健康診断の季節はほぼ終了したが、集合テナントビルの一角で簡易健康調査が行われていた。特にシニア向けの診断メニューが多く絞って参加。まずは日常生活のヒヤリング。喫煙、酒量、睡眠時間・・・。答えていくうちに項目別点数がついて小計。これで終わりかと思いきや、年齢分を追加の合計点数。老齢年齢と加齢年齢では違うのではないかと意見を言いつつ、次の血管年齢測定へ。そこでも年齢補正係数が掛け算された。幸い実年齢より若い結果とはいえ、腑に落ちない算出方法。
推測するに年齢による分布があり、その分布になるように補正でもしているのか?と思った。喫煙は肺癌になる確率分布は確かにある。だがそれは分布であって、マイナス3σに相当する個人であれば関係がない。だからと言って、マイナス3σの人が喫煙は癌とは関係がないと強調しても受け入れられない。有名人であるほど主張しがちのところはある。
血管年齢の以前の測定装置は今回とは違うが相当若く判定されたので気をよくしていたが、今回の結果はそれから一年でそんなに老けるか?として納得がいかなかった。所詮“簡易測定” パソコン画面を当方に向けていないこともあって尚更エビデンス能力に疑問だった。
前回はトマトジュースメーカーと生命保険会社の協賛開催であり、その模様はこのブログでも記載した。当時は野菜採取やや不足と指摘され、トマトジュースを摂るように気を付けたものの3ヶ月ぐらいで続かなかった。所詮トマト販売の企画マターであることも心理的作用をしていた。しかしながら、これをワガママ・怠惰・言い訳と片付けられてしまうほどのインパクトの高いリサーチ発表があった。 新潟大学(プレス発表:2024.11.28)
「野菜や果物の摂取が少ない慢性腎臓病患者(血液透析患者)は10年後の死亡リスクが高い-食事性酸負荷を指標にした新たな知見-」
資料から本研究成果のポイントを転載すると
- 血液透析患者において、食事性酸負荷が高い食事がその死亡リスクを上昇させる可能性が示されました。
- 食事性酸負荷が高いことには、野菜や果物の摂取量が少ないことが影響していました。
慢性腎臓病に罹病する前からも注意する必要がある。他人事ではない。また野菜だけを摂れば良いと誤解されやすいが、タンパク、脂質、炭水化物を食するのが前提。
食事性酸負荷Potential Renal Acid Load(PRAL)について記載するが、まずは次の図を見ると、野菜・果物を摂らないとショッキングなことになることを知った。
ここでPRALとは次の算出式による。
過剰なタンパク質とリンは腎臓に弊害であることは知られているが、この式ではカリウム、カルシウム、マグネシウムのアルカリ性は調節剤として機能していることがわかる。
腎臓は沈黙の臓器だけに発症後10年以内の寿命と宣告されると非常に辛いものがある。
タンパクと糖はエネルギーの素なのでこれを十分に摂った前提の野菜・果物なので、そこは勘違しやすいので注意が必要。特に高齢者は肉、魚を多く摂る必要はある。その上で野菜・果物のアルカリ性でバランスをとる。そんなことなのかと理解した。そうではあるが、問題はこのPRAL式の各項目にどのように代入すれば良いのか、専門外の人にはさっぱりわからない。
次善の策は当然のことながらアルカリ性野菜・果物をリストにしてみた。整理上和風・洋風に分類したが今や日本食としてお馴染み。結論、和食はバランスが元々取れていたことに落ち着きそう。と安心してはいけない。副菜に1つでも2つでも加えたい。
先日、ポテサラを作った。人参は色合いで入れる程度なので一本丸ごとは利用しない。そこでポテトを高圧スチームで蒸す際に、残りの人参も同居させたところ、非常に甘い人参で何をつけなくとも食べることができた。トマトは今値上がりが激しい。だが湯むきして低温調理すると、これまた美味しいスープ。瓶トマトジュースではない味だと気がついた。確かに、工業部品でも素材は良くても加工法や仕上げが悪いと機能しない。同様に調理の世界も科学的アプローチがあっても良いのでは?と思う。それが冒頭のシニア層における咀嚼不具合向けにも応用ができるが、何事も継続だと家族のコメント。なるほど。