タバコにより進行する動脈硬化が腹部大動脈瘤形成を促すメカニズムを明らかに

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街ゆく人もマスクが少なくなったと同時に歩きタバコが目立つようになってきた。でも従来のタバコのほか、加熱方式タバコや電子タバコも若者を中心に増えている。

筆者は喫煙とは縁がないので、この3者を比較してみた。

喫煙者から見れば誤解だとお叱りを受けるところがあればお詫びします。

仕事の合間にちょっと一服は休憩後の馬力回復には必要だろうと理解はする。

グラスを傾けパイプを口にすると黙っていても“できる男”の格好がつく。つかないまでも“場が持つ。そんな時代もあった。

長年の禁煙者が加熱タバコ、電子タバコを摂るようになっても、ドーパミン恋しさにタバコをとる人もいるようだ。

喫煙ニコチン摂取は本人にとって命懸けであり、受動喫煙も巻き添えにする。

「呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、糖尿病、歯周病、骨粗鬆症、生殖機能への影響、免疫機能の低下、認知症のリスク増加、その他: 味覚や嗅覚の低下、肌荒れ、老化の促進、乳幼児突然死症候群(SIDS)

その他: 中耳炎、呼吸機能の低下など、妊婦や子供、呼吸器系や循環器系の疾患を持つ人は、受動喫煙による影響を受けやすい」などは60年前から濃淡はあれど指摘されてきた。筆者の親戚の人が喫煙する時はフレキシブル排気ダクトの前でのみ喫煙が許されていたのを思い出す。

これらの疾病を知りながら止められない人ならば次の文献を紹介する。

タバコにより進行する動脈硬化が腹部大動脈瘤形成を促すメカニズムを明らかに (神戸大学プレスリリース2025.04.25)

本文から引用する。

「神戸大学の研究グループは、タバコによる動脈硬化が腹部大動脈瘤形成を促すメカニズムを明らかにしました。喫煙が腹部大動脈瘤の大きなリスク因子であるものの、その詳細なメカニズムは不明でしたが、本研究により、タバコの煙を用いた新たな大動脈瘤モデルを作成し、喫煙による動脈硬化が動脈瘤形成を促すことを証明。

主なポイントは以下の通り。

1)タバコの煙を用いてヒトの病態に近い腹部大動脈瘤モデルの作成に成功。

2)動脈硬化と一致して、大動脈壁のエラスチン構造が破壊され、血管系が拡大し動脈瘤が形成。

3)マウス、ヒト共に腹部大動脈瘤のマクロファージシングルセル解析を行うと、単球の浸潤が増え、TREM2+マクロファージが集積。

4)TREM2+マクロファージをノックアウトした細胞を骨髄移植するマウスモデルでは、大動脈瘤形成は抑制。

この研究成果から今後、単球の浸潤やTREM2+マクロファージの集積を制御する新たな薬物治療の開発が進むことが期待されている。」

 

 

 

 

 

 

 

(補足TREM2+マクロファージ

シングルセル解析で明らかになった、動脈硬化特異的なマクロファージ。

マクロファージとは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物、または死んだ細胞を食べる免疫細胞)

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