ギグワーク

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偶にバーガーショップに入ることがある。カウンターには店内用、持ち帰り用、に加えてフードデリバリ用と区別されて商品が置かれていく。フードデリバリの人の強靭な脚を見ると相当の運動量をこなしていることが分かる。同時に、このジャンクフードのデリバリで一体収入はどうなっているのか?も余計なことながら思う。また、この仕事を続けても身につく技術はないはずなので、然るべき職業に就いた方が良いがとこれまた余計なことを思う。

そんな時、とんでもない文献が発表された。タイトルは「景気変動とギグワーク 銀行データで見えた新しい就業のかたち」 (早稲田大学 2025.6.27リリース)

その前に、筆者が知らなかったワード:ギグワークのギグ(Gig)とは音楽用語で「一度だけの演奏」を意味する「Gig」と「仕事」を意味する「Work」を組み合わせた言葉。雇用契約のアルバイトとは異なる。 恥ずかしながらギグをギガバイトならぬギガワークと読み違い。

文献のポイントは

  • みずほ銀行口座(匿名加工)を持つ個人がどのような預金残高でギグワークを開始したか
  • ギグワーク開始時点での預金残高が10万円未満。コロナ禍では女性や中高年も就業していた。とのこと

ギグワーカーはみずほ銀行だけに口座を持っているだけではないだろうとツッコミしつつ、預金口座10万円以下ではなんとか即刻換金できるフードデリバリなどに参入するのも分かる。 AIにギグワークの収入について聞いてみたところ、諸条件はあるが副業としてなら5万円/月。 本業としては30万円〜50万円だとのこと。結構の額だが、都会ならばこそ利用機会に恵まれ、土日もなく、雨の日もなく働いた数字とのこと。 病気になってはいられない。厳しい。

ちなみにギグワークにはこの他に配達代行 運転代行 家事代行 写真撮影 引っ越し作業 ポスティング(チラシ配り) 単発バイト 記事ライティング イラスト作成オンラインレッスン コンサルティング カウンセラー 翻訳などがあるとGai work社HPに記載があった。 レベルが違うが確かに単発であればこの範疇に入るのか。

以前なら出前はお店の人が配達をしていた。それを部分代行しているだけと言われればそうだろう。しかし単に配達とは言えない業態もある。それは家庭で祝い事をするときに料亭から料理をとることがある。料理はもちろんのこと食器の取り扱いも習熟した料理人が運んで配達先の家庭でセットする。ただし少し前までは。

インバウンドが増えたことで家庭お祝い程度サイズの市場規模には経済的合理性が低いと判断され、特に京都では姿を消した。調理人の仕草を真似しながら膳を整える楽しみがある文化が消えたのは至極残念。

それにしても、驚いたのは銀行の個人資産管理状況を垣間見たこと。住宅資金調達する際の判断として、預金額はもちろん将来の返済能力が判断材料となる。その際に入金振込先としてギグワーク利用会社が相当の割合を占めていたら、如何なことになるのであろうか。

シニア層が足らない年金をギグワークで補填と考えても継続が困難だろう。先日、朝7時に有人のガソリンスタンドで給油した。「15リッター、アプリ支払いでお願いします。」係の人は65〜70の人で動作が遅いのはしょうがない。確認の返事は「ハイオク満タン入れまーす!」 ボケなのか本当に聞こえなかったのか? ボケでこちらが乗ってきたらシメタものか。でも、アプリ支払いで係の人はフリーズ。時代にあう技量知識が求められる。 ギグワークも甘くはない。

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