循環器疾患の死亡率と住居の違いの文献がある。賃貸と持ち家で差があるとの結論を見て、そう簡単に割り切れるのかな?との印象をもった。
文献に目を通す前に賃貸集合住宅、持ち家(分譲)マンションなどを整理しておく
1 賃貸集合住宅とは 1つの建物の中に複数の住戸があり、それぞれが壁などで区切られて独立した住宅を指し、具体的には、複数の世帯がアパートや賃貸マンションのような形で入居する住宅の総称。
2 賃貸アパートと賃貸マンションの違いは、一般的には建物の構造で区別される。アパートは木造や軽量鉄骨造、マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)といった構造。
3 持ち家(分譲)のマンションの建物構造の違い
賃貸マンションと持ち家(分譲)マンションは、建築の目的と費用のかけ方が根本的に異なるため、構造や設備に違いがある。賃貸は収益性を重視する一方、持ち家は長く快適に暮らすことを目指して建てられる傾向がある。マンションの方が遮音性や耐震性に優れる。
土地にもよるが、経済的には 1<2<3 の順に余裕があると見られており、経済的に二極化している現状では毎日の食事の滋養取得の違いも当然あると思われるが、この文献では建築の違いによる循環器疾患の死亡率を取り上げている。おそらく多くの要因が重複している結果だと思われるが、文献では所得を調整したとある。どのように調整したのか知りたいところだ。
実は某自動車メーカーが自動運転車を経験しませんかキャンペーンをやっていて応募しようとWEBを開いた。ところが必要以上の個人・家庭情報を記入しないといけないことになっていて驚き即刻中止したことがある。目的は所得など経済事情と誰が買いそうなのかを調べるための仕組みだった。この文献において所得をどのように調べたのか別の意味で知りたい。しかし、ある面で事実ではあるとして文献を見てみよう。
東京科学大が2025.10.15発表。「賃貸・集合住宅の居住者は循環器疾患死亡のリスクが高い −大規模な疫学調査と厚生労働省の死因データを突合した分析−」要旨は
「38,731人分の6年間の大規模な追跡調査データと厚生労働省の死因データを突合し、住宅種別を4種類(持家・戸建住宅/持家・集合住宅/賃貸・戸建住宅/賃貸・集合住宅)に分類して循環器疾患による死亡を比較した結果、所得等を調整した上でも、持家・集合住宅と比べて賃貸・集合住宅の居住者の死亡リスクが高いことが明らかになりました。」

原因として「賃貸と持家の住宅性能の差」や「戸建と集合の構造的な差」によって生じた可能性があります(例として断熱性能の違い)を挙げている。筆者は遮音性能や立地の違いもあると思う。テナント主は賃貸の広告には駅へのアクセスは3路線、徒歩10分以内をCMに使うが筆者は遮音性能や立地の違いもあると思う。
テナント主は賃貸の広告には駅へのアクセスは3路線、徒歩10分以内をフレーズに使うが、その土地は交通量が多く排気ガス濃度は高く、夜も自動車、電車の騒音に熟睡できない環境となりやすい。
賃貸か持ち家かは経費からの試算は多くの資料があり、持ち家派と賃貸派がそれぞれ良い面を主張しているが、こと健康となるとこの文献は無視できない。
しかしながら筆者の住む横浜でも新築マンション販売価格が1〜2億円も珍しく無くなってきた。一体誰のための建築?と思わざるを得ない。転売目的投資の余波で賃貸に流れる人により結果として賃貸も値上げする悪循環。シニア層の年金の中からでも今後の疾病治療のために貯金をせざるを得ない庶民が賃貸でもできる範囲を超えてしまった。地方創生により集中から分散への機運を別のファクターで押すような事態になってきた雰囲気。さてどうなるであろうか。