マイクロプラスチック

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

亀の胃袋にレジ袋があったことから海マイクロプラスチック問題が浮上した。レジ袋有料化による消費行動抑制に始まり、最近ではプラスチックを使うなとまで発言した環境大臣。否定・制限では社会は衰退するのが常。このブログでプラスチックがなくなったらどうなるかについて記載したので重複しない。衣服で許されるのは木綿、ウールかシルク。スポーツが可能なのはシルクまわしの相撲ぐらい。靴を履くスポーツは全部ダメ。クルマでは鉄と木のボディに木製タイヤと幌。塗料もプラスチックなので塗装をしてはいけない。電池があっても配線はできない。電線被覆はプラスチックスだ。電子回路基盤もプラスチックなのでスマホ・パソコンもない。北海道の乳製品は国内物流できない。レトルトパックはない。毎日3度3度の原材料からの料理で働く時間が制限され収入減。住居もLED灯りがなく断熱材もない。まるで江戸時代。プラスチックなしでは現代生活はできないのだ。

冒頭の海マイクロプラスチックスは大量生産、大量廃棄されるプラスチック製品がマナーなく捨てられ、光と酸素により分子量が低下するかand/or 物理的に破砕されて微細化したものである。文献(Natureダイジェスト8月号)を見ると研究室で取り上げられている樹脂は発泡ポリスチレンがメインでそのサイズは0.5~20μm であり球状が多い。サイズの理由は肺に刺さって癌を発症したアスベスト(0.1~10μm)を考えたと思われるが、アスベストが問題になったのは針形状(長さと直径の比であるアスペクト比が大きい)にあることを忘れては困る。海を調査した文献数の多くは、100~5,000μmの樹脂破片及び繊維との報告がある。研究室で魚に食べさせて実験していることと実態は大きく異なることが注目される。元々、10μmを肉眼で見えるわけがない。なのでサイズが大きいものがやがて風化して微細化するであろうとの仮定に基づいている。微細化すると孵化したばかりの幼生は餌と間違え飲み込むことで餓死か大きく生育できないとの説明がなされている。

だが、その仮定が合理的か否か考えてみる必要がある。光劣化は対象物の表面積に大きく関係する。微細になれば表面積が大きくなりかつ活性化されるので劣化速度は加速度的に速くなる。

プラスチックと一括りにはできない多くの種類がある。ポリスチレンはエチレンとベンゼンが反応したスチレンモノマーが連結した構造であり酸素、カルボニル、カルボン酸、窒素誘導体を含まない非極性材料である。レジ袋も高分子高密度ポリエチレンであり(骨の代わりに体内に入れるほどであり生体にとって害を及ばさない材料なのだ。)微細物を飲み込んでも排出される説がある。 一方、極性高分子は酸素、カルボニルなど、またオレフィンでも分岐した分子(三級炭素)を含む材料(ポリプロピレンなど)は光・熱劣化が早い。筆者は思うに、劣化しなかった物は確かに海に漂流するが、PM2.5に比較してどうなのかなど定量的に取り扱うことが重要であろう。

議論しても行動を伴わないと解決しない。PETボトルをPETボトルに再生する企業は今までの協栄産業に加え、超大型プラント建設を発表した豊田通商の動きは歓迎できる。PET材料輸入商社としてトップであるが、国内環境はもちろん、原料生産国の経済発展に資することも含めて良いことである。また廃プラを油に戻す油化は小規模ではなされてきた地域があるが、今回、コンビナート規模で実施するとの発表が三菱ケミカルからあった。鹿島コンビナートは国内最大規模の石油化学コンビナートであるだけに良い影響が出ることを期待したい。同社は約30年前から九州、四日市事業所でのリサイクル事業を展開している隠れた静脈産業支援企業でもある。PCB(ポリ塩化ビフェニル)は不燃の熱媒体として以前は利用されていたが、粉ミルク製造過程で混入するトラブルをきっかけに電気絶縁体(例えばトランスなど電気製品)に適用されず廃棄することになったが、廃棄の技術がない。それを救ったのが三菱ケミカル(当時三菱化学にあった別目的)の超臨界熱分解による無害処理だった。

自社製品でもないのに請け負ったのは、化学産業へのリーダーとしてのあり方を見せたといえよう。この処理は2024年までとしていたが、冒頭の責任大臣は延長をお願いしている。三井も言わないと片手落ちになる。三井化学は欧州で生産されるバイオナフサを石油由来のナフサに混合して従来通りの石油化学誘導体を製造することが可能と発表し、大阪事業所から導入することが開始された。バイオナフサの混合割合分については100%バイオ製品として届ける仕組みで、既にBASFは実用化している。バイオナフサを石油由来ナフサに20%配合して石油化学誘導体を製造すれば、20%は完全バイオ材料と認定する仕組みである。三井化学へのバイオナフサ取引は豊田通商。環境をビジネスに直結するにはスピードが重要として動いていることがわかる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。