メール文とリテラシー

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このブログも287号。内容も文体も反省するところがある。雑誌プレジデント4月号に「頭のいい文章、バカな文章」の特集があり、いつも無知を恥と顧みずアップしている筆者は是非目を通さねばならぬとして手に取った。

読まれた方は直ぐに分かったであろう。この3行はバカな文章の烙印が押されるはずだ。第一に主語と述語の間が長い。「反省」と「顧みず」はこの文章では同じ意味であり重複している。本当に都度反省しているのなら進歩しろよとツッコミを入るところだ。

では、頭のいい文章とは何か。この雑誌から引用する。(下線部引用)。多摩大名誉教授樋口裕一氏によると 1)頭のいい人は想像力がある。 2)賢い人は次の3タイプを知っている。①結論先―理由 ②理由―結論 ③結論提示―確かにorしかしー強い根拠―結論

欧米企業とのやり取りは①が必須。会社でもトップとは①。 頭のいい人は想像力があるというならば③となる。説得力は強い根拠エビデンスに関係する。数字、グラフ、画像がアシストする。

今までの日本人は②が一般的だった。「だった」と過去形になりつつあるのはスマホの影響で、絵文字か、「了解」を「り」だけの返信で事足りることが日常になったからであろう。そんな中、やたら長い文章のメールを送付されると、承認欲求だろうなぁと感じつつ端折りながら読む。

樋口名誉教授の結論は何歳でもグズでも文章は上達する。よし信じよう!

朝日新聞編集委員 近藤康太郎氏は禁じ手として以下を紹介している。

*凡庸すぎる *固有名詞や数詞を入れる(読み手が負荷)*「など」「いろんな」「さまざま」を使う。*常套句を使う(自分の頭を使っていない)*「としたもんだ」定型文 *「擬音語・擬態語」 *流行語を使う(自分の頭を使っていない)

折角だが、ファクトである固有名詞や数詞がなくて理解されるとは到底思わない。根拠レス理屈を言う時にあるかも知れないが。擬音語・擬態語は文章をイキイキすることもあるので禁じ手とするには疑問だ。むしろ従来にないオノマトペを作るとクリエイティブな人と見られるだろう。早速、朝日新聞記事を読んだ。残念ながら先輩の禁じ手を犯している文章を見つけるに時間は必要なかった(←定型文章)

文章術のベストセラー100冊などの著者である文道の藤吉豊氏もこの雑誌に寄稿。

おバカ1)文章が長い。おバカ2)何を言いたいのか不明 おバカ3)読む気にならない。おバカ4)言葉が難しすぎる おバカ5)ありきたりでつまらない。おバカ6)因果関係がわからない。おバカ7)文章が間違いだらけ

主張の内容はわかる。だがその前に、バカ・バカ・バカと連呼されて良い気持ちになるだろうか。インパクトはあるかもしれないが、違う表現があるだろう。バカな文章でも愛嬌の味付けがある方が好ましいと筆者は思う。

それでは最後に、自分の経験で言えば

1 時間が厳しい会社上層部へのメールは3行に収める。頭を整理する手段として。

2 詳細は添付資料とする。本文において興味があればと誘導する

3 メールの文章云々よりも、受信したら即刻返信すること。まず「メール見た」「いつ返信する」だけで十分。

4 謙譲語や尊敬語を多用すると誤解されやすい。

5 メールと並行して電話で確認が好ましい。

この中で会社や人のレベルを評価されるのが3である。いつまで経っても返信がこない。無視しているのか、検討する時間が欲しいのかわからない。少なくとも「メール見ました」だけでも時をおかずに返信するだけで十分信頼にたる相手と評価される。返信するに検討を要する場合もあるが、社内での権原委譲がなされていない、多くの承認パスが必要とする会社だと取引が厄介だと判断されるので注意が必要だ。

偉そうに言えば、筆者の経験によれば、そのような会社は伸びない。概ね大企業及びOBは徹底しているが、企業サイズによらないのは勿論である。グローバル化に伴い日本が土日でも海外では平日のこともあり、その逆もある。そんな時は自動返信がある。私事だが返事が遅い会社・人は50%。返信するからには答えを充実させてから出すつもり・・の会社・人もおられるが、その間、発信者は悶々とし最悪は機会損失することもある。送信者の心理を考えないは言い過ぎで、昔の時間の流れで事足りていたとして修正しないで継続しているのであろう。メールは便利の反面、会社・人の通信簿にもなる。自覚しなくては。

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