クルマ・パワードライブ動向

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EVって電費がガソリン車の燃費より劣る?? これどちらもウソ・ホント。 停止状態からの立ち上がりはEV車の方が優れ、巡航高速走行ではガソリン(ディーゼルを含む)車が優れる。この表現が今のところ正しいようだ。 EV車はどちらかと言えば都市型乗り物、ガソリン・ディーゼル車は長距離向きである。 EV車の充電スタンドでの充電時間は30分と区切られているので面倒だが、日産のe-Powerは充電する必要がないので人気がある。 基本はEVだが、発電用エンジンを搭載している。この方式は数年前にBMWがバイクサイズの2シリンダーエンジンを搭載し、(走行距離を延長できる意味の)エクステンションとして製造販売したことがあった。なるほど、その手があったかと感心した。

 日産e-PowerBMWも基本は電池―モーター駆動方式であるが、ここに来てホンダがEV駆動モーター/発電用モーター/電池充電向けエンジン/駆動用エンジンの2モーター1エンジンハイブリッド方式(i-MMD)を開発しているとの報道があった。 山の手線の電車は回収電源7割だとか、これと発想は似ている。それよりも圧倒的な複雑なシステムを開発しているのに感心する。早くも今年中に小型に搭載するとのこと。EVとエンジン車の電費・燃費両方を満足することができそうだ。図はホンダi-MMD,日産e-Power (ベストカー3月引用)

一方、欧州ではフォルクスワーゲンの排気ガス不正問題から一気にEVに切り替える機運がある一方で、根強いのはディーゼル車。消費者目線ではアウトバーンを200km/hrで走行してみるとそのフィーリングが分かる。製造者と政府目線ではディーゼル車製造会社・雇用問題もあり、本音はディーゼルを残したい。

高速走行距離の長い欧州では電費・燃費の問題以外に、「運転し甲斐」が重視され、パワフルな運転になれているドライバーからみるとEV、ハイブリッドではモノ足らないと感ずるようである。 欧州でディーゼル車を生産しないと決めたトヨタとしてはディーゼル追い落とし作戦としてハイブリッド・エンジンのパワーアップを図っている。カローラ(ハイブリッド)のエンジンを2リッターにすると発表があった。エンジン機構部分の重量は重くなるだろうが、その他の軽量化でカバーしているものと思われる。 

 対抗するディーゼル車が排気ガスで問題となった微粒子問題と窒素酸化物については酸化還元触媒及び尿素水タンク(アドブルー)をエンジン直後、及び排気直前に設定することで対応しているが、尿素水タンクを都度供給する必要があり、かつ重いことと比較すればディーゼルに勝てると考えたのであろう。

本当に新HEVカローラは欧州車に勝てるか。決め手は「運転し甲斐、フィーリング」だと思う。新東名では区間120km/hrが許されている。ここでのフィーリングは筆者の経験ではフォルクスワーゲン、アウディはクルマがぐっと沈み込み地面に食いつくように安定してくることが分かる。アウトバーンで鍛えられたボディ構造になっているなと理解。 このフィーリングを日本車が満足するならば歓迎されるだろう。 

欧州車の開発やり方が日本とは異なるところがある。日本は材料、設計、製造、イジメテストの循環系を幾度も積み重ねて製品とする。当然のことながら、故障も少なく、メンテ費用も少なく、長寿命乗れる安心感は高い。一方、欧州車は実績は少なくても適用することに躊躇しない。1年間走行して問題ないのならそれでOK的なところがある。 代表的なのはインテークマニホールドや、ブレーキ、アクセルの樹脂化などの機構部品は欧州が先に適用した。日本はずっとその実績を見てから採用の流れ。炭素繊維は日本が世界の70%を占めているが、CFRPの自動車搭載は欧州が早い。BMWではCFRPの接合に工業用ホッチキスを利用するなど、日本では思いもつかない。

 欧州の複合材料メーカーを買収した日本企業がある。欧州で実績があるからと日本の自動車メーカーに売り込みに行くと、玄関で断られるようなことが頻発した。原理原則において疑問だ、信頼性の裏付けが浅い。。。。などがその理由。 高価なクルマを購入するのだから、それは十分に対応して欲しい。だが、これから5Gの世界となると、自動車に求められる機能がドンドン急速に変化することが予想される。その時、日本のクルマはどの道を選ぶのであろうか。2リッターエンジンHEVカローラでアウトバーンを走りながら考えるか、それも良いだろう。

 しかしながら、環境問題でそもそもクルマのパワードライブは議論があり変遷してきた。 ガソリン、ディーゼルの原油/製造/ホイールまでのLCA(環境アセスメント)とEVの原油・石炭火力発電所/送電ロス/バッテリー製造/モーター/ホーイルのLCAはどうなんだ。ドイツのシンクタンクではEVは発電~電池製造など環境負荷がディーゼルより大きいとしてディーゼル車の肩を持っている。新旧のハイブリッドのLCAはどうなんだ。何れも開発進展が激しく、かつ秘密事項が多く、特許で開示されるのは1.5年後とあって、とてもフォロー出来ていない。3Rも含めると尚更複雑で単一企業だけでソリューションがでるとは思わない。 一方で、5Gの世界は上述のようなエネルギー個別解をカバーしてしまうことも妄想される。直接当事者ではない消費者としては両方とも期待し賢い選択をしたいものだ。

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