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たまご

物価の優等生である卵の値段が最近値上がりが大きい。こちらは理由は明快で鳥インフル流行による鶏卵生産量が減少していることが主原因。需要の方は専門家から聞いた情報によると家庭消費が50%、中食関係が30%、加工食品向けが残り20%。中食の減少分を家庭調理分でカバーしていることから全体として値上がりになっている。値上がりを見るとスーパーによって値上げ幅が相当違う。購買能力(生産業者にとっては迷惑パワー)を判断することになる。消費者にとっては実に悩ましい。卵サイズはS~Lまである。買うなら大きい方がお得なのか?分からない。たまご関係者(上記の専門家)から聞いたところでは、1kgいくらの重量制なので、重量あたりの個数はSサイズが多いことになる。名古屋地区ではモーニングに使用する卵は個数勝負なのでSサイズが選択され、残りのLサイズは北陸地区に販売していると業界の内情を教えて貰った。北陸の人はそれを聞いてどう思うだろうか。得なのか損なのか? 筆者にも分からない。

kg当たりでは同じか。売り場には多くの卵パッケージが並んでいる。平場飼卵が増加している。アニマルフリーとかでブームなのか。狭いゲージ個室でいるより広場で運動できることは鶏にとっても良いだろうとの仮説になっているが、鶏の気持ちは誰も確認していない。

一ヶ月ほど前NHK番組「チコちゃんに叱られる」で鶏はなぜ朝に鳴くのか?との設問があった。答えは *鳴くのは雄 *鳴く雄には順番があり平場でマウントをとっているNo.1が先に鳴き,続いてNo.2。。。の順だとのこと。負けた鶏は鳴くことができないこともあるようだ。マウント取り合いでは壮絶な戦いがあるとのこと。上述の専門家によると戦いの中には鋭いクチバシで相手の内蔵をついて致命傷を与えることもあるのだそうだ。そうなると個室の方が安心できる鶏もいるだろう。雌鶏も一夫多妻制なので弱い鶏から乗り換える必要があるので平場ではオチオチできない。鶏の本音は聞いていないが。 鶏の声をずーっと昔は町中でも鶏を飼っている家があり聞いたものだ。それを今は聞いたことがない。昭和45年当時は150万の養鶏業者が今は2000まで減少している。鶏卵数はほぼ同じだけに、今稼働している養鶏場は自動生産システムでロボット化も進んでいる大型工場だ。

さて、話題を戻して、卵はS,Lどちらを選ぶ、平場飼い卵を選ぶか?の答えは栄養でしょう。関西では昆布出汁で卵を溶いて「だし巻き卵」が定番になっている。大根おろしを載せて絶妙な味が好まれている。筆者の家でもよく食する。関西は(特に京都は)昆布文化である。関東になると砂糖配合の固めの卵焼きで昆布出汁が使われていない。

横浜にいる筆者は昆布に入っているヨウ素を餌として取り入れている「ヨード卵」をその代替として利用している。千葉の海岸で採れる昆布を餌にしているとのこと。値段は高いが血中コレステロールなど効用が多いなどは会社のCMになるので多くは記載しない。

聖マリアンナ医科大の研究によるとin vitro ではヨード卵抽出物質について報告。発毛・育毛に関しても記載がある。「男性型脱毛症(AGA)の最大の原因物質ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制し、発毛促進を期待できる」としたとある。筆者にとって「早く言ってヨ」気分。

余談だが、電力事情が相当厳しいらしい。経済産業省は「節電のお願い」とは明確に言わないが、発電能力が96~100%と瀬戸際で停電を食い止める運転を強いられていることを極めて婉曲的に表現している。燃料の液化天然ガスの調達問題にあるようだが、ベース電源には原子力、石炭火力が如何に生活に重要であるか政府は堂々と主張しても良いのではないだろうか。コロナで生活に影響を与え、その上 節電を強いるのは為政者としては言いたくないことではあろう。

そのせいかどうか?最近、街でエスカレーター修理をよく目にする。通常は半日程度の点検・補修であるが、昇降2系合わせて3ヶ月と長い。「強風により動く歩道は停止します」の表示も昨年より多いような気がする。独断偏見を言えば電気に関連する業界は直接指示されてピーク電力カットへ協力しているのでは?と考えた。終電ももっと繰り上げて、夜更かししないでさっさと寝るとするか。鶏のように。

 

珈琲と私

テレワークが続く。パソコン作業も時々立ち上がって気分転換するが、考えに詰まったときは、珈琲豆を挽く。こう言うときは手回しが適している。さて、どの豆にするか?粉砕粒度はどれぐらいにするか? だが、目開きピッチを覚えていないので再現性がない。なので同じ豆でも味が異なる。これが素人の味だと開き直る。ガラガラガラと挽ハンドルを廻す。豆の種類(サイズと焙煎度)によりハンドルへの抵抗が違うが、やがて粉粒体となり空回転となると挽き終わり。ここで仕事の気分転換は40%達成。お湯の温度を確認して全体の20%程を注いで30秒ほど静置する。この時に立ち上る香りで20%ストレス解消だ。豆の産地を認識するのはこのとき。手許にある豆はブラジル、キリマンジャロ、エチオピア、コロンビア、ウガンダ、ルワンダ。スペシャル扱いがブルーマウンテン、特別はゲイシャだが相当な腕が必要なので遠い目標にしてある。

素人の勝手な順番で電車でいう普通、準急、急行、特急、快特の如きでその時の必要とする味を選択しているのであって産地の方にはお断りしておきます。

筆者は珈琲通でもなんでもない。それでも、この立ち上がる香りで(特に焙煎度が低いときは)その土地の雰囲気が想像できる。そんなことないと読者は言われるだろう。上で挙げた珈琲豆産地の多くは内戦が長く続き一次産業に女性が従事して支えてきた歴史がある。ルワンダの豆の香りはブラジルとは違い荒々しい。焦土と強烈な太陽の下で熟したのではと焙煎度が低いときは特に感ずる。お試しあれ。

さて、残りを二分割してお湯を注ぐ様子をYou Tuberで見る。その真似をする。筆者は現在の仕事のなかで某先端材料の濾過プロセスを開発する必要に迫られていることもあり、珈琲を淹れる工程を抽出・濾過プロセスとして見てしまう癖がでる。折角の気分転換ではあるが、粒子の差により濾過速度が異なる様はナルホドと再認識することがある。

抽出濾過した液体は芳醇な珈琲となってカップに注がれる。それをゆっくり味あえばよいものを、7割程度いただくと、気分回復度が100%になっていることから、つい仕事に舞い戻っている。飲み残しは産地の人に申し訳ないので後ほど温めてのむ。こんな調子を一日に少なくとも3回は繰り返す。

そんなに回数が多くて健康に問題ないのか?は昭和の頃の話で、今は寧ろ好ましいが通説となっている。

日本の研究.com (2020.11.09) 京大及び長浜バイオ研発表によると、「習慣的なコーヒー摂取が健康に良い影響を与える場合が多いことが分かってきました。コーヒーをよく飲んでいる人の方が、糖尿病や心血管疾患、肝硬変、いくつかの癌や認知症になりにくく、死亡率も低いという結果が出たのです。NewEngland Journal of Medicine に掲載された最近の記事では、1 日 3 から 5 杯のコーヒーを習慣的に飲むのがよいのではと記載されています」

今回発表された研究内容は「コーヒーをよく飲んでいる人ほど眼圧が低いことを発見しました。ただし、コーヒーを飲むことによって眼圧が下がるのかは分かっていませんので、緑内障の治療や予防の目的でコーヒーを摂取することを推奨するものではありません。くれぐれもご注意ください。」とある。

 

 

 

 

 

 

皮膚科専門でTVでお馴染み女性医師によるとクロロゲン酸はシミ防止によいとか、保水性補助として有用だとの情報をYou tubeで語っている。また、珈琲研究家で東京薬科大学名誉教授の岡希太郎氏は以前からブログで珈琲成分効果を取り上げていたが、論文がネイチャーに掲載されたことを報道で知った。論文査読が厳しい雑誌なので本当だろう。タイトルは「珈琲習慣は健康寿命の援軍 注目のニコチン酸」

健康といえばポリフェノール。CMでもお馴染みで珈琲にもクロロゲン酸が含まれているとされ多く報告があるとのこと、これに加えてニコチン酸(たばこのニコチンとは全くちがいます!)。記事のなかで「一般には善玉コレステロールを増やす効果や、皮膚・粘膜の健康を保つ美肌効果などが注目されていますが、医療の現場では、様々な病気の治療にも使われ始めています」その1つが、先天的なNAD不足による筋無力症で難病に指定されている「ミトコンドリア・ミオパチー」。昨年にはヘルシンキ大の研究チームが、ニコチン酸の投与で患者の筋肉中のNAD濃度が高まり、副作用もなく運動機能が回復したと発表した。また中国の医師団からは、やはり難病の潰瘍性大腸炎をニコチン酸の追加投与で治癒させたとの論文も発表されている。筆者はこの分野は全く知見がないので、コメントなしで引用した。ご判断は読者に任せたい。

クロロゲン酸(左)とニコチン酸(右)の分子構造。

 

 

 

 

 

 

この記事では

「珈琲豆を深く煎ると、このクロロゲン酸は失われてしまう。そこで岡さんは、ニコチン酸が豊富に含まれる深煎りの豆と、クロロゲン酸が豊富に含まれる浅煎りの豆をブレンドした珈琲を飲むことを勧めている。」。そうか豆が同じでも焙煎状態(浅・深)を組み合わせか、経験が深い人とフレッシュな見方をする人の組み合わせがクリエイティブな仕事をできるのだ。。。。と教えられたようなものだ。

ここで、少しだけ化学屋らしいことを言えば、抽出にはお湯の通過速度と温度が重要。粉砕した粒子径が細かく、かつ揃っている場合(正規分布で分布幅が狭い)は、お湯の通過速度が遅くなる。始めと後の通過・濾過速度は低下して、お湯と接触時間が長いと苦みが抽出されてくる。そこでの対策として粒子径分布を変える(広く、または粗粒子を配合する)ことも対策として挙げられるのではないかと考えている。

そんな多くのことを考えさせてくれる珈琲。淹れ立ての珈琲をいただく。産地で働く人の様子を想像しながら。写真は焙煎前の生珈琲豆。目の前で焙煎工程を見ることができる戸越銀座Caffe la Costaの豆の特徴図

組織潜在力とDX

電通ビルが売却のニュースは流石に驚いた。売り上げ1兆円を軽く超える企業がまさかの損失補填に自社ビル売却。オリンピックの当てが外れた、斜陽マスコミの影響など原因は専門家にお任せして、テレワークで仕事は可能なので3割程度のフロアを賃貸するとのこと。

これを聞いて、本当にテレワークで可能なのか? 不思議に思った。自分の専門スキルの売買で会社と契約している分には可能だが、日本の会社の多くは専門職での採用は限定的であり、多くは総合職としての採用が多い。出身は技術者であっても短くて3年、長くても20年するとジェネラリストとして事業企画などの職に就く。例え20年が研究職で入社しても基礎分析、材料開発、成形開発、テクニカルサービス、品質管理及び製造現場など多岐の経験を積む人が多いのが日本企業の特徴。技術職で採用が営業に転ずる人の割合いが多いと言うか普通。海外支店勤務で技術営業兼マネージャーも経験する。

では、次から次へと受け持ちする仕事が変わっても円滑に組織として活動できるかと言えば、境界が重なりあっており、例えば材料開発を推進しようと思ってもその他関係業務との連携・相互の理解がないと進まないから、相手の仕事も知らず知らずに代替しうるレベルまでになっている。

外資系企業の場合は個人―企業の契約で成立しており、個人のスキルが必要とするところにジグソーパズルのように当てはまる人材が採用され、使命が終われば雇用は解除される。オフィスの風景も個室が与えられているか、隔絶パネルで区切られた空間で仕事をしているのを良くみる。実に格好が良いように見える。日本の企業の多くは大部屋。今は大部屋でもパソコンのキイタッチの音しか聞こえないが、以前であれば電話で話す内容が聞こえてくると、“あの案件だったら,情報を持っているので教えてあげよう”としたものだ。人には情報は教えない頑なな人は陽が当たるところから距離を置くようになった。

いつでも仕事が変われる状態はコストセンターからみれば「遊んでいる=余裕=無駄」とみられることもあり、不況になると目を付けられる危険もある。だが、今流行の“デジタルトランスフォーメーションDX”となるとどうか。デジタルは単なるツールだが、問題はトランスフォーメーションDXに便利なのは大部屋的相互業務一部浸透型組織ではないかと考えている。材料屋の表現ではIPN構造(Inter Penetrate Network Morphology)。超簡単にいえば融通無碍の組み替え。マルチタレントでないとDX時代は円滑に進まないと思われる。会社も社員をマルチタレント養成し、個人においてもマルチ分野に専門家顔負けに通用するような技量と見識をもつ必要があるのだろう。

その意味で、専門一本足打法で会社内で生活できても、転職は厳しく、定年後に通用するには時代が求めていない限り厳しい。会社訪問して事務所風景が大部屋になっていて、電話の声が聞こえていると“この会社は変化にも強いだろう”と判断する。大部屋でもパソコンの音だけでシーンとしている会社は“チョット心配な会社”と思う。皆様の会社は如何でしょうか?

筆者が経験してきたことを記述した“経験則”であるが、理論的な取り扱いをした記事が日経に掲載されている。慶応・菊澤教授の“危ない「働き方改革」、実は変革に向いた日本の組織”を参考にして下さい。

日本、ドイツ、米国の企業組織形態の特徴を論じています。ダイナミック・ケイパビリティ(感知、捕捉、変容する変革能力)が変革競争力に重要であると説いておられる。全く同感だ。

続きは(日経ビジネス2021年1月22日)をお読み下さい。

図表を引用(筆者作成)

コロナ第三波と身近なできごと

昨年の入試問題ににPCRに関する設問があった。いまどきの問題なのでメモした。(出典は現代数学2021、2月号)。

「PCR検査において、病気に罹っているとき検査結果が陽性になる確率は0.74,健康のとき陰性となる確率は0.999である。病気の人の割合いは1000人に一人であるとする。検査結果が陽性になった場合、実際に病気である確率は約何十%か」

簡単と言う人、若い時はスラスラできたが今は。。。の人とそれぞれでしょう。答えは末尾に記載しましたので参考にして下さい。

頭が柔らかくなったところで、今度は身体の運動などに関わることについて。皆様の仕事によっては表題の内容は該当しないとのお断りをまずしておきます。

次のグラフは昨年の2月から本年1月までの執筆者の月平均歩行数。個人データーであるので、勿論全体を表していない。その前の年は年間平均8800歩である。2月から低下がはじまり、第一波で外出自粛が発出されると4月は1700歩の最少記録をした。ビジネス相手方もクローズドしている状態で外出機会は極端に減少した。その後解除になると徐々に増え始めたものの、テレワークの浸透もあり2019年ベースには戻っていない。ズーム会議も会議はすれど実行となると相手方の勤務状態変化もあり、以前ほどのスピード感で物事が進まなかった。そうこうするうちに第二波、そして大型の第三波が来ている。

1月8日に1都3県に緊急事態が発出され、次々と事態宣言対象地域が拡大している。横浜も外出自粛規制対象となっているので、歩行数は減少している。しかし、第一波ほどに低下していないではないか! 出歩いている証拠ではないのか!とお叱りを受けるであろう。

実はビジネス活動による1月の平均歩行数は2500~3000歩であり、残りは居室内でのエクササイズによる歩数を足し算したものである。米国在住の人からの情報により始めたエクササイズであるが、ひところ流行った ビリーズブートキャンプほどの激しい動きではない。10分もやれば十分とのこと。物足りない感じで初日を終えた。歩数は1000歩稼ぐことはできた。目標は2000歩以上補完する必要があることから、サイクル2回とした。その日の睡眠時間は通常より大幅に延びた。坂のある土地柄だが妙に足が軽い。おおっ! 従来のビジネス、散歩の歩数で得られた感触と違うことに気がついた。因みにBMIは24なので肥満ではない、坂道をフウフウ言いながら登っていたわけではないが、エクササイズを取り入れてから軽やかになった。コロナ渦が運動音痴の筆者にもたらした良いことだと前向きにとらえることにした。

ZOOM(Teams)会議は決定しても実行が遅いと上述したが、良いことを先日見つけた。

それは技術者フォーラム会議がWEBで実施されたときのことである。講師の方の説明を聞きながらチャットで質問を書き込むと休憩時間に講師が回答をする。セミナー参加者は休憩できるが講師は対応に休憩どころではない。その質疑応答に誘導されて新しい質問が飛ぶ。リアル会議やセミナーでは質問者のところにマイクを持って行くのに時間を取られる。質問者の多くは「素晴らしいご講演で有り難うございます」と枕言葉がはいり時間が取られる。質問者の中には頭が整理されてなくあやふやな質問して返答に困る事態もままある。質疑応答も2~3件で終わるケースが多い。チャットでは挨拶不要、質問が整理されていることがあり、多くの質疑応答が可能である。なかなか便利である。

コスモサインもWEBセミナーを予定している。積極的なご参加と活発な質疑応答を期待しています。

コロナ渦が終焉しセミナー後の懇親会が早くできると良いことは言うまでも無い。

皆様におかれてもコロナ渦で変化したもの、普段気にしていないものが見えたなどあろうかと思われる。これを機会にカタスロフィ的に変化するのは何か?と前向きに考える時間をもらたと考えることも良いのではないだろうか。

冒頭問題の答え (2020年東大薬学系大学院試験問題のひとつ)

分子(1/1000 X0.74) 分母[ (1/1000X0.74) + 999/1000X(1-0.999)]

=42.5%。答えは約40%

空気清浄機としてのガソリン車

タイトル間違っていないか?と疑問を持たれる方、最後までお読み頂けると、さもありなんと思われるでしょう。

EVは排気ガスゼロ FCV(水素燃料)排気ガスはH2Oのみでトドの詰まり大気を汚染しないので歓迎されている。それに対してガソリン車は二酸化炭素、(ディーゼルの場合)窒素酸化物、PMを排出する。ガソリン車ゼロ宣言をする国が相次いでいる。日本でも2030年代にはガソリン車ゼロを目指すと政府が発表したとあって大騒ぎ。あまりにも自動車業界の反発が強いので「役所で使用するクルマは」。。。とやや後退気味に訂正したと聞く。自動車工業会はガソリン車の燃費向上を継続しており、EV、FCVの推進も実施と多岐に亘っての選択枝を広げて格闘中の時だけに、技術音痴の政府が勝手な方向に誘導するのは堪らんとのことだと思う。レジ袋廃止と同じ無智な空気感でやられてはならないと思ったのであろう。

そうは言っても、ガソリン車を将来製造するのは厳しいだろうと多くの人が見ているなかで、エッ!? と驚くべきことが粛々と進んでいることを知った。それは

「大気を清浄化するエンジン車」の開発である。 将来のガソリン車は空気清浄機?とでも表現するのか?

EV,FCVは大気汚染はしない。今回の開発目標は吸気の空気よりクリーンな空気にして排気するというもの。指摘されて目が覚めたのは「確かに大気汚染がなければの条件を満たせば、あとはwell to wheel 問題(クルマ製造LCAを含む総合環境負荷)に焦点が絞られる。このような発想は全くしていなかった。驚いた。

でも、驚くのは早い。2017年 幼稚園児の描いた「空気をきれいにする車」を取り上げて当時考えられる技術を集合するとして東工大村上准教授(当時)が提案していたのだ。

 

2015 年度「機械の日・機械週間」絵画コンテスト受賞作品「空気をきれいにする車」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原油・シェールガスはまだまだ潤沢にある。直接ガソリンを燃焼するエンジンはトータル熱効率では優れている。熱効率50%を越えるクルマも発売されるようになった。

では「大気を清浄化するエンジン車」のキモは何かと言えばリーバーンエンジン構造、セラミック被覆点火プラグなどエンジン本体の開発に加え、最も重要な働きをしていているのは排気ガス処理触媒である。一酸化炭素、低分子量炭化水素、窒素酸化物、PM(微粒子)を還元トラップする触媒(TWC&4WC)である。

欧米では極寒時スタートでも触媒能力が発揮できるよう触媒を予めヒーターで加熱するなど細かい配慮の後処理を組込んでいる。このシステムは自動車用内燃機関技術研究組合で自動車メーカーと官学一体となって開発を進めている。図はイタリアフィアットの試作車である。

(2021.2月号日経Automotiveより)

究極は大気を元の大気より綺麗にするが、当面の目標は2030炭酸ガス70%カットとのこと。多分、落ち着く先はFCVとエンジンとのハイブリッドなのかもしれない。水素社会はクルマ以外でも次期インフラとして充実されることもあり、水素とエンジンが持つそれぞれ特徴を相互補完したクルマになるものと予想される。愉しみだが、早くして欲しい。

触媒は小中学校で習ったのは自ら変化することなく化学反応を推進するというもの。確かに1世紀前の化学産業では分子を結合させるために高圧・高温の条件が必要だった。高圧法低密度ポリエチレンの名前がついているように圧力は2000~3000気圧を必要とした。それが精々5~20気圧、常温~60℃で規則正しく結晶となる定圧法低密度ポリエチレンができている。肥料で欠かせない原料のアンモニアはハーバーボッシュ法(温度600℃、圧力200~1000気圧)が長く適用されてきたが、最近では定圧法が開発されている。これが可能としているのは触媒にある。今、欧州を中心に合成ガソリンの研究がなされている。原油ではなく水素と一酸化炭素をコバルト・鉄触媒で合成ガソリンを製造するにはフィッシャー・トロプシュ法を利用している。さて、この研究と通常のガソリンを利用するにはトータルLCAではどうななのか、両方のレースが見物である。

触媒の開発は途方もない探索が必要であるが、量子コンピューターと計算機化学の進展により従来より効率よく最適触媒の種類及びその形態が指定されるのではないだろうか。それにより環境改善と豊かな生活の両立ができるとしたら化学者としては非常に嬉しいことだ。

大豆と納豆菌

目覚めの際のルーチンの1つ加わったのが香木を嗅ぐこと。匂いを感じ、珈琲の微妙な味が分かり、熱は平熱。咳、息切れ 呼吸苦 寒気 筋肉痛 関節痛 下痢 頭痛 鼻水 くしゃみ 倦怠感 咽頭痛のチェックリストに有無を記録する。あたかも機械の始業・就業点検や薬事管理点検のようでもある。(コスモサインの社員は全員PCR検査して陰性を確認)

さて、朝食の定番に納豆がある。納豆業者に叱られるが、筆者は正直なところ納豆が非常に美味しいとは思わなかった。栄養があり善玉菌が、、、、、と医食同源の原料との理解だ。子供のころ関西・北陸地区を中心とする西日本で生活を送れば納豆とはほぼ無縁だった。幼児のころの絵本なので信頼性はイマイチだが、富士川の合戦で源氏の急襲を受けて、ノンビリと大豆を煮ていた平家が驚いてムシロに巻いて逃げた。それが納豆の始まりと書いてあったのを覚えている。今でいう納豆はお店になかった。水戸の藁に巻いたお土産を見て“これが納豆?”の雰囲気だった。京都で納豆といえば大徳寺の納豆。大徳寺納豆は真っ黒で匂いが強烈で“薬”として中国から渡来したのであろう。毎日食前に乗ることはない。

社会人となっての初勤務地が三重県四日市。社員寮に入居。朝食・夕食は社員食堂。フォッサマグナを境に地域分けすると、東日本地域からの人が6割、西日本地域が4割。納豆はテーブルの中央に大きな容器に山盛りに置いてあり各自取る。卵と刻みネギも添えて。納豆を攪拌する回数とチカラの入れ具合で、東日本か西日本出身かを見分けることができた。ネット検索すると攪拌回数と旨み成分の関係を実験した事例が紹介されている。3点満点で味を評価すると、攪拌しないと1点、20回攪拌でで1.8点 100回で2点 400回で2.3点 だそうで投稿者は400回攪拌を推奨(できるか!)。攪拌すれば納豆菌の量が増える訳ではない、ネバネバが大豆から剥離して表面の膜を形成することでセンサーに感じやすくなっていると考えた方が合理的で、体内に入れば同じ栄養素量だと言えば、また納豆業界の人から叱られそうだ。

京都大学が大豆と納豆菌について研究し10月に学会誌に投稿したことが昨年の11月2日にプレスリリースされた。タイトルは「大豆と納豆菌のせめぎ合いの仕組みを解明 ―生きた大豆は納豆菌を嫌い、納豆菌は死んだ大豆が好き」

生きた大豆は納豆菌を振り掛けても繁殖することなく拒絶する。芽が出てもやしとなる。煮るなり長期間放置すると大豆は死に、その細胞膜を納豆菌は栄養として取り込み内部に浸透するメカニズムを明らかにした。「納豆菌は死んだ蒸大豆に応答して大豆を栄養源として生育するために、遺伝子発現を変化させていることがわかりました。」と凄い様子が記載されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

波及効果と今後の予定について著者らは次のように記述している

「本研究により、大豆は納豆菌 枯草菌の増殖を抑える抗菌物質を産生していることが示唆されます。足のにおいの原因として、枯草菌などの細菌の存在が指摘されています。今後は、大豆から抗菌物質を単離同定し、どのような細菌に対して抗菌活性を示すのかを明らかにすることにより、大豆抗菌物質の薬剤への応用が期待されます。一方、蒸大豆に対する納豆菌の生理作用を追究し、その成果を高品質な納豆の製造に繋げる予定です。また、納豆菌の細胞表層構造の変化に伴う洞穴の形成機構を解析することにより、細胞の膜ダイナミクスと洞穴の生理的意義を明らかにします。」

さすが京大。納豆の研究を踏まえ、メカニズムをベースに抗菌物質への展開を睨んでいることは頼もしい。高品質納豆生産が味覚に繋がると納豆消費量が増え、結果として健康寿命がネバネバ成分のように延びるのであれば大歓迎だ。子供のころ食しなかった納豆だが今は毎日の食卓にある。

「京大発表論文

タイトル:Bacterial inducible expression of plant cell wall-binding protein YesO through conflict between Glycine max and saprophytic Bacillus subtilis

著 者:Haruka Sugiura, Ayumi Nagase, Sayoko Oiki, Bunzo Mikami, Daisuke Watanabe, and WataruHashimoto

掲 載 誌:Scientific Reports」

環境対策の短期・中長期テーマ

皆様、明けましておめでとうございます。旧年中はコスモサインをご愛顧頂きありがとうございます。本年も何卒宜しくお願いいたします。

日本海側のお客様におかれては除雪作業をしつつのお正月だったのではないでしょうか。関越道でトラックが豪雪で動けないことが年末の話題になった。同じ光景が2018年の北陸道であった。東京では降雪5センチで交通網がズタズタになるような脆弱さを露呈する。日本海側の降雪量は豪雪となると一夜で90センチ積雪になることもあるが都市生活は大きな影響はなくなっている。昭和38年(サンパチ豪雪)以来融雪設備(散水)の拡充や雪下ろし頻度が少なくなるような建築の推進などインフラ拡充により格段に住みやすくなっている。新潟大の親子二代に亘る教授のカーボン利用による道路や屋根ヒーターの息の長い研究も地方に根ざしているテーマだ。

一方道路となると、一台でもストップし渋滞発生中に豪雪が来ればクルマは閉じ込められる。燃料メーター、バッテリーメーターを睨みながら救援を待つことになる。ガソリン車やHEVには給油支援は可能でもEV車は厳しい。ホッカイロ、寝袋とスコップを持参することをお勧めする。スコップは何故かと言えば車内にいるとエコノミー症候群になるので車外で体を動かし救援自衛隊の方々と一緒にワークする為。食料と蔵書を積み込み読書三昧でその時を待つのもありか。給油問題はEVもFCVも同じなので、そこは道路側での改善が求められる。

2050年排出ゼロ宣言があってから環境ニュースが俄然多くなった。暮れの12月28日の日経によると社長100人のアンケートでは自社で達成可能9割との記事が紹介された。その手法として(1)次世代再エネ発電 (2)水素の活用技術 (3)電池の高効率化 (4)デジタル技術を活用した電力ネットワーク (5)電動モビリティとある。 普通ならこの記事を素直に読み、「非常に心強い回答である。それを達成する蓄積技術や手順を保有しているからこそ言い切ることができるはずだ。」と反応をしたであろう。だが、日本の半分は降雪の気象条件下にあることを考えると、違うソリューションも用意しないと不完全ではないかと考えられる。それとも社長は記者が用意したアンケートの中で選択するとの条件で回答したのかも知れない。本当の社長なら「これらの項目にはない重要な要開発の技術がある」と答えたと思う。質問した記者のレベルが問われるものと思われる。

次世代再生エネルギー発電の主力が太陽光発電だとしたら日本海側の冬期は発電量が低下する。電動モビリティも降雪には弱い。太陽光発電の蓄電・電池の高効率化がリチウム電池(固体も含め)に依存するならば、現在の40ドル/KWHを政府目標の20ドルにしてても尚高い、かつ全世界とのリチウム取り合いになると資源枯渇問題が懸念される。

揚水発電やフライホールに加えて圧縮空気によるエネルギー保存&再生電力に注目されると予想する。雪国秋田出身の首相ならでは指示を省庁にされてはどうかと思う。新潟出身の田中角栄は列島改造論と唱えた。その発想の背景は雪国であっても経済発展するにはどうしたら良いのかを考えたことも含まれている。

小生がもし首相なら2050年と2100年の計画を出しなさいと指示するだろう。恐らく2050で達成したインフラは2100年では通用しない事態になることは予想される。バズワードに駆られて走りだすと落とし穴に落ちる危険がある。長期的な視点が必要だと考える。

列島改造によって新産業都市ができたものの、グローバル化で地盤沈下したのと同じ道を歩みかねない。寧ろ日本への逆の流れを起こさせたい。折角の正月においては視点を遠いところに馳せるのもよいのだろう。

今の技術の延長の2050には日本海の荒波を利用した潮流発電や暴風でも稼働する風力発電や温泉地区での地熱発電もあるだろう。抜本的な技術で2100年を迎えるには、例えばプルサーマル、核融合、マントル発電などが思いつく。過去検討したが技術未達でペンディングになっているテーマもある。再度取り上げるには覚悟が必要だが、それこそ民間企業ではなく国のお仕事だ。大学が官民提携しないと研究室が維持できないような今の独立法人大学システムではなく、長期的な視点で大学に取り組ませる予算措置と人材の態勢を敷くことが官に求められる。

今後の歯科・歯科技工の世界も例外ではない。どのようになるのかと受動態で待つのか・どのようにするのかと能動的に動くのかエキサイティングなテーマであり考え提案し実行できればと考えている。

アルミニウムの自己修復

街は静かな年末商戦模様。買い物をすれば抽選券をもらってガラガラ抽選機を回して賞品をゲットする風景を今年はあまり見ない。その代わりQRコードのシートを手渡される。HPも記載されているのでパソコンを立ち上げ応募しようとしたら反応しない。ウン?とあらためてシートをみるとスマホ限定とかいてあるではないか。パソコンを持っている人よりスマホ所有者が多い現在ではこれが新時代のツール。たかが抽選どうせ当たらないのだから無視しても良さそうだが、スマホの取り扱いを敬遠していると、知らず知らずに時代から置いてきぼりを食う。それが、人との交流や興味を持たなくなる前兆となるだけに怖いので辛うじてついて行っている。

Always 三丁目の夕日時代(東京タワー建設中)にはパソコンすらなかった。街のいたるところでトタン屋さんがあり、オート三輪トラックからトタン(亜鉛めっき鋼板)やブリキ(錫めっき鋼板)シートが降ろされ、翌日になると波板、煙突やシンクなどの製品が出荷されていた。木炭ストーブの煙突では真円度が確保され、エルボや屋外のT字煙突との接合が行われる。平板から器用に円柱形にする職人さんがいないとできない。シートを裁断して、型に合わせてひたすら叩くことで製品化していた。物置小屋の屋根はトタンの波板が利用されていた。バケツは独特の光沢があるブリキだった。おもちゃもブリキ製。

やがて高度成長を迎えて、トタン屋さんは板金屋さんとなり、トタン以外の金属加工業を営むことになった。自動車部品加工、電子部品シャーシなどの企業下請けから独自商品の開発をするまでになった。大企業は全体の企業数の0.2%、残りは中小零細企業からなる日本の製造業。毎日現場で製造に汗水たらしているからこそ見つけることができる知恵の例を友人が紹介してくれた。

アルミ板の冷間加工では翌日になると変形していることがある。あれほど条件を振って加工したにも関わらず再トライを余儀なくされることがあるとのこと。ゴム(架橋)も同様に一晩寝かせないと安定な組織にならないとのこと。樹脂の材料評価の多くはJISで規定されている。プレス加工や射出成形加工後には24時間静置してから物性評価をすると決められている。石膏でも加工後は膨張・収縮、結晶化が動くことからこれも24時間後に測定と厳密なアカデミックなデーターが求めらるときは実施している。樹脂やゴム、アルミや石膏にいたる材料は温度、時間、取り扱い履歴によって寸法や物性は変化する。

そんな時に面白い情報が飛び込んできた。長い引用になるが(出典:脚注)

「オーストラリアのモナシュ大学の研究チームが、アルミニウム合金の疲労を最大25倍向上する手法を考案した。その為には使用される前に予備的な振動応力を与える「トレーニング処理」をすることで疲労亀裂の発生源になる粒界隣接部のむ析出物帯(PFZ)に、応力誘起の微細析出物を生成して強化、疲労亀裂の発生を抑制するもの。粒界隣接部に合金元素の空白地帯が生成する。粒界から離れた粒内マトリックスと比較して低強度となり、実際の使用段階における振動応力の下でひずみが集中し、疲労亀裂発生源になることが知られている。そこで、標準的なピーク時効に達する前の亜時効状態で、数百サイクルの少し強めの予備的振動応力を与える「トレーニング処理」を行うことで、疲労亀裂の発生源になるPFZに応力誘起の微細析出物を生成し、高強度化することで疲労亀裂発生を遅らせようとする」 (時効:エージング 組成安定までの時間)

自動車の外板は鋼板からアルミに変わりつつあるなか、これは有益な研究である。また、自動車内のハーネスは銅からアルミニウムに変わりつつある。軽量化であるがハーネスも曲げ・振動による疲労が考えられるだけに、この大学の試みは広く応用されるだろうと思われる。

この際、どの程度のトレーニングをすれば良いのか、それに取り組んだ研究が日本にある。九州工大の美藤教授は非接触(渦電流)による導電性の変化で時効(硬度や引っ張り強度の飽和までの処理)対応できないか検討している。発表はアルミ/銅(4%)の合金組成で略機械的強度時効と一致している。製品を破壊しては元も子もないが、非接触での測定は製品出荷検査としても有用だ。(12月10日九州工大JST技術説明会WEB発表より抜粋)

つい、この記事やWEB発表を見聞きすると、これって人材育成と共通するものがあるのでは?と呟いた。賢明な読者諸氏も納得されるだろう。ジャイアン/のび太、初恋(片思い)、受験、スポーツ競技、就職、仕事、恋愛などにおいて傷を負わなかった人はいないだろう。小さな傷を多く経験した人は大きな衝撃に遭っても乗り切れる自信がある。苦手な人と空白をもって後になって反省したこともある。

この文献をみて、アルミニウムが目には見えないがトレーニングにより自己修復に励んでいるのだと考えるとアルミニウムに急に親しみを覚えた次第。

(*文献 Monash engineers improve fatigue life of high strength

aluminium alloys by 25 times)

社会を支える下水処理場メガターボエアブロワ

「下水でコロナ検出実施」のニュースをみて目の付けどころが凄いと感心し、分析インフラが進んでいることで安堵した。NHK6月16日放送要旨は「富山県立大学と金沢大学の合同の研究グループが、処理されていない下水から新型コロナウイルスを検出することに国内で初めて成功したと発表しました。下水に含まれるウイルスの量の変化を見ることで、感染拡大の兆候を察知することが期待できるということです。」

童話・桃太郎の時代では川でお婆さんが洗濯など不浄なものは川を通じて海に流れても環境に影響は無視レベルだったろう。しかし、人口が何億十倍の現在では環境・医療リテラシーの低い国の中には今でもポイ捨て垂れ流しがあり、環境への影響は大きい。下水設備が未だにない国もある。衛生環境が劣悪なところに病原菌は棲息する。

上水だって整備されていないのに、まして下水処理は二の次になる。東南アジアでも上水設備が不十分だ。笑い話になるが、上水設備を新設したいので相談に乗って欲しいとアジアの某国から12年前に話があった。日本のメーカーは最新の濾過設備であればコンパクトで高性能が確保できますと強調。限外濾過膜、、、、先方は困惑した顔つきで「狭い日本なら、この装置・設備でしょう。我が国は広い土地が準備できるので従来方式で結構です。」

それに対して、現在の下水場は海外の方が巨大である。日本で最大の下水処理場の約8倍規模の場所も海外にはある。下水処理場のキイポイントは微生物が入った活性汚泥と下水を混ぜ、微生物の活性を活かす為に空気を汚泥槽に送り込む工程にある。下水処理の流れを図に示した。

生物反応槽にエアブロワが設置されている。下水処理場のサイズが年々巨大化していることもあり、従来のエアブロワでは能力不足。また、日本でも過去に設置したブロワの経年劣化もあり置き換えの時期になってきていることから、静かにそして巨大メガサイズのブロワの新機種開発と増設が行われているのだ。先のブログで陽があたらない地味な仕事であっても骨太インフラを実行する企業・技術者は明日の日本には重要だと述べた。その一例がこのメガブロワの開発であろう。

東京の下水処理場はどこにあるか東京の小学生なら施設見学に行ったこともあろう。都内に20箇所ある。いずれも広大な土地が必要。異臭もなく見学することができる。今の50歳前後の人ならば新宿西口あたりにあったと言うだろう。今は都庁を始め高層ビルが林立している。東口に比較して整然とビルが建築されるには元々広大な土地だったからでもある。四谷に住んでいた少年がバットとグローブを持って新宿東口、歌舞伎町を抜けて西口の野球広場に行ったとの話を聞いたことがある。

脱線した。メガエアブロワの渦に巻き込まれた。大型になるにつれて使用電力もウナギ登りになる。そこで革新的な方法を川崎重工が開発した。2004年のことである。ブロワは磁気軸受型高効率曝気ブロワである。インバーター制御式高速電動機の軸端に羽根車をつけ、電磁力でローターを浮上させて高速回転をさせ圧縮空気を送り出す。電力消費を15~30%カットする画期的な技術。メガ規模エアブロワではローターの重量が極めて重くなるが軸受けを浮かす許容は20ミクロンと極めて厳しい。(出典川崎重工11月号特集抜粋) 重量が重くても精緻な制御ができることは事業部は異なるが手術ロボットへと繋がっているのだろう。

2回目の脱線。

先日、NHKの番組で「魔改造の夜」を放送。魔界をイメージさせるおどろおどろしいナレーションと共に、アイデア、技術の粋を競う番組である。この日は床掃除ロボットが掃除しつつ走行して、走り幅跳びの踏切のところからジャンプ。その距離を競争する。

3社が挑戦した。1社目は癒やしロボットの開発会社。2社目は金属精密加工を得意とするメーカー 3社目はH技研でジェット機など開発チームが挑戦。1社目は助走から足で蹴る方式で人間に近い仕草で好感もてた。2社目は二重バネを考案、僅か1センチを1社目を越えたがほぼ同位。二重バネは外の製品に応用が期待できる。横展開は日本得意のはずだ。3社目は炭酸ガスボンベの噴射口を工夫して音速4の噴射方式。見事な放物線を描いて計測想定外まで飛翔。だが、いずれも本番前まで試行錯誤の繰り返し。複雑な理論式などで詰めても、テストは簡単には許されない壁の連続と苦悩。細部に拘った結果、重心が肝心とテストをしてみて分かった。それから立ち直る技術者の模様を放映していた。

脱線から戻って、川崎重工のメガエアブロワもサイズアップ(重量増大)になるにつれて軸の形状など多くの試作の結果ノウハウが蓄積されているのだろうと推測できる。陸用機械営業部ブロワ課長とはバイクの展示会で“ニンジャ”のインペラーの件でお会いしたことがある。非常に明るい人柄だけに、技術での壁がいくつもあろうが乗り越えるチームへの支援力となったのであろう。

コロナ渦の陰に食中毒ありご注意を!

コロナ第三波襲来の年末となった。大正7年のスペイン風邪も三波まであったが、第一波における患者数は2,116万人、第二波 241万人 第三波22万人。死者/患者比=1.22 , 5.29, 1.65 となっている。大正7年の日本の総人口5,667万人の約50%が罹患した。お亡くなりになった人が合計38万人。(平凡社・東洋文庫 流行性感冒 内務省統計より)。 手洗い・マスク・ソーシャルディスタンスが当時も奨励されていての数字だが、家族構成が違い大家族での看病や、喫煙もうもうのエアロゾルを通じての感染、まして隔離するホテルもなかった。食事栄養状態も今とは違う。医療設備・知識も違う。 人口増加、三密であっても100年後の今コロナ患者数が少ない背景にこのような経済的成長に伴う社会成熟度と深い関係がある。でも家族で看病風景はどこかに精神的なモノを忘れている今をあぶりだしているとも言える。

さて、本題

100年前の食材は国内産品だったが、グローバルの現在では驚くような遠い海外産地から珍しい食材も手にするようになった。産品=産地の水や環境と関係する。そこがポイントとなる食中毒のニュースが専門雑誌に記載されていたので紹介する。アメリカ・シアトル在住で食品産業コンサルをされている吉田隆夫氏が食品の開発 vol.55 No.11に投稿された資料によれば。アメリカで食中毒が増加しているとのこと。野菜・葉物による中毒患者(CDC疾病貿易センター)によると毎年4,800万人が罹病して、12,800人が入院。3,000人が死亡と報告されている。 具体的には

もやし、グリーンハウス 大腸菌 O103

エノキダケ(記事には具体的国が記載) リステリア菌

サラダ、赤オニオン、寄生虫サイクロポラ

ピーチ サルモネラ、エンティディディス菌

何れも汚染水や農産物収穫~輸送工程中の汚染が原因である。生鮮野菜・果物の栽培、収穫、包装、保管について「農業での食品安全規則」FSMAが知られている。

赤オニオンはミックスサラダとしてサイドメニューには彩りがよく、健康によさそうのイメージもあり普通に摂る。 家庭で料理する場合包装袋表示で、どこの産地で保管法はを知ることができる。因みに料理番組で もやしを袋から直接フライパンに投入している画面をみることがあると違和感を覚える。加熱するから良いだろうだが、我が家では、もやしは面倒だが根と頭は手で取り除き、次亜塩素酸ソーダーが辛うじて残留している水道水に浸漬し水切りをして使う。

葉物は包装形態に配慮する。処理は同じ。外食では不潔そうなお店は敬遠するか、怪しい原料を使用したと話題になった店には当分避けた。包装していないパンを買うには躊躇する。それぐらいしか対策はないが本音を言えば

対策として高価にはなるが葉物は植物工場が好ましい。スーパーの空き地にプラントを作って提供していたことがあった。デフレと外国産でも問題ない状態の継続もあり、植物プラントは拡大していない。競争力ある生産性にするために、農業以外の産業からの知恵(資本)が必要だろう。植物工場では同じ種類の葉物ばかりでバラエティ化していないのも消費者に向き合っていなかった。某大学が実業まで進出した意欲は買うものの、民間の知恵と組み合わせが必要だった。倒産したが再起を期待したい。

その2 熱を通すこと。殺菌処理だ。

関東では「おばんざい」ありますと銘をうってのお店がある。でも京都では「おばんざい」とは言わない。普通の“おかず”だから言いようがない。

九条ネギ、賀茂なす、堀川牛蒡、京筍、聖護院蕪、えび芋、金時にんじん、万頭とうがらし、丹波栗や黒大豆に湯葉。薄味ながらそれぞれの味が融合して実に美味しい。暖かいおかず、冷めても美味しいおかず。堀川牛蒡は太いが柔らかく甘い。別々に煮るなり、炊いたり、ゆがいたりして小鉢に盛る。それだけで風景になる。

「おあげさんのたいたん めっちゃ美味しいねん」。子供から言われてほっこりします。京都ではこれらの野菜ばかり食べている訳ではない。牛肉消費量、パンの購入量が多い土地でもある。関東ではトンカツ、京都では牛カツなのだ。

余計なことを書きすぎた。素材のみならず調理法が注目される。即ちレトルト食品の殺菌温度120℃、4分処理と同じ条件か近い条件で調理することが本来良いと考える。

具体的には圧力鍋(110℃前後)、過熱水蒸気加熱がお手軽で好ましい。圧力鍋では調理時間が短縮でき、かつ無水鍋のように素材の水分で煮込むことから美味しさがある。過熱水蒸気加熱は大量にハンバーグを製造する工場では一般的でパッケージに包装された肉を連続過熱水蒸気加熱炉に通すと焼き上がりとなって製品化される。この家庭版を最初に製造したのがシャープのヘルシオ。工業用過熱水蒸気加熱は1000℃まで加熱することができるが、家庭用でも300℃までは対応可能で、その後家電メーカーから販売されている。食品工業、素材産業にも注目される装置の一つだ。

食べ物の話は長くなるのでこの辺で。コロナ渦・在宅・運動不足・健康体力低下の中、良い食材を食べて元気に年越をしましょう。