顔パス・新QR ・新タグ

以前に大阪の企業で入館の際に顔認証システムを試行のニュースがあったと思ったら早速JR大阪で実用化された。今のところは定期のみの運用で、そのためには顔写真を送付して許可されることが前提。昔は歩く速度が東京より速く、それが商都の勲章的なところがあった。開発したメーカーが大阪であり、実用化に踏み切ったのも大阪。なんとなく分かる。

今の東京ではシニアのノロノロが律速に加えて若者の携帯歩行により以前より格段に遅い。シニアのノロノロの理由は日がな1日をゆっくり過ごすには適しているからでもあるとして、歩行時に若者が瞬時を惜しんで漫画をスマホで読まなくてもと思うのは筆者だけではないと思うがどうだろう。

さて、元に戻って“顔パス”と仮称。しっくりくる名前。会社では以前は守衛さんが社員の顔を覚えていたのを置き換えただけ?とシニアがいえば、それは単独ビルオフィスの話で今は数社が入居しているから、そうはいかない。反社の人を社員が関わることなく拒否できることも採用の理由だろうか。顔パス・指紋認証などでDXするのは理解できる。社員でない訪問者は従来、受付で用紙に記入して担当者への連絡をお願いするのが普通だった。東京大改造の流れの中でITインフラの整った新設超高層ビルに集中している。自社ビルの建て替えまでの仮オフィス利用のケースも多々ある。入居社の数だけ受付が共通フロアにひしめく状態になるが実際はそうはなっていない。

訪問者がオフィスに入るやり方の一つにQRコードをゲートに当ててバーを開ける方式をとっているビルがある。その会社とはコロナ渦中は訪問することなく、訪問再開と思いきや知らない間に移転しており、QRコード方式が採用されていた。ビルのメインフロアーには訪問先の受付がない。事前に訪問をPCやスマホで約束すると、先方から入館証QRコード発行するナンバーが送付されてくる。メインフロアーにあるQR発行装置に数字をインプットし入館証を受け取る。その入館証をセキリティゲートの読み取り部にあて入館する仕組みとなっている。高層ビルを共用している会社ごとの受付はあるが、QRコード発行と同時に訪問相手のスマホに連絡が届き、受付で待っていただくスタイルなのだ。スムーズな流れである。DXの一端であり防犯も兼ねている。以前なら記入しながら受付の人と会話することができたが、それがないのはちょっと残念だが。

ビックサイトでグリーンファクトリーDXなど8種類の展示会があり、NEC、iProなど数社が顔認証システムを発表していた。多くの人が集まるような場所において特定の人を認識するところまで来ているようだ。指名手配の顔をポスターに貼っている時代が昔はあったなぁ〜との会話がもうすぐ来る。会社訪問において顔が登録されていない場合は上記のようにQRコードにて初回は入館するシステムとなっている。そのQRコードはよく知られている。非常に便利でいちいちhttps;//******と打ち込まなくても即刻アクセスできる。好きか嫌いではなく使わざるを得ない状況になっている。定食屋でも注文できない。これがデンソーの技術者が考案したとは予想外。カンバンシステムの中で効率よく資材及び製品管理のために開発をしたものと思う。これが製品のサプライチェーンが連続して可視化できるツールまでなっているのには感心する。製品によってはQRコードのサイズが合わないこともあり長方形の形も登場している。

ここで、今回の展示会で『えっ?!』と思うブースに目が行った。そこでは現行のQRコードを複写してよからぬことをすることを防止するとして、新型QRを発表。小さな記録面に細緻なQR情報を印刷することで、複写をしても複写機解像度及びトナーのサイズ制約もあるのだろう、再現はできない仕組みとなっている。また、別の展示会では産総研が導電フィラーインクを対向電極間に印刷し、導通確率50%のランダム導通パターンを印刷するタグを発表。具体的には下の図を参照されたい。

日曜日のお天気に誘われて散歩。途中の横浜税関の展示ブースに立ち寄った。模倣品との比較を展示していたが、さっぱりわからない。プロが目利きしているとしても、漏れなく真贋判定するには今回の新QRコードは役に立つのではなかろうか。

尚 コスモサインのオフィスはこじんまりしているが、スタッフの明るく笑いが絶えない雰囲気が漂っている。昨年秋に近くのビルにアネックスをオープン。面談はもちろんBiomicステインの作業やAGTシンタリングファーネス新製品ポーセレンファーネスも設置し、ステイン品の焼成も可能となっている。皆様との情報共有など“揺らぎ+笑の大事さもあり「フード担当が皆様のお越しをお待ちしています」とのこと。是非お出かけ下さい。勿論 大事なお客さまのお顔は脳内QRコードにインプットされていますので”自動顔パス“です。

5G庶民感覚

確かに携帯がないと不便ではあるが、歩きスマホもせず、電車でずっと画面を見るようなこととは無縁だけに機種変更には興味がなかった。たまたま量販店にプリンターのインク購入のついでに、携帯電話会社のブースをブラブラ。最新機種ではカメラの性能が良いのだとか通信速度が速いとか・・それはわかっている。だからといって機種変までは気がすすまなかった。

だが・・・素人の落とし穴を店員さんに見抜かれてしまった。「満充になってから電源を外さず放置していることありませんか? 頻繁に充電することありませんか? 充電しながら利用したことありませんか?」 そう言われる根拠は何? 充電メーターでは100%充電となっているから問題はないはず・・・。それが間違いだと指摘されて、大学時代の電気化学講義を思い出した。電池の劣化度に於ける充電率が100%を示しているに過ぎなく、劣化度が80になれば事実上利用が厳しい。

実際チェックすると90%を切りそうな雰囲気。そうなると鈍い頭でも機種変更を考えないといけないなぁ・・・・となっていたが、そうはいっても費用対効果を考えると躊躇していた。

かくなる潜在意識がある中、事件が起こった。今使っているキャリアの関連会社を名乗る人物から夜8時ごろ固定電話。「契約者のお名前は間違いありませんか?年齢が**以下なら光通信費用がディスカウントすることになったので、年齢の確認をさせて下さい」と。

出だしから怪しい。携帯電話契約の書類があれば直接携帯に電話をするはずなのに、固定電話にかけてきた。サービス契約書には生年月日が記載されているので、わざわざ確認する必要がない。間違いなく新種のオレオレ詐欺だろうと判断した。

対象とは違うと3回伝えても粘る相手。いや値引きがあろうが興味ありません!と拒否したところ、男は何も言わず電話を切った。翌日確認をすると、値引きの案件と年齢の案件は別物であることがわかり、詐欺的行為の手の内とはこんなものかと分かった。

さて、かくなる事件が起きたことで、この本物のキャリア会社には申し訳ないがこの回線を使う気が減衰した。重い腰をあげて機種変更とキャリア変更をすることにした。

一年前から断捨離として生命保険の見直し、使用頻度が低い割に年会費とプライドが高いカード、効果があるのか不明な健康ドラッグ類の見直しをやってきたが、切り替えが億劫だが携帯費用もバカにならないので、この際見直すことにした。

現在では機種変更イコール4Gから5Gへの乗り換えになる。

5G,6Gの世界は理解しているつもりだが、庶民の暮らしにおいて通信遅延時間の短縮は関係がなさそう。遠隔操作による離島の手術サポートなど社会インフラとして必要であるとの理解のもと5G基地局の整備がなされているのは知っている。

先月だったか記憶が定かでないが、NHKが報じたニュースがあった。それは通行人が突然倒れたとして、そばにいた人が救急車を要請すると消防局からの通信で画像を共有して緊急処置を指導するシステムが全国25都道府県で実施されていると報じた。通信速度と容量が大きい方が良いのはわかる。翌日、川崎ラゾーナに所用で行ったときに防災展をやっていたので、消防ブースでこのことを確認した。二人の署員は口を揃えて「初めて聞いた。ホント?」。驚いたのは当方。インフラが進まなければ庶民にとって5G利用は先になりそう。

3Gは廃止され、やがて4Gもその流れでなくなる。庶民はそれに従うだけ。画質が良くなる、大容量のDLが瞬時に可能と言っても具体的にはDL時間より脳の遅延時間が問題であり、テレワークも徐々に元に戻りつつある中、本当に必要の疑問が正直なところ。

話は転じて会社間のメールに対する返信が早い・遅いは社会に於ける会社のレベルと概ねあっていると思っている。返信の遅い会社は社内情報伝達の仕組みが旧態然で社会のスピードに乗らなくても問題はないと考えているのでは?とみる。ここに無頓着な会社が日本には案外多くビジネスチャンスを逃しかねない。いや無頓着は言い過ぎで「完璧な返信をするには時間がかかる。だから遅くなる」が本当かも知れないが、「メールを見た。いつまでに返信する」と返信する人や会社はあまりいない。

この説に従うと庶民レベルでも今は5G,6Gは関係がない・・・と言っていることこそ「遅れてる・・」と判断されかねない。今のところ何を持って判断するのか分からないが、何が利用できそうかと見る目だけは持たないといけないと思う。

(実はこのブログは4Gから5Gへの機種変更手続きの間に書いた。結果として波に乗れない文章となってしまった。いつものブログもそうだとの声が聞こえそうだが)

蒸気機関車とコーヒー

やや固い話題が続いたので、今回はコーヒーを飲みながらの息抜きブログです。

皆さんはエスプレッソがお好きですか? 本格的に高圧スチームでコーヒー粉からエキスを抽出する。カップに注いだ後で泡立てたミルクで表面にハートマークやパンダなど模様を描いて提供されるラテも人気がある。熱いこともあるが、せっかくの模様を壊して飲むには速度が遅くなる。

お店と略同じ性能の家庭用マシンは18万円前後とあって到底手が届かない。いや6万円であるよと言われても、それも手が届かない。そんなとき3,000円前後で買えるイタリアのビアレッティ(モカ)で大外れではないができる。と書いたが念の為お店を訪れると6,000円。蒸気でコーヒーを抽出する原理とはいえ価格も上昇しなくても・・・と冗談の一つも言いたいところ。

コーヒーの淹れ方の多くは豆を挽き、濾過装置のサーバーにいれてお湯を注ぎ抽出濾過するのに対して、ビアレッティは 下部容器に水またはお湯を入れ、コンロの直火で加熱。下部容器の上部にメッシュと濾紙を設えコーヒー粉を充填して水蒸気を通過させる。装置の頂点で濾液(エスプレッソ)が得られる仕組みである。お湯の沸騰準密閉容器内圧力は高くても+0.2~0.4気圧程度なので、本格装置の10気圧には到底及ばない。それでもエスプレッソもどきは得られる。ハートマークを描くと、それだけでテーブルで待っている家族・友人はわぁ〜と驚く、その様もコーヒーの一つの楽しみ方だ。

気楽にと言いつつ、ミルクの泡立ても化学屋らしい見方をしてしまう。ミルクに砂糖を2%ほど加え55〜60℃に加熱し高速攪拌機で泡立てる。甘味もあるが砂糖の分子によるミルクのタンパク質との相互作用(見かけの擬架橋もどき?が形成されていると想像しているが)起泡性と気泡の安定性に関係するからでもある。さらにカップに注ぐときはカフェオレもラテも最初はカップから高い位置からミルクを落とすが、流動する時の剪断と重量により消泡しコーヒーよりミルクの比重が高いためにカップの底に沈む。ついで、カップの淵からミルクを流し込むと剪断速度が極めて遅いため消泡することなく表面に浮かぶ。計算が得意な人は泡のサイズ=内圧と外からの剪断で消泡現象がどの速度でクリティカルになるか式を作れるはずだ。できたら教えて欲しい。膜厚など必要なパラメーターも加えて。

タイトルの蒸気機関車が一向に出てこない! だが感が鋭い皆様ならお分かりの通り、蒸気で抽出する方法は19世紀の蒸気機関車の実用化に始まり、それまでのコーヒー粉を鍋で煮詰める方法などから変化したことに深く関係しているからである。サイフォン方式もアルコールランプで加熱され内圧が高くなり上の容器にお湯がいき抽出する仕組みで広い範囲で蒸気機関車に触発された抽出とも言える。

ご家庭では圧力釜の1つや2つはあるはずだが、慣れていない男にとっては圧力調整弁からのシュッシューと音が出始めると気が気でない。釜の1/3を超えるほどに内容物があると噴き出すトラブルがあるからだ。友人は吹き出して天井に張り付いて後の掃除が大変だった、その事件以後は圧力釜も普通の鍋として利用しているとのこと。このビアレッティにも過剰加圧防止はあるものの、本当のところはドキドキ物ではある。

コーヒーの淹れ方も、忙しい人向けには自動抽出やサーバーの上部に一度にお湯を注ぐと徐々に点滴注湯できる器具などある。だが、ゆっくりするときは昔ながらのサイフォンが好ましい。茶店でみる機会は少なくなった。学生の頃はサイフォンの前で講座の助手と話をしながら過ごしたあの風景が思い出される。時効だから言えば、その助手にはお気に入りのママさんがおられたことで、当方はそれに利用されていることはわかっていた。マイルスデービスがどうのこうのとか、コルトレーンのあれが好きだとか、知ったかぶりのJAZZ談義するうちにコーヒーが仕上がりいただく。今流行りのドヤスタバはなかった。のんびりしたモノだった。

これからのコーヒーの淹れ方も技術の進歩とともに変化するだろう。筆者が想像するに亞臨界か超臨界抽出、抽出後の濾液のカラム分離によるテイストの調節などが起こるのではなかろうか? いかにも化学実験室のようでは味気ないので、そこは芸術家の人々が活躍してくれるだろう。蒸気機関車が発明してエスプレッソ。今は電磁石で電車が浮く時代ならば、どのようなことになるのか? 淹れたてのコーヒーを電車に持ち込みゆっくり考えてみよう。

シンギュラリティの入り口気分

京都の友人からリスクリングなんて英語をなぜ使うのかなぁ?と問いかけがあった。日本は経済、医学、科学、その他文化において外国語を的確な日本語に置き換えることで国民に周知することができ成長してきた。それを踏まえずに役所はカッコいいと思って作ったと思うが、再学習であると分からない人にとっては機会損失リスクの(risk-ring)だろうねと答えた。座布団3枚のお返しがあった。

これは笑えるとしても、さて何を再学習するのだろうか? それこそシンギュラリティが迫っているというのに。またここでも英語だ。だいたいこの言葉がしっくりこない日本人代表が筆者だ。日本人は言語面の原因もあり、世界の蚊帳の外に置かれているとも識者は言う。Webによると技術的特異点で人間と人工知能の臨界点を指す言葉とある。DXなど話題がここ3年で良く目にする。ホワイトサラリーマンの職業はことごとく人工知能にとって代わられるとのことなので、子供、孫の職業に影響するだけに、無頓着ではいられない。

さりながら身近に出来事が起きないと肌感覚ですら感じないのが正直なところ。そんな時にこの1週間で経験したことを次に紹介する。

パソコンmacのOSをバージョンアップすべくDLした。次にパスワードを要求されたが動かない。パスワード記録帳を確認しても間違いがない。確定申告のICカード読み取り装置と連携させないと間に合わない。macサポートのあるショップに出かけた。「以前はお客様のパソコンを一緒に操作しながら解決したのですが、今は個人情報の関係でできないです。申し訳ない。電話相談があります」。そうか時代が変わったのなら是非もない。早速、電話相談すると再起動してくださいのみでダメ。チャットではそれ以上なら有償で教えるとのことで申し込むと「少しお待ちください」表示が14時間点灯。待ちに待った答えがパスワード変更方法のみ。早速トライしたがダメ。あぁ〜DLするんじゃなかった〜と反省するも手遅れ。PINコードを試しに入れたら動き始めた。動いたから良かったが、なぜかが分からない。

前回は遊びで使ったChatGPTに今回は本気でなぜか?と質問すると非常に丁寧な回答があり納得。Microsoft支援企業のOpen AIなのにmacの連中より詳しいし、無料かつ丁寧。何のことはない、数多ある情報を拾ってくる速度・精度が人間を超えているのだ。上記に紹介したサポート業務はなくなるだろう。どのような回答だったかmac OSで困っている人がおられるだろうとして末尾に紹介する。

さて、身近なところでシンギュラリティと言えないが入り口にはタッチした気分になったので、色々考えた。

今のコンピューターであればオープンソースを利用してネタを代入すれば論文や特許などの文章作成は多分5分程度で大凡はできるだろう。 論文を査読する方も、拒絶理由を考える特許庁もそれで対処するかも知れない。

例えばクリエイティプネタの論文3、特許を5件持っていれば博士号論文提出は1ヶ月で十分な時代になったとも言える。実験ノートにクリエイティブ案件を記入した瞬間以前の文献・特許・公知情報に対して新規であることが証明される必要がある。論文提出時の情報では瞬間に更新されており無効となる危険もある。それほど情報の移動が速いと覚悟しないといけない。知的財産権も然り。

量子コンピューターがいよいよ実用化してきた。現行のパソコンを数台繋げたコンピューターでも人は追いつけないのに、量子コンピューターでは到底人類は追いつけない。では何が職業として残るのか、基本は体力を使う業務(スポーツも含む)、ロボットを巧みに稼働させる労働(危険な現場、介護、警護)、体力とスキル知識が必要な医者(歯科医)だろう。DXやシンギュラリティで疲れた人を癒す精神科医は生き残る。

そして、技術面ではそんな馬鹿なぁ〜!!と驚くようなことを発想し挫けずにトライする者が生き残る時代になった。 そのような人材を抱える資本家と現在のクレージー技術者などを活かせる時代。それが意外にも早く来そうだ。

時代においてクレイジーと言われ、時には排そ対象にもなったこともあるイノベーションが時間をおいて認められた歴史を考えると、今でこそシンギュラリティの新しい言葉で表現されるものの、実は通底するものは共通している。但し、その速度があまりに速い。それも楽しみに利用する側に立って挑戦するか否か我々が問われている。

ChatGPTで遊んでみた

あっという間に登録者1億人と話題急上昇のChatGPTに早速アクセス。評判は総じて良いようだ。不謹慎ながら練習を兼ねて遊んでみた。2つ取り上げるべくトライしたが、それぞれ長い文章なので趣味のコーヒーに関してのみ紹介する。Microsoft支援のChatGPTを知ったのはGoogle のyou tubeと皮肉だが、Googleは同じくAI ChatのBardで猛追するであろう。

結論は他の人の評判通り情報の整理が非常に明確で、かつ日本語として違和感のない表現で返してくれ、追加の質問にも返答がくる。今までの検索エンジンやチャットではない機能だ。ただ、AIであるだけに既存情報をベースにしているので、それ以上の考察や推論はもちろんない。

言ってみれば、どの分野にも精通している物知りな人が何百万人もいて回答をしているように思える。ただ、追加質問をするとソースが同じところからとっているのだろう、同じフレーズを繰り返すなど頭が固い中高年と似ているなぁと思えば納得するであろう。

検索エンジンの宿命であるが、ネットも調査対象になっていると、そこには混交玉石の世界だけに、回答の真贋をみる目が必要だ。文献など根拠が示されないことが多いので、使う方が疑ってみる視線も必要だろう。使用する方、信用する方が悪いとなるケースもあるだろう。昔の技術には精通しているが、最近の開発案件に直接タッチできない技術士は成立し難い職業になるだろう。外国語習得方法も変わる。英語学校が乱立していた時期があった、さらに減少速度は早まるだろう。

日本語が達者であるが、日本を知っているかとは違う。第一工業製薬と打ち込んでも第一三共として返答する。英語名で質問すると、その会社は知らないと返事。昔は工業薬品も製薬と言っていたのは、現在の日本でも知っているのは1%以下なので無理か。

感心したことも言わないとアクセス拒否されるので困る。代表的なことではエクセル関数を探すのが面倒な時に質問すると関数式が表示され、そこに代入することで成立してしまう。これではエクセルなど取扱書は不要。毎日の決算報告書もできるので税理士が将来いなくなる。筆者の英語の文章は拙いのは自覚しており、日本語で言えばお役所文書のようであり、タメ口が入っていたりするであろうと思っているが、今回のChatGPTではフォーマル版、カジュアル版に転換し、ついでに添削した理由も教えてくれる。

それはさておき早速のお遊び

相談)コーヒーの淹れ方の特徴と好きな淹れ方は

回答)コーヒーの淹れ方には様々な特徴があります。世界中で使用されている淹れ方には、以下のようなものがあります。

  1. フレンチプレス:豆から抽出したコーヒーをフィルターを通して減圧することで淹れます。
  2. ドリップコーヒー:コーヒー豆から水を通して抽出することで淹れます。
  3. エスプレッソ:高圧の水を通して豆から抽出したコーヒーを作ります。
  4. アメリカーノ:エスプレッソにミルクを加えて作られます。

個人的には、フレンチプレスが好きです。フレンチプレスで淹れたコーヒーは、豆からの抽出した原味を引き出すことができ、とても風味豊かなコーヒーを作ることができます。また、フレンチプレスを使用することで、コーヒーの淹れ方に対する創造性も引き出せます。

筆者注:人工知能にもかかわらず個人的にはと回答は意外。

相談)コーヒーの酸味は具体的に何ですか?

回答)コーヒーの酸味は、コーヒー豆中に存在する酸性物質から来ます。コーヒー豆には様々な酸が含まれており、それらがコーヒーの酸味を生み出します。これらの酸には、多糖類、シトラス酸、酸化酸などが含まれます。

酸味は、コーヒーのバランスをとり、甘味や苦味と一緒にコーヒーの風味を形成します。また、酸味は、コーヒーの口当たりを軽くし、舌を刺激する作用もあります。酸味は、コーヒーの質と味を大きく左右する重要な要素であり、好ましい酸味を得るためには、適切な豆の選択や淹れ方が重要です。

筆者注 酸化酸の言葉は化学用語にはない。翻訳元をチェックする必要がある

相談)クロロゲン酸ラクトンは苦味ですか、それとも酸味ですか

回答)クロロゲン酸ラクトンは、コーヒーの中に存在する物質で、苦味を帯びた風味を持ちます。クロロゲン酸ラクトンは、発酵や熟成過程において生成されます。このような苦味を帯びた物質が多いコーヒーは、苦味が強いと言われます。また、苦味は、コーヒーの味わいをバランスさせることがあり、他の味覚と一緒にコーヒーの風味を形成する重要な要素です。とはいえ、酸味と苦味は、コーヒーにおいては密接な関係にあります。苦味が強いと、酸味も強く感じられることがあります。逆に、苦味が弱いと、酸味も弱く感じられることもあります。コーヒーの質と味を得るためには、苦味と酸味のバランスが重要です。

筆者注:クロロゲン酸ラクトンは熱湯+時間で加水分解してクロロゲン酸になって、苦味が強くなり、コーヒーカップの縁に褐色として残留する。コーヒーを長時間熱いまま放置、温め直すことはしないほうが良い。ここまで記載あればgood評価。でもコーヒー通でいうところのwashed豆を上手に表現しているのは感心もの。

以下 相談)美味しいコーヒーを淹れるに適切な温度は?

   相談)ドリップ方式において濾紙、布、磁器では味は変わりますか

   相談)エチオピア豆とコロンビア豆では味はどう違いますか

   相談)好きな豆の種類は

   回答)私は人工知能のモデルであり、自分自身の感覚や味覚はありませんので、好きなコーヒー豆の種類はありません。代わりに、コーヒー豆の種類や味の違いに関する情報を提供することはできますので、何か質問がありましたらお知らせください。

筆者注 ここでは人工知能で個人ではないと表現 面白い

このようにQ&Aが続くのでキリがない。

会社訪問の学生が全員同じ回答を用意するかも知れないので、想定回答を人事がChatGPTで下調べするようなど面白いことが起こりそうだ。皮肉だが応募者のクリエイティブを評価することにもなる。学生の宿題や論文を見破るソフトも開発している情報もある。ただ論点整理には適しているだろう。

今回の遊びの回答内容はイマイチのところはあるが、Microsoftの巨額資金をもとに今後は更に進歩するであろう。GoogleのBardとの攻防が楽しみだ。GoogleにはMapなど蓄積リアル画像があり、それとの連携があるので、質問も回答も文章のChatGPTより画像からの質問→回答などの方が最終的にはユーザーから好まれるのではないだろうか。文章の1次元情報より2次元・3次元の情報の方が若い人には適している。

将来の裁判において、Google Bard v s. Microsoft支援ChatGPTの対抗戦になる様子も想像できる。大岡越前の裁きのような人間性はなく味気ない。反省し更生するモチベーションも出ないであろう。そのような社会だけはゴメンだ。それより例えば漫才のネタを関西編、関東編と作成させて楽しみたい。ツッコミはできても、ボケはAIにとって大の苦手のはず。笑はクリエイティブの指標になる。笑っているうちに自分の職が奪われないように気をつけないと。総括するには早いが、クリエイティブ脳と腕が生き残る術なのだろう。ビルや道路橋梁を作るのも、または理髪美容も腕のある人間だから。

そんな意味で今の段階のChatGPTは遊びの範囲に留めておくのが良さそうだ。

フードテロに思う

仕事など午前中からドタバタしていると昼のタイミングを失することがあり、気がついたら14時を回る時もある。「腹が減っては戦はできず」とか言いながら、フードコートをよく利用する。中華、ハンバーグ、チャンポン、スープ類、和定食など色々あるが、いずれも調理時間が短く、素早く食べることができる。

「いただきます」を囁きながら手を合わせる。ところがフードコートでそのような作法をしている人を見かけない。遠くから「おや?」と視線を投げてくる中年の女性は時々おられる。その人はおそらく口には出さずとも心の中で言っているのであろう。多くはスマホに目にやりながら空腹を満たす作業になっている。「ご馳走様でした」で終わると、残りの仕事もやるぞ〜と気力が湧いてくる。これも食の効用であることは間違いない。

フードコートによっては寿司コーナーがあり、寿司職人さんが注文を受けて握ってくれる。多少の時間に余裕があればトライしたいが、残念ながら財布に余裕がないので見送っている。例の回る方式における最近のフードテロの親子などが続出。何故このようなことになるのか。過去にもあったがSNSにより表に出ただけなどコメントも多い。そのコメントは確かめることはできないが、誰にも見てもらえないことをしても“自慢”にならないので、あっても少ないと思う。より深い要因としては食糧・経済事情など見かけ豊かな社会において、食糧の生産〜物流〜調理のありがたさを考えないで生きてきた結果の行為と言えなくもない。

ウクライナは言うまでもない。3.11東北大震災においての食糧供給、ボランティアのありがたさ、豪雪で閉じ込められたトラック運転手さんへのお弁当などを無償提供する人々に対して、人の心は勿論、その時にお弁当を眺めるときに、豪雪地帯においてお米生産や野菜の生産をして頂いた人々に対する感謝の念が自ずと湧いてくる。それが本来の日本人なのだ。

偉そうに講釈を垂れるつもりは毛頭ないが、ほとんどのご家庭では食事の前後には手を合わせる、宗教によっては手をクロスに合わせて主にお礼を言うマナーを躾として教わる。『命を頂く』の命とは動物・魚と思われがちだが、禅を導入した道元は植物にも命があり差別はないと言われている。最近の研究では植物も会話していることが明らかになっているので道元は分かっていた?

脱線するが、同じ観葉植物に褒め言葉を毎日かけるのと、罵声を浴びせる場合において、罵声を受けた方が早く萎むとの研究結果が報告されている。逃げ出せる人間でも絶望するのだから、動けない植物の気持ちはいかばかりか。と同情して元に戻る。筆者は高校時代の夏休みに永平寺でミニミニ修行真似事を経験した(以前のブログにも記載)。修行僧は何においても修行であり、食事の際にも徹底しているのはよく知られているが、同じ空間で経験したので思い出したのが三匙偈や五観の偈である。(思い出したのは初めだけでWEBにて再確認した)

「三匙偈」
一口為断一切悪 (一口目は全ての悪を断つ為に。)
ニ口為修一切善 (二口目は全ての善を修める為に。)
三口為度諸衆生 (三口目は生きとし生ける物を救う為に。)
皆共成仏道    皆、共に仏道を成就する為に。

「五観の偈」一つには功の多少を計り、彼の来処を量る。二つには己が徳行の全欠を忖って、供に応ず。 三つには心を防ぎ、過を離るることは、貪等を宗とす。四つには正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんがためなり。五つには成道のための故に、今この食を受く。

修行僧でない我々は毎回意識することはないが、時々は意識することもあろうかと思う。特に貪等:美食・暴食・好き嫌いの狭量、食作法を弁えない愚かさの認識、実は健康には食事が良薬であるとの項目は現代における糖尿病をはじめとする病には参考になる件ではある。

諸物価値上げが続いている。電気料金値上がりが予定と我々庶民にとって厳しい時期になってきた。日本は長期契約による資源確保のおかげで欧米の何倍もの値上げはないものの、それでも食については従来以上の工夫が必要になっている。夕方の値引きシール食品頼りでは十分ではない。となると、それこそクリエイティブな食糧選択、調理の腕が試される。後年になればそれが標準食となって、それこそ健康にも貢献したとなることを期待したい。日本を救うのは、底力のあるオバチャンと退職して料理見習いのオッチャン。料理スキルとマナー先生としての活躍をお願いします。

プラスチックゴミは貴重な資源

その日の朝、ゴミ収集車がいつものメッセージを流しながらやってきた。「プラスチックは使わないようにしましょう! 太陽光パネルを設置しましょう!」 大きなボリュームで。以前はこのフレーズがなく分別などの注意喚起だけだったのに、付け加えられた。太陽光パネルについては多くの人により語り尽くされているので、ここでは言及しない。

特にプラスチックスは環境にとって悪者のように子供に刷り込ませるのは如何かと思う。軽い・強い・自由なデザインで身の回りの繊維から自動車〜航空機までプラスチックスなしでは成立しない。入学シーズン前にランドセルを購入しプレゼントした人もおられるだろう。皮革のようで実は芯鞘構造をとるプラスチック(例えばポリエチレンとポリエステルのような)繊維の組み合わせからなる織物なのだ。それを子供に使うなとはよもや言わないだろうが誤解させる。繊維のついでに意外なところではカツラもプラスチックス、模造ファーもプラスチックス。動物愛護から毛皮をとることは禁止・制約を受けて材料変換が起きている。因みにカツラの材料は難燃性が必要なのはアフリカ向け。何故難燃性が必要なのか現地の生活を想像するだけでも楽しい。ここでもハロゲン系難燃剤から環境適合難燃剤が採用の事例がある。アフリカの人々も環境には気を遣っている。

昔の浴槽は大衆浴場と同様にセメントにタイルを貼ったものだった。それが不飽和ポリエステルSMCから透明なアクリル製とオシャレになっているのは、軽量・大量生産に適していたから。NHKチコちゃん風に言えば郊外団地を作るには上階へ人が運ぶのは大変だったので急速に変わった。今、プラスチックスを廃止してセメント作りにすることは砂不足・工程の面でも事実不可。檜風呂なら環境に良いかと言えば、職人がいないので数に限りがある。毎日の乾燥などメンテナンスも大変。

軽さを圧倒的に求めるのは航空機。乗客がお待ちの食事タイムには電子レンジ、オーブンが活躍する。ここでトレーやカップは軽く必要な耐熱性が必要である。陶磁器は重い。そこで電子レンジ対応にはポリプロピレンや特殊ポリエステルが、オーブン対応にはC-PET(結晶化PET)が利用されている。

歯科材料でもプラスチックスは有用であることは業界では言を待たない。PMMAは透明であり自動車テールランプ、カーボート、水族館パネル最近ではコロナ衝立などに利用されている。寸法精度と適度な靱性があり厚労省認定歯科材料になっている。ジルコニアと双璧の歯科材料になった。これから更に靱性と圧縮強度が必要となる部位についてはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリカーボネートが適用されるものと思われる。超高分子量高密度ポリエチレンは骨代替として長年利用されているのはご承知の通り。このような話を始めると延々と続くのでタイトルに戻すことにする。

すなわち、プラスチックスは本当は良い人で、自から主張する口がないので代弁する。問題はポイ捨てし海ゴミの原因を作る人間、資源として有効利用のための技術開発を怠る人間にある。次の2点は意識する必要があると思われる。

1)プラスチックスは熱源保存体であり燃焼して2度目のお役に立っている。

2)プラスチックスは常温・常圧で水素を蓄えている物質である

ゴミ袋の多くはポリエチレン。CH2-CH2———がグレードにもよるが5万〜数十万連なった分子(高分子)である。話は脱線するが、数百万となると超高分子高密度ポリエチレンと称し食品工場の搬送ローラーなど清潔が要求されるところに採用されている。摩擦係数が極めて小さく、傷がつかない特性はドライ・アイススケートリンクに採用されたことがある。スケート靴で滑走してもアイス同様の滑りを楽しむことができるとあって、巨大な冷凍設備を不要なのだ。現在の省エネには最適。

話を戻して、水物を多く含む調理済みゴミが入っていると燃料補助としてポリエチレンバッグやトレーなどが燃焼することでプラスチックのC(炭素)が燃焼ガス温度を調整してくれる。温度の調整はダイオキシン発生のコントロールには必要である。原油もしくはトウモロコシからポリエチレンとして1回目のお役に立ち、2回目は燃料として役に立つポリエチレン。一方の水素(H)は水素社会の一翼を担うことは間違いない。これを分かってスピーカーから流しているのか聞いてみたい。

これからの発電は石炭を微粒子にしてガス化してアンモニア又は水素と混合することにより炭酸ガスゼロの技術が開発されている。さらに自動車の次世代燃料としての水素についてもポリエチレンなどプラスチックスから水素をとることも研究されている。プラスチックスゴミから水素を得る技術開発は2025年稼働目標で岩谷産業・豊通・日揮連合が発表している。

さすれば、ごみ収集車からのメッセージは「プラスチックスは明日を拓く貴重な資源です。大事に有効に使いましょう!」 となるであろう。これが正解。

疾病予防と歩数&リズム

1日8,000歩で十分疾病予防できる。いや1000歩でも速歩であれば十分。諸説あるが、注目されるのは南デンマーク大学が歩数と疾病について、研究論文を発表した。(JAMA Internal Medicine 2022年9月12日)。1年の健康目標の中で食事・運動などの計画を立てられた方もおられると思い参考までに引用します。

結論を先に記載すると 解析対象;40~79歳の成人7万8,500人(平均年齢61±8歳、女性55%)    5万3,196人年(期間中央値7.0年)の追跡で、心血管死664人、がん死1,325人を含む2,179人が死亡。

結果は

1日最大1万歩までは2,000歩多いごとに、疾病リスクが8〜11%の割合で低下する。

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全死亡リスク:8% 〔平均変化率(MRC)-0.08

(95%信頼区間-0.11~-0.06)〕、

心血管死  :10% 〔MRC-0.10(同-0.15~-0.06)〕、

がん死は   11% 〔MRC-0.11(同-0.15~-0.06)〕少ない

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また、共著であるシドニー大学の研究者によればウオーキングが認知機能に保護的に働く可能性が示され、1日9,800歩の人では50%, 3,800歩の人では25%認知症リスクが低かったと報告している。

歩行速度は1分間に80歩がリスク低下の傾向があるとも報告している。音楽のリズムで言えばアンダンテ(76~108)? 欧米人は日本人より普通はゆっくり歩いているのか。日本人もスマホ見ながらや、高齢者が多くなるにつれ歩行速度が低下したが、それでもモデラート(108~120)やアレグロ(120~168)だろう。以前の大阪であればプレスト(168~200)的だった。だから日本人は長寿なのか・・・と早合点は禁物だが。

ここで音楽のリズムを持ち出したのは他でもない。東京大学が2022/11月/12日に医療技術ニュースに人間がビートを取りやすい120~140BPMの音楽でラットも体を動かすことを発見したと発表したのである。テンポに対してラットの脳活動もビート同期することを明らかにした。凄くないですか。ミッキーマウスはパレードの音楽に合わせてダンスをしていたけど、それが何か? と子供に言われそうだが。ラットの頭部に加速度計を取り付けテンポ132BPMのクラシック音楽を流したところ半数のラットはビート同期運動をした。さらに2足で立った状態では外部からもノリノリがわかったとのこと。

この発表ではクラシック音楽を調べてみると多くの作曲はこのリズムを踏襲しているとのこと。筆者はBGMをかけながらパソコン作業をすることがある。ちなみにリズムを測ってみたところ120。一見(古い表現で申し訳ないが)ディスコ調ポップス・メロディが速いかと思いきや120BPM。椅子に座らずに終日立っての作業となれば、知らず知らずに万歩計はパソコン作業中にもかかわらず1,500歩を示している。体がBPMにシンクロして動いているのだ。東京大学の文献にはラットの脳の順応パターンとBPMの関係図がある。

 

 

そういえば、小学校の頃、先生から「もっとゆっくり話をしなさい」と耳タコができるほど注意された。今にして思うと このことだったのか。早口は言葉が明瞭に伝達かどうかではなく、相手の頭脳に入るには特定のリズムが大事なので早口はダメだとのこと。

先日、駅の出口で漫才コンビがお客からネタをもらって即興漫才を話していた。一生懸命なのはわかるが、早口なので何を話しているのかさっぱり分からなかった。漫才は特に「間」が重要である。投げられた言葉で「間」のあいだに聴衆はあれこれ想像・妄想し、次の瞬間に見事に裏切られて爆笑する。その起笑パターンを若い漫才コンビはわかって大物になって欲しい。

東京大学さん“もっと早く研究発表をしてくれていたら” 筆者の人生は変わっていたかも知れない。いや、あなたの場合は「間」ではなく「スキだらけのスキ」だと言われるだろうが、南デンマークの発表を信じてBPMウオーキングをしよう。よし今年の目標ができた。ただ闇雲に歩数が多ければよいとはならないに関係する文献もあることも事実なので歩きながら考えることにするか。

街頭インタビュー

カメラとマイクを持った二人の男が閑散とした広場を歩いていた筆者との距離を縮めてきた。

「○○TVです。金利についてどう思いますか?」とマイクを口元に。どのような答えを待っているかは自明の理。いきなりの質問に対しては日頃感じていることを口にするのが普通。

「いや〜物価の値上がりに加えてのローン金利のダブルパンチでは生活できない。厳しいです。実際にスーパーの値引き時間に行くとか、それでも副菜が減ってきた。暖房費も始末しないといけないので最終的に健康も心配」と言えばTVマンは満足するのだろう。

しかし捕まえられた男は(カメラに撮られるのを避けることもあり)彼らから見て的外れの返答をした。米国の深刻なインフレ、欧州のドタバタなどグローバルな事情から話を起こして、次に国としてのあるべき姿、企業として、そして国民の生活についての各ケースについて話を始めたのである。短い放映尺の中で入りそうもない。まして内容もTVが採用するはずがない。

しかしながら、マイナス情報をいくら集めてもプラスにはならない。情報には分布があって然るべきである。情報の質・内容における分布を整理することで、まずは中心ゾーン1シグマに対する対策を提示する。そんなマスメディアであって欲しい。国民は金利に加えての増税に関心があるはずで、トータルでの意見集約が好ましいと思った。あのデフレの原因を作った金利+増税=成長しない唯一の国と揶揄された30年には癖壁しているのが実態ではなかろうか。

話を戻して金利0.5%ぐらいは調整幅として捉え、世界が混乱している間に日本らしさを活かした技術開発を推進し、過ぎてみれば日本の一人勝ちになるようにすべきである。そのための政府がやるべきことは大きいし、企業も従業員の給与アップをしつつも耐えて新規ドメイン開拓をすべきであるとは強調しておいた。TV編集では残らないだろう。

年末に読んだ橘玲さんのベストセラー「バカと無知」に照らし合わせて見ると、放映の中で自分よりも悲惨だなぁ〜と溜飲を下げることで暫定幸せを感じさせるようなものかも知れない。

筆者のコメントが放映されたとしても恐らく視聴者は見抜くであろう。「あのような発言は本音の裏返しである。本当は冒頭の用意された答えと同じなんだろう」と。一見きらびやかに振る舞う人々がいる。だが実態は違うだろうと読み取るものだ。つい最近の東京地検ガサ入れ事例もこのケースにあたるだろう

実は今は大きなチャンスだと思う。

COP25のパリ協定では地球の温度上昇範囲を1.5℃以下と決めた。だが、ウクライナ侵攻によりロシアからの天然ガスがストップするや火力発電・原電廃止の声だかの国はやむを得ないとして古い火力発電を稼働させ、ついにCOP27では1.5℃は再確認されなかった。開発途上国の先進国から金よこせの交渉の場に変説した。他国は2050カーボンニュートラルゼロができもしないのに宣言し、つられて日本もした。しかし日本の取り組みは真面目である。ファンタメンタル技術が揃っているから達成できる可能性があると思われる。

新聞社、TVの街頭インタビューは3年間に3回。コロナワクチン、東京オリンピック、そして今回の金利。風貌・体型から生活感が“並” “少なくとも1σ(68%)内”だからだろう。知り合いから、以前ブログに道をよく尋ねられることを書いていましたね。あれと同じでは?と言われた。この指摘は鋭い。一本取られた。(笑)

レアメタルから見たBEV vs.エンジン

岡田真澄という容姿端麗なフランス生まれの俳優がいた。駐車場がなかなか見つからない時に子供に言った。「あの歩いている人は駐車場が見つかった人なんだよ」と。クルマ保有率が今ほどでない時代の話。何を言わんとするかはお分かりの通り。

これを現在に置き換えてみると「EVに乗っているのは、戸建で自動車を2台所有している人なんだよ」となる。遠出や降雪時にはガソリン車かハイブリッド車とし、近くの買い物など近距離にはBEV(バッテリー電気自動車)と2台を持つことでBEVが巷間言われる充電設備不足、充電時間が長い、運転距離が短いなど指摘されるような短所とは関係がないクルマの使い方となる。(全個体電池の充電時間は1/3の見込みで開発中)。

遠出は滅多にないのでガソリン燃焼によるCO2は無視できるほどであり使用頻度の多い近距離ではBEV使用で(運転時の)環境に貢献だ。となる。筆者には2台おけるスペースも200V電源がないが、散歩がてらに近くの日産のショールームで話題のサクラを見た。受注再開のお知らせとともにリチウム値上げによる価格改定がなされていた。軽自動車のサクラ(上級クラス)は300万円越え。隣に展示してあるリーフは100万円値上げで580万円。

驚くか驚かないかは読者の懐事情にあるので、ここでは言及しない。EV先駆の日産のみならず後発BEVメーカーは押し並べてそうなのだろう。先の定義に付け加えるなら「経済的に余裕があるか、補助金を地方より多く出せる東京都の住人」であることになる。

リチウムの場合は灌水から 塩化カリウムを生産する際の副産物として生産される場合と, リチア輝石から主産物として生産される。前者がチリ、後者が中国である。携帯などのリチウム電池対応には200年の埋蔵量があると言われていたが、さて爆食いのBEVとなるとどうなるかわからない。 理由の一つが埋蔵地=生産地とはならない。図参照(表面技術 東大・野瀬、阿部 2012)。政治的、環境意識レベルによりサプライチェーン及び量は変わることに留意する必要がある

リチウムより一緒に使用されるコバルトの方が先に枯渇するかも知れない。だったら両方とも市中鉱山(携帯やBEV)からリサイクル回収すれば良いではないかと思われるが、電池の使用量増加率がリサイクル率を圧倒している場合は、それも寄与しない。

それで思い出したのがインジウム(In)である。スマホの表面を指でなぞらえると画面が動いたり、拡大するのはスマホの画面に導電性のインジウムが塗布されているからである。

液晶TV画面が大きくなるにつれ、このインジウムは枯渇するのではないかとして、業界がざわついたことがあった。対策としてCNT(カーボンナノチューブ)を配合した導電フィルムで代替できるとして新規ビジネスを謳った企業があった。目には見えないナノサイズなので透視できる。でもインジウムに比較するとやや暗い印象はあった。

やがてインジウムは鉱石として亜鉛と一緒に採掘されるので、亜鉛を精錬すると副産物として得られるとわかって、価格も一段落したことがあった。鉱山に精通していないと少しの情報で右往左往するのが実体経済だと筆者もCNTの分散に少し関係しただけに、思い知った次第。

 

極めて楽天的に言えばリチウム埋蔵量の多くは海水にあるので、そこから取る技術・経済的に成立すれば安泰であるが現実は遠い先の話。

イーロンマスクはテスラを大幅に値下げしたのは、まさか海水をあてにしてはいない。利益が出過ぎている段階で雨後の筍のように輩出するBEVメーカーを脱落させ、逆にリチウムを独占できることを狙ったのではないかと筆者は推定している。どの業界でも3位までは利益確保できるが、4番目は踊り場、5番目以下は余程の技術的優位がないと厳しい。技術がなければ地獄。モーターと電池さえつければBEV的なメーカーはいずれ姿を消すであろう。

BEV反対派の人は採掘からバッテリー製造時までのCO2発生はガソリン車より多い説を言われるが、その採掘における環境破壊分を算入できているかどうか公開されていない。更に上回ることもあり得る。なんとなくBEVが環境に良さそう的なオーラを振り撒きながら補助金政策でEVを(本音は別にありそうだが)推進してきた欧州メーカー。

その一方で最近は欧州のユーザーはハイブリッド購入比率が高くなり、日本ではなんとなく水素エンジンが良さそう的な動きが出てきた。このブログでも掲載したが、トヨタの水素エンジン搭載カローラ(ヤリスエンジン)のレーシング走行や、川重、ホンダ、ヤマハ、スズキのバイクメーカーも水素利用の共同研究歩調を取り始めたことも大きい。話は飛躍するが製鉄におけるコークス+水素で実質CO2ゼロの製法を開発した神戸製鋼はスゥエーデンから受注。いずれ火力発電にも水素が利用されると、石炭+水素発電→送電→BEV となり火力発電の電力使用のBEVは少し負担が少なくなる。だが、水素直噴エンジンがトータルのエネルギー効率は高いので有利には変わらない。

今回はレアメタルの面から眺めているので、BEV,HEV,エンジン車に利用されているレアメタルを超アバウトで纏めると以下の通り。

 

 

 

 

 

冒頭の岡田真澄は何かのTV番組でアイロン掛けを披露したことがあった。霧吹きが良いのか、腕が良いのかわからないが、見事な出来栄えだった。あの手順は非常に参考になり筆者も真似をしているが、イケメンだからサマになるが、当方は全く当てはまらない。フランス時代の家族経済事情の経験からモノを楽しく大事にされていることだとは思う。日本のエンジンであれば20年楽勝〜40年は稼働する。水素エンジン車が普及した時を想像すると40年モノビンテージ車をカッコ良く乗りこなす、モノと環境を大事にする日本。それが美しいとは思いませんか。