き舌なので、ほとんどの人は意味不明で実機さえ見れば説明不要と覚悟。その実機がなかなか動かない。 社員は外国人社長にわかりやすく話しているのだろうが、純粋培養日本人には50%程度しかわからないとは知らないのだろう。誰にマシンを売りたいのか、その基本ができていない。

以上2つの出来事を紹介したが、いずれも 「やってはいけない訓」 として理解することにした。自分も知らず知らずに犯しているであろう。なんのことはない。「人のふり見て我がふり直せ」として昔から幼児の頃から言われてきたことばかり。

その意味で「本当の幼児教育を教えることができる」親、祖父母の存在が重要かと思う。

砂糖過剰摂取メタボに朗報?

喫茶店でコーヒーを注文すると砂糖をご利用されますか?と聞かれる。「コーヒー通なら入れないのが普通だよね」のニュアンスも少し含んでいる。ブルマンや年に1度程度だがゲイシャをいただく時に砂糖やミルクが邪魔は確か。

男でも料理をする時代。煮物では艶だしと味付けを兼ねて砂糖やミリンを予想以上に多く配合することに驚く。又 プリンなどメイラード反応を利用しての調理も多い。食後のケーキがあれば砂糖が追加される。甘いものはまさに至福。 バレンタインに甘いチョコを貰えば義理とわかっていても嬉しい。

WHOの勧告では1日6g が砂糖摂取上限だとのこと。角砂糖1個が3.3g  ネットによれば某500ml 清涼飲料水では角砂糖11個だとか、軽くオーバーしている。砂糖は至福をもたらすが、反面インスリン抵抗性を増加させる。メタボの完成。このブログでも記載したが腹部の長さ/身長の数値がBMIより有効だとかいた。インスリン抵抗性が糖尿病の引き金をひく。(痩せていてもインスリン抵抗性があるので要注意)砂糖は過剰に摂らないのが賢明。

メタボの人に朗報の文献が出た。

「砂糖の摂り過ぎによるメタボを改善する成分が明らかに ~イノシトールとタウリンが脂質代謝異常の改善に作用~」 2025.02.21 名古屋大学

論文要旨および図を引用する

  • 砂糖など甘味料の摂り過ぎが腸内細菌を介して脂肪肝、脂質代謝異常を引き起こす。
  • 植物性食品に多く含まれるイノシトールや海産物に多く含まれるタウリンがこれを改善することを明らかにした。
  • イノシトールとタウリンが腸内細菌叢注3)を変化させ腸内環境を改善したことが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イノシトールを多く含む食品をwebから拾ってみた(図2)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にタウリンを多く含む食品が大正製薬ビタミンDのWEBに記載されていたのは「牡蠣、あさり、しじみ、ほたて、はまぐり、たこ、かに、いか、鯵や鯖などの近海魚、ブリやカツオの血合いなど」https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/183/

回の文献はラット実験の結果ではある。人間に置き換えて有益だと素人ながら思う。但し、イノシトールやタウリンをどの程度摂れば良いのかの定量的な結果はこれからの研究に期待がなされ。イノシトールやタウリンを今度は過剰に摂取すると別の不具合が生ずるとも限らないので注意が必要。ココアが良いとなってスーパーの店頭から消えたような事案を経験してきた日本人の賢さからは無用の心配かもしれないが。と言いつつ島根県のシジミラーメンを食べた。効果はさて?

植物が自ら天気予報?

ひと昔は当たらないモノの一つが天気予報だった。最近は宇宙から雲の動きや陸海の温度、風など観測することで打率は向上したが、それでも天気予報のキャスターは当たらないとイジられるのが恒例。今は直近であればスマホで何分後に雨が降るor上がると結構精度が良い。

このブログでも書いたが、太陽光発電は曇りや降雨となると出力が減少する。そこで補完的に火力発電を遅滞なくパワーアップしないといけない。対象地域をメッシュにきり、その上空に雲がくる予想時間に稼働率の調整をする。本当に大変なこと。太陽光発電を促進するのが良さげに思われるだけに、陰でのご苦労しないために安定出力には火力の他に原電も稼働すべきところはある。

そんな状況をなんと植物は古来処理してきたことの記事に耳目が惹きつけられた。すなわち、植物は夜間が放射冷却により温度が冷えると、明けたら気孔をあけて炭酸同化作用の稼働率を上げる。逆も然り。早速 文献を見てみよう。

 「植物が自ら天気予報!? 夜間の低温を感知して夜明けの光応答を促進する」 宇都宮大学  山口大学  日本工業大学が2025.02.06にプレスリリース(注:論文タイトルとは違い、編集者のネーミング)

要約を引用すると

  • 植物は光に反応して気孔を開く気孔開口や、光に向かって伸長する光屈性などの光応答を日々誘導することで(図1)、周囲の光条件に合わせて光合成効率を最適化します。
  • 本研究では、植物の青色光と温度のセンサタンパク質であるフォトトロピン2が夜間の低温を感知することで、夜明けの青色光応答を促進することを明らかにしました。
  • 晴れた夜には放射冷却によって地表付近の気温が下がるため、夜の低温を感知した植物は夜明け後に晴れると予測し、夜明け後の光合成を活発に行うために青色光応答を促進する「低温誘導性のプライミング」を示したと考えられます(図1)。

 

凄いぞ植物!と驚いたと同時に植物工場の植物は天気予報する必要がないことに気がついた。

特定波長LED照射により育つ植物の種類選択、温度管理、炭酸ガス濃度管理、水管理など徹底的に行き届いている。果たして植物はいつも光があたり、温室育ちだったら、気孔の開閉機構は衰退するだろう。

植物にも体内時計がある。植物の体内時計のパターンに関係なく刺激を与えられたらどうなるのか。これを人間に置き換えたら 快適なのか、それとも体調を崩すのか。 人間の体内時計は脳、肺、肝臓、腎臓ごとに、極端に言えば細胞ごとに体内時計はある。睡眠も必要だ。きっと植物も体調を崩すのでないかと想像する。専門外の小生の意見なので無視相当だが。少々飛躍的ではあるが、昔から言われていたことに「旬のものを食べることが健康に有用だと」  植物と人間の絶妙の体内時計のマッチングなのかも知れない。

土壌放出CO2

工業生産増大に伴う大気CO2増大が問題であることは常識中の常識。更に「森林や海はCOを吸収するので大事にしないといけない」これも今や幼稚園児でも教えられている。

一方で米国トランプ大統領は就任直後に地球温暖化パリ協定から脱退するとして大統領署名。トランプ大統領は幼稚園児以下の米国ファーストわがままそのもの!と少しでも思った人はいるだろう。日本での工業生産による排出対策は乾いた雑巾を更に絞るようなことを政府・民間あげて頑張っているのに。しかしトランプが離脱する理由は分からないでもない。想像するに、かっての南北問題で資金が収奪されていたが、タイトルが変わっただけと同じではないかが彼の考えであろう。そんなことよりロスの山火事をなんとかしたら・・・と考えるような文献が出てきた。どのような文献なのか紹介する。山火事は極端だが土壌の乾燥・洪水繰り返しは地球上のあらゆるところで起こっている出来事だけに無視できない。

題名「乾燥と湿潤の繰り返しが土壌のCO₂放出を増大させることを解明

新潟大、九大、日本原研開発機構 3者共著 2025年1月21プレスリリース。

要旨を編集すると

  • 地球全体で土壌の有機炭素の微生物分解により放出される二酸化炭素(CO2)の量は人為的 CO2 排出量の約 5 倍

(補註:有機炭素:土壌に存在する有機炭素の量は植物体存在量の 3〜4 倍、

大気存在量の 2〜3 倍に達しており、陸域で最大の炭素プール)。

  • 土壌の乾燥と湿潤の繰り返しによって、土壌から放出される CO2 の量が大きく増大する
  • 乾燥と湿潤の繰り返しによる微生物細胞の破壊と分解に加え、土壌炭素の蓄積に寄与している活性金属―有機物錯体成分注 2 の分解促進により引き起こされている可能性

(補註;土壌に存在する活性金属―有機物錯体成分は、特にピロリン酸ナトリウム溶液によって抽出可能となる反応活性の高いアルミニウムや鉄を主体とした土壌成分であり、日本に広く分布する火山灰性土壌(黒ボク土)で有機炭素が高濃度で長期間安定的に蓄積されてきている主要因の一つと考えられている)

実験は

国内各地の 10 地点の森林から採取した土壌を、降水パターンの変化に伴う乾燥と湿潤の繰り返しを模擬した条件で 84 日間室内培養し、CO2 放出量の変化を評価

結果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究者は今後屋外環境での実験を通じてメカニズム解明をされるとまとめておられる。ぜひ地球温暖化協定交渉の場で発表をして欲しい。制度疲労的が目立つようになってきた今日修正が必要ではないか。工場など人為的排出CO2と土壌からの排出量を加味することが重要かとこの文献から思った。

日本は雨乞いすることは極めて少ない。四方を海に囲まれていることが大きく寄与している。日本海側は豪雪の被害はあるものの、豊かな土壌となって湿気は維持されていることは雪が降らない地域の人は感謝すべきであろう。

培養肉

よく似たワードに代替肉がある。主に大豆を原料(植物タンパク)からの肉ライクの食品。最寄り駅近のレストランでは鶏の唐揚げ、ハンバーグなどが提供されている。鶏の唐揚げは肉の繊維が見た目も歯応えも本物と(小生レベルでは)わからないほど精巧に作られている。メーカーの一つ不二精油の特許数の多さに将来を期待していることがわかる。 その他7社が開発しているとのこと。

しかしながら

やはり本物の肉が得られるならば「本物の肉が食いたい!」との声があるのは確か。

その声を正面から受け取って、本物の肉である「培養肉」を開発している大学・メーカーがある。1月末に高機能・ナノテク展で大阪大学+TOPPAN共同研究体が発表した。

一企業のみの発表を取り上げることはしない本ブログではあるが、将来の畜産業、物流、飼料生産、牛のゲップによる炭酸ガス発生を減少させることが可能であるなど、地球規模で非常にインパクトのある研究だと思った。全容は次の図でご理解できるのでチェックして下さい。(展示会配布資料より)

 

白い脂肪のサシ(霜降り)は任意に濃度や分布を制御できるとのこと。神戸牛の子牛を松坂でビールを飲ませ、モーツアルトを聴かせて世界に冠たる育て上げた和牛「松坂牛」が1頭の牛から約1,000頭分ステーキが生産できるとは驚きだ。牧場のツナギの作業着が白衣になって試験管を凝視している風景が将来はくる。試験的ステーキは2027年目標とか期待したい。特にその頃には65歳以上が30%を超え、元気に暮らすには肉を食事に摂り入れることが必要だけに利用できるのはありがたい。早く来ないかなぁと思うのは小生だけではないだろう。

 

牛乳はどうなるの? チーズは?と気がついた人もおられようが、農業との棲み分けになるだろう。それより産地ネーミングはどうなるのかは気になるところ。それを考えるのも楽しいではないか。きっとステーキなネーミングをTOPPANなら考えているだろう。

nanoテクノロジー展示会の最高賞を後日受賞された。万人が認めたところだと思う。

印刷物の認知パワー

街を歩けばティッシュ配りが相変わらずいる。寒い時期なのでつい手を出してしまう。タダで配る訳がない。クーポンなどの印刷物が少なくとも1枚入っている。それが今までの普通。ところが、今日もらったティッシュにはクジが入っていた。当たりくじであれば、クーポンのお店に行って何か物との交換になるはずだ。当方のティッシュは3等だったのでお店に行くことはやめた。もしお店に行けば、交換物を渡す際にお店の目的商品を説明・誘導するだろう。相当に強い宣伝効果がある。

一方で、ほとんどの人がスマホを所有しており、頻繁に商品紹介のニュースが入ってくるが、抽選ボタンを押しても殆どが“残念”なので、ほとんど無視しているのが実態ではなかろうか。少なくとも自分は余程の強い興味があるニュースがあれば別だが実際はない。

新聞購読者数が減少する中、新聞の厚みは極めて薄くなっているが、折り込み広告は減少していない印象がある。今時 電車内で新聞を広げる人は高齢者。先日目の前の老人が週刊誌を広げたのには驚いた。だが、その新聞、週刊誌の裏側の記事を自然と目が追っている自分がいることがわかった。スマホのデジタル媒体より目に止める“認知作業力”が大きいとも言える。

そこで思い出したのが上智・早稲田・神奈川大・東京国際大が富士フイルム協力のもと「印刷版クーポンの有効性を大規模実験で検証~デジタル化が進む販促戦略に一石を投じる結果~」を2025.01.23にプレスリリース 要点は

  • 印刷版クーポンとオンライン・クーポンが消費者の行動反応に与える影響の違いについて大規模実験を実施。
  • 印刷版クーポンの方が5倍以上高いクーポン償還率。
  • 特にブランド・アタッチメント(ブランドへの愛着)が低い顧客において印刷版の有用性は高い。

文献らしい表現に理解し難いところあるが、次の図を見れば納得

 

一回でもオフライン(印刷物)で受け取ると二回ともオンラインで情報を受けとるより5倍以上の効果があるとのこと。この具体的な結果に、ティシュ配りは印刷コストや、配るアルバイト費用があるものの、効果があるからこそ継続する理由があるのだと理解した。これは販促担当としては十分頭に入れておく必要があると思われる。

顔出しリアル面談、電話、faxがデジタル社会になっても重要だと。

 

個人的ではあるが、年賀状仕舞いが増加した。また自分もそうだがデジタル年賀の割合が50%となった。出す方は便利だが受け手の印象はどうかと、この結果から思う。皆様はいかがお考えでしょうか。

有機米は浸透するか

ファミレスでは「白米にしますか?雑穀米にしますか?」と聞かれる。iPadでメニュー注文時にご飯の種類をインプットする。お客は健康のためだとして雑穀米を選択することは普通になった。だが、白米の中でも有機米にしますかとは聞かない。ファミレスサイドから見ると有機米の供給量が少なく、価格は高いとなると聞かないのは当然か。環境及びユーザーの健康のため有機米栽培をされている農家は除草・防虫対策など苦労があるにも関わらず生産量(=消費量)が伸びていない。 お客サイドから見れば環境は利他的であり協力したい気分が多少あったとしても、最後の結果は価格とブランドで選択しているのが実態。

自動車に置き換えた時、リサイクル原料を適用した製品であったとしても、ユーザーは従来品と同等品質にして同等価格であるかどうかを見ている。リサイクル利用はLCAからは歓迎すべきところあるが、ユーザーから見れば利他的。品質を落としていいとは言っていない。そこがリサイクル事業の困難なところ。バージン材料での製品化の時に大企業は先端技術を駆使して開発製造しているのに対し、物性を落としかねない材料との混合物で、開発技術体制がやや劣る企業がバージン並みに物性を維持するには先端+更なる先端技術が必要で実質単独企業では困難。大企業が支援する仕組みが好ましい。

話を戻して有機米について三重大学がモニター調査をした。 消費者は米の情報も”味わっている”?!食味評価と購買意欲を向上させる栽培情報の不思議な効果         (2024.12.13 )

超要約は

1)有機栽培に関する情報提供により、同じ米でも食味評価が約 13%ポイント向上

2)生産者情報の開示により、再食意志が約 12%ポイント増加

3)食にこだわりが強い消費者ほど、有機米への評価が厳しいという意外な発見

4)環境意識の高さは必ずしも有機米の評価に結びつかないことも判明

詳しくは次の図を参照してください

三重大によると積極的に有機米であること、米袋に生産者の顔がわかるようにしたら需要は伸びると結論しているが、3)4)の調査結果はそれだけでは不十分。

しかしながら、2025年のインフレ率は14%が見込まれ、その一方で所得が多少上がっても所得税率枠から結局手取りは頭打ちが現実的になるほど、大学の結論通りにはなかなかならないのだろうと予想される。

主婦の財布引き締め策もあるだろうが、白米を美味しく炊き上げるコツをお持ちなので、味や米の艶のコントロールができるからもあってなおさらではなかろうか。

日本が変わる時は外圧か、病原菌など流行がきっかけとなる。有機米については害虫防止薬事噴霧による残留農薬による漁業量の減衰、最終的に個人の疾病に関係がありそうだと判明することがあれば、意識は変わる。その意味で時間はかかるだろう。