焼き海苔、やま芋で認知症改善?

近くのスーパーに日頃より少ないが米袋が積まれている。米騒動は終焉したのだろう。一方で駅構内の映像パネルには食中毒に注意喚起が目立つ。先週のブログを見ていたかのようなタイミング。うなぎ弁当中毒の地域であれば、尚更なのであろう。それを見ながら会食場所に集合した。

加熱処理条件を満足しそうなメニューを選びつつ、脳・肝臓にとってご迷惑であろう液体で乾杯。フロアーのあちこちからご満悦な声が充満。なんだかんだ言っても幸せな日本。

メンバーの関心はこれから高齢に向かうとあって食事と健康の話題で盛り上がった。

健康診断を機会に塩分管理をきっちりしている人。トータル6g以内に収める工夫を熱く語ってくれた。別の人はりんご酢の効用を語る。きっちり守るご褒美に好物のあんぱんを食べるとか疑問符付きの愛嬌のある人。それぞれだ。

その話の流れの行き着くところは「日本古来の食事と近年の食糧事情による食事の変化」が話題になった。15,000年に及ぶ縄文時代、後半から弥生時代に稲作となり日本人の食事がある意味固定した。米、野草、魚、貝 の組み合わせ。それに対応する胃袋、腸に存在する菌種も決まった。 海外原産地の住民にとって良いものが日本人に合うとは限らない。具体的に記載すると差し障りがあるのでカット。

ではこれから食欲の秋になったら何が好ましいのか? の話題になったので、このような文献があると紹介した。

1つは「ジオスゲニン高濃度ヤマイモエキスは 軽度認知障害および軽度アルツハイマー病の認知機能を改善させる」 富山大学が8月26日にプレスリリースしたもの

山芋エキスを24週間65歳以上(平均73歳)の人を2グループに分け、偽エキスを与えた方と比較したところ、山芋エキスグループは認知症改善した人が多かったとのこと。詳しくは元文献を参照していただきたい。

2つ目は「海苔のもつ抗酸化作用 ~季節変動と加工工程による増強を発見」名城大学が7月26日にプレスリリース。要旨を引用すると

  • 11 月/12 月に収穫される秋芽網の初摘み海苔が高い抗酸化作用を示した。
  • 生海苔を加熱して乾燥、焼処理を施すことによって抗酸化作用が増強された。
  • 増強された抗酸化作用はフェノール類化合物の増加によるものだと推定された。
  • 海苔の加熱処理により付加価値がプラスされた食材開発や調理方法提案への貢献に期待。

焼き海苔でフェノール類化合物がどのような機作で増加するのか、是非分析をお願いしたい。フェノール類は熱や光により発生した過酸化物と反応して酸化劣化を抑制し、自らは役目を終えるのが普通だが、加熱して増加するのは面白い。採取時期とフェノール類化合物データ、焼き工程で増加の実験データを引用する

 

 

 

 

 

 

 

偶然に山芋と焼き海苔の情報を思い出したが、心の中では「とろろマグロ丼」「とろろ蕎麦」が浮かんでいたはず。そこには海苔もMVPの一角を占めている。とろろマグロ丼が麦飯であれば完璧栄養メニュー。とろろ、オクラ、海苔の組み合わせも付け出しに良いと結局は某液体の量が増えるメンバー。明るく笑うのも健康の素で勘弁してくれるであろう。

米不足?

いつも行くコーヒー豆焙煎所ではサラーリマン向けにカレーライスも販売している。骨付き鶏肉が2本制限はあるものの、ご飯と焙煎直淹れのコーヒーを含めて500円。ご飯大盛りで600円。懐が寂しいこともあるが、美味しいので常連だ。

お店の人に“最近の米不足なのに大盛りを止めないのですね”と聞いたところ、えっ?そうなの? 答えたのはバイトで来ている普通の主婦。 スーパーの米が消えたとTVで放映されているけど知らない?と再度聞くと“あ〜ぁ そうね〜” 。なんとも間の抜けた会話。

最近人気のおにぎりも店頭にずら〜と並んでいる。駅弁の販売制限など聞いたことがない。本当の米不足であれば、外食産業などにも影響があるはずだが、マスコミによっては猛暑・水不足、農水省管理ミス、インバウンド、南海トラフ地震・・・に理由をつけてスーパーを撮影し『この通り』。いつかのデジャブ。

上記のように長期契約している場合は収穫量が平年並みであればほとんど影響がない。実際2023年の収穫量は平均値100として101。

先日、羽田方面に用事があって出かけたら精米所を見つけた。店頭には5kgの庶民サイズから重袋の米が積まれていた。佐賀ブランドの新米もあった。

1973年の石油ショックによるトイレットペーパー狂乱のキッカケは新聞報道。そして2024年の米騒動。米騒動のワードは某プロ球団の出来事だけにしてほしい。

とにかく、人間心理につけ込み視聴率稼ぎをする従来のマスコミに対して、SNSの方が冷静に分析している。 マスコミの煽りのように見える。その一端はスーパーならではの購買にあるのかもしれないが、ここでは言及しない。

しかし、庶民が災害に備えて所有したいのはわかるが、生米は長期保存できない(真空保存を除いて)、かつ災害時に停電となれば電気炊飯器は利用できない。多くの人は薪でご飯を炊いた経験はない。

今や調理器具には電気・ガスが必須。電子レンジ、IHIクッキング、ガスオーブン、低温調理器。避難先で口にできるのは加水により食することができるアルファ米。(炊飯後急速乾燥パックしたもの)

非常食としてご飯だけでなく、カレーやパスタまで販売されている。元々は自衛隊など緊急事態、長期行軍活動などで利用されているが、本当に備蓄するならアルファ米だと思うが生米を購入してアルファ米にまで家庭ではできそうにない。

それでも生米から炊き立てが食べたい!と言うなら持ち出す調理器具は圧力鍋。炊く米の量にもよるが5〜10分であとは蒸らしで可能。時間もあるが、災害時には殺菌が必要であり高熱処理が好ましい。圧力鍋では110〜120℃まで昇温することから多くの細菌、ウイルスは死滅する。ただ、常温に戻ると環境から侵入の細菌が増殖するから食べ切るのがポイントかと。

最後に余談

筆者は低温調理器を買うかどうか迷っている。タンパク質効率良い調理、お芋などの糖への変換温度ゾーン領域設定が可能など利点はある。但し、殺菌温度とトレードオフである。調理専門書で美味しい調理温度が示されている。58℃〜63℃前後。

だが厚労省の食中毒防止の食肉加熱条件は高い。温度―時間の関係から低温調理器の時間を長くとる必要がある。例えば豚肉(E型肝炎ウイルス)であれば60℃ 71分 58℃では127分。

但し、この温度ゾーンは米国では禁止。英国では71℃・20分以上が条件。鶏や豚の飼育環境により違うのだろうが、夏バテの体をウイルスから守るには高め温度が安心。

今後のオリンピック

パリ開催オリンピックがパラリンピックを残して終わった。直接見たのではないが映像やSNSで見る限りパリは非常に正直なお都市だと思った。「ファッション・フランス料理・シャンソン」の洗練されたおフランス的イメージは30年前にはあった。だが今の現実は庶民レベルではなかったこと、30年間に世界をリードする文化的革新もあったのかも知れないが、勉強不足の身においては知らない。それが尖った演出やキリスト風刺をせざるを得なかった理由だろう。小生の想像外の出来事のシーンで画像をoffした。

気の毒なのは東京大会から3年しか経過していなかったので、前大会の記憶が鮮明なうちの大会となったので、とかく比較された。パリ当局も前の大会を視察していたであろうが、目標スペック変更まではできなかったのであろう。いい意味で世界の人々がパリの基準値を知ったのが良かった。When in Paris, do as the French do.

日本のスペックはそれ自身が高い。100でも実際は120〜150にしないと気が済まない。パリはどうやら自称スペックが100で、それができた運営であれば100点満点。それがパリ流。日本はやりすぎとでも。具合が悪い時はルールやセットポジション(スポーツクライミング)を変更することで生き残りをすれば良い。フランス大会の理念である男女同権、LGTBに基づき、男女同数の審判を揃えた。しかし実際は力量に疑問を呈し誤審が多く発生。次回はAI判定が導入される理由に十分なりうるだろう。

などなど運営については議論が多いが、選手の活躍は感動させたのはもちろん、日頃の努力に頭が下がる。

オリンピックが商業主義に移行した前回ロス大会が次回の開催地でもある。商業主義がさらに拡大するのか注目される。 ただ、今後開催立候補する国・都市があるのだろうか?そこが問題ではなかろうか。 ① GDPが少なくとも1兆億ドル以上で②人口減少が少ない国が長期的に見て開催可能な国と言える。そうなると開催できるのはアメリカ、中国、日本、ドイツ、インド、イギリス、フランス、オーストラリア、イタリア、ブラジル、メキシコ、ロシアあたり。

だが、今回の選手から見た希望する魅力ある国となると、③文化、食事、安全性などの魅力が欲しい。となると経済力を含めた国家ブランドインデックスが参考になる。

1位日本 2位ドイツ、3位カナダ、4位イギリス、5位イタリア 6位アメリカ 因みにフランスは8位で2022年の5位から後退している。要するに開催可能単独の国・都市はサミット国。

https://www.ipsos.com/ja-jp/nation-brands-index-2023

 

 

 

 

 

 

 

因みにGDPと出産率のマップを作成した。日本は出産率1.39と厳しいが、多分AIロボット、量子コンピュータ運営で(自分でも意味不明であるが)乗り切るだろう。

 

なので、単独開催では限界が来る。いくつかの国・都市での共同開催か種目別大会。

例えば、サッカー、ラグビーのようなワールド大会への分散型になるのか。こちらの方が選手オリエンテッドなのかも知れない。

また、その国に固有のスポーツを広く認識するにも有益だろう。例えば狩猟農耕時代を源流とするスポーツが現代人の健康に役立つのなら興味がある。集団競技において各選手のトータル体重を一定にしての綱引き競技などは生活感があって面白い。なるほど自分でも少し取り入れてみるか〜的な参考になる種目があれば庶民レベルにとって利用しがいがある。またナショナリズムを助長するメダル数争いにはならないだろう。また妙な理屈で大事なスポンサーを追い出すような偏狭エコシストではやがて誰からも見捨てられかねない。

今回はパリでの開催。フランス全体とは違うことも注意が必要だ。ずいぶん前だがパリではそっけない態度を受けたが、リヨンはフレンドリーな人々がいたことを思い出した。リヨンに明治時代から日本領事館が置かれて交流があったのが理由だと聞いたことがある。そう交流は1日にしてならず。パリ復活を期待しつつ、今後の共同開催を含めたスポーツの祭典は見たい。

タウリン

夏の朝は早い。4時には明るくなり6時になると熱光線となる。ところが、このブログを書いている8月12の朝5時の青空を見て「おっ! 天高く巻雲(すじぐも)にうろこ雲」。30分ほどで雲は消えたが、秋がそこまで来ていることがわかった。毎日35℃付近の気温で精神的にもやられている時だけに一服の清涼剤となった。

気温35℃。道路上では45℃前後ともなれば外出する気が失せる。必要があって外出することがあっても、徒歩速度と体内発生熱vs. 発散空冷熱のバランスから、徒歩速度を調整せざるを得ない。緊急の理由がない限り多くの人は絶妙な速度で歩いている。筆者の勘ピュータによれば10%は遅い。

歩数と健康のブログを以前アップした。とてもそのレベルを達成するのは無理。そこで空調の効いた部屋内でウオーキング類似の運動でカバーしているが、気分は外出の時に比較すると飽きがくる。サボれば将来はサルコペニア、フレールや心血管疾病がくると覚悟しての義務感が強い。

街に出る。半ズボンだと脚の状態が観察できる。摺り足の弱々しい脚。大腿部(太もも)が太い人、体脂肪5%前後まで絞り込んだ人など様々である。問題は若い時OKでも老齢化で筋力が低下して摺り足になること。

そんな時に思い出すのは渡辺裕之さん出演の長年某製薬メーカーのCMである。脚の鍛えられた筋肉で崖などを踏破するシーンは今でも記憶にある。「ファイトォ! 一発!」。

国立長寿医療研究センターと大正製薬が共同発表「中高年の筋力維持にタウリンの摂取が関連する」と報告があった。鍵はタウリン。多く含む食材として、牡蠣、あさり、しじみ、ほたて、はまぐり、たこ、かに、いか、鯵や鯖などの近海魚、ブリやカツオの血合いなどがある。我が家を見ても確かに食生活が欧米化してきたことにより強く意識しないと摂取量は減少している。旬だから摂る的なところがあり、毎日摂ってはいない。

発表資料を飛ばし読みして結論の図を表示する。

食事からのタウリン摂取量が多いと、8年後の脚の筋力(膝伸展筋力)が維持される傾向にあることを「NILS-LSA(国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究)」の縦断解析により見いだしたとある。 食事から摂取できる職業と言えば漁業関係者。なるほど漁業に携わるシニアの元気の素はこれかとも思う。

因みにタウリンは通称で正式名は2-アミノエタン-1-スルホン酸。

アミノ基とスルホン酸基の両方有しており、アニオン、カチオン両性イオンの化合物で水にも溶解する。魚介類に多く含有されている。何十年前に養殖の餌にタウリンを配合する情報があったように記憶しているが間違っているかも知れないので必要なら確認して下さい。

5月に開催された展示会で三井化学のブースでリポ○タンDを頂いた。大正製薬のお馴染みのボトル。三井化学が何故?と意表を突かれた思いがあり調べると、国内最大のタウリン生産量を誇っていると知った。脱石油化学戦略の一つとして成功している事例だろう。20年前から生産とするとタウリン効果で企業パワーは衰えなく成長続けると見た。同社のHPにタウリンの用途としてエナジードリンク 輸液製剤 点眼液 ボディクリーム 粉ミルク ペットフード 飼料 とあるのでその広がりに驚いた。

研究の着目点(がん細胞識別・スマホ歩き)

“へえ〜! 知らなかった” がここ1ヶ月に2つ出会った。一つは東京都産業技術研究センターで開催されたクロスミーティンで正常細胞と転移ガンを識別するデバイスを紹介。転移ガンは血管内に侵入するには形を柔軟に変形するのに対して正常細胞は変形することなく、血管の微小な空間を通過しない。細胞サイズの微細加工で図にあるデバイスを作成。識別率80%を達成したというもの。目の付け所とそれを可能にする微細加工技術の統合の成果。凄い。やり通した研究者に拍手ものだ。

 

 

 

 

 

次に驚いたのは京都大学の「歩きスマホによる内因性転倒リスク」。

歩きスマホであれば前から来る人と当たるであろう、また段差に気が付かなくて転倒もするだろう、最近では電車からおりる時もスマホを眺めている若者がいてプラットホームの溝に落ちないか、こちらが心配。でもこれらは物理的な原因であるのに対して京大のタイトルは「内因性」とある。

最初に補足説明に目を通した方が理解しやすので引用する。

「歩行運動は自動運動の一種で、随意運動と反射運動の中間に位置する運動です。それにも関わらず、直立二足で歩行する人類の歩行制御には、脊髄・脳幹などの低次神経系のみならず、大脳や小脳、大脳基底核といった高次神経系が重要な役割を果たしていることが知られています。

例えば右脚を基準に考えた場合、ある右足接地(右足が地面に着くこと)イベント発生から反対側(左足)の設置を経て、次の右足接地イベントの発生までの時間間隔を歩行周期と呼びます。一定速度の歩行を心掛けて歩いた場合でも、歩行周期は一定とはならず、サイクル毎に微小に変動します。この歩行周期の変動は、歩行周期ゆらぎ(gait cycle variability)と呼ばれます。」

歩くのは脚の前後繰り返しだと単純なものではなく大脳や小脳の高次神経系が重要な役割だと。これが内因性なのかと理解した上で、実験及び実験結果を見た。

実験は回転ベルトの上をスマホなし通常歩行、スマホは見るが内容を認知しない(非認知課題)、スマホの画面動画や記事を見る(認知課題)の3パターンで歩行の加速度変動、歩行周期、歩行周期変動を測定。

その結果、障害物がない平地を歩行した時でも、スマホを見ながらの歩行は安定性に欠けることが証明された。なお、リュック前抱えでも同様とのこと。

この文献で安定性の評価に1/f ゆらぎを評価。さらに驚いたのは1/fはその前の数千歩の時を引き継いているとのこと。これが「二つ目のヘェ〜だ」

人間の脳ディスクに歩行パターンが記録され、AI学習のように次の歩行も勝手に

指示されるとしたら、危険は続くことになる。どこかでゴミ箱行リセットして、通常歩行バージョンをアップデートしなければならない。

それって歩行だけ? 老害、付和雷同、他人事ではない。旅行、新しい人との出会いなどがスウィッチになるが、いつも時間に追われてなかなかと言っているのは1/fから抜け出せない証拠。反省!

熱中症

過酷な暑さが続いている。気温の測定は風通しの良い日陰で芝生から1.5mのところに百葉箱があり、アナログ温度計を設置してあるのを子供の頃近くの気象台で見たことがある。

気温40℃の報道に驚くが、太陽からの直射熱、道路からの放射熱を加えると実際は50℃になる。某TVで100kmマラソンのチャリティ企画があるとのこと。心臓は体温冷却のため心拍数を高くするが、動悸、めまい、意識障害などから極端には命の危険が予想される。人の命は地球より重いと言った首相がいた。チャリティ趣旨に対する反語だ。さて、

ここ2週間で、①電車乗客が気分悪くなって緊急停止 ②80代男性が商店街で突然倒れ後頭部から出血 に遭遇した。電車の場合は偶々プラットホームに停車したところで、乗客が瞬間にチームを組みアクションした。後頭部出血のシニアの人は意識あるが、これも通行人が一人は脈を測定、一人が目の動きを観察し、スマホで緊急車を呼ぶ間に応急指示を受けるなど見事なチームワーク。日頃 都会は冷たいような雰囲気があると言われるが、一旦このような事態には即席看護チームが結成される。そして救急専門が到着すると情報を伝えてその場を各自それぞれ去っていく。救急医療メンバーの人から看護師さんですか?と言われるぐらいのレベルの人もおられる。あ〜ぁなんたる美しきかなニッポン!

学校・職場・町内会で消火訓練、AEDの使い方を習うものの、実際に遭遇することはないのでAEDがあったとしても使えるか自信がない。自分ができることと言えば、体温、心拍数、酸素指数が測れるスマートウオッチを患者の腕にはめて数字をチェックすることぐらい。

工事現場・建設現場では冷却ファン付きの作業服をよく見かける。話を聞くと効果は凄く良いとのこと。つい先日DXプロセス展ではさらに進んだペルチェ・ウエアがどこもかしこも展示していた。ジャケット、ベストと種類も多い。また、作業者の顔色をモニターして熱中症レベルを判定する装置を化粧品関係の会社が発表するなど、ビジネスにとっても好適なアイテムになっている。

奥能登の復興が進まない背景に作業者が大阪万博のとられて手薄になっていることが現地企業の生の声を聞いた。作業者の取り合いの中で熱中症により尚更の労働環境をよくしないと集まらない。その意味でもビジネスチャンスはあると見た。ちなみに顔判定で当方がトライしたら重度熱中症と判断された。DX展に押しかける人数があまりに多く満員電車並みのブースもあった。説明員からブース対面の熱中症対策塩を勧められ購入。

最近、熱中症が従来の3分類では足らないとして重症度分類を追加したとのニュース。GSC 8以下を指すようだ。GCS(Glasgow Coma Scale)が8点以下は緊急度が高いと判断し、呼吸や循環に注意しながら早急に原因を検査すること短時間で合計展が2点以上低下した場合でも病態が急速に悪化していると判断する。
合計点が13以下であった場は頭部CT検査などで頭蓋内病変の有無を調べる必要があるとのこと。

GCSの簡易表を示す。日経メディカルの記事によると、新たに追加となる「III度の中でも特に重症とされる状態」について会見では、「深部体温40℃以上かつ重症意識障害(Glasgow Coma Scale[GCS]≦8)がある状態」と説明。

臨床現場では、表面温度が40℃以上(もしくは皮膚に明らかな熱感あり)かつ重症意識障害を伴う患者は「現場で重症と想定される状態」として深部体温を測定し、冷水浸漬や冷却デバイスを用いた積極的な冷却(Active Cooling)の迅速な実施が推奨されている。とのこと。 冷水浸漬と言われても通りがかりや商店では困難ではなかろうか 精々冷媒パッケージをかき集めて袋に入れるしかない。濡れタオルならなんとかできそう。

最後に筆者の外出時の熱中症対策は、①日傘(店舗エアコンの屋外機からの放射熱も遮るのにも役立つ)② 水筒(温水+塩)③ 歩行速度を通常の1/2で体温上昇を抑える(多少の見っともないが気にしない)④エアコンの効いた ショッピングモールをうろうろ。衝動買いは倒れた時の費用よりマシと都合の言い訳をする(笑)。

保守車両の脱線事故・代替ルート考察

7月22日に発生した東海道新幹線・保守車両脱線事故による終日区間不通トラブル。あたかも南海トラフ地震の想定訓練を見るような光景だった。

東海道新幹線利用者は次の5つの対策を考えた 1)航空機への切り替え→満席 2)高速バス→満席 3)豊橋から在来線で名古屋 4)東京で宿泊し翌日振替 5)北陸新幹線で敦賀まで行き、名古屋方面は特急しらさぎ、京都・大阪にはサンダーバード → これも敦賀駅乗り換えで大混乱。

大阪ではJR西日本が新快速で敦賀まで行き北陸新幹線の利用アナウンスがあったようだ5)の北陸新幹線が敦賀まで延伸していたことが救いとなった。乗り換えで在来線の特急ではなく、敦賀―小浜―京都ー京田辺(松井山手)―新大阪の早期着工を望む声があったと福井新聞は伝えている。

もとより北陸新幹線構想は新大阪まで開通させ経済的価値を高める傍、南海地震への代替輸送の役目とすることだった。ルートが決まっているのに未だ燻っている動きがある。関係府県の首長は敦賀―小浜―京都ルートで一致はしているが、京都が首を振らない。京北地区に新設駅はなく景観問題で進まない。京都駅までの大深度を走行するにしても遺跡がネックになろう。

イライラした石川県の加賀市・野々市町などは米原ルートを復活せよと主張。リニアが開通したら米原―新大阪をJR東海から移管・移譲せよとも主張している。それなりに説得力はある。滋賀県も建設費負担が少ないこと、並行在来線はそのまま維持できるので反対する理由がなくなる。プロ野球のように金銭トレードとするのか西日本ドル箱手持ち路線がないので交換は無理。多分厳しい交渉ごとになる。おおよそ乗り換えが面倒でストレートに行きたい心理からすれば、米原―東海道新幹線―新大阪―大阪は遠慮願いたいと思う利用者。

京都を北から通すのは無理だとすれば、湖西線の利用もある。湖西線の上を跨ぐ形で敷設。比叡下ろしの強風対策は必要。透明太陽光発電(ペロブスカイトフィルム)を装備した透明トンネルのアイデアは如何だろう。琵琶湖西側の町おこしとして近江舞子に駅を作るのも良いだろう。在来線を廃線にしないことがポイントになるが敦賀ー京都間の距離的には一番近い。

小浜市と滋賀県がクレームをつけるだろうが、滋賀県には苦い経験がある。それは栗東に東海道新幹線を誘致する運動が盛り上がりJR東海もOKのサインを出していたのだが、当時の知事が潰した。この後遺症は大きい。

滋賀県にとっては滋賀を通過する新線は勘弁してほしいところと現在の知事に同情する。滋賀県は我田引鉄ではなく我田排鉄。だが滋賀県はダイハツがある竜王は経済力指数が1を超えているが、概ね0.8台が大津市や琵琶湖東側に集中している。西側の高島、マキノ地域振興が必要なのだが、人工降雪マシンでスキー復活などの案にとどまっている。イマドキの政策なのかやや疑問。

なんだかんだ京都まで延伸すると京都駅をどうするか? 現在の小浜ルートでは京都駅で水平方向にすると卍形になって無理。堀川通り、東寺付近も遺跡で無理、とすると桂川が最適だろうと思う。もともと、宝酒造がビールを生産していたが、キリンビール京都工場となり、その後閉鎖。跡地で現在はイオンモールとなっているが、自衛隊駐屯地が大久保に移動すれば大規模な開発が可能。少し歩けば阪急洛西口駅がある。京都大学洛西キャンパスへのアクセスが便利。長岡京市は益々桂川に吸い取られる局所的不都合はあるだろうが。

話が発散したが、東海道新幹線保守車両の砕石車両とダンパー車両の衝突脱線事故に対して多くの人は夜間のメンテナンス作業のご苦労を思いクレームをいう人はいなかったであろうと想像する。また、この機会にスラブ構造についても研究開発が進むことを期待したい。

白紙からの復興デザイン

6月末の金・土に横浜市役所のホールで米沢市・商工会による紅花展が開催されていた。和太鼓に民謡、笹野の一刀彫りや名産品をワゴン販売。米沢置賜地区で美味しい卵かけご飯用のタレがあるので購入した。米沢移住促進コーナーもあった。米沢と言えば、江戸時代の上杉鷹山公による財政破綻状態から脱出させた手腕が有名。ケネディが最も尊敬するのは鷹山だった。米沢織など殖産、税制改革の一方で旧弊システムの城内改革を実践した。

「伝国の辞」はあまりにも有名 35歳で引退した後も後継者の大規模工事など指導。

細々とした改善の蓄積というより「白紙からの大型デザイン」と言うべきスケール。
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候

耳の痛い政治屋はいませんか?

それから200年後の現在の米沢といえば米沢牛。米沢ラーメン、板そば。工業製品ではNECがレボノのパソコンを生産。経済力指数0.58 そこそこの公的資金が必要団体。

当方は米沢の山形大学に実験で相当数通っただけに懐かしいと同時に鷹山公が観光資源になっているのは複雑な思いがする。

実はあまり知られていないが、帝人は米沢発企業。だが広島に行ってしまった。帝人がまさか大企業になるとは予想できなかったのか、折角の大飛躍する機会を有効に使えなかった。その理由は 電力不足、労働力不足、脆弱な交通網など挙げられている。がしかし、考えてみるとこれらは卵・鶏の関係。企業が存在すれば他所から人は集まる。最上川上流からの電源開発もある。欠点は鉄道が脆弱で米沢は海に面していない。同じ山形県内の酒田は北前船の拠点で京都との結びつきが強い古い歴史がある。

随分前のことだが研究チームの一人が酒田で結婚式を挙げた。その時、驚いたことに舞妓さんが登場(市役所の女性が京都で修行されたとのこと。)このように酒田と関西は繋がりがあった。だとすれば行政トップが米沢と酒田の組み合わせで企業育成を図ることもできたはず。鷹山公が現在も存在していれば、どのように考えたであろうか。鷹山公就任前は累積20万両の負債があり、毎年5万両の赤字。それが改革により借金返済と毎年黒字変換ができた。経済力指数1.0と凄い成果。まさに英雄。だが、現在の経済力指数0.58と比較すると、英雄の理念と行動を継承するのは難しいとわかる。一人で頑張るにも限界がある。グループでつないでいくことが重要だと展示会を見ながら思った。

先日、仲間内会合で地震についての講演があった。今回は東工大名誉教授による能登地震調査特別報告があった。その際メンバーの多くから能登地震の復興が遅いことが話題になった。理由は多々あるだろうが、地震前に人口流出が激しい状況の中、地震が追い討ちをかけた。前年5月比較で7%も減少。特に若者が流出した。(奥能登:珠洲市、輪島市、穴水町、能登町)高齢社会が一気に進んだ。

輪島の朝市は有名ではあるが、全体の経済力指数は0.25前後と極めて低い。金沢や小松の0.88,0.71に比較すると流出はやむをえない。“復興”は元の姿に戻すとの意味があるが、むしろ、ここでも、鷹山公に習って白紙からデザインする方が良いだろう。

能登強みの漁業・海産物を発展させうる企業の誘致と高齢者を含む家族は金沢や野々市のコンパクトシティに居住してもらい、従業員が通勤できるインフラ(道路・割引)にするのもありかと思う。現況はプロレス技で言えばチョーキングとまんじ固め状態。ここからの脱出は元プロレスラーの馳知事の得意技「裏投」で乗り切ってほしいが、もったいぶらないで早く技を繰り出すことが求められる。後年伝えられる人になれるかどうかの瀬戸際だ。がんばれ!!

小魚摂取と死亡リスク

やや過剰気味な健康情報にまた一つが加わった。タイトルが全てを凝縮している。今回は小魚を摂ると死亡リスクが低下するというもの。

煮干しからの出汁のお吸い物では不十分なのか知りたいところだ。煮干しラーメンの幟も目立つ街風景だが炭水化物の量が気になる。煮干しとナッツがブレンドした商品もあり時々買っている。スーパー鮮魚コーナの隅に小魚干物があり、値段ははるが商品があればついでに買っている。いずれもちょっとした口寂しさを紛らわす程度だが、本来は栄養満点なので積極的に摂るのが良いのだろう。 ししゃも、めざし、しらす・・・・。

めざしを見ると土光元経団連会長の質素な食事放映風景を思い出す。あの体型にして精力的な活動が本当にめざし由来なのか諸説あるが当方は信じることにしている。湘南名物しらす丼も食欲をそそるが値段が高くなった。コウナゴ(小女子)を煮た釘煮は関西の食事には欠かせない。2月ごろ明石で獲れたコウナゴを鍋で煮汁と一緒に煮ると錆びた釘のように曲がることから命名されたが、お裾分けで送られてくると季節を感じる。

前振りは良いから本題を早くとお叱りを頂戴することになるので改めて論文を紹介。

名古屋大と佐賀大の共同調査によるもの。要約の図が最初に記載されている。

 

結果は一目瞭然だ。小魚は頭・内臓・骨を丸ごと食べることからビタミン類、カルシウム、DHA EPAを摂取できる。だが女性に効果的で男性にはそれほど効かないのか?

 

これからの調査に期待したい。ししゃもは酒の肴としては食べるが、アルコール、シメには体が炭水化物を欲するのでラーメンとなるなど効果を打ち消ちする食事内容も影響しているのだろう。

研究者の以下のコメントを拳拳服膺して小魚が全身で我々の健康に奉仕していることを感謝する次第。冒頭の「やや過剰気味」は反省して撤回します。

シシャモ、しらすなどの小魚は「頭・内臓・骨を丸ごと食べることができる」という特徴があり、これらを捨てて身だけを食べる一般的な魚とは異なる食習慣で摂取されます。魚の頭・内臓・骨には、ビタミン A やカルシウムなどの疾病予防に関わる栄養素が多く含まれており、これらを一度に摂取できる小魚は、現代の私たちに不足しがちな栄養素の大切な摂取源と考えられています。小魚に含まれる栄養素の摂取は、血圧を低下させて動脈硬化を防いだり、一部のがんを予防したりすることが報告されており、ヒトの疾病予防における役割があらためて注目されています。

迷うことに意味がある  羽倉論文から

NBPに異変が起きている。巨人、中日、阪神のチーム屋台骨メンバーが1軍登録抹消の状態。スランプというが、ベテランならば脱出法に熟知しているはずだがおかしい。そこで3度も三冠王を取った落合の事例を見ると彼もスランプの経験があるが、脱出法を開示している。原因解析、努力、前向き姿勢と家族、コーチその他の助言を受け入れることとある。

俺流を自他認める人だけに家族、コーチ、周囲の助言を受け入れることとは驚いた。天賦の才能を生かして若い時に頂点に立った人であるほど自己流にこだわる。それで期待されながら成績を残せなくて去った選手は山ほどいる。

メジャーに渡った藤浪は日本球界ではイップスに苦しんだ。メジャーで当初は活躍したが、その後急にイップスを発症。コントロールどころか暴投。見ていて気の毒になる。完璧主義者ほどイップスになるとの説がある。小中高時代に内野手の47%は送球がうまくいくとホッと安心し、送球前には不安が過ぎる経験があるとのこと。監督から叱咤されることが影響するらしい。

スポーツは肉体的に恵まれることだが、優れた心理的管理環境に恵まれることが重要なのだろう。中日の根尾昂選手の育成活用を見ると指導者がプロ野球経験者だけでは不十分で野球人生設計をできる心理面のサポートが必要だろう。両方できる監督はレア。三原脩と仰木彬氏。この流れを汲む栗山英樹だろう。

そんな中、面白い文献を見つけた。

情報通信研究機構の羽倉信宏研究チームが6月13日に発表論文名は迷うことにも意味がある 〜決断の迷いも含めて脳は運動を学習することを発見〜」何に注目したかというと、背景の項目だ。全文引用する。

サッカーのPK戦では、選手はゴールキーパーの左側への動きを見て確信を持って右隅にボールを蹴る場合もあれば、ゴールキーパーが動く方向に確信が持てないまま同じように右隅に蹴ることもあります。どちらも見かけ上は同じ運動であるため、この「右隅に蹴る」という動作について脳から同じ指令が出されていると考えられてきました。

つまり、これまでの意思決定や運動制御の理論では、一度意思決定がなされてしまえば、その決定の確信度合には依存せずに同じ運動が実行されると考えられていました。た。しかし、研究グループは、これまでの考え方を覆し、脳は決断を迷った末の運動と、迷わずに行う運動を区別し、異なる運動として実行していることを明らかにしました。

 実験方法も単純だが面白いので文献をチェック願いたい。 これを読むと練習の為の練習をやるのではなく、相手も押さえてやろうとの意識の戦いの中で実践形式でないと成長もしないし、スランプやイップスは回復しないのとも(文献より外れているであろうが)言えるのではなかろうか。トスバッティングやフリーバッティングの投手の球では快音で気持ちが良くても、勝負すべきところで活躍できるかは別。

ビジネスにおいても修羅場を経験した人の計画と、経験が浅い人の計画が表向き同じような案であってら後者が採用されることは少ない。優秀な若い人はコンサルタントへの希望が強いが、実行する時には計画外のことが頻繁にある。その対応には修羅場の経験がモノをいう。修羅場経験者には独特の安心オーラがあるのだ。これはAIにはできない。

この文献の最後のまとめに次の文章があるので重ねて引用する

「スポーツ場面では、いつでも同じパフォーマンスを発揮するために、「迷うな!」という指示が飛ぶことがあります。しかし、今回の研究結果では、脳は、むしろ迷いを受け入れ、迷いに応じた運動を作り出すことで、パフォーマンス低下を防いでいることが分かりました。つまり、現実場面で安定したパフォーマンスを発揮するためには、ただ単に目的の運動を達成するための練習に注力するのではなく、事前の意思決定状況とセットで運動を学習する必要があることが示唆され、新たなスポーツ等の指導方法につながります。」

なるほど事前の意思決定状況を詳細にPD CAしているであろう大谷は肉体的・心理的に凄い人だと思う。