ファミレスでは「白米にしますか?雑穀米にしますか?」と聞かれる。iPadでメニュー注文時にご飯の種類をインプットする。お客は健康のためだとして雑穀米を選択することは普通になった。だが、白米の中でも有機米にしますかとは聞かない。ファミレスサイドから見ると有機米の供給量が少なく、価格は高いとなると聞かないのは当然か。環境及びユーザーの健康のため有機米栽培をされている農家は除草・防虫対策など苦労があるにも関わらず生産量(=消費量)が伸びていない。 お客サイドから見れば環境は利他的であり協力したい気分が多少あったとしても、最後の結果は価格とブランドで選択しているのが実態。
自動車に置き換えた時、リサイクル原料を適用した製品であったとしても、ユーザーは従来品と同等品質にして同等価格であるかどうかを見ている。リサイクル利用はLCAからは歓迎すべきところあるが、ユーザーから見れば利他的。品質を落としていいとは言っていない。そこがリサイクル事業の困難なところ。バージン材料での製品化の時に大企業は先端技術を駆使して開発製造しているのに対し、物性を落としかねない材料との混合物で、開発技術体制がやや劣る企業がバージン並みに物性を維持するには先端+更なる先端技術が必要で実質単独企業では困難。大企業が支援する仕組みが好ましい。
話を戻して有機米について三重大学がモニター調査をした。 消費者は米の情報も”味わっている”?!食味評価と購買意欲を向上させる栽培情報の不思議な効果 (2024.12.13 )
超要約は
1)有機栽培に関する情報提供により、同じ米でも食味評価が約 13%ポイント向上
2)生産者情報の開示により、再食意志が約 12%ポイント増加
3)食にこだわりが強い消費者ほど、有機米への評価が厳しいという意外な発見
4)環境意識の高さは必ずしも有機米の評価に結びつかないことも判明
詳しくは次の図を参照してください
三重大によると積極的に有機米であること、米袋に生産者の顔がわかるようにしたら需要は伸びると結論しているが、3)4)の調査結果はそれだけでは不十分。
しかしながら、2025年のインフレ率は14%が見込まれ、その一方で所得が多少上がっても所得税率枠から結局手取りは頭打ちが現実的になるほど、大学の結論通りにはなかなかならないのだろうと予想される。
主婦の財布引き締め策もあるだろうが、白米を美味しく炊き上げるコツをお持ちなので、味や米の艶のコントロールができるからもあってなおさらではなかろうか。
日本が変わる時は外圧か、病原菌など流行がきっかけとなる。有機米については害虫防止薬事噴霧による残留農薬による漁業量の減衰、最終的に個人の疾病に関係がありそうだと判明することがあれば、意識は変わる。その意味で時間はかかるだろう。