2026年 5月 の投稿一覧

土壌の成分と炭素貯蔵量

6月は紫陽花が咲く季節。通学・通勤路に咲くと子供の頃を思い出す。それも相当恥ずかしい思い出なのだ。紫陽花の色が青いのは何故か。それは「アルミニウムが多く含む土だったら青、その原因はアルカリ性だから」と誰かに教えてもらった知識をさも自慢げに吹聴したのである。中学になると理科の実験でリトマス試験紙を知って「なるほどアルカリ性の土だから紫陽花は青なのだ」と納得を強化してしまった。

ここが本物のサイエンスを指向する人と偽情報と知らずにその時さえよければの人との差であると知るのは随分の時間が必要となった。 アルミニウム? あの金属がどうして紫陽花に吸収されて紫陽花の顎弁までいくのだろうか?と考えることができれば間違いがわかる筈だった。

詰め込み教育では悠長なことを考える時間もなく、次から次を記憶(理解ではない)しないと“成績”とは縁遠いことになる。脇道に逸れるが、今のAI時代では記憶量では人間は負ける。記憶は適当で良いとして本当は何故?を考えることこそ要求されるのだと。 ・・・気がつくのが遅すぎた。

さて、上記の紫陽花の問題は非常に単純で金属アルミニウムではなく、土の中で有機物と複合したアルミニウムであり、それが山からの水(日本では酸性)と接触するとアルミニウムがイオン化して土から紫陽花の根を通じて花弁まで到達してフタロシアニンと反応すると青くなる仕組みが正解。

そんなことを6月になると思い出す。そんな中、有機物複合アルミニウムを多く含む土壌は炭素貯蔵量が多いとの文献を見た。

土壌pHで切り替わる土壌炭素貯留メカニズム― 有機複合体アルミニウムが主要因であることを実証 ― 神戸大、新潟大、2026.04.15 リリース

ポイントを引用する

  • 世界 34 カ国・約 2,850 点の黒ボク土データから、土壌炭素貯留を支配する主要因として有機複合体アルミニウムを特定した。
  • 土壌 pH の違いに応じて切り替わる、炭素安定化メカニズムを体系的に解明した。
  • 気候変動予測モデルの精緻化や、炭素貯留を最適化する土壌管理技術への応用可能性が期待される。

門外漢にはAndic, Vitric アロフェンが何かわからない。

ここをわかったフリをすると子供時代の恥ずかしい思いの再現になりかねない。

そこでWEBで調べた。

「Andic(アンディック)」と「Vitric(ビトリック)」は、主に火山灰を母材とする土壌(黒ボク土など)の分類において、その発達度合いや構成成分を区別するために使われる専門用語。

  1. Andic(アンディック)

「Andic」は、火山灰の風化が進み、非晶質鉱物(アロフェンやイモゴライトなど)や有機複合体アルミニウムが豊富に含まれている状態を指す。

  • 特徴: 土壌が非常に軽く(低仮比重)、リン酸を吸着する力が非常に強いのが特徴。
  • 発達度: 一般的に「Vitric」よりも土壌生成(風化)が進んだ段階のものを指す。
  • 分類での使われ方: 黒ボク土以外の土壌が、黒ボク土に似た火山灰由来の性質を一部持っている場合に「Andic(アンディック亜群)」として分類されることがある。
  1. Vitric(ビトリック)

「Vitric」は、ラテン語の「vitrum(ガラス)」に由来し、火山ガラスが多く含まれている状態を指す。

  • 特徴: 火山灰が降り積もってからあまり時間が経過しておらず、風化が十分に進んでいない(未熟な)状態。
  • 構成: 火山ガラスを多く含み、Andicに比べるとアロフェンなどの非晶質鉱物の含有量は少ない。
  • 分類での使われ方: 日本の土壌分類では「未熟黒ボク土」などが、国際的な分類(Andisols)の中で「Vitrands(ビトランド)」などのグループに分類される。

3アロフェン(Allophane)

火山灰が風化してできる、直径5ナノメートルほどのごく小さな中空球状の粘土鉱物。

  • 特徴: 非常に多くの水分や腐植(有機物)を蓄えることができ、土を「ふかふか(ボクボク)」にする。
  • 農業上の注意点: リン酸を強力に吸着(固定)してしまうため、作物がリン酸欠乏になりやすい性質がある。
  • 分布: 関東地方(関東ローム層)や九州、東北などの比較的新しい火山灰地帯に広く分布している。

4非アロフェン(Non-allophanic)

火山灰を母材としつつも、アロフェンをほとんど含まず、代わりに「2:1型粘土鉱物(結晶性粘土)」が主成分となっている状態。

  • 特徴: アルミニウムがアロフェンという鉱物にならず、腐植(有機物)と強く結合している
  • 農業上の注意点: 最大の特徴は「強酸性」になりやすいことです。石灰などで中和しないと、溶け出したアルミニウムが作物の根の成長を阻害(毒性)する。
  • 分布: 東北地方や北海道など、大陸からのチリ(風成塵)が混ざったり、古い火山灰が堆積した地域に多く見られる。

最後は土壌の勉強になってしまったが、関東ローム層の色が違う理由や土壌の違いを理解して肥料を選択しないといけない理由がわかったところで今回の勉強はここまで。

クジラ肉バレニンのパーキンソン予防可能性

先日、80歳を超えてもバリバリのOBと横浜駅を歩いていた時「最近の若い人の脚が長いなぁ〜」と言い出した。確かに年齢見合いで元気でも身長が若干マイナス成長の現実。「脱脂粉乳で育ったのだからしょうがない。だけど給食はクジラ肉だったのでパーキンソンや認知症にはならないでしょう。バリバリが証明しているのでは?」と答え慰めた。

クジラ料理で飲み屋街興しをした地区もあったが、今はおしゃれなメニューになっている。クジラ肉の入手がEEZ領域内の調査的?捕鯨に限られているからだろう。昭和初期には樹脂開発の添加剤として工業的に製造する以前はクジラの油脂を原料として合成されていたことがあった。

金属石鹸(ステアリン酸、オレイン酸 などの脂肪酸とカルシウムや亜鉛などの金属との塩(エン)の形が樹脂の例えば滑剤、中和剤などに)、イミダゾール類はゴムやエポキシの硬化剤、老化防止剤、酸化防止剤として利用されたことがあった。

そんな中、イミダゾールの名前が入った文献があったので取り上げた。

タイトルはクジラ肉の成分「バレニン」が神経変性を抑制 ―パーキンソン病の新たな予防戦略の可能性― 岩手大学 2026/04.27リリース

ポイント(引用分下線)

  • クジラ由来ジペプチド「バレニン」に神経細胞の保護作用を確認
  • 点鼻投与により脳へ直接送達
  • ドパミン神経細胞の減少を抑制
  • ミトコンドリア機能維持という新規作用機序を示唆

ヒゲクジラに豊富に含まれる機能性成分「バレニン」が、パーキンソン病モデルマウスにおいて神経細胞の変性を抑制し、症状の進行を軽減することを明らかにしましたとある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クジラ肉は入手困難。さりとてバレニンは植物にはなく動物のみとなると代替材料をネットで調べると

  1. 鶏むね肉

クジラのバレニンに最も近い機能を持つのが、鶏むね肉に含まれるアンセリンとカルノシンです。渡り鳥が数千キロも飛び続けられるのは、この成分が胸肉に凝縮されているからだと言われています。

  1. マグロ・カツオ(赤身の魚)

回遊魚であるマグロやカツオの「血合い」や「尾肉」の部分には、持久力を支えるためのアンセリンが豊富に含まれています。

  1. 馬肉

クジラ肉と同じく「赤い肉」である馬肉も、バレニンやカルノシンを含んでいます。

ここで、気になったのがアンセリン、カルノシン 分子はイミダゾール構造だがバレニンではない。何故? さらに調べたところ、アンセリン、カルノシンは体内で合体してバレニンを生成するとのこと

であるならば、植物にイミダゾール類を含む食材であれば最終的にバレニンが得られることになる。そこでさらにこれらを調べたところ

  1. イミダゾールジペプチドは、体内で「ヒスチジン」と「β-アラニン」というアミノ酸から合成されます。これらを植物性タンパク質からしっかり摂取することで、体内の合成をサポ
    • 大豆製品(納豆、豆腐、高野豆腐)。
    • ピーナッツ・種実類
    • 全粒穀物:
    • アスタキサンチン(鮭)
    • 藻類 アカモクなど海藻、藻
    • クルクミン(ウコン)

なんとなく無責任だが赤、紅、褐色などの着色食品がありそうなのか。

最後に鯨油と工業用に製造された金属石鹸などの化合物について一言。当然同じ化学式である。ただし、鯨油由来は純度が99.99%だった。残りの0.01%は当時知られていなかったバイオ由来の成分。それが非常に重要な働きをしていたことが、後年になって判明した。今、バイオ材料がもてはやされている。だがバイオ材料は例えば製品寿命が完全に保証できる訳ではない。合成材料との絶妙なハイブリッドが落とし所だろうと鯨油の案件から思う。

加熱式タバコは歯周病リスクを高める

道路に吸い殻が落ちていることが少なくなった。道路上でなく側溝にそっと捨てている人はたまに見る。罪悪感は変わらないが自分では良かれと思っているのだろう。

吸い殻が少ない理由に加熱式タバコが紙タバコから置き換えているのもあるだろう。加熱式タバコについて、このブログでも記載した。原料などはそちらを参照して下さい。確かに加熱式に置き換わった理由はある。1つはマナー意識。煙、匂い、灰を出さないので非喫煙者に配慮していますよのメッセージ。2つは健康にいいはずだ。だろう。そのほかにメーカーの立場もあろうかと思うが割愛。脱線気味に言えば大の男が「火を貸してくれないか」とライター持っている男に近づき、それから会話が始まる風景は昔の映画の中にとどまる。加熱式タバコではあり得ない。ゴルゴ13が加熱式タバコでは迫力がない。ちょっぴり残念。

今回 東北大が発表したのは「紙巻タバコ単体から加熱式タバコ併用への切り替えは重度歯周病のリスクを高める可能性―紙巻タバコのみ継続と比べて加熱式タバコ併用では1.41倍高いリスク―」2026.03.27

喫煙者は加熱式タバコだけでは満足せず、紙巻タバコを併用することは知られている。だから併用者を取り上げたのだろう。

発表のポイントは(下線部引用)

  • 日常的な紙巻タバコ喫煙者が、加熱式タバコとの併用に移行した場合の重度歯周病リスクを検証しました。
  • 紙巻タバコのみを喫煙し続けた人と比べ、加熱式タバコ併用者では重度歯周病のリスクが 1.41 倍に高まりました。
  • 加熱式タバコ併用は歯周病リスク低減(ハーム・リダクション)につながらない可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図.喫煙状態の切り替えによる重度歯周病のリスク

当方は禁煙至上主義ではなく、もくもく煙の雰囲気で会話するのは厭わない。むしろ喫煙したくなる動機に同情している

  • 仕事それも大きな仕事をやり遂げた。ご褒美の一服。
  • ストレス回避:快楽物質ドーパミンを求めて吸いたくなる
  • 孤独感・手持ち無沙汰の解消 何か忙しいことが良いような職場環境対策
  • 会話の間を大事で、それにはタバコができる男のスタイルなのだ
  • 条件反射 食事の後などルーチン化されている頭脳の命令にしたがっている
  • タバコに限らずお菓子類もドーパミン欲しさではないかの理屈を持っている。

脳のソフトが一旦設定されると、紙巻タバコから加熱式に自動更新されている。

如何でしょうか。ここで公平を期するために弊害も挙げると

紙巻タバコや加熱式タバコは

  • ニコチンによる「血管収縮」

加熱式タバコにもニコチンが含まれている。ニコチンには血管を細く収縮させる作用があり、歯ぐきの血流を悪化させる。歯ぐきに酸素や栄養、免疫細胞が届きにくくなり、歯周病菌に対する抵抗力落ちる。

  • 「SOSサイン」が隠される

通常、歯周病になると歯ぐきが腫れたり出血したりして、体が異変を知らせてくれるが、ニコチンの血管収縮作用によって歯ぐきの出血や腫れが抑えられてしまうため、本人が気づかないうちに重症化し、気づいた時には「歯を支える骨が溶けていた」という事態になりやすい。

  • 口腔内細菌のバランス変化

ニューヨーク大学などでは、加熱式タバコや電子タバコの利用者の口内には、非喫煙者に比べて歯周病を進行させる特定の細菌が多く存在していることが報告されている。蒸気に含まれる化学物質やグリセリンなどが口内の微生物環境(マイクロバイオーム)を乱し、菌が繁殖しやすい環境を作っていると考えられている。

  • 唾液の減少(ドライマウス)

加熱式タバコの蒸気を吸い込むことで口の中が乾燥しやすくなり、唾液の分泌量が減ることがある。唾液には口の中を洗い流す「自浄作用」や殺菌作用があるため、唾液が減ると細菌が増殖し、歯周病や虫歯のリスクがさらに高まる。

喫煙者にはこれ以上は耐えられないので記載を止めることにする。ただ、第三者とくに幼児がいるときは加熱式タバコを遠慮した方が見た目にもマナーを守る人と見られることは確か。

ミトコンドリアを増やす

先日、簡単な昼食を作るべく千切りしたキャベツを炒め、次に溶き卵を注ぎスクランブルした。その結果、出来上がったのは濃紺キャベツが3割。紫キャベツを利用したのではないのに不思議? 家人に勧めたら拒否されてしまった。「気持ち悪い〜」との言葉を添えて。

 勧めた本人は責任もあって食べた。美味いではないか。そのあとで“アッ”と気がついた。卵の白身はアルカリ性。これとキャベツに含まれるアントシアニンと反応したのだと。 ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれて眼によいと万人が知るところなのに、今回の差別はなんたることか〜と拒否された悔しさもあり、普通なら危険と思われるものは食べないのが当然だとも納得した。

前振りが長くなったが、今回の話題は「老化で弱ったミトコンドリアを “増やして強くする” 新規化合物を発見」。 ミトコンドリアと聞けばエネルギー源として最近はよく聞くようになった。 と 同時にミトコンドリアにはマッスル強化、断食、寒冷などが効果あると言われている。大変な苦行だなぁと思うとなかなか取り組んでこなかった。

お腹が空くとエネルギー不足だと感じてミトコンドリアの働くスイッチが入ると頭ではわかっているが、手足は近くのスナック菓子類に手が伸びるか、散歩と称してファストフードに足が向かう。散歩も早足3分の繰り返し歩行。。。とこれも苦行となると、そうもいかず、行き交うウインドウショッピングの比重が高くなる。実にだらしない。

今回紹介の記事は老化で弱ったミトコンドリアを “増やして強くする” 新規化合物を発見 ―加齢に伴う心機能低下を改善、栄養過多による寿命低下を抑制― 学習院大学、日本女子大学、東京都健康長寿医療センター 2025/04/22発表

 文献の初めに老化に伴うミトコンドリアの減少に伴う疾病の図があるので紹介

 

 

 

 

 

 

この図のただならぬさから冒頭からぼやき続けたことは恥ずべきことであると感じた。 文献のポイントを引用する (引用部下線)

  • 老化に関わるミトコンドリア酵素を指標としたスクリーニングにより、ミトコンドリアを “増やして強くする” 植物由来の新規化合物「マイトルビン」を発見
  • 化学修飾により酢酸分子を付加することで、水溶性を高めた改良型マイトルビンも同時に開発
  • 老齢マウスへ投与したところ、加齢による心機能低下を改善し、栄養過多による肥満糖尿病マウスにおいては寿命低下を抑制する効果を確認

図 2 マイトルビンの同定とミトコンドリア機能改善の検証

 

 

 

 

 

このスクリーニングを通じて、植物由来成分の代謝産物の中から、ミトコンドリアの数を増加させると同時に、その機能を向上させる化合物を同定しました。さらに、その化合物に化学修飾によって酢酸分子を付加することで、水溶性を高めた改良型化合物の開発にも成功し、これらを総称して「マイトルビン」と命名しました(図 2B)。

 詳細な解析の結果、これらの化合物は細胞内におけるミトコンドリアの量的増加を促すとともに、そのエネルギー産生能を高めることが確認されました(図 2C・D)。

さらに、高脂肪食負荷マウス(栄養過多による肥満糖尿病マウス)に改良型マイトルビンを投与したところ、寿命低下を抑制する効果が認められ、生存期間中央値で約 40%の延長が確認されました

とのこと暴飲暴食ファストフード人生を反省しても遅くはないとの示唆とあれば、この研究のありがたさを思う。

実験はマウスではあるが、いずれヒトに適用するまで待つとするのもありだが、しかしながら、ミトコンドリア対策としての運動、食事、寒冷は禅寺修行と一緒ではないかと思う。永平寺に掃除機や掃除ロボットはない、雑巾掛けはマッスル強化に、食事作法、坐禅、読経は肺や丹田強化に、寒冷地托鉢など修行などはミトコンドリア増幅の理にかなっているのかも知れないと思う。

1400年前に戻るなら道元さんに質問をしたい気分だ。 その上で現代生活に応用できるものはないかを考えるのも面白い。整理整頓掃除をキビキビすることで筋肉を鍛え、食事では腹八部として、食材では納豆、パセリ・ピーマン、オメガ3脂肪酸(魚など)、ポリフェノールを意識し、そのあとは緑茶の生活か。

それも悪くない。三日坊主の小生だが、せめて100日坊主を目標にするか。