コミュニケーション(Ⅱ)VUCA

土曜日の早朝に知人を訪ねた。開いているお店がない。駅前に小綺麗なパン屋さんがあり、できたてのリンゴパイのパンがあったので買い求めた。訪問先では知人とお隣の奥様と道路を掃除しながら立ち話。不織布を縫いたいがミシンが無くってと知人。それを聴いたお隣さん「私、名古屋。ミシンはお嫁道具必須アイテム。任せて!」それを聴いて当方は「名古屋の嫁入りはトヨタのクルマにトラックを連ねて。ミシンはブラザーと決まっていますね~。」と相槌。「そう。名古屋は食器はノリタケ、ミシンはブラザー、クルマはトヨタ。これが標準パターン」。知人「味噌煮込みうどん。えーっと」当方「山本屋」・・・・・で。話題は膨らむ。パンだけに話題も発酵した。「これ、そこで買ってきたパンだけどどうですか?」と渡した。もう仲間になってしまったのだ。

なんともノンビリした風景を最初に記載したには理由がある。

日経ビジネス4月3日付け「日本人は自ら問いを立て、議論する力が必要だ」早大・川本教授執筆記事があり気になっていた。

【要約すると】

*大学で教えていると、日本の教育は自分の考えをまとめたり、伝える力が重視されていなかったことに驚く。企業にも同じ。

*日本の企業は真剣な議論もなく上司の言ったことが通る。VUCAの時代には到底やっていけない。

*卒業性には自分の専門能力の外に専門外のことも語れる意見を持ちなさい。個々人の考える力、伝える力を伸ばすことで日本はもっと良くなる。の言葉を贈っている。

確かに外資系企業の社外取締役をされている川本氏の体験に照らし合わせても、VUCA時代を乗り切るには今の体質では心配するのは非常に理解する。

だが、より大きく基本的な問題がある。それは、異質の人にでも、初顔合わせの人でも会話ができること。つまりは人間力が前提。それが筆者は重要だと考える。NHK番組「家族に乾杯」で鶴瓶さんが見ず知らずの人と一瞬で本音を引き出すあの話芸というか人あたりの良さが理想だ。会社でどれだけ偉い地位であっても退職したら世間と会話ができず孤立する人が多いと聞く。昔の肩書きを言っても距離を置かれるだけの滑稽さは身近なところに転がっている。会社の中では上意下達がコミュニケーションと勘違いをしていた証拠でもある。「幅広く意見を聞かないと ああいう悲哀となる」と学校で紹介すれば、効果的だと思うが如何であろうか。

冒頭の話はミシンが切っ掛けであるものの、お互い引き出しがまだまだあって、次にも会いたいと思わせる。そんな切り口を表している。

でも、それはノンビリした風景なのだ。昔の商店街風景に「これツケといて」といってツケで買い、月末に精算する方式が多かった。馴染みの客は大概そうだった。で、子供が手伝っても同じなので、「どちら様ですか?」なんて聞こうものなら、ご機嫌をそこなってしまう。なので、日頃から馴染み客やそれに準じた頻度のお客さんの顔、しゃべり、名前はシッカリ記憶する必要がある。忘れることは即収益に直結する。少しだけの会話を通じて記憶の紐付けするスキルが求められる。同じツケでも身元保証が何重にもできている祇園お茶屋とはレベルが違うが。

ここまでお読みになった人はVUCAって何だ?とネット検索をされたでしょう。色々な解説がある。GLOBIS CAREER NOTEによれば予測不能な状態を示しVolatility 変動性、Uncertainty 不確実性 Complexity 複雑性、Ambiguity曖昧性)の頭文字。10年前から使われていたとある。知らなかった。英語の略語はゴロゴロあって頭に入らないとは言い訳で不勉強のセイ。 あまのじゃくの筆者として、このVUCAって今に始まったことか? そんなことはない。歴史が短い国においては初めてかも知れないが、2700年の歴史を有する日本の歴史をみれば、何度も経験してきている。ノンビリどころか命のやり取りなのだ。

誰でも知っている織田信長は天下布武として応仁の乱に終止符をうち、平和で経済豊かな時代を切り開くことを目的とし改革に着手。時代に追随できない人に望みは絶たれたが、継承者である秀吉により完成した。長浜の楽市楽座など貨幣経済が活発化したのもこの時代。内紛というか、人望がない後見人がリーダーの西軍は関ヶ原で敗れ徳川時代に。その徳川は長期政権を築くためにNo.2クラス大名の財政を削る政策により、今のGAFAmのような体制を執った。

VUCAを活かすには、GLOBIS は①仮説思考 ②自己変革力 ③ネットワーク構築力④テクノロジーの理解と情報収集力 ⑤学び続けるチカラ とある。

ここまでお読み頂いた方はもうお分かりかと思いますが、自分以外の特性お持ちの人と会話ができる総合人間力が極めて重要であり、それができれば自然と①~⑤は満足することができるのだ。大阪のおばちゃんに学ぶところはある。理屈の前に「人間を好きになること」

コミュニケーション

ゴミ出しぐらいで家事を手伝っていると思っていた、そこのアナタ。在宅勤務になって、家事って如何に大変なことか痛感している御仁が多いのではなかろうか。今までの贖罪もあろうか、精をお出しになって頑張って下さい。若い時はイケメン度が高いと、多少割引きされるところがあっても、年齢と共に消失し、役に立つか、立たないのか?で評価がキッチリ定まる。丸く部屋を掃除した後から掃除し直されることがあっても落ち込まないこと。洗ったつもりの食器も乾燥後にムラが発見されてしまうことがあっても落ち込まない。アイロン掛けで複数の折り目ができても笑ってごまかす。それより奥様のブラウスをアイロンを掛けながら、小さい身体なのに活動できることに感謝すべきだなぁ~と想いを馳せることもあろう。言ってみれば男は単純作業しか与えられていない。女性はクリエイティブ担当だ。代表は料理や裁縫。何を作るか、冷蔵庫の中をみて考える。足らないことがあったら最小限買い物に行く。男は余計なモノも買う傾向があるので任せられない。

家事で頭を使うのは女性。旦那の稼ぎが少ないかand/or社会との接点を維持したい女性は自宅でできる仕事を持っている。在宅勤務の旦那とは別の部屋で仕事をしているはずだ。男は集中しても2時間で休憩。フラフラとリビングに出ては休憩する。だが、女性は部屋からでてこない。それを見て、そそくさと仕事部屋に戻ってパソコンと再対峙する。パソコンの画面は「休憩をとって下さい」と勧められてもだ。

結局、旦那は会社オフィスでワークするより、家事は勿論、仕事も家族の視線手前、オーバーワークにならざるを得ない。稼ぎが少ない理由が露呈し能力査定されるからだ。そんなところが標準的なところの風景ではなかろうか。男がそれらしく見せるには確定申告。サラリーマンであれば収入が高いか、副収入があること。それがないなら、男の価値は奥様になりかわり国税が評価する。笑えない。家庭内平和であるにはコミュニケーションが大事と再確認した人は多いのではなかろうか。

でも正直なところストレスは蓄積されていくだろう、そうするとテレワークは長続きしないかもしれない。それでは会社としても損。まだテレワークが定着したと断言できないと思う。

話は転じて

After コロナなのかwith コロナなのか依然不透明だが、株価は巨額の政府の財政出動もあり略元水準に戻っている。だが、実態経済はどん底状態にある。米中冷戦の行方もあり混沌するだろうとの不安感もある。個人収入面でも経験をしたことのないレベルになっている人が多い。会社の離合集散の動きは従来より激しくなるであろう。技術イノベーションを活かした発展的な企業合弁の出現を期待する。

筆者は○年前に社風が異なる3社からなる新会社設立に向けて出向したことがある。 設立の背景には3社の重複する事業を単純合算しても欧米の超巨大会社には到底追いつけない。それどこか、グローバル経済のなか、喰うか喰われるかの背水の陣であった。各社からは凄腕、豪腕の猛者、精査・緻密が得意な人など(筆者を除いては)優秀な人材が集合した異能集団となった。

問題はコミュニケーション。 例えば週報。 あるグループの週報は事細かに記載してある。どうして、そんなに細かく書くのか?と質問すると「日曜日に自宅で読み返して戦略を考えるには必要だから」との返事。なるほど納得。凄いな。別グループの週報は文字ポイントも大きく、頁当たりの文字数も制限している。同じ空気を吸っていれば、黙っていても理解できる環境だったのであろう。暗黙知。経営者には短く報告の徹底。なるほど納得。 当方には月報はあったが、週報はなかったので、さてどうしたモノかと思案。当時の社長は文系出身でありながら週報に目を通すとのこと。 そこで考案した週報が「スポーツ紙スタイル」形式は新聞そっくり。DTP機能を駆使して数段に記事・写真・図表・イラストを添付。なによりもタイトルをインパクト強く表示。文字デザインも工夫した。

週報作成は実は予定通り進展していないと辛い仕事。でもスポーツ紙のような紙面作りは、仕事の進捗に関わらず愉しかった。プロ野球で3割バッターはプロ中のプロ。化学はセンミツ(3/1000)と言われるくらい低い。打率0.03割。年間ヒット1件以上あれば大いに威張ってよい。 打率が低いのは人にあらず、その組織にしたシステムのなせる技であると胸を張って明るく対処してほしい。芸能コーナーのような真偽怪しい記事は御法度であるが、週報には不似合いとされていた飲み会などは載せた。

この効用は2つあった。まず、文系社長のお気に入り週報になったこと。理解度がハンパではなかった。二つ目はグループ内メンバー相互コミュニケーションが進み、あるテーマについて多少勇み足で記事を書いた手前頑張ってなんとか実現しようとの雰囲気になったこと。

現在のプレゼンテーションの主流はパワーポイント。アニメーション、動画の挿入など工夫しているが、色塗り見直しなどで時間をかけているようだ。それが目的化しているところもある。 でも紙資料としてはA4サイズ1~2枚で見やすく印象に残る方が好ましい。ふざけているとのお叱りの責任は負いませんが「スポーツ紙ライク紙面」を試みては如何でしょうか。 会社はその後急成長し世界で存在感を出している。あの当時のコミュニケーションもお役に立っていると信じたい。

ここでブログを終わりにしようかと思っていたところ、スポーツ新聞記者の内面を紹介する記事があった。 サッカー中村俊輔の番記者として活動し自分では中村選手に肉薄したつもりでいたが、俊輔さんからはトップ記者とは大差だと言われた。 トップ記者はしつこいと思われる程アタックしていたが、この記者は遠慮して本音に迫っていなかった。と言うのだ。その後ゴルフ担当となり松山選手の番記者になってもスタイルは同じだった。その時中村選手から電話で「空回りし続けな全力で」とのメッセージを受けて目覚めたとある。中村俊輔さんのキャリアでは華々しい時もあればベンチスタートが続くときもあったが、「空回りし続けな。じゃないといざという時に、全力で回れないから」。今の不透明な時代を生き抜くには貴重な応援メッセージであると思う。あのド派手な紙面つくりの裏面では記者の生き様も反映していることをも知った。 (引用2020/05/28 日経 塩畑大輔)

全部EVになる?

テスラモーターの総資産がトヨタを越えた。ホンダがEV車を10月から本格発売などEVを巡る情報が活発化している。欧州ではEV車割合いに応じて会社への課税が変わることもあり、ホンダは採算度外視して発売と発表している。多少、今後のクルマへ搭載予定の機能開発予算を全部当該機種に込み込みさせたことによる採算問題であるので、発表については多少割り引いて聴く必要がありそうだ。でも軽並ボディサイズで450万円。庶民には高い印象だ。サイドミラーがカメラ、インパネには5つの画面がずらっと並び音楽~ナビなど個々にハンドリングできるとあって、ただの小型車ではなさそうだ。1回の充電で280kmでは遠出は厳しいが街中では十分以上に利用できるのは確かとのメーカーの談。しかしEV経験者によると①旅館に電源スタンドの有無を電話する手間 ②上り坂ではドキドキしながらの運転とコリゴリとの声も聞こえてくる。これらの風景は今後変化すると思われるが購入では考慮のひとつの要因である。

一方で、エンジン車やハイブリッドに代わって全部EV車になったら、この電源は再生エネルギーでは圧倒的に足らないことは、このブログで何度も記載した。夜間にEV車に充電するのが普通なので太陽光発電を蓄電しておくシステムが必要だ。

リチウム蓄電池やフライングホイールでのエネルギー保存はコストや規模の面で全て解決とは行かないようだ。NEDOと早稲田大学など共同体は静岡に圧縮空気の形で風力発電の余剰電力を蓄える実証試験を実施している。(写真)圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Compressed Air Energy Storage)システム。

太陽光発電の蓄電方式については別のプロセスが検討が進んでいるとの情報もある。こちらも目が離せない。再生効率80%との報告がある。

 

 

 

 

 

 

そんな時に、そおっと静かに発表されたニュースがある。それは日本の森林は従来公表してきた森林量より約2倍多いとの調査報告書である。えっと驚いた。森林炭素量が多いということは炭酸ガス吸収量も多いことを意味する。

自国で発生した炭酸ガスは森林で吸収される。今まで日本は炭酸ガス排出量に見合うために、カーボンクレジットを余剰国から購入してきた。森林吸収量との差し引き計算が違っていたとなると実に勿体ないことをしていたのか。

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雑誌名:「Scientific Reports」(2020年5月出版)

論文タイトル: Carbon stock in Japanese forests has been greatly underestimated

著者: Tomohiro Egusa*, Tomo’omi Kumagai, and Norihiko Shiraishi *Corresponding author

ポイント

  • 森林の炭素貯留量と炭素吸収速度を正確に知ることは、地球温暖化の抑制にも関係して、森林生産計画の策定に重大な意味を持ちます。
  • 近年整備が進んできた日本全国に渡る15000点に近い毎木調査(注1)点の結果を、これまで日本の森林蓄積量を評価してきた収穫表(注2)による結果と比較しました。
  • 新しく算出された森林炭素蓄積量・炭素吸収速度は、炭素換算で16憶トン・4850万トン毎年となり、これまで発表され正しいと信じられていた値の、それぞれ1.72倍・2.44倍となりました。これら新しい値は、我が国のこれからの森林管理政策に多大の影響を及ぼすでしょう。

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こうなると、EVでなければならないと主張する国の森林はどのような状況なのか、調査報告書が6月に公開されたので、一部を引用する。

 

 

この図で十分な森林を有している先進国は日本だけ。世界中のどこでも走る車なら炭酸ガス吸収能がない地域としてEVが重要かもしれないが、こと日本では本当にそうなの?と疑問の声が聞こえそうだ。森林関係についてど素人だけに素朴な疑問である。

 

水の硬度・四方山話

最近、あるナノ材料を取り扱っている時におやっ?と感じたことを少し紹介します。水溶液で半年静置してもナノ材料は沈降しないで均一に液中に分散している。サンプルを作製した場所は京都。 これを横浜の装置にかけるとき、RO水が無かったので水道水で希釈してみたところ、モヤモヤが観られた。分散しているナノが部分凝集し始めたのである。このことがあって、残っているサンプルを京都でもトライしたが、そのような現象はなかった。

あれ?まさか水道水の水質が違うのか? 今話題の次亜塩素酸ナトリウムの濃度でも違うのか? いやいや水の硬度の差ではないのか?、等電点PHはどこなんだ? カルシウム、マグネシウムによる塩析では?と小中学の夏休み宿題的話題となった。この実験には続きがあるとして、話題はこの水の硬度について少し触れてみたい。

まず、京都と横浜の水の硬度はどう違うのか? 地域別の平均値の表および更に細かいマップがあるので紹介します。

 

 

 

 

 

それによると、京都・大阪(琵琶湖・淀川水系)に比較して関東地域は高い。特に千葉県がダントツ高いことが示されている。クリタが発表している図表ではシリカ濃度もマップで読むことができる。

水系が違うと全く硬度や成分がことなるので一概に県別で仕切るのはよろしくはないが、過去に大規模な火山があった地域及び噴煙が流れ到達し堆積したと思われる地域の硬度は高い。関東はやはり富士山の大爆発が影響しているのであろう。

友人がその図を見ながら、これって薄味昆布出汁の京都と醤油文化の関東もこの水の硬度に依存していないか?と面白い意見を開陳してくれた。そうかも知れない。昆布から出汁をとるにはカルシウムやマグネシウム濃度が高いと具合が悪いかも知れない。北回り船(北前船)で北海道から日本海経由で福井の敦賀に昆布が荷揚げされ、そこで熟成されてアミノ酸濃度が高くなったところで京都へ搬入する。そのルートそのものが京料理だと理解しいたが、裏方で水も関係するのでは?との友人の発言は面白い着眼点だと思う。大局的に観れば、古来、食文化は、その土地度地の風土気候に育まれ、その時々の地の利を最大限に活かして、醸成されて来たとも言えよう。

そう言われてみると、日本酒の酒造の地域の水の硬度は低い。米作地域でもある。これに温度・湿度条件はあるだろうが、冒頭のモヤモヤ凝集させないような水硬度も関係するのでは?。逆に硬度の高いところは焼酎など蒸留酒がメインと読める。

京都を中心とする宮廷と東海から関東圏を中心とする武家の食文化を対比すると、「鮮やかな色合い」と「茶色や黒い色」という具合に見た目に大きな差が生じる。これは、宮廷と武家の作法や価値観のみならず、「昆布や小魚の出汁」と「味噌/醤油」との違いに由来する。宮廷料理では色合いを活かすために、醤油もまた、薄口と濃口を使い分けて来たのかも知れない

皆さんはどのように解釈されるであろうか? ただ電車一駅違えば水質も違うとも言われていますので、超アバウトな括りであると解釈して頂きたく。

あまり水の硬度にばかり拘って記載すると尿路結石に関係するのか?と余計なご心配をお掛けしてしまう。因果関係はあくまでも食生活・生活習慣がメインなので水の硬度については気にする必要はなさそうだ。

テレワークでパソコン作業が長くなると、人の目を気にしないでよい環境もあって、つい駄菓子に手を伸ばしてしまう。パソコンのキイトップはPBT性である(ポリブチレンテレフタレート樹脂)耐熱性があり、耐薬品、耐オイル性に優れる。なぜこのPBTを選定したかと言えば、欧米人のデスク風景・スナック菓子を横において油脂のついた指でキイを叩くのをみてBASF社はこの材料に決めたとの話がある。キイトップには白抜きでアルファベットや文字があるが、レーザーマーキングにもこの樹脂が適している。

テレワークの間に小休止をとらないと、体調がおかしくなるか、体形が変化してくる。恥ずかしい話だが、先日、ワイシャツを買い求めにショップに行った時の話。首回りの寸法で候補シャツを出した店員さん。着てみます?と。腹回りがそれではぶち切れそうと心配をしていることは直ぐ分かった。若い人対象のS・M・L・LLの体型から当の昔に外れていることは認識している。この自粛で変形した体型に適合するシャツを選ぶ基準は腹回り。コロナと灼熱熱中症対策条件では運動もできず、TVで時々放映している室内でもダイエットできるエクササイズを取り入れたものの長続きせず。コロナはいろんな社会面の見えないところを炙りだしたが、自分自身の精神的弱さをも露呈させた。これは反省し活かさないと人間終わりになってしまう。灼熱地獄もあと少しだ。頑張ろう。スナック菓子を遠ざけながら。

記憶を呼ぶドラマー

「嵐を呼ぶ男」若い人には???。石原裕次郎の「俺はドラマー、俺らが怒れば嵐を呼ぶぜ、喧嘩がわりにドラムを叩きゃ、恋のうさも吹き飛ぶぜ」。。。エッ!今の嵐とは違うの?って言う人はいないだろうが、そのドラム。認知症にはドラム叩きが有効との研究報告があった。東北大と理化研の共同研究である。7月発表。 先週はジョギング、せめて階段を下りると着時に1Gの加速度がついて、脳の液体が流動しセロトニン神経を刺激するとの研究報告を紹介した。その後、95歳の方から徒歩数も減って、階段を下りるには危険なので、、、、と連絡があり、その時に目にしたのが今回紹介する論文である。

要約すると、ドラムとは太鼓、小太鼓、コンガなんでもよく、ドラマーのようにシンバルなど5~10個も並べ足も動かす必要はない。 スティックを持つ腕が肩を回して打ち下ろす時の筋肉を刺激すること、太鼓を打ち付けるのではなく、スティックが反発して戻ってくるのを利用して約30分継続。他人のリズムに合わせたりと愉しむこと。これを週3回の3ヶ月すると、しなかった人に比較して各種認知テストにおいて改善効果が認められた。というもの。 論文は下記に引用する。 ここで、裕次郎当時のドラマーは知らないが、サザン、矢沢、JAYWALK,浜田などのバンドのドラマーはその後どうしているのかなぁ~と思うことがある。村上ポンタ秀一、東原力也の大御所は口は悪いが本質を突いたドラムを紹介している。村上は言う、初心者は直ぐにスティックを持ちたがるが間違いである。鏡の前で肩を後ろから前に持ってくる練習を何度も何度も繰り返すこと。ドラムを叩くようなスティックの持ち方ではなく、ドラムから反射で半分は返して貰うような持ち方にするなど、、これを聞いていただけに、今回の東北大・理化研の研究結果とどこかで通じているのではないかとも思った。手ではなく肩からの腕、足先では無く腰を固定して脚で動かす椅子の位置など、長くドラムと会話してきた大御所ゆえの注意と上手になるためのヒントを示唆している。 手首を激しく使うゲーセンでの「太鼓の名人」ではなさそうだ。まして豆を煎るようなバラードのブラシでもない。

夏といえば太鼓・鉦の祇園祭りを筆頭に全国で祭りが開催されているが、今年は正に「音無し=大人しく自粛」これでは認知は一層進むではないか。

長い前段でした。論文を紹介します。 2020年7月9日東北大、理化研プレスリリースから引用。

参加者はドラムの叩き方を学ぶのではなく、自由にリズムを演奏し、自分の演奏を作ったり、他の人の演奏を聴いたりする体験を楽しむために参加。

 

 

 

 

 

 

MMSE:逆唱・再生・理解 FAB:Go/NoGo識別

 

 

 

 

 

「このプログラムで改善した認知機能や上肢機能は介護者の負担軽減にもつながることから、ドラム・コミュニケーション・プログラムは、要介護度の高い高齢者施設や認知症の方が参加できる認知機能と身体機能維持・改善のためのツールとして、また継続的な上肢運動を提供するリハビリテーションプログラムとしての利用が期待されます。」とプレスリリースでは総括しています。

介護が老々介護になれば共倒れになる危険もあり、若い介護者も忍耐的疲労は非常なものがある。今回の発表は表面を公開しているが、論文では更に詳しく報告されているので皆様の一読をお勧めします。このブログでもご紹介したことがありますが、漢方の健康サプリである冬虫夏草とのシナジー効果を知りたいと思うのは小生だけではないと思うが、如何でしょうか?

セロトニン

2月からの第一波コロナ自粛が5月に解除したかと思いきや第2波。山岳地帯の連続するトンネルのようで、いつ抜け出せるのか、カレンダーは8月7日立秋というのに。コロナに加え熱中症にも気をつけないといけない。 企業ではテレワーク継続、オフィス訪問禁止が続いている。当然、部屋に籠もりきり状態では身体にも影響が出始める。 恥ずかしい話であるが、先日、クルマで久々に近くに出かけた。帰路、右足首に違和感。一旦停車して屈伸運動で回復。初めての経験。アクセル調整はつま先メインの駆動であるが、その連携した上の筋肉がたるんでいるためと推定。あぁこんなところに運動不足が現れるのだと痛感した。

その瞬間思ったのは、脳の本体が指令して動く臓器、出先の神経・筋肉で動くパーツからなる人間にとって、運動不足は生命維持にとって決定的だ。

脳科学者の中野信子さんがTV,ラジオを通じてノルアドレナリン、ドーパミンが興奮・やる気・暴走の脳内物質で、セロトニンはストレスなどの抑制物質であると常に話されているので誰でも知っているワードになった。分子構造はあっけないほど簡単なアミノ酸。

ただせさえ不足勝ちであるセロトニンを増やすにはとweb 検索すると「1.早寝早起き、2.太陽光、3.リズム運動、4.よく噛む、5.グルーミング、6.トリプトファンをたっぷり摂る、7.腸内環境、8.継続」https://www.human-sb.com/serotonin/ と記載されている。

外の疾病原因にもあてはまりそうと言えば元も子もないが、いくつも原因が挙げられると百花繚乱のビジネスのネタとなる。 ジョギングより徒歩散歩が良いとか、1万歩は歩き過ぎ8000歩で十分。かと思えば、シッカリ歩けば1000歩で十分、後ろ歩きが有効。衝撃吸収のジョギングシューズは膝関節防止には良くてもセロトニンは少ない。「そこで、、、、このようなシューズを開発しました!」 的な商品が出てくるだろう。有酸素運動と言われて若い人からシニアが同じエクササイズで良いはずがない。

これに光りをあてた論文が発表された。実に面白いので長文だが引用する。まずは キャッチーな見出しだ。 つい先を知りたくなる。

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衝撃の事実! ジョギング・ウォーキングの効果は、脳への衝撃によるものだった!! 頭への適度な衝撃が脳機能を調節・維持することが明らかになった!!!

澤田泰宏 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) 病院 臨床研究開発部(研究所併任) 臨床研究開発部長 – 2019年度 掲載日:2020.02.03

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軽いジョギング程度の運動中、足の着地時に頭部に伝わる適度な衝撃により、脳内の組織液が動き、神経細胞に物理的な刺激が加わり、神経細胞でタンパク質の分布が変わることが、大脳皮質における薬剤誘導性の幻覚反応の抑制につながることを発見しました。すなわち、この研究では頭部への物理的な“衝撃”が脳機能の維持・調節に関係していることを、その背景となる分子の仕組みと共に世界で初めて明らかにしました。本成果は、運動時に頭部に加わる適度な衝撃が健康維持・増進効果に重要である可能性を示すものであり、米科学誌『iScience』に掲載されました(2020 年 1 月 31 日オンライン公開)。

  • 軽いジョギング程度の運動を 1 日 30 分間で 1 週間続けたマウスでは、前頭前皮質※1(大脳皮質の一部)において高用量のセロトニン※2により誘導される幻覚反応が抑制される。
  • ジョギング程度の軽い運動をしている動物(マウス、ラット)では、前足が着地する毎に頭部に約 1 G の衝撃※3が加わる。
  • 麻酔したラットの頭部を、1 G の衝撃がリズミカルに加わるように、毎秒 2 回上下動させると(これを受動的頭部上下動と名付けた)、脳内の組織液(間質液4)が秒㏿約 1 ミクロン で主に前後方向に流れ、これを 1 日 30 分間・1 週間続けると、1 週間運動を続けたマウスと同様に、前頭前皮質におけるセロトニン誘導性の幻覚反応が抑制される。
  • 1 日 30 分間・1 週間の運動を続けたマウスと、1 日 30 分間・1 週間の受動的頭部上下動を与えたマウスでは、幻覚反応に関係する前頭前皮質の神経細胞におけるセロトニン 2A 受容体※5が細胞表面から細胞内部に移動(内在化※5)しており、セロトニンに対する応答性が低下する。

 

特に加齢や肢体不自由障害に伴う身体不活動※6 は、筋萎縮や骨粗鬆症といった運動器官の異常の原因となるばかりか、認知機能障害など脳機能の低下を含むさまざまな身体機能低下につながり、健康寿命をおびやかすことが明らかとなっています。運動が脳機能の予防・治療に極めて重要であることはわかっていましたが、運動が脳の健康を維持する仕組みはよく分かっていませんでした。

また、脳に限らず、運動は身体のほとんどすべての臓器・組織において炎症・老化を抑制する効果があることはわかっていましたが、その仕組みもよく分かっていませんでした。

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これは素晴らしい研究だ。これを日常の生活に取り入れるには、ジョギングしなくても階段を歩いて降りるだけでも効果がある。 エスカレーターは上りは利用しても「下りは歩き」 と筆者もこの文献を読み実行している。 居住地・横浜はアップダウンの激しい街であり、仕事場の東京は地下鉄の深さは渋谷30m、新宿40mこれを利用しない手はない。階段はリズム良く1Gを意識して降りるのなら、高齢者予備軍でも可能だ。

会社は社員のジム通いに福利厚生費を払うよりは、ビル階段降りポイント制はどうだろうかと妙なことを考える。来客エレベーターは例外として、社員エレベーターの下りは高速化し階には止まらない。 出勤、ランチの時間帯、エレベーター待ちで長い行列を観る度になんとかできないものか?と考えた答えがこれではややショボい。

まともそうな思いは、小学校でもダンスが必須科目になっている理由の一つはこれか??と。 団体規律学習かと思っていたが、次の振り付けを頭に入れて、自分の役割を俯瞰し、かつリズムよく次の隊形を形成する。振り付けの多くは床を蹴ったり、飛び上がったりの1G要素は多い。ミュージックも長い。楽しみながらの頭脳も駆使してのエクササイズである。 気がつかないがセロトニンが増えていると推察される。

だからと言って、5Gかかるジェットコースターに乗れば5倍セロトニン増量なると考える人も出るだろうが、繰り返し継続が重要なのは言を待たない。しかしながら、原因が分かったのなら、ジム、エアロビクス以外の産業が興るかも知れない。それはそれでビジネス可能性が成立するかどうか愉しみだ。ただし3密以後ではある。

海マイクロプラスチックを考える

始めにお断りをしておきます。レジ袋有料化に特段の意見を持つものではありません。環境問題に貢献したいとの皆様と立場は全く同じです。ただ、カーボンニュートラルが目的である植物由来ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)であれば海マイクロプラスチックス問題の解決策のように誤解されることもあり、また、生分解プラスチックスであればカーボンニュートラルとマイクロプラスチックス問題も一挙に解決するのでは?との考えも提唱され再びスポットライトがあたっている材料もある。これらを踏まえ海マイクロプラスチックに焦点を当てて自分の頭を整理してみた。

  • 原油由来のプラスチックスとは

原油は(図-1)にあるように重油、軽油、灯油、ジェット燃料油、ナフサ・揮発油(ガソリン)、ガスからなり、さらにナフサは熱分解されて炭素数2のエチレン、3のプロピレン、4のブタンなどが、また亀の甲の形をした芳香族に分類される。(図-2、図-3)大まかにナフサは原油の26%を占めている。

 

 

 

 

 

 

ナフサからの誘導体の比率は自由にコントロールできない。自動車材料でプロピレンの需要が多い場合、自動的にエチレンも増産することになる。逆に言えばレジ袋のポリエチレンを削減しようとすると自動車材料がショートすることになる。大手化学会社では分解触媒の開発により比率を変える試みは継続しているが、実際は大がかりな投資が必要であり、そう簡単にはいかない模様だ。食品容器にはPETやPS(ポリスチレン)もある。これらの主原料は芳香族の誘導体である。芳香族の樹脂は耐熱性があり金属にとって変わる機能があり、自動車の軽量化による燃費向上やハイブリッド、EV車の機構部品向けに貢献している。では、芳香族誘導体の需要が増えたから、どうするか、既にお分かりのように全体のナフサ分解生産を上げる。でもその時にエチレンやPET、PSも増えるのだ。石油コンビナートは超微妙な匙加減に依存している。炭素数4は自動車タイヤの原料。タイヤ増産するとエチレンも増産との関係にある。 全体が幸せに調和するには、エチレンを大量に使用する用途を見つけ、それが、環境にとっても有益であることが極めて重要である。 その候補の一つがパイプ。 地盤が軟弱で地震があっても変形に耐えられ、酸化防止剤など配合しなくても寿命が長い衛生的なポリエチレンパイプを促進する施策を展開すべきである。

  • 植物由来原料のプラスチックスとは

サトウキビを発酵してアルコールを合成。さらにエチレン、プロピレンを合成して後の製造工程は原油由来と同じである。ポリエチレン、ポリプロピレンなどがブラジルで生産さら、日本では双日、豊通により輸入している。

分子構造は原油由来品と全く同じである。 サトウキビ由来なのでカーボンニュートラルを利用しているので環境中の炭酸ガスは増加しない。生産量はサトウキビと発酵能力の制約があり、価格は原油由来並よりは高い。なので、10%、25%を原油由来材料に混合して環境材料としている。

この植物由来のポリエチレンを普及する仕事をフイルムメーカー、商社が粘り強く活動した結果、現在は品不足まで来た。現在はPETも植物由来原料で生産することができ販売されている。エンジニアプラスチックスでは植物由来モノマーであるイソソルバイドを利用したポリカーボネート、ひまし油由来の耐熱ポリエステルなどが市販されている。

尚、ポリエチレン、ポリプロピレンは原油由来品と分子構造が同じであると記載した。では、偽物植物由来ポリエチレンがでる危険性があるが、面白いことに原油の中にある炭素とサトウキビの炭素は同位体の崩壊時間経過が違うことが分かっており、筆者は鑑定したことがある。

 

  • 海マイクロプラスチックス には原油由来と植物由来では違いがあるか?

ぽい捨てされて紫外線に曝されるとポリエチレンは分子が切れて粉々になる。これが海に廃棄されると餌と見間違う魚が口にする。これが問題の一つ。さらに、海の中にある汚染物質がこのマイクロ粉の表面に付着する、これが問題の二つ目。でも考えてみると、原油由来ポリエチも植物由来ポリエチも分子構造は同じなので紫外線での劣化も同じである。 要するにぽい捨てが問題。二つ目の問題は、そもそも海中に流れた汚染物質処理の問題。

 

  • 生分解プラスチックス

使用後に生分解する材料としてポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどがある。10年前にブームになったが、現在、サイドスポットライトを浴びている。 コンポスターの中に入れ分解促進剤を振り掛けると水や酸素に分解する優れものである。

ぽい捨てだけで分解するかというと、そう簡単ではなさそうで、分解促進剤を振り掛けする工程が必要。 促進剤がなくても良いから分解速度を早くすると今度は製造したペレットから何日までは使用可能と農作物・果物の管理と同じ。 自動車など品質保証が決まっている分野には利用できない。それなりに製品寿命が長くする分子構造や安定化添加剤配合が必要となる。 一方、土の中に入れて分解させると、分解する菌の餌が増えるのではないのか? のような素朴な疑問に対しても答えがあるのか、不勉強ゆえ知らない。 コップの内面コーティングしているポリブチレンサクシネートでは問題が少ないだろうが、ポリ乳酸の大型製品の場合には考えることになろう。 また生分解プラスチックスには原油由来もある。

  • まとめ

*原料・ナフサ分解による誘導体の比率は大きくは変えられない。

*仮にポリエチレンは要らない、自動車向け材料やタイヤのみ欲しいと要求されてもエチレンがほぼ自動的に生産してしまう。

*なので、レジ袋削減しようとすとレジ袋の同じ原料の他の用途を開発しないとバランスが取れない

*植物由来原料プラスチックスも原油由来プラスチックスも分子構造が同じなので、ぽい捨てすれば、紫外線劣化によりマイクロプラスチックスになる。

*マイクロプラスチックス対策はぽい捨てしない教育問題、マナーが重視される経済的に豊かにすることがポイントだろう

*生分解プラスチックスが大量に使用される場合は大型コンポストのインフラが必要である。 ポイ捨てOKとは分解菌、町の美観からの見方も議論されるであろう。

 

超々臨界火力発電

ついに我が家の照明はLED化工事を余儀なくされた。蛍光灯の水銀問題から国内で生産中止になっていたのは知っていた。早晩、この工事が必要なことは分かっていた。長寿命で低電力消費だから切り替えをとのメーカーの声がある一方で、蛍光灯の取り替え頻度と当時のLEDの価格を比較すると、慌てて飛びつくような話ではあるまい。と構えていたのが正直なところ。

国内の家庭でのLED切り替え率は2107年統計でやや古いが55%なので、恐らく現在は60%を越えているのだろう。量販店でもLEDしか陳列していないので万事窮す。LEDが開発された当時、白色度、暖色度、寒色度などLEDの素子によって異なり、如何に昼の光源と同じになるかの競争がなされていた。 前職のショールーム(LED原料や封止材料開発)ではステーキ肉が美味しく見えるのはドッチ?的な箱をしつらえていた。 ステーキ肉を用意できないときは、手を箱の中に入れてもらうことで代替した。余程のことがない場合は“この手”で対応した。

さて、水銀問題は当然納得していたが、ビル内照明でLED徹底浸透した現在、皮肉なことにオフィスがテレワークは“がら空き”になって照明を消しているか、間引きしているところが目に付く。 極端に言えば「コロナ自粛期間、アフターコロナ新勤務状態」で電力供給が減少したり、

急に増加したりと電力供給サイドとしては表に出ない苦労があり、今でも継続しているのだろうと推定している。 おまけに太陽光発電など再生エネルギーは集中豪雨の毎日で効率が上がらない。 昼でも夜間並の発電パターンでカバーしなければならない。

 

今回のコロナウイルス罹病率・死亡者数割合いはも圧倒的に小さい。しかしながら、決して威張らない。理由が明確でない時に間違っていれば恥になる。それも反映しているのかも知れない。

しかし我が国のエネルギー政策を知らないで発言し、まして国際的な場でするのは流石に拙い。 COP25でK環境大臣がまだ日本は石炭発電を継続し、増強するのか?と質問され、答えに窮したことから、日本ダメとの印象を持たせてしまった。同時に国民にも負い目を持たせてしまった。 「石炭発電」言葉は同じでも「State-of-the-Art Thermal Power Generation」 であり、そのプロセスは「先進超々臨界圧火力発電」を旧装置を置き換えて行く。と説明すれば、興味を引いたかも知れない。 そもそも、これが何か分かっていなかったと悪いが想像する。各国のエネルギーは下記の通りで、決してキレイゴトでは済まない事情を抱えているのだ。

 

ドイツは石炭発電は2038年には停止すると発表しているが、隣のフランスの原発を利用することで成り立つ話である。 石炭も原発もやめろと言うのは暴論であることを知るべきであろう。原料が石炭であれ、液化天然ガスであれ効率が非常に高い先進超々臨界火力発電に置き換えるのが現実的なエネルギー政策である。

 

では、日本だけが先進超々臨界火力発電が可能であるかを簡単に説明しよう。

基本原理は蒸気でタービンを回す。水はご承知のように1気圧100℃で液体から水蒸気になる。超々高圧の35MPaで700℃の条件では気体のようで気体でなく、液体のようで液体ではない“臨界状態”になる。これをタービン室に誘導してタービンを回転させることで、入力エネルギーに対して48%前後の効率で発電ができる仕組みである。従来に比較して圧倒的である。 ここでは日本の材料メーカーのチカラが設計を支えていることが分かる。

即ち、超臨界状態ではタービンの金属は腐蝕が激しい。また高温・高速でタービンが回転することで、回転軸はクリープ破壊となる。 まして超々臨界状態である。そこで、この開発については平成22年から企業連合軍で分担し開発とイジメテストを繰り返した。

 

 

クリープイジメ実験のデーター例

 

 

最後に。

日本には蓄積された材料開発と実用評価技術インフラがあり、冷静に解析する技術者が日本のもの作りを支えている。 今回紹介のLEDについては企業内研究者がコツコツと開発したものであり、超々臨界タービンも同じである。今回紹介の事例で全てではないが、環境改良には、いきなりの王手はない。藤井棋聖の2億手先読みアルゴリズムを学び継続進歩を続けることか。将棋にちなんでSilver Bullet(一発で効く簡単な薬)はない。

 

3Dプリンターと都市防災

まずはこの作品を見て欲しい

 

建築モデル作成で有名な株式会社BENAの作品である。会社のある板橋地区の3Dプリンターによる都市モデル。カラー着色の3Dプリンター。首都高5号線の橋脚、道路上のクルマ、ビルの窓まで詳細に再現されていることは驚きである。1.2m四方に亘って忠実に民家も含め再現していることに驚きが重なる。3Dプリンターが出現する前は手作りの紙や粘土で作成していておりペイントも含め長時間の忍耐作業を必要としていたが、3Dプリンターであれば昼夜厭わず稼働することで遙かに短時間(この作品の場合は一週間前後と聞いているが)で仕上がっている。板橋、成増地区に詳しい人ならば、病院や区役所など直ぐに分かるだろう。そして災害があれば避難場所はあの空間だとすぐ分かる。 同社のWEBにも代表的建築物の作品があるので参照願いたい。

現在の喫緊の課題は洪水、地震、津波、火災などの被害を最小限に抑える国土・都市設計である。 対策案が発表されると地域でのヒヤリングがなされる。その時は平面図での説明であるだけに真剣味が不足していることは否めない。この3Dプリンターで例えば球磨川流域を作成して、山側から定量の水を流し込んだ場合、洪水までの時間、範囲がどうなるか、知事、住民に見て貰い理解することで、経済的・人名的損失は最小限にできるのではないか。 頭の中で想像するより、コンピュータグラフィックでプレゼンされるより、遙かに説得力がある。 都市でも昨年の多摩川越水問題。住民の景観が堤防強化では損なわれるとの反対意見があり、施工しないままになっていた。その時に3Dプリンター模型で越水すると被害が拡大することでone for allだと理解させることができたのかもしれない。

友人から信玄堤の話を聞いた。武田信玄の治水方法であるが、堤の一部を越水するようにしている。 上流からの下流への流量削減と流速のセーブの為である。 現在なら、適切なところにダムを造るand/or 切れても被害が最小限になるように河川を設計する(実際一部はなされているが)ことになる。

東京駅から皇居に向かってのデザインが随分変化した。昔は駅・大丸ビルがで~んと構えており、海からの風がストップしていたが、両サイドに高層ビルを建て中央を空けることで風がとおり、丸の内側の温度が灼熱から緩和することができた。 都市にとって温暖化とは都市発熱と風の通り難しに大きく依存する。 打ち水だけでは済まない。 3Dプリンターで作成して風洞実験して「風、熱流の流れを見える化」することで建築制約、都市集約デザインをすることで無駄な電気エネルギーを削減することができるだろう。 北区、足立区、葛飾、江東区などの東部地区の洪水問題、世田谷地区密集住宅街の防火問題などは、地域住民の個々の事情があって、中々動かないテーマであるが、その解決に3Dプリンター都市・国土モデルは有益ではなかろうかと強く思う。

因みに、和光市の理化研、商工会と3Dプリンター活用企業のメンバーが研究会を構成してソフト、ハード、材料、マシンなどのついて研究開発事業を推進している。BENA社そして筆者も会員である。(過去のブログで和光市民祭りで作品の一部を紹介したことがあるので参照願いたい。

先日。日経は「自治体の9割、浸水危険地域でも住宅立地 転出に遅れ」を報じている。

自治体の都市計画では水害や土砂崩れで危険だから「居住誘導区域」を推奨しているが、その誘導区域が危険である割合いが高いとのこと。いやはや、これでは移住したくなる動機は小さい。 仕事を求めて都会に来る。マイホームを建てるには資金面で建築する地域はあまり選べない。無理からぬところである。 東京も徳川家康が城を構えるまで人が住める場所は青梅や日野の武蔵の国。河川を付け替え、干拓をして土地拡大してきた。

最後に干拓ついでに横浜も。明治になり新橋―横浜に汽車が開通した。その終着駅の横浜は当時は海の中。東神奈川あたりから海の上を鉄橋で桜木町まで線路が敷設されていた。 6月に桜木町に新駅ビルができ、復刻実寸汽車が展示されている。みなとみらい散策のついでに寄ってみては如何でしょうか。これも3Dプリンターで製作できる日は来るだろう。

樹脂成形とジルコニア焼結に共通するものは

他山の石・対岸の火事・人の振り見て我が振り直せ・・・子供の頃から親・教師から言われきた。企業活動においても他山は参考になる。良い意味では切磋琢磨。悪い意味では他企業の失敗の轍を踏まない。 自動車は約80万点の部品からなり、どの一つに欠点があってもトラブルの元になるだけに、品質管理には厳しい。トヨタ品質管理はISOより厳しくレベルが高いことから傘下企業は勿論、材料メーカーも同様の品質管理意識が徹底している。

御三家の一つデンソーが燃料タンクの中に内蔵する燃料ポンプのインペラー(回転部品)の品質管理に手落ちがあって340万台のクレームを受けた。2200億円の損失計上して惨憺たるIR発表となった。走行中に燃料切れで停止のトラブルと報じられている。材料は燃料に強いPPS(ポリフェニレンサルファイド)。射出成形により溶融して金型に射出し冷却して取り出して製品としている。 寸法や重量などは成形毎に工程管理されているはずで、抜き取り検査として強度や複合材料の存在形態など測定している筈である。その範囲では全く異常がないことで合格品として継続納入していたと推察される。

 

PPSに限らず、樹脂は溶融され極めて小さいゲートから射出圧力で充填され溶融温度より低い金型表面温度と接触して流動して形になり、冷却時間の中で固まる。 下線部の成形の条件が常に制御されていることが必要である。 厄介なのはどれかの条件が外れていても見かけは同じ製品に見えてしまうことである。 製品の引張り強度試験では分からないのが今回トラブルの原因とみている。今回のインペラー製品は使用中に寸法が変化してホルダーに接触した。では何故寸法が使用中に変化したのか。 材料屋の目では射出成形中の残留応力・残留歪みが解放したこと、それに結晶化が促進したのではないかと思われる。 金型温度、成形サイクル、ゲート位置の取り方、冷却温度パターンが初期のころの設定から変わったのではないか気になる。

残留応力の測定は金属では広範に利用されており、トヨタ圏の企業には装置が導入されていることは知っている。が、樹脂となると導入例は少ない。

筆者は樹脂の残留応力について種々検討して解決するべき材料特性と成形条件について特許を出願し登録されている。 フルデンチャーを樹脂で一気に成形するケースが来るかどうか分からないが、その時は利用できる技術ではある。切削調整にも可能な材料としている。

歯科から将来の外科への適用では失敗は許されない。 成形サイクル短縮を軽々に適用して目の前の“合理化”を追うことは、なおさら厳しく、合理化と真逆なことも勘案して取り組む誠実さが要求される。

さて、ジルコニアである。 メタルに代わって安全性、強度、審美性に優れた材料である。ジルコニア正方晶系の結晶単体では非常に硬い靱性を高め、切削性を改良することからイットリムを2~5%配合して調整している。結晶系もイットリウムが配合されることで安定な領域を占め、広い範囲で硬さ、透明性が変えられる特性が発現された。イットリウム配合のジルコニアをプレス成形してディスク状にして販売されている。コスモサインは世界トップブランドと技術を誇る東ソーの粉末からなるディスクを単層の時代から現在の3D-proに至るまでのAidite製ディスクを販売している。切削加工したのち焼結工程を得て製品となるが、ここでの注意点は焼結温度までのステップワイズ昇温パターン、焼結温度とホールド時間、及び冷却パターンである。イットリム配合ジルコニアは焼結温度により密度が異なること、結晶粒界におけるイットリウムの存在濃度が変化することから、焼結作業には注意が必要。しかしこの重要なポイントを抑えて無駄な時間をトリミングすることで合理的な速度で焼結が可能となる。コスモサインが1月より販売開始したAidite焼結装置CAMEOにはカーボンシリケート加熱ヒータ-を採用していることも焼結作業時間短縮に寄与している。CAMEOの動画を作成You Tubeに投稿して頂いた技工所の作品をご覧いただき、是非のお問い合わせについてはコスモサインはお待ちしています。  図はイットリムの存在パターンについて(東ソー技報63巻2019より抜粋)