猛暑と米作

10月中旬で夏日でも驚かなくなった。しかし主食である米作が温暖化でどうなるかの予測文献には驚いた。北海道でも米作が可能になったので良いではないか。など余裕で言える話ではなさそうだ。主食の米でさえ不作もしくは等級が下がる。 それに連動して、日本酒の酒米の質(日焼け米)が影響を受けるので、日本酒愛好家のみならず、大袈裟に言えば日本文化に影響する。

まず、東北と九州の米生産額が気候変動により受ける影響について、福島大学、東京大学から発表されたので結論を引用する(プレスリリース :2024.10.16)

1)気候変動が緩和されず気温が産業革命前と比較して4℃昇温した場合,東北の「ひとめぼれ」と九州の「ヒノヒカリ」の年間生産額は現在の値に対してそれぞれ93.9%と75.9%へ低下する可能性がある。

2)昇温1℃あたりの生産額の低下(経済損失)は東北で70億円,九州で120億円と推定。これは一等米比率の低下に加えて九州では収量の低下が影響

シミュレーションの内容については元文献を参照願いたい。

 東北地区は+2℃では生産額は増加するが、+4℃では減少に転ずる

九州地区は+2℃でも生産額は減少し、+4℃では壊滅的状態になる。

対策としては 高温耐性品種の開発、田植え時期の前倒しだと著者らは主張されている

高温耐性品種で既存品はタイ米になるが、日本人に馴染みのある品種開発は時間との戦いになるが頑張ってほしい。

即効ある対策を考えると、広大な面積を占めている太陽光パネルを撤去して米作に戻すこと。太陽光発電はビル窓など添付型「ペロブスカイト発電」への切り替えで対応する。畑を田圃にして畑作物は植物工場にシフトするなど農業オンリーの対策ではなく全体バランスからの対策が必要だろう。

次に冒頭での日本酒愛好家とって関心の酒米について。

金沢工業大学が【全国の酒蔵を悩ませている高温障害米の問題の解決の一助】をプレスリリース (掲載日:2024.10.07) オンキヨーと金沢工業大学が「酒に音楽を聴かせる」取り組みを2020年から継続しており、その成果として高温障害米(高温障害米とは、稲の登熟期の高温により品質が不良となった米)の醸造工程で特定の音楽振動を与えることで熟成が調整されることを発表。

「高温障害米に消化酵素剤を加え、さらにオンキヨーの加振技術が加わることにより酵素が働きやすくなり、高温障害米のデンプン質を溶かすことが可能となるという研究成果を得ました」とある。そこでオンキョーの特許を調べた。

特開2023-153471(P2023-153471A)。

【課題】振動させる対象物を、幅広い周波数帯域で振動可能とすること。
【解決手段】システム1は、食品(例えば、清酒)、食品の原材料(例えば、米)、原材料から食品となる間の中間生成物(例えば、もろみ)のいずれかである対象物を振動させるためのものである。システム1は、第1周波数帯域で振動する加振器2と、第1周波数帯域よりも高域の第2周波数帯域で振動する超音波振動子3と、を備える。加振器2、及び、超音波振動子3は、対象物を振動させる。

化学の特許であれば実施例、比較例を記載して特許性(新規性・差異化・実用性)で

価値を判断する。この特許は機械・電気システムであるので、それが記載しなくても良い。なんとなく化学専門家から見ると不思議な特許システムではある。

「音楽振動技術により熟成が行われたお酒を加振酒」として販売しているとのこと。乳牛にモーツアルトは有名。日本酒には演歌?まさかのロックかも。利酒ならぬ利音も酒席での会話に味付けがあり面白そうだ。

植物に学ぶサバイバル

植物も食いだめをしないと自然界では生きていけない! とのタイトルでプレスリリースが名古屋大学から発表され注目を浴びた。論文タイトルは格調高く「Integration of shoot-derived polypeptide signals by root TGA transcription factors is essential for survival under fluctuating nitrogen environments(根のTGA転写因子によるシュート由来のポリペプチドシグナルの統合は、変動する窒素環境下での生存に必須である。)

本研究のポイントは以下の通り。

  • 植物は葉の窒素需要(空腹や満腹)に応じて、根からの窒素吸収量を調節している。
  • 本研究では、根において葉由来の空腹/満腹シグナルと結合して窒素吸収に必要な遺伝子群の発現を制御するタンパク質 TGA1 および TGA4 を発見した。TGA1/4 を欠損した植物は、土壌中の窒素栄養量が経時的に変動する環境では、葉の窒素需要の増大に応じた根からの吸収促進ができないために正常に成長できなかった。
  • 植物が葉の窒素需要(空腹や満腹)に応じて根における窒素栄養の吸収量を調節するしくみを解明した。

確かに肥料の硝酸イオンを窒素栄養として根から吸収→葉でアンモニウムイオンに還元→アミノ酸に取り込まれ→タンパク質合成の材料。のフローにおいて雨が降らないと土中の水分は蒸発するので根は硝酸イオンと出会う機会がなく、雨が特に豪雨ともなれば硝酸イオンは流出して濃度が希薄になる。これは大変一大事であるから出会えた時に満腹まで吸収しておく。

ここで、何に関心をしたのか?

植物は与えられた土地で生きることを求められる。あちこち栄養を求めて動くことができない。せっかくの学舎や会社に入った時にこそ満腹になるほどスキル、企画、実行、人脈を構築しておかないと、たとえ高齢になって「あの時にしておけば・・・」と反省することになりかねない。

80歳になる会社OBの言うことに、70歳台にしっかりやっておくべきだった。次に70歳台のOBは「いやいや現役の時ですよ」と。多分植物のTGA!、TGA4に相当する指導者に巡り合って「今がその時」のスイッチを押してくれたらと思うだろう。筆者の場合に確かに「あの時、あの人に出会えなかったらの人」がおられる。満腹にはまだまだ未熟だけれど。

昨今話題に登っているのが日本製鉄。以前は技術一流、実行二流、言い訳超一流との風潮があったが、現社長になって社風が変化。「事上磨錬」だとか。Do and Action ,Do and Do 。サントリーの「やってみなはれ」と同じだろう。巨漢日本製鐵が本当にできたのかは数年後の評価になるだろうが、行動して初めて本当に景色が見え、目標が定まるとの意味だろう。

今の日本製鉄の社員は「今まさに栄養を蓄積し発揮すべきだ」と意識が変わっておられるではないだろうか。

その時に満腹になっても、世の中変化が激しいので過去を所有してもシン・パワーとならないと意見をお持の人もおられよう。DXだの、生成AIの時代 特にホワイトカラーは影響を受ける。 だが、それまで満腹でサバイバルした人は新しい時代・技術をも満腹にしないと明るい明日がないとの記憶があるので、どのように変化しても大丈夫だと思う。

最後に 人間の場合食の満腹を継続すると肥満→糖尿病となって労働人口減少加速と医療費圧迫で国家として揺らぐハメになる。ここは腹八分でしょう。

海洋環境展から・珊瑚生育棚

買い物のルートに横浜市役所をよく通る。先週、アトリウムでは東京湾・河川の環境展示が開催されていた。子供向けに多摩川や荒川の生物紹介、下水道の仕組み、海プラの選別などが用意されており、東京湾での採れた魚の料理教室もあり、多くの人に興味を持ってもらうよう組まれていた。

潮流発電しませんか? と女性説明員から声かけられた。簡単な模型は筒状にピストンを往復させて発電をさせるもので、潮流ではないが原理は同じ。自分もやってみると単純だが発電でLEDが明るく点ると面白い。

これをしながら思い出したのが草津の湯もみ。観光ショーになっているが数人の女性が板を湯船に入れて魯を漕ぐように動かす。女性のエネルギーが板に伝わり湯船のお湯が波打つ。この逆が潮流発電だなぁ〜と気がついたのだ。

船の舵を切るにはエネルギーを使う。舵に相当する板状を海に沈め潮流により発電する。実際、平塚の海岸に潮流発電所があり稼働している。岩手の久慈に最初に設備された。波受け板の形が異なる。 潮流は夜中でも、風がない時でも利用できるだけに安定電源として普及して欲しいものだ。台風、津波など想定以上の潮流が来たときは柳のように受け流すような設計か魯が海面上に出てクラッチされる仕組み。平塚の潮流発電には船舶専門の川崎重工が、潮流板には横浜ゴムが参画している。

次のブースで妙なものを展示していた。マグネシウムの塊とアルミの塊が机の上においてある。イオン化傾向の違う2種の金属を接触させると電位差(微小電位)が発生することを説明に使うのだろうとわかった。商品名アラノード。名前からアノード、カソードからなる電池を表現している。で、何に使用するのか?? これには驚いた。

「珊瑚生育装棚」 説明によると ① 珊瑚は世界の海の0.2% だが海洋生物の25%生存に関与している。② 海はCO2吸収するが、弱酸性になったこと、海水温アップもあり白化、死滅が増加 ③ 珊瑚の成長は遅く、天敵オニヒトデの食害に遭う

珊瑚を速く育成する方法について、橋梁、浮桟橋を生産・工事をしている会社(エム・エム・ブリッジ)が ある日、浮桟橋に珊瑚が付着していることを見つけた。さすが金属が専門だけにピンとくるものがあった。微弱電流で炭酸カルシウムを生成する速度が制御できると考えた。

図は石垣島と阿憙島における珊瑚幼生着床数比較。電流量調整により約2.5倍。

珊瑚はCO2を吸収するが、CO2を排出するので変わらないのでは?の議論が長らくあったとのこと。今は決着がついた珊瑚はCO2固定に有益な生物だとのことブルーカーボンの一翼を担っている。

珊瑚の様子を4Dで観察する技術(若築建設など)も紹介されていた。環境監視が経済的メリットにどのように繋がるのか興味がある。

その他、海上でのペレブスカイト発電が紹介されていた。確かに森林を伐採して太陽光発電パネルを設置するより、はるかに環境には優れている。普及されるには、荒波を消波化する浮桟橋などの設置など工夫は必要だが、伸びるのではないかと思われる。期待したい。

MC I(軽度認知障害)

ショッピングモールの広場でエーザイとBiogen協賛の脳の健康セミナーと演奏会が行われていた。両社は認知症抑制剤(レカネバブ)で知られる。特に今回はMCI(Mild Cognitive Impairment)軽度認知障害に重点を置いて簡易検査、パンフ配布など実施。

「新しい家電の使い方を覚えるのに時間がかかる」「前日の昼食・夕食内容を思い出せない」「物忘れはするが他人事だと感じている」「仕事上のミスが増えた」「メモを取ることが増えた」これが軽度認知障害。さて皆様はいくつ該当するでしょうか?

放置しておくと本格認知症になるとのこと。確かに名前が即時に出なくなってきたが、情報量やストレスが圧倒的に以前より違うのではないかと言い訳をする自分がいる。

MCIの原因としてはアルツハイマー病、血管性疾患、レビー小体病、その他(ストレス、うつ病、不安、ビタミン不足、甲状腺ホルモン不足、薬副作用、睡眠、てんかん)など。渡されたガイドブックには対策として12項目にわたる認知機能維持ポイントが紹介されていた。 食生活、飲酒、喫煙、社会活動など常識であるが全部を守ることができそうにない。

そこで2年前の文献だが、コーヒーと認知症提言に関する新潟大学の報告を思い出したので、紹介する。

「日本人高齢者におけるコーヒー、緑茶、カフェインと認知症リスクの関連」  プレスリリース 掲載日:2022.07.12

 超要約すると、新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野の中村和利教授らの研究グループは中高年のコーヒー、緑茶、カフェインの摂取量と認知症リスクとの関連を縦断的に調べた。(新潟県村上地区 13,757人 40~74歳)

その結果、①コーヒー高摂取と認知症低リスクの強固なエビデンスを得た。②カフェイン高摂取と認知症低リスクの強固なエビデンスを得た。③緑茶摂取と認知症リスクの関連については明確でなかった。というもの。コーヒー好きの筆者は納得したくて納得。しかしながら緑茶の結果には首を傾げた。そのはずがない。

それから2年後の2024年に抹茶とMCI、および睡眠についてのレポートが筑波大学から発表された。継続12ヶ月抹茶を飲み続けると社会的認知が向上した(2024年9月2日)

さらに、漢方薬とハーブティの効果(認知症改善、若返り)について大阪公立大学が発表した(2024年9月19日)

この3つの論文ではコーヒー、緑茶、ハーブティはMCI対策には有意であるとまとめることができる。

さて、地元のシニアによるカルテット演奏。確かに年齢層見合いの認知症とは縁遠いしっかりした演奏。楽器ができれば認知症も遠のく証拠であろうことはわかった。人前の緊張で時々ミスはあれど仲間がカバーしていたことからもサークル活動での人的交流も、大事だと理解した。

腸内細菌叢と疳の虫

ウェブで疳の虫が強い子の特徴は?と検索すると

落ち着きがない、走り回る、かんしゃくを起こす、キィーと声を上げるなど、「癇(かん)の強い」と言われる子どもがいます。 働きかけても拒否や反発といった行動で返ってくるため、保護者も支援者も対応に苦慮します。と回答例があった。

キィ〜の声が益々強くなり、抱っこしても、あやしても収まることがない。こうなると、電車移動中に発生すると降りる必要のない駅で途中下車することもあると聞いた。親になることは実に大変だ。男親も育休をとる背景が理解される。とても母親だけに任せるには行かない。 いつもニコニコしている幼児もいる。そうなると両親のほうで癇癪持ちはそちらの家系、ニコニコはこちらの家系と押し付けが始まる。

その解決策として疳の虫封じの神社、お寺にお参りなどするところがある。多分遺伝のなせる技だと思いつつ。

ところが9月6日京大・阪大のリリース記事によれば「幼児期の気質は腸内細菌叢と関係する―心身の健康づくりを生後早期から始める取り組みを目指して―」とある。

要旨を引用すると

3~4 歳の日本人幼児284 人を対象に、気質と腸内細菌叢の関連を検討しました。その結果、不快情動の表出や、新奇な環境を積極的に探索接近する特性は、腸内細菌叢の構成の違いや多様性と関連することが明らかとなりました。

腸内細菌叢の構成の違いに寄与する腸内細菌を調べたところ、炎症の誘発に関連する菌(e.g., Flavonifractor、Eggerthella)や抗炎症作用に関連する菌(e.g., Faecalibacterium)が、幼児期の気質と関連をもつことが示されました(図1)

さらに引用する。

腸内細菌叢は、免疫系や内分泌系、自律神経系を介して脳と相互作用しています。これを「腸内細菌叢―腸―脳相関」といいます。成人を対象とした研究では、腸内細菌叢の多様性や構成が、精神疾患や認知機能の低下と関連することが示されています。ここで重要となるのは、個人が生涯もつことになる腸内細菌叢の原型は、生後3~5歳頃までに安定化することです(Roswall et al., 2021, Stewart et al., 2018)。この時期は、がまんなどの感情制御や、推論、記憶、イメージなどの認知機能の中枢となる前頭前野が著しく発達する時期でもあります。この時期の前頭前野の発達は、成人期の健康状態や社会経済状況を予測することも知られています(Moffitt et al., 2011, Richmond-Rakerd et al., 2021)。

成人まで影響とは驚くが、高齢者の突然キレる、奇妙な行動をするのも幼児返りではないかと筆者は考える。今回の京大・阪大の研究成果を庶民レベルではどうするか?癇癪を起こしにくい腸内フローラを増やすための有効的な方法はいずれ見つかるだろうが、今の段階では普通の腸内フローラ増加事例を挙げる。

  1. 食生活の改善 (食物繊維 発酵食品 オリゴ糖)を摂る
  2. ストレスを軽減する
  3. 睡眠をしっかりとる
  4. プロバイオティクスやプレバイオティクスのサプリメントを検討する
  5. 定期的な運動
  6. 禁煙

現役リタイアの高齢者は1、2、3、5、6が欠如しやすい。4を購入する費用もない。さて、どうする?

CO2濃度と眠気

9月中旬なのに暑い! エアコンは終日夜間も稼働しているが、つい換気には“せっかくの室温がもったいない”意識が働く。フルオープン窓換気頻度は少ない。

知人がパソコンなど作業部屋(8畳・一人)のCO2濃度を時間と共に変化するかをチェックしたことがある。彼によると相当速くCO2濃度が高くなる結果を得ている。次のとおり。

「マンションの24時間換気を作動下において8畳(ベッド、本棚、机の体積分は減る)においては、一人が居室すると、6〜12時間程で凡そ1000〜2500ppmに上昇。窓を開放しても4時間程換気しないと500ppm以下(正常値範囲)に戻らない。

再度、窓を閉め密閉するとこの繰り返し。センサーのマニュアルに記載されている二酸化炭素濃度は、500ppm以下:正常 500〜1000ppm:注意 1000〜2000ppm:危険」。 彼から特に注意されたのは「自動車空間は狭いので窓あけ換気をするように」とありがたいアドバイス。

室内でのパソコン作業効率が低下すると、コーヒーによる覚醒とついでに糖も摂るが、効率の波が低い方向に次第に収斂して最後は睡眠に誘うことに。皆さんもきっと経験がおありだろう。

それがCO2の所為なのだとの文献がリリースされた。東北大学9月3日発表『健康なボランティアの睡眠潜時に対する二酸化炭素曝露の影響: ランダム化対応クロスオーバー研究、睡眠潜時反復検査による証拠』

内容を極めて大雑把に引用する。

1)建築物環境衛生管理基準では 1,000 ppm 以下、事務所衛生基準規則では 5,000 ppm 以下に抑えるよう基準値が定められている

2)実験として、日中に 2 時間毎に 4 回行われる、各 30 分の検査中に 5,000ppm(注 2)という比較的高い二酸化炭素濃度にさらされると、日中の眠気が顕著に強くなることが示された。

さて、対策となると

・観葉植物の設置。サンセベリア、ポトス、ドラセナが比較的CO2を多く吸収すると言われているが5000ppmは無理。

・空気清浄器の稼働。 活性炭フィルターやHEPAフィルターによるPM2.5はキャッチするが、濃度センサーはNO2、CO2はあるものの、センサーであり吸着・吸収機能はない

・CO2は弱酸性なので、化学屋さんならアルカリ化合物をおいてCaCO3などへの転換を考えるだろうか。

 

などあれど窓を開けるに越したことはなさそうだが、冒頭の知人の実験では短時間に換気はできそうにない。

そこで以下の条件で計算してみた。

6畳部屋・窓1つ(1m平方)でCO2が5000ppmであるときに窓を開ければどの時間で外気CO2濃度と同じになるか? (換気率1回/時の条件)ざっくりの計算は76時間。当然ながら室内温度=外気温度となる。確かに“せっかくの冷えた部屋の温度面では損”。換気率を上げるには追い出し(反対側の窓空け、扇風機、換気扇の併用)が必要となる。

そして、その間はショート散歩を入れるのが仕事効率アップに良い。筆者の場合はショートどころかロングが問題ではあるが。それと知人の自動車運転時の換気は、車外の音を聞くことによる眠気防止にも役立つことから注意は非常に重要だと再認識した。

地震予知への一歩になるか

国勢立て直しになるのか自民・立憲両党の党首選挙が本格的にスタート。ぜひ政治屋ではなく政治家らしい議論により選ばれて欲しい。このブログでは政治的な案件にタッチしない。ただある候補者の演説予定される駅前では前日から下部議員の演説と大量のビラ配りを手に多くの運動員が活動しているところをみると、党首選直後の解散ありきだと政治に疎い者でも理解した。

一方、地上の出来事は眼に見えるが、地下、深海の動きはわかりにくい。

無茶ぶりだがAIに次の地震はいつ、どこ?と質問すると。南海トラフ、首都直下、千島海溝・日本海溝周辺海溝型地震。いつは予測不能。だから家具固定・防災グッズが大事と常識的な返答。

しかしながら、地震ドジョウ説を半分は信じていた江戸時代の人は自然観察力に鋭い神経を持っていたのでは?と想像している。偶然かも知れないが、能登半島地震が発災する前年の越前カニが不漁の一方で能登半島沖のカニが前代未聞の豊漁だった。越前カニ同様美味しさは変わらなかったが、毎年送ってくれる人から何かオカシイ?とのメッセージ。そして正月の能登半島地震。偶然かも知れないので断定はしていないが何故かモヤモヤしていた。

そのような時に9月2日筑波大学のプレスリリースは驚きを持って読んだ。タイトルは

「有馬温泉直下の地下深部洪水が阪神淡路大震災を引き起こした可能性を発見」

 リリース要約は

 過去半世紀以上にわたる有馬温泉水の水素・酸素安定同位体比および塩素イオンのデータから、その直下で沈み込むフィリピン海プレート由来の水が 1994 年頃に地下深部で洪水のようにあふれ出し、それが1995 年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の引き金となった可能性が高いことを見いだしました。

 温泉水は海プレート由来の水と雨など天水の混合物であるが、通常であれば雨水などにより海プレート由来水の割合が減少するところ、7つの温泉では急激に海プレート由来水が増加している。そのタイミングが地震の引き金ではないかと述べている。

筑波大では

松代群発地震(1965〜67 年)でも松代温泉においてフィリピン海プレート由来の水を多く含んでいることを明らかにしており。温泉水のモニタリングによって、地震の発生を事前に予測できると期待されます。と締め括られている。大部分を割愛しているのでご興味ある方は本文を参照して下さい。地道な筑波大活動にスタンベーション拍手。

 

おそらく温泉関係者は水質検査記録や硫黄や塩素濃度変化は鼻で? ラドンの濃度変化は湯上がりで?感じていたのかも知れない。日本全国温泉が多く存在することを生かして地震予知参考記録として言語化して残してほしい。測定→表・図の自動作成→異常値アラームなどはAI処理が利用できるはずだ。 宇宙からの日本国土の移動情報と合わせると予知精度は向上することが期待できる。

焼き海苔、やま芋で認知症改善?

近くのスーパーに日頃より少ないが米袋が積まれている。米騒動は終焉したのだろう。一方で駅構内の映像パネルには食中毒に注意喚起が目立つ。先週のブログを見ていたかのようなタイミング。うなぎ弁当中毒の地域であれば、尚更なのであろう。それを見ながら会食場所に集合した。

加熱処理条件を満足しそうなメニューを選びつつ、脳・肝臓にとってご迷惑であろう液体で乾杯。フロアーのあちこちからご満悦な声が充満。なんだかんだ言っても幸せな日本。

メンバーの関心はこれから高齢に向かうとあって食事と健康の話題で盛り上がった。

健康診断を機会に塩分管理をきっちりしている人。トータル6g以内に収める工夫を熱く語ってくれた。別の人はりんご酢の効用を語る。きっちり守るご褒美に好物のあんぱんを食べるとか疑問符付きの愛嬌のある人。それぞれだ。

その話の流れの行き着くところは「日本古来の食事と近年の食糧事情による食事の変化」が話題になった。15,000年に及ぶ縄文時代、後半から弥生時代に稲作となり日本人の食事がある意味固定した。米、野草、魚、貝 の組み合わせ。それに対応する胃袋、腸に存在する菌種も決まった。 海外原産地の住民にとって良いものが日本人に合うとは限らない。具体的に記載すると差し障りがあるのでカット。

ではこれから食欲の秋になったら何が好ましいのか? の話題になったので、このような文献があると紹介した。

1つは「ジオスゲニン高濃度ヤマイモエキスは 軽度認知障害および軽度アルツハイマー病の認知機能を改善させる」 富山大学が8月26日にプレスリリースしたもの

山芋エキスを24週間65歳以上(平均73歳)の人を2グループに分け、偽エキスを与えた方と比較したところ、山芋エキスグループは認知症改善した人が多かったとのこと。詳しくは元文献を参照していただきたい。

2つ目は「海苔のもつ抗酸化作用 ~季節変動と加工工程による増強を発見」名城大学が7月26日にプレスリリース。要旨を引用すると

  • 11 月/12 月に収穫される秋芽網の初摘み海苔が高い抗酸化作用を示した。
  • 生海苔を加熱して乾燥、焼処理を施すことによって抗酸化作用が増強された。
  • 増強された抗酸化作用はフェノール類化合物の増加によるものだと推定された。
  • 海苔の加熱処理により付加価値がプラスされた食材開発や調理方法提案への貢献に期待。

焼き海苔でフェノール類化合物がどのような機作で増加するのか、是非分析をお願いしたい。フェノール類は熱や光により発生した過酸化物と反応して酸化劣化を抑制し、自らは役目を終えるのが普通だが、加熱して増加するのは面白い。採取時期とフェノール類化合物データ、焼き工程で増加の実験データを引用する

 

 

 

 

 

 

 

偶然に山芋と焼き海苔の情報を思い出したが、心の中では「とろろマグロ丼」「とろろ蕎麦」が浮かんでいたはず。そこには海苔もMVPの一角を占めている。とろろマグロ丼が麦飯であれば完璧栄養メニュー。とろろ、オクラ、海苔の組み合わせも付け出しに良いと結局は某液体の量が増えるメンバー。明るく笑うのも健康の素で勘弁してくれるであろう。

米不足?

いつも行くコーヒー豆焙煎所ではサラーリマン向けにカレーライスも販売している。骨付き鶏肉が2本制限はあるものの、ご飯と焙煎直淹れのコーヒーを含めて500円。ご飯大盛りで600円。懐が寂しいこともあるが、美味しいので常連だ。

お店の人に“最近の米不足なのに大盛りを止めないのですね”と聞いたところ、えっ?そうなの? 答えたのはバイトで来ている普通の主婦。 スーパーの米が消えたとTVで放映されているけど知らない?と再度聞くと“あ〜ぁ そうね〜” 。なんとも間の抜けた会話。

最近人気のおにぎりも店頭にずら〜と並んでいる。駅弁の販売制限など聞いたことがない。本当の米不足であれば、外食産業などにも影響があるはずだが、マスコミによっては猛暑・水不足、農水省管理ミス、インバウンド、南海トラフ地震・・・に理由をつけてスーパーを撮影し『この通り』。いつかのデジャブ。

上記のように長期契約している場合は収穫量が平年並みであればほとんど影響がない。実際2023年の収穫量は平均値100として101。

先日、羽田方面に用事があって出かけたら精米所を見つけた。店頭には5kgの庶民サイズから重袋の米が積まれていた。佐賀ブランドの新米もあった。

1973年の石油ショックによるトイレットペーパー狂乱のキッカケは新聞報道。そして2024年の米騒動。米騒動のワードは某プロ球団の出来事だけにしてほしい。

とにかく、人間心理につけ込み視聴率稼ぎをする従来のマスコミに対して、SNSの方が冷静に分析している。 マスコミの煽りのように見える。その一端はスーパーならではの購買にあるのかもしれないが、ここでは言及しない。

しかし、庶民が災害に備えて所有したいのはわかるが、生米は長期保存できない(真空保存を除いて)、かつ災害時に停電となれば電気炊飯器は利用できない。多くの人は薪でご飯を炊いた経験はない。

今や調理器具には電気・ガスが必須。電子レンジ、IHIクッキング、ガスオーブン、低温調理器。避難先で口にできるのは加水により食することができるアルファ米。(炊飯後急速乾燥パックしたもの)

非常食としてご飯だけでなく、カレーやパスタまで販売されている。元々は自衛隊など緊急事態、長期行軍活動などで利用されているが、本当に備蓄するならアルファ米だと思うが生米を購入してアルファ米にまで家庭ではできそうにない。

それでも生米から炊き立てが食べたい!と言うなら持ち出す調理器具は圧力鍋。炊く米の量にもよるが5〜10分であとは蒸らしで可能。時間もあるが、災害時には殺菌が必要であり高熱処理が好ましい。圧力鍋では110〜120℃まで昇温することから多くの細菌、ウイルスは死滅する。ただ、常温に戻ると環境から侵入の細菌が増殖するから食べ切るのがポイントかと。

最後に余談

筆者は低温調理器を買うかどうか迷っている。タンパク質効率良い調理、お芋などの糖への変換温度ゾーン領域設定が可能など利点はある。但し、殺菌温度とトレードオフである。調理専門書で美味しい調理温度が示されている。58℃〜63℃前後。

だが厚労省の食中毒防止の食肉加熱条件は高い。温度―時間の関係から低温調理器の時間を長くとる必要がある。例えば豚肉(E型肝炎ウイルス)であれば60℃ 71分 58℃では127分。

但し、この温度ゾーンは米国では禁止。英国では71℃・20分以上が条件。鶏や豚の飼育環境により違うのだろうが、夏バテの体をウイルスから守るには高め温度が安心。

今後のオリンピック

パリ開催オリンピックがパラリンピックを残して終わった。直接見たのではないが映像やSNSで見る限りパリは非常に正直なお都市だと思った。「ファッション・フランス料理・シャンソン」の洗練されたおフランス的イメージは30年前にはあった。だが今の現実は庶民レベルではなかったこと、30年間に世界をリードする文化的革新もあったのかも知れないが、勉強不足の身においては知らない。それが尖った演出やキリスト風刺をせざるを得なかった理由だろう。小生の想像外の出来事のシーンで画像をoffした。

気の毒なのは東京大会から3年しか経過していなかったので、前大会の記憶が鮮明なうちの大会となったので、とかく比較された。パリ当局も前の大会を視察していたであろうが、目標スペック変更まではできなかったのであろう。いい意味で世界の人々がパリの基準値を知ったのが良かった。When in Paris, do as the French do.

日本のスペックはそれ自身が高い。100でも実際は120〜150にしないと気が済まない。パリはどうやら自称スペックが100で、それができた運営であれば100点満点。それがパリ流。日本はやりすぎとでも。具合が悪い時はルールやセットポジション(スポーツクライミング)を変更することで生き残りをすれば良い。フランス大会の理念である男女同権、LGTBに基づき、男女同数の審判を揃えた。しかし実際は力量に疑問を呈し誤審が多く発生。次回はAI判定が導入される理由に十分なりうるだろう。

などなど運営については議論が多いが、選手の活躍は感動させたのはもちろん、日頃の努力に頭が下がる。

オリンピックが商業主義に移行した前回ロス大会が次回の開催地でもある。商業主義がさらに拡大するのか注目される。 ただ、今後開催立候補する国・都市があるのだろうか?そこが問題ではなかろうか。 ① GDPが少なくとも1兆億ドル以上で②人口減少が少ない国が長期的に見て開催可能な国と言える。そうなると開催できるのはアメリカ、中国、日本、ドイツ、インド、イギリス、フランス、オーストラリア、イタリア、ブラジル、メキシコ、ロシアあたり。

だが、今回の選手から見た希望する魅力ある国となると、③文化、食事、安全性などの魅力が欲しい。となると経済力を含めた国家ブランドインデックスが参考になる。

1位日本 2位ドイツ、3位カナダ、4位イギリス、5位イタリア 6位アメリカ 因みにフランスは8位で2022年の5位から後退している。要するに開催可能単独の国・都市はサミット国。

https://www.ipsos.com/ja-jp/nation-brands-index-2023

 

 

 

 

 

 

 

因みにGDPと出産率のマップを作成した。日本は出産率1.39と厳しいが、多分AIロボット、量子コンピュータ運営で(自分でも意味不明であるが)乗り切るだろう。

 

なので、単独開催では限界が来る。いくつかの国・都市での共同開催か種目別大会。

例えば、サッカー、ラグビーのようなワールド大会への分散型になるのか。こちらの方が選手オリエンテッドなのかも知れない。

また、その国に固有のスポーツを広く認識するにも有益だろう。例えば狩猟農耕時代を源流とするスポーツが現代人の健康に役立つのなら興味がある。集団競技において各選手のトータル体重を一定にしての綱引き競技などは生活感があって面白い。なるほど自分でも少し取り入れてみるか〜的な参考になる種目があれば庶民レベルにとって利用しがいがある。またナショナリズムを助長するメダル数争いにはならないだろう。また妙な理屈で大事なスポンサーを追い出すような偏狭エコシストではやがて誰からも見捨てられかねない。

今回はパリでの開催。フランス全体とは違うことも注意が必要だ。ずいぶん前だがパリではそっけない態度を受けたが、リヨンはフレンドリーな人々がいたことを思い出した。リヨンに明治時代から日本領事館が置かれて交流があったのが理由だと聞いたことがある。そう交流は1日にしてならず。パリ復活を期待しつつ、今後の共同開催を含めたスポーツの祭典は見たい。