横浜はジャズの街。10月は街全体がジャズ一色となる。街角ではプロ並みの素人バンドや、プロによるコンサートホール、ライブハウスなどで聴くことができる。
地区センターの行事としてジャズ講座を年6回開催している。果たしてどのようなジャズファンが講座に来られるのかの興味がありジャズ素人ながら参加した。募集20人枠に23人参加。年齢層は65歳以上がほとんど。男性7割、女性3割の参加。講師は渋谷でジャズ関係のお仕事(ジャズ評論紙の編集など)をされていた人。ラジオ、テレビを通じて知るジャズ評論家といえば湯川れいこさん、油井正一さん、大橋巨泉さんなどがおられたが、データーベースを作り上げた講師だけに、情報量が凄く圧倒された。
地区センターの一室に真空管アンプとスピーカーがセット。音量は曲にもよるが70〜85デシベルとこれまた圧倒。今回の講座では60年〜70年代の楽曲が選定された。
ルイ・アームストロング、レスター・ヤング、マイルス・デービス、ジョン・コルトレーン、ジョニー・グリフィン、ビル・エバンス、ブルー・ミッチェル、ブッカー・アーヴィンなどでジャズを知らない人でも一度は聞いたことがある曲ばかり。今回かからなかったプレイヤーも多くいたが次回に期待。
サッチモ(ルイ・アームストロング)のon the sunny side of streetの声を聞いて“若い時のサッチモ”との声が部屋に広がる。さすが皆さんジャズ通。かろうじて歌詞の意味が分かるのはありがたい。
聞きながら、3つのことを思った。
1つは、なぜ横浜がジャズの街になったのか、そして現状について
明治維新で海外渡航者が増え、船内で奏でる演奏に触発され、帰国後 大正デモクラシーで開花した。その港が横浜。進駐軍キャンプも横浜、横須賀にありダンスホールやナイトクラブといったジャズ演奏の場を創出し、日本のジャズミュージシャンにとって重要な活動の場となったが、そのダンスホールもナイトクラブも今は消滅したか激減した。ジャズ=黒人解放運動=公民権運動から発達したが、今はそれも一段落した状況ではそれを知らない若い人を中心にジャズがやや下降傾向にあるのではないか。
2つ目はスタバなどのBGMがあれば作業が捗るところから、静かなジャズで十分。それはネットからDLできる。大きな音量のスピーカーはマンションでは制約される。高性能のイヤホンで十分。(難聴の人が増加は要注意)
3つ目はデキシージャズでは音符が読めない奏者が前のメロディーを聞いて即興で自分のメロディーで追いかけた。即興性は民族に特性が出るので、民族外には意味がわからないところがある。だが、今のジャズは全員楽譜が読め、独自の編曲をし指揮リーダーの下で演奏。ソロも予定通りとなると、本当の即興とはテクニカルの部分になるのではないかとも。
(勿論例外あり。数原晋さんのひまわりを聴けば風景と戦争の中での男女物語が浮かんでくる、ナベサダのアフリカ風景と一体化がわかる)
いや待て! ジャズはどちらかといえば共和党支持者サイドだとすれば、トランプの突然の関税政策砲は思いつき即興だ。音量低めの全休符で終わって欲しいと余計な一言。
今、横浜市内には4つの大規模コンサートホールがあり、毎日多くの観衆が団扇や推しの法被を着て開演を待っている風景がある。若い人(案外高齢者の人も)はロックなどにシフトしている。高齢者のジャズは自分史とリンクしている意味があるので、これから年配者になる人はロック、ラップとリンクしていくのだろう。
でも、そこは日本人 神社の雅楽は日本人魂と共鳴し、クリスマスや年末になるとクラシックに親しみ、紅白では演歌もあるなぁとなり、祭りとなると三味線笛太鼓がやっぱり合うなぁ〜と。ストリートミュージックも活躍。フレキシブルに全部飲み込み創造する。そこが日本らしく面白い。
たわいのない話で恐縮ながら面白い講座で息抜きには十分だった。