ひと昔は当たらないモノの一つが天気予報だった。最近は宇宙から雲の動きや陸海の温度、風など観測することで打率は向上したが、それでも天気予報のキャスターは当たらないとイジられるのが恒例。今は直近であればスマホで何分後に雨が降るor上がると結構精度が良い。
このブログでも書いたが、太陽光発電は曇りや降雨となると出力が減少する。そこで補完的に火力発電を遅滞なくパワーアップしないといけない。対象地域をメッシュにきり、その上空に雲がくる予想時間に稼働率の調整をする。本当に大変なこと。太陽光発電を促進するのが良さげに思われるだけに、陰でのご苦労しないために安定出力には火力の他に原電も稼働すべきところはある。
そんな状況をなんと植物は古来処理してきたことの記事に耳目が惹きつけられた。すなわち、植物は夜間が放射冷却により温度が冷えると、明けたら気孔をあけて炭酸同化作用の稼働率を上げる。逆も然り。早速 文献を見てみよう。
「植物が自ら天気予報!? 夜間の低温を感知して夜明けの光応答を促進する」 宇都宮大学 山口大学 日本工業大学が2025.02.06にプレスリリース(注:論文タイトルとは違い、編集者のネーミング)
要約を引用すると
- 植物は光に反応して気孔を開く気孔開口や、光に向かって伸長する光屈性などの光応答を日々誘導することで(図1)、周囲の光条件に合わせて光合成効率を最適化します。
- 本研究では、植物の青色光と温度のセンサタンパク質であるフォトトロピン2が夜間の低温を感知することで、夜明けの青色光応答を促進することを明らかにしました。
- 晴れた夜には放射冷却によって地表付近の気温が下がるため、夜の低温を感知した植物は夜明け後に晴れると予測し、夜明け後の光合成を活発に行うために青色光応答を促進する「低温誘導性のプライミング」を示したと考えられます(図1)。
凄いぞ植物!と驚いたと同時に植物工場の植物は天気予報する必要がないことに気がついた。
特定波長LED照射により育つ植物の種類選択、温度管理、炭酸ガス濃度管理、水管理など徹底的に行き届いている。果たして植物はいつも光があたり、温室育ちだったら、気孔の開閉機構は衰退するだろう。
植物にも体内時計がある。植物の体内時計のパターンに関係なく刺激を与えられたらどうなるのか。これを人間に置き換えたら 快適なのか、それとも体調を崩すのか。 人間の体内時計は脳、肺、肝臓、腎臓ごとに、極端に言えば細胞ごとに体内時計はある。睡眠も必要だ。きっと植物も体調を崩すのでないかと想像する。専門外の小生の意見なので無視相当だが。少々飛躍的ではあるが、昔から言われていたことに「旬のものを食べることが健康に有用だと」 植物と人間の絶妙の体内時計のマッチングなのかも知れない。