先週、横浜みなとみらいパシフィコではJapan-Africa会議が開催されていた。今回が7回目。会議そのものには参加できはしないが、各国及びアフリカビジネスに参画したい国内企業のブースを見ることはできる。アフリカは現在人口13億。これが25億に増加することが予想されている一大市場に成長する残された地域である。
会議の主目的はアフリカ地域の自立のための支援活動(シビル・ソサエティ作りに)にあり日本政府の後押し、民間企業の協調により東南アジアなのでの成功パターンをアフリカに適用しようとするものである。
(国内企業展示内容の変化)
前回はアフリカ諸国が日本市場に紹介したい商品などの展示が多くあったが、今回は見られず、アフリカ諸国が日本企業の現地進出を促すブースに変貌していた。焦点が明確になってきたと言える。前回までの文化紹介、お祭りなど派手さはなかった。あくまでもビジネスに徹している。一方、日本企業は前回と変わらずアフリカが必要とする商品・技術・インフラ整備などを展示していた。だが、おや?と思ったのは前回目に付いたアイテムが陰を潜めている。例えば緑化灌漑事業やマラリア蚊を防ぐ蚊やは利益がでない事業になっている。なぜならば、日本企業はアイデアをだし、現地化に苦労して立ち上がる。そうすると中国、インド企業が類似商品で製造拡販をしていく。日本としては知的財産が確立していないか、確立していてもお構いなしの国からの攻撃にはお手上げなのだ。ここから、アフリカと協調成長していくためには工業所有権など意識した独立した技術開発力を付けるための日本政策も必要だと感じた。
今回政府は2兆円規模の支援を約束したが、留学生など交流を含むソフト面もあるようだが、是非、産業育成面もあれば良いがと感じた。 中国は巨額の借款で港湾設備開発など実施しているが、産業がそれに伴っていないので、返済できず領土長期借用の形で進出している。借款はそれが目的であるが、歴史でみると長続きしない。
アフリカに限らないが、容易に真似されるような機械・装置では通用しない。2番手にやられる。なので、真似をしようにもできない材料・素材のビジネスが有効だろうと思われる。国内企業でそれを展示PRする企業はなかった。申し訳ないが、明日儲かる商品。そして翌日にはひっくり返される商品。うーん。これに2兆円か???と長嘆息した。
(横浜が会議開催のためのインフラ)
筆者はアフリカには行ったことがないが、魚や花卉ビジネスの商社と関係したこともあり、多少の知識はある。今回こられたアフリカの方々の服装は男女とも正装で気品がある方々。さぞ本国でもそれなりの上級国民であることは間違いがない。会議が終われば積極的に市内観光。不案内だろうと思い、幾つかご案内したが、できないこともあった。それはアフリカの言語でかなりを占めるフランス語となると、面食らった。彼ら彼女らが頼りにしているスマホはフランス語表示。発音を聴いても、文字を見ても、直ぐには分からない。しどろもどろで対応した。街の表示も英語・フランス語・スペイン語だけで良いのかも知れない。中文は略日本語で十分。彼らは日本の何でも興味を示したが、面白いのは電柱に貼られている表示。海抜*m 、住所、避難場所指示、宣伝パネルなど撫で回しながらワイワイ。当方の日頃の感覚との違いが分かり納得。電柱は都市風景を壊すとか、道路交通に邪魔とあって電柱地下埋設が進行中(極めて遅いが)であるが、進めば逆に殺風景になったとの声が聞こえそうだ。
今回の会場となったパシフィコは展示場と大会議場からなる設備ではあるが、大会議場といえども今や世界規模の会議としては小さくなってしまった。展示場はお隣の東京ビックサイトが南ウイングを新設したこともあり、小規模展示場に成り下がってしまった。今回の会議も展示場を仕切って利用したが、いささか見栄えが良くない。そこで、パシフィコに隣接して北ウイング(名称はノース)を急遽建設中、かつホテルも建設中で来年オープン。あとは、どのような会議体を誘致するか民間出身の女性社長の腕に期待したい。
今回、展示場に入るにはQRコードを読み取り、ダウンロードして必要項目を記入して受付に渡す仕組みになっていた。スマホがないと入れない。筆者もやってみた。だが、、、、アクセスが集中するので次ぎの工程に行かないで立ち往生。結局、名刺だけ渡してなんとか対処してもらった。通信インフラの遅れが指摘される。新設設備が完成するころは5G元年。こちらも急ぐ必要がある。
(観光都市横浜喫緊の話題)
横浜市政を揺らしている問題はIR(カジノ)誘致問題。反対の言い分は良くわかる。博打もどきで家庭崩壊や風紀の乱れは避けたいとの主張だ。
一方横浜の国際貿易港の地位は国内5位に転落(イメージでは2位だと思われているが)福岡や名古屋港の後塵を拝している。国内産業基地としての価値が低下しているから当然である。
幸なることに横浜と羽田は狭い海を挟んで目と鼻の先。羽田国際線ターミナルから外国人パスポートを持った客人だけ特別のボートで山下埠頭まで運び、日本人は参加できないようにすることで可能性はあるように考えるが如何か。
横浜の中心部に関内駅がある。 明治の貿易地域として“関”の“内側”の特定場所を指定し川を仕切りに関外(今の伊勢佐木町)の歓楽街と分離していた。通行するために吉田橋があり、山の上から外国人の振る舞いをチェックしていた。横浜には昔の知恵があるのだから有効に利用してはどうか。
また横浜から羽田には蒲田経由の面倒なアクセスよりは、長期的には直結アクセスを建設するぐらいの大きな構想が必要だと思うがどうだろう。