2023年 5月 の投稿一覧

Google BARDで遊んでみた

先のブログではChatGPTで遊んでみたとして雑文をアップした。Google はどのような手を打ってくるだろうか?としてお手並み拝見で待っていた。

今回、試用版が発表されたので、今回も不謹慎ながら遊んでみた。詳細は多くのYou tubeで見ることができるので、ここはあくまでも興味あるところをつまみ食いした。尚、6月になればドキュメントやスライドなどと順次リンク。画像リンクについて今は英語版に限られるが、(日本語は年末) ChatGPTやその他AIとの死闘が続くようだ。

質問(1)最初に自分が熟知している会社について。

回答(1)日本語での質問は間違いが非常に多い。○○と名前がつく会社は○○の子会社であり・・・・と、あり得ないがもっともらしいシナリオを作って返してくる。呆れを通り越して苦笑い。一方、英語で質問すると間違いは少ない。

てっきり、日本語情報→英語翻訳→英語回答→日本語変換と思っていたが、仕組みは違うのかもしれない。情報発信は英語並列が好ましい。

他の***会社の人に聞いたところ、肝心のところが取り上げていない、間違いが多い、よく似た名前の会社の情報が入っていて、当該会社の問題点も入れて総合評価は伸びないとされたとして怒っていた。試しにこの会社の英語名で質問すると「アメニティが充実していて評判が良い・・・・」あれ?ホテルの説明だ。

この場合は英語内検索→類似名前会社と混同して英語回答。そこで***Co.Ltdをつけて再検索すると、すっきりした回答となった。調べる側に注意が必要と分かった。

機関投資家はこの情報で動くことはないだろうが、日本の個人の投資家は信用するとなると、自己責任とはいえ厄介だ。会社は現在よりもさらに英語情報発信が求められる。今は海外の投資家の資金は消去法で日本に集中している。投資先選択の一つにAI検索するだろう。ひょっとすると自動売り買いの時代になるのかもと考えたら苦笑いでは済まない。

(質問2)脱炭素について。小学生の夏休みの宿題はお寺ですることが多かった。他人の目があるとサボることができず、おやつタイムには庫裡から冷えたお茶とお菓子が運ばれてくると、お寺での宿題を断ることができなかった。第一涼しいのだ。床が地面から1〜1.5m離れており、その下に風が通ることで快適な空間となっている。その時、あっと思ったのは、教科書の貴族の屋敷の絵も同様なデザイン。奈良時代〜平安時代の日本は暑かったのだろう。正倉院の畦倉作りも高床。それが教科書のページが江戸時代になると冷夏による飢饉が何度か発生し幕府が揺さぶられた。いわゆる小氷期である。

そこでGoogle BARDに「小氷期のサイクルと次の時期は?」と聞いた。

(回答2)「1300~1900年が小氷期であった。1000年サイクルだとしたら次は2300年から。」多くの要因があるので断定はできないがとの注意がついての回答である。

ここは気温の変化のチャートが欲しいところなのだが英語版であればGoogle BARDは可能。ちなみにトライした。引用文献までアクセスできるので信憑性をカバーしている。

奈良〜平安時代は温暖であって、江戸時代の飢饉は小氷期に相当する。なるほどお寺といい貴族屋敷などと合うと納得した。問題は後の件だ。2300年から小氷期が始まる??? 思わずカレンダーを見た。確かに今年は2023年。あと70年で小氷期に突入するだと?

今は温暖化抑止のために脱炭素経営に邁進しているが、小氷期にいずれ入るのなら脱炭素経営は無駄じゃない??ハテナマーク。そこで念の為に追加質問をした。

(回答) 「温暖化なると氷が解けて冷たい海水が覆うことにより小氷期が早く来る。したがって、小氷期を退けるために温暖化は抑制する必要がある」。元ネタはIPCC報告書から引用しているとしたら、嘘ではないだろう。

だが、答の中には氷が解けると海水面が上昇するので・・・と記載あるが、海面に浮いている氷は溶けても水位は変化しないので、陸地にある氷だけが水位変動に関係するので、本当に83cm上昇するかは文献を調べる必要はあると感じた。

逆にChatGPTやGoogle BARDの便利な使い方を思いついた。

それは、プレゼンテーションに利用する時だ。物知りであっても背景、動向、従来などを全部漏れなく把握してはいない。そのような時にAIを利用すると、例え60%程度でもよく知っていると判断してくれるとしたら便利なツールである。それをベースに新規性、差異を記載することで簡潔にしてわかりやすい資料となる。

ChatGPTは有料版だが進歩中、AIの中にはChatGPTの25倍容量の処理をするソフトもある。Google BARDも同じ質問を後日質問すると回答が変わっているように日々更新していることから、今はスタートしたばかりだが、1年後にはどうなっているか楽しみでもあり、その時自分は何ができるだろうか。

英語で質問している際に回答に商品の画像が出てくることがあった。ちなみにクリックするとamazonに誘導される。この仕組みに商取引がブラックホールのごとく吸い込まれるとした社会を日本が構築できなかったのが極めて残念。

テスラ・新クルマ組み立て法

ものづくりには①素材 ② 加工 ③組み立てがあり、単独もしくは素材が変われば加工法も変わるなど連携して変化する。自動車で言えば単独の例が①の電池やアルミボディ。素材が変わるので加工が変わる②の例が高張力鋼板の加工法、あるいは炭素繊維複合材料の加工法や接合法が挙げられる。③はモジュールであろう。部品をいくつか統合して製品として製造し組み込む方式。それぞれの分野で合理化・脱炭素・環境面で凌ぎを競っている。

毎月購読している日経Automotiveの記事に素人ながら驚いたのがテスラの新③ともいうべき内容だった。ボディの組み立て新法。

自動車のボディはドアやボンネットがない塗装前のホワイトボディがあり、超高張力鋼板により製造される。高張力鋼板の材料は衝突など種々のモードを考慮して張力レベルの違う材料を当てている。その一方ボンネット、フェンダーなどは軽量アルミに置き換わっている。鋼板とアルミの溶接には開発時間を要した。繰り返し・繰り返しの実用試験が完成して商用化になっている。自動車の軽量化=比重の軽いアルミ、かつ強度のある炭素繊維複合材料 との着想は簡単。だが、それを実用化するには気の遠くなる検証・開発・実用試験を覚悟する必要がある。それが常識と思っていたところに、テスラからユニークな発表(日経Automotive 6月号2023)

図を見るだけでご理解されたと思うが、簡単に言えば、従来はホワイトボディを製作して、ドアを取り付けて全体を塗装。そしてドアを外して、エンジン、機構部品、電池ユニット、パネル、椅子などを組み込み、最後にドアを取り付ける。それが逆転の発想なのだ。各ユニットを入れておいてホワイトボディで包む方式。なんだか見たことがあると思った人は子供の頃にプラモデルを作った人だろう。左右のドアを含む大きな半割れボディを最後に合体させる方式のようだ。

イーロンマスクも子供の頃はプラモデルをやったのではなかろうか。プラモデルなら両方の合体はコネクターのロック方式類似かスナップフィットになるが、まさかジッパーではないだろうと今から想像満点だ。とにかく従来方式に比較して半分以下の工程で完成との由。EVの低価格には強力な武器にはなるだろう。

ただし、マーケットは遺伝子組み換えと同様に納得するには時間がかかるだろう。そして、もっとも販売する場合に注意すべきは低価格車のテスラは魅力維持に苦労するのでは?と余計な心配。テスラに乗るのは“自分は環境派”“自分はあなたと違ってお金に不自由しないの”的な気持ちが幾分かある。高い価格でいてほしい。少数であれば希少価値と充電装置の取り合いも避けられる。なんと市場は天邪鬼なんだろうか。

筆者の数少ない経験で言えば、材料メーカーでありながら、ほぼ完成車に近い形状を作りオフセット衝突、正面衝突、坂道横転3回転による破壊実験を累々実証し、当時、その記録は経典を積み上げるような風景を見て“巻物物性”と称した。自動車レーシング、パリダカの過酷テストで信頼性を積み上げていく。

それを踏まえるとテスラの取り進めスピードは速いと感ずる。トヨタから譲り受けた工場では新組み立て法を採用するには面倒なのだろう、新規に工場をメキシコに建設中で2024年工場完成するようだから、完成品を見ることを楽しみにしたい。テスラのユーザで問題になっている修理費(一体キャスト成形ボディなので部分が損傷しても全取り換えの修理費問題)が解消されるのだろうか、新法がコロンブスの卵なのかも。

スマートウオッチ

誕生日祝いとしてスマートウオッチを家族からプレゼントされた。時を知るにはスマホや、街中にある表示でわかることもあって、殆ど腕時計を利用していなかった。それでも改札口で手首を読み取りに当てる風景をみて“格好がいいなぁ”的なところで留まっていた。プレゼントされたからには利用すべくスマホ接続のブルートゥースのセットをして使用開始。気が付かなかったことの見える化は確かに役に立つと感心。いくつかあるが、体温、心拍数、血中濃度、睡眠の質は参考になる。夢を見たから浅い眠りだったはずとチェックを見ると意外にも深い眠りを示している、就寝時間を早めましょう、起床が早すぎます、覚醒時間があるのは途中で起きて仕事していないか?などのアドバイスがあるのは面白い。

ウオーキングの歩数と消費カロリーが同時に表示されると、あんなに歩いたのに、消費カロリーが少ないことに愕然。ウオーキング途中で間食をしようものなら、何をやっているのだ!とスマートウオッチに叱られる。スマホのウオーキング歩数とスマートウオッチの歩数が一致しないところも参考になる。スマホが体全体の振動を拾っているのに対して手首を中心とした体の動きとすると、スマートウオッチの数値が高くても、運動量全体としては少ないと判断できる。一致しないところが面白い。このブログにも書いたが、“なんば歩き”をトライ始めたことで、手の振りがかわっているのも影響しているのだろう。と勝手な解釈。

スマートウオッチの別の機種に血糖値や血圧まで測ることができる商品が出ている。血糖値、血圧は赤外線など光学的センサーでブドウ糖、グルコース濃度を読み取ることを原理としているが、測定の精度問題及び人の個体としての違いもあるので目安程度にしておいた方が現段階では無難だと思う。ブドウ糖やグルコースの分析を精密に測定するにはサンプルを用意して赤外分光スペクトル装置で測定する。その装置価格が250万〜350万円。それが超安価なスマートウオッチで可能であるとは、少し勉強する必要がありそうだ。

昨年、保険会社の催しで野菜摂取量を測定するコーナーがビルのオープン広場であったので受けてみた。ベジセンサーは掌を装置に当てて、野菜のポリフェノール代表としてトマトや人参のカロチノイドを測定するものである。昨年のブログにも書いた。動体視力年齢などは軽く合格したのだが、このベジセンサーは非情にも合格ラインを割ってしまった。

素直な?筆者は反省した。野菜をもっと摂らなくては。ベジセンサーはカゴメとドイツの医療装置メーカが開発したのであれば、カゴメのトマトジュース購入頻度を増やした。そのほかの野菜も財布が許される範囲で多く摂る工夫もした。そして自信満々で臨んだ今回の測定の結果は昨年より僅かに改良。合格は依然として先にあることが再認識。もっと頑張りましょう!の応援を背にうけながら、何だか妙だなぁ?と感じた。

それは この装置の前提は野菜摂取標準パターンとトマト摂取量が強い相関関係があること。また、人間の血管の太さ・面積が同じ、皮膚から血管までの距離が同じであることを前提条件としている。この点からすると筆者の摂る野菜類は普通のパターンとは違うのではないかとも思った。(ドイツ人が考える理想食はDASH地中海食であるだろう。日本の納豆・牛蒡・小松菜・漬物をこのベジセンサー測定は反映しているか否か。)

血管問題だが、筆者は健康診断のときに血液採取が非常な厄介な人として“お墨付き“をもらっている。血管が深い、細い、注射針からスルリと逃げるとあって看護師の高度のスキルを必要としている。自分が採血中に5人以上が終了する厄介レベル。 それはともかく、光センサーが当たる面積に反射光強度は比例し、深さの2乗に反比例する。その点を考えるとベジセンサーは標準血管パターンにおいて1シグマにおられる人を対象にしているのであって、3シグマ特性を持つ人には絶対値ではなく、測定値の年度ごとの変化を持って判断することになると理解した。言い訳かもしれないが。

そのような経験をしたこともあり、スマートウオッチが血圧を測れるとは思いもよらなかった。血圧は皮膚の振動と脈波から換算するらしいが、機会があれば持っている上腕式血圧計と比較してみよう。テクノロジーは進化しているので甘く見ないでウオッチ(見続けること)がスマートであることはいうまでもない。

アルコール耐性の有無と稼ぎ

営業職にとってアルコールはお客様との関係構築をはじめ重要である。また、社内でも“飲みニケーション”は出世にも大きな影響があるので、理系・文系関係なく重要である。古今東西の常識で疑いようがない。筆者の経験で言えば農業関係資材販売担当で健康診断の再検査の紙を貰わない人はいなかった。むしろ勲章でもある。農協相手にアルコール飲めない人は通用しない。

ところが、4月25日に“飲める人が稼ぐって本当? アルコール耐性と所得の関係を研究した文献が発表された。

結論を先に言えばアルコール耐性があるから所得が多いとは言えない。詳しくは文献Health Economics題名Is Asian Flushing Syndrome a Disadvantage in the Labor Market? を参照されたい。

東京大学、ソウル大、台湾大、一橋大の研究者による東アジア地域における解析結果を発表。よく知られているように、アルコールを摂取すると、肝臓はアルコール脱水酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解し、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により酢酸に分解する。東アジア地域ではアルデヒド分解酵素を持たない人が約4~5割で、一見飲めそうな人でも赤ら顔になる人は持っていないので、健康面から言えば飲んではイケナイのだ。

そんな人が飲める(顔色が変わらない)人に伍して所得を得るとしたら、(私見だが)赤ら顔は陽気にみえ、また会話の饒舌さも加わって魅力があるように見えるのだろう。逆に顔色一つ変えないで無口で飲み続ける孤高の人には楽しく無いのかなぁ?こちらに何か落ち度があるのかなぁ?と気遣いをさせることもある。そうなると飲めるのは逆効果になる。

新入学生歓迎コンパでの煽り一気飲みのニュースは最近少なくなったが、一気でなくとも継続飲酒は金属疲労に似て個人差はあるが器官の劣化を生ずる。肝硬変や脳溢血・麻痺などになる可能性が高い。アルコール耐性のない人は特に配慮が必要だ。酒の肴や締めのラーメンとの複合により糖尿病の危険もある。まだ若いシニアの方が杖をついて不自由に歩く姿を多く見る。昭和に無理をされた企業戦士のように見え同情することもある。トータルすると酒税より医療費の方が上回るのではなかろうか。飲食の経済的効果を見ない味気ない偏狭視野の見方であるが。

なお、単にアルコール耐性の有無で所得が決まるわけではない。この文献は遺伝的特性(身長・体重・顔つき)、学歴などと経済的成果も要因に入れて計算処理されている。さて、エビデンスを見てみよう。調査した対象は国別では日本、台湾、韓国の解析前提の人の属性が別の意味で面白い。それを先に紹介する(表)

日本(男)は52%が耐性あり、48%は耐性がない。意外なのは韓国。イメージでは100%耐性あるようだが60%とは。年齢は40歳台と同じゾーンながら、大学(院も含む)学歴では日本の66%に対して、台湾85、韓国92%は本当か? 女性は日本では48%に対して韓国の28%にお国柄を想像させる。親の学歴まで要因に入れていることから、親が大学を出ていると子供も大学に進学し、結果として所得が多いのか?を解く鍵になるとしているのだろう。いかにも東大の先生が取り上げる要因。

職業の多様化が国柄(文化を含め)としては好ましいのであるが、把握しにくいのであろうか。最近のインバウンド状況を見るまでもなく、日本の文化を経験したくて来日されている。その職業は短期的な所得ではなく、継続的(孫・ひ孫まで代々続く)所得とみるのが普通だと思う。如何でしょうか。この表では自由業の割合は韓国が圧倒的に高い。起業精神が旺盛とみるか、財閥企業に入社できずにチキン屋を開業せざるを得ないニュースもあるので、一概に言えない。

 この文献では解析が記述されているが、端折って結論の表を示す。

アルコール耐性のある日本人は週3.5回(耐性無い人の2倍)、アルコール量も同比例(アルコール濃度換算処理)。Binge drinking(酒浸り)は耐性の無い人の3倍。で所得は統計誤差を入れても同等。

韓国の事情は違うようだ。アルコール耐性があろうがなかろうが飲酒の機会は似ている。酒量はやや違うがBinge drinkingはほぼ同じ。所得も略同等。日本よりやや多めの給与所得。韓国の人は飲めなくても儒教の社会であるから、上司が飲むならば飲まざるを得ない。または、辛い食事にアルコールは必須なのか。この表は多くを想像させる。面白い。

社内の飲みニケーションは若い人からは敬遠されている。パソコンができない・クリエイティブとは縁がない上司にアルコールが入れば説教か自慢話、過去何度も同じ話。そんな時間ロスは勘弁して欲しいが若者の本音。今や上司からの話があれば、そっとスマホでChatGPTに上司の意見はどう思うか質問するだろう。ChatGPTの回答は上司には言わないのが得策。大人の対応っていうやつだ。

日本には酒は百薬の長と言われており、少量ならむしろ健康にも良いとされてきた。つい最近もその文献を見た。だが多くの文献はごく少量でも“毒”だとのこと。薬を毒と言われてはそれこそ気の毒。アルコール1滴で脳細胞がいくつか死滅の文献もある。私見だが、昔の酒と今の酒は違いがあるのでは無いかと思う。

昔はいわゆるドブロクで酒粕が混合した濁り酒。酒税法もさることながら今は精米度合いと濾過技術によりクリーンなお酒に仕上がっている。酒粕に栄養素が移行しているとしたら昔のお酒が体に良いと言われると納得感はある。 現在はアルコール飲むなら酒粕併用のアテが常態になるかも知れない。酒粕にもアルコールが残存しているのでBinge drinkingは歓迎か。ささやかなビジネスになるような気がする。と囁くとテーブルの端から「その講釈より仕事がないんだぁ〜」と呻く声。「作り話や揚げ足取りで政党助成金を貰っている人に言いなよ」と見知らぬ人が返す。そのワイワイが活性元気化の触媒になればアルコールは少なくとも役に立っている。若い人、酒席が苦手な人 なんだかんだ言っても 飲み会雰囲気共有は得るものがあるので大いに参加してはいかがでしょうか。

メール文とリテラシー

このブログも287号。内容も文体も反省するところがある。雑誌プレジデント4月号に「頭のいい文章、バカな文章」の特集があり、いつも無知を恥と顧みずアップしている筆者は是非目を通さねばならぬとして手に取った。

読まれた方は直ぐに分かったであろう。この3行はバカな文章の烙印が押されるはずだ。第一に主語と述語の間が長い。「反省」と「顧みず」はこの文章では同じ意味であり重複している。本当に都度反省しているのなら進歩しろよとツッコミを入るところだ。

では、頭のいい文章とは何か。この雑誌から引用する。(下線部引用)。多摩大名誉教授樋口裕一氏によると 1)頭のいい人は想像力がある。 2)賢い人は次の3タイプを知っている。①結論先―理由 ②理由―結論 ③結論提示―確かにorしかしー強い根拠―結論

欧米企業とのやり取りは①が必須。会社でもトップとは①。 頭のいい人は想像力があるというならば③となる。説得力は強い根拠エビデンスに関係する。数字、グラフ、画像がアシストする。

今までの日本人は②が一般的だった。「だった」と過去形になりつつあるのはスマホの影響で、絵文字か、「了解」を「り」だけの返信で事足りることが日常になったからであろう。そんな中、やたら長い文章のメールを送付されると、承認欲求だろうなぁと感じつつ端折りながら読む。

樋口名誉教授の結論は何歳でもグズでも文章は上達する。よし信じよう!

朝日新聞編集委員 近藤康太郎氏は禁じ手として以下を紹介している。

*凡庸すぎる *固有名詞や数詞を入れる(読み手が負荷)*「など」「いろんな」「さまざま」を使う。*常套句を使う(自分の頭を使っていない)*「としたもんだ」定型文 *「擬音語・擬態語」 *流行語を使う(自分の頭を使っていない)

折角だが、ファクトである固有名詞や数詞がなくて理解されるとは到底思わない。根拠レス理屈を言う時にあるかも知れないが。擬音語・擬態語は文章をイキイキすることもあるので禁じ手とするには疑問だ。むしろ従来にないオノマトペを作るとクリエイティブな人と見られるだろう。早速、朝日新聞記事を読んだ。残念ながら先輩の禁じ手を犯している文章を見つけるに時間は必要なかった(←定型文章)

文章術のベストセラー100冊などの著者である文道の藤吉豊氏もこの雑誌に寄稿。

おバカ1)文章が長い。おバカ2)何を言いたいのか不明 おバカ3)読む気にならない。おバカ4)言葉が難しすぎる おバカ5)ありきたりでつまらない。おバカ6)因果関係がわからない。おバカ7)文章が間違いだらけ

主張の内容はわかる。だがその前に、バカ・バカ・バカと連呼されて良い気持ちになるだろうか。インパクトはあるかもしれないが、違う表現があるだろう。バカな文章でも愛嬌の味付けがある方が好ましいと筆者は思う。

それでは最後に、自分の経験で言えば

1 時間が厳しい会社上層部へのメールは3行に収める。頭を整理する手段として。

2 詳細は添付資料とする。本文において興味があればと誘導する

3 メールの文章云々よりも、受信したら即刻返信すること。まず「メール見た」「いつ返信する」だけで十分。

4 謙譲語や尊敬語を多用すると誤解されやすい。

5 メールと並行して電話で確認が好ましい。

この中で会社や人のレベルを評価されるのが3である。いつまで経っても返信がこない。無視しているのか、検討する時間が欲しいのかわからない。少なくとも「メール見ました」だけでも時をおかずに返信するだけで十分信頼にたる相手と評価される。返信するに検討を要する場合もあるが、社内での権原委譲がなされていない、多くの承認パスが必要とする会社だと取引が厄介だと判断されるので注意が必要だ。

偉そうに言えば、筆者の経験によれば、そのような会社は伸びない。概ね大企業及びOBは徹底しているが、企業サイズによらないのは勿論である。グローバル化に伴い日本が土日でも海外では平日のこともあり、その逆もある。そんな時は自動返信がある。私事だが返事が遅い会社・人は50%。返信するからには答えを充実させてから出すつもり・・の会社・人もおられるが、その間、発信者は悶々とし最悪は機会損失することもある。送信者の心理を考えないは言い過ぎで、昔の時間の流れで事足りていたとして修正しないで継続しているのであろう。メールは便利の反面、会社・人の通信簿にもなる。自覚しなくては。