最近、あるナノ材料を取り扱っている時におやっ?と感じたことを少し紹介します。水溶液で半年静置してもナノ材料は沈降しないで均一に液中に分散している。サンプルを作製した場所は京都。 これを横浜の装置にかけるとき、RO水が無かったので水道水で希釈してみたところ、モヤモヤが観られた。分散しているナノが部分凝集し始めたのである。このことがあって、残っているサンプルを京都でもトライしたが、そのような現象はなかった。
あれ?まさか水道水の水質が違うのか? 今話題の次亜塩素酸ナトリウムの濃度でも違うのか? いやいや水の硬度の差ではないのか?、等電点PHはどこなんだ? カルシウム、マグネシウムによる塩析では?と小中学の夏休み宿題的話題となった。この実験には続きがあるとして、話題はこの水の硬度について少し触れてみたい。
まず、京都と横浜の水の硬度はどう違うのか? 地域別の平均値の表および更に細かいマップがあるので紹介します。
それによると、京都・大阪(琵琶湖・淀川水系)に比較して関東地域は高い。特に千葉県がダントツ高いことが示されている。クリタが発表している図表ではシリカ濃度もマップで読むことができる。
水系が違うと全く硬度や成分がことなるので一概に県別で仕切るのはよろしくはないが、過去に大規模な火山があった地域及び噴煙が流れ到達し堆積したと思われる地域の硬度は高い。関東はやはり富士山の大爆発が影響しているのであろう。
友人がその図を見ながら、これって薄味昆布出汁の京都と醤油文化の関東もこの水の硬度に依存していないか?と面白い意見を開陳してくれた。そうかも知れない。昆布から出汁をとるにはカルシウムやマグネシウム濃度が高いと具合が悪いかも知れない。北回り船(北前船)で北海道から日本海経由で福井の敦賀に昆布が荷揚げされ、そこで熟成されてアミノ酸濃度が高くなったところで京都へ搬入する。そのルートそのものが京料理だと理解していたが、裏方で水も関係するのでは?との友人の発言は面白い着眼点だと思う。大局的に観れば、古来、食文化は、その土地度地の風土気候に育まれ、その時々の地の利を最大限に活かして、醸成されて来たとも言えよう。
そう言われてみると、日本酒の酒造の地域の水の硬度は低い。米作地域でもある。これに温度・湿度条件はあるだろうが、冒頭のモヤモヤ凝集させないような水硬度も関係するのでは?。逆に硬度の高いところは焼酎など蒸留酒がメインと読める。
京都を中心とする宮廷と東海から関東圏を中心とする武家の食文化を対比すると、「鮮やかな色合い」と「茶色や黒い色」という具合に見た目に大きな差が生じる。これは、宮廷と武家の作法や価値観のみならず、「昆布や小魚の出汁」と「味噌/醤油」との違いに由来する。宮廷料理では色合いを活かすために、醤油もまた、薄口と濃口を使い分けて来たのかも知れない。
皆さんはどのように解釈されるであろうか? ただ電車一駅違えば水質も違うとも言われていますので、超アバウトな括りであると解釈して頂きたく。
あまり水の硬度にばかり拘って記載すると尿路結石に関係するのか?と余計なご心配をお掛けしてしまう。因果関係はあくまでも食生活・生活習慣がメインなので水の硬度については気にする必要はなさそうだ。
テレワークでパソコン作業が長くなると、人の目を気にしないでよい環境もあって、つい駄菓子に手を伸ばしてしまう。パソコンのキイトップはPBT性である(ポリブチレンテレフタレート樹脂)耐熱性があり、耐薬品、耐オイル性に優れる。なぜこのPBTを選定したかと言えば、欧米人のデスク風景・スナック菓子を横において油脂のついた指でキイを叩くのをみてBASF社はこの材料に決めたとの話がある。キイトップには白抜きでアルファベットや文字があるが、レーザーマーキングにもこの樹脂が適している。
テレワークの間に小休止をとらないと、体調がおかしくなるか、体形が変化してくる。恥ずかしい話だが、先日、ワイシャツを買い求めにショップに行った時の話。首回りの寸法で候補シャツを出した店員さん。着てみます?と。腹回りがそれではぶち切れそうと心配をしていることは直ぐ分かった。若い人対象のS・M・L・LLの体型から当の昔に外れていることは認識している。この自粛で変形した体型に適合するシャツを選ぶ基準は腹回り。コロナと灼熱熱中症対策条件では運動もできず、TVで時々放映している室内でもダイエットできるエクササイズを取り入れたものの長続きせず。コロナはいろんな社会面の見えないところを炙りだしたが、自分自身の精神的弱さをも露呈させた。これは反省し活かさないと人間終わりになってしまう。灼熱地獄もあと少しだ。頑張ろう。スナック菓子を遠ざけながら。