YoutubeでAI日本語を聞いていると一瞬わからない時がある。画像は知っている顔と声だが発する日本語がおかしいのだ。
頻繁に出てくる言葉に「くにいえ」や人を表現するときの方が「ほう」に、下は「もと」など。日本人だったら「国家」や「方(かた)」と言う。下には音読み2 訓読み10もある。AIは漢字の読み方は1つのみ覚えており、それを再現しているだけだろう。「生」の読み方は音読み2、訓読み14 人名の読み方を入れるとそれ以上存在する。日本人はそれを自然と器用に使い分けて理解する。厳しく言えば正しい使い分けをしないと頭に入らない。翻訳ツールができたとて、この日本語の壁を乗り越えるのは困難だと思っている。「うみこけ」と聞いて驚くなかれ海苔とは。
顔は本人としたら間違う言葉を言うはずがない。でも、声は似ている。ここが気持ち悪い点だ。最近AI歌手なるものが登場して、カバー曲や独自の新曲を披露している。声質はノーマルからハスキーなど曲により自在に変えられる。著作権が気になるところだが、本物の歌手より上手いと思う人もいる。それほど音声AIは進歩している。
産業技術総合研究所では日本語音声基盤モデルを構築し音声AIの開発を推進している。多人数が同時に話していても、Aさん、Bさん、Cさんの発言を分離することや、説得力のある声への変換。感じの良い音声への変換などが既に開発済みとなっており、これから地方文化の代表でもある方言を組み入れた音声AIの研究に進とのこと。画一標準語で抑揚イントネーションでは意味はわかっても、その人の文化的背景を抹消しては面白くないので歓迎だ。せっかくの平安初期からの地方文化が廃れるのは望ましくない。
贅沢は言わないから、とにかく外国人が言っている内容がわかり、こちらも言いたいことを伝えたいツールとしてのAIベースの同時通訳は便利だ。割り切るか。 観光地でおばあさんが翻訳機を手に会話をしているのは逞しい。外国人雇用の現場での意思疎通にも必要だ。
英語は難しい単語を覚えないと受験にはと考えがちだが、実際のところ翻訳機による英語は実用会話的で拍子抜けする。逆に言えば学校で教わる英語は難しい単語を覚える忍耐力を試すもので学力試験ではなかったのではないだろうか。専門以外の人は16〜18歳の青春を返して!と言うだろう。
日本人は奈良時代に漢字を習得し、平安時代ではひらがなを発明し、明治になると英語の真髄を日本語に翻訳してきた。文学、哲学、工芸、技術において英語を使わずとも構築してきた歴史がある。 日本人は英語が話せないという蔑む外国人が時々いる。そのような人には江戸時代に欧州より早く微分・積分が確立していたと言えば良い。空海は21世紀の量子物理を理解していたと言えば驚くだろう。2000年前には地震にも壊れない建物設計機能があったといえばもっと驚く。
飛躍するが自分の経験を少し紹介する。40年ほど前に英国企業との打ち合わせ中に当方の上司が話す英語に先方は首を傾げた。上司は分厚いウエブスター英英辞書を広げて、“これ”と指差した。案件が精密装置だけに精密な英語をお使いですと苦笑い。もう一つは米国・ドイツ・日本の医学関連の会議があり、会議を仕切ったのは日本。ご実家が医者系出身の社長。初めから終わりまで中学英語で通した。医学専門用語に縁がない当方に“今の意味は**”とそっと教えてくれた。
重要な会議だからこそ理解するのが会議の前提だからと言われて目から鱗が落ちた。
つい最近、ある人からyoutubeを見るように促されたのでクリック。ところがフランス語で翻訳テロップなし。これこそ翻訳ツールだとスマホを起動してスピーカーに当てた。しかし、翻訳速度がおいつかない。そこで文字起こしを立ち上げ、フランス語を翻訳してようやく理解。いずれ改良されるであろうが、逆に自分が考え口にする前にAIが自動的に返事を出すようなことも出てくるのか。それは勘弁してほしい。