クリエーティブ創出・働き方改革・ラグビー活躍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本が成長するにはも二番煎じの灯台主義は成立しない。先行会社が成功している、ならば後から人・金でもって絨毯爆撃で市場を奪う方式(今の中国)は日本では通用しない。残念ながら今の日本で開発と称しているのは一部の例外は除いて、安全運転。やることは先輩の築いた技術の詰めと製造法の合理化。規模が大きい程、当面の金銭的効果は大きい。だから、下手に明日を担うには新開発だとして挑戦した人物がいたとしたら成功率は1%程度なので、出世街道から置いてきぼりを食う。合理化で具体的な成果を出す方が会社に見かけ上貢献している。合理化なら、どのセクションでも共通するから、人事異動でいろんな職場を経験した上で、部長・役員への登用となる。自己資本率をクリヤーすることが会社への投資対象となると、何が何でも手っ取り早い合理化に集中した。でも、それもネタが尽きた。さてどうするか? 落ち穂拾い的小さな改善的テーマをするしか手がない会社が相当あるのが現実だ。

何も技術・製造に限った話ではない。過去の取り次ぎ系列を重視しておれば、商品は捌けた。決して、市場の本音が伝わらなくても、当面のビジネスには、維持がまず求められる。下手に敵側に商社が回すようなことはできない。ゴルフ、夜の付き合いは営業部門にとっては重要である。

でも、今になってみれば何れも滑稽である。会社ができて3年目なのにECで営業規模が急成長しているのは多い。ただ、EC業者の中には金儲けした途端、会社を放棄し社員を大事にしないワガママなトップは経営者とは言わない。

さて、日本を救うのはクリエーティブな人材登用の重視。言葉を換えればプロフェッショナル。

急に態勢を切り替えるには、相当の覚悟が必要だ。まずクリエーティブ性が高い新規ビジネスが成功する割合が低い。成功率が低いなら、最低以下の開発費で実施するなら認めるとの意識がどうしても抜けない。手足を縛って、新規ビジネスの分野で泳ぐように命令しているようなものだ。本当のプロならアマ、セミプロとは破格の予算をつけてやらせるトップの力量が試される。

ではプロと認定された人材は自由に活動できるか?と言えば、これも最近ややこしい問題が出てきた。働き方改革である。部下をもってチームで新規開発に取り組んでも、勤務時間の制約で帰宅させねばならぬ。その穴埋めはチームリーダーの負担になる。さらに、部下のパソコンは会社で休日はブロックされ、アクセスできない。部下に限らず、ユーザーとのメール返信も月曜日と暢気なことで、効率が高いことを目的に働き方改革を実施したものの、それでも実績を維持しているとしたら、どこかに歪みを蓄積しているはずだ。

では、仕事を外注にだすと、どうなるか。その会社も当然だが働き方改革。従来なら1日で仕事が出来たが、2日必要。一日の単価は従来と同じなので、外注費は2倍となる。以前なら2時間の残業で処理していたものが、就業時間にキッチリ決められると2日を要す。

この会社のプロは仕事中に発見があると、これは面白い現象だから予定にはないが追求しましょうと相談があり、当方もその反応が嬉しかったものだ。それが今は、、、、、。

これは両社にとって不幸なことに、ついで大袈裟かも知れないが日本の損失になると思われる。

これと対極にあるのが学生(卒論・修論)での実験。成果が求められるよりは、サイエンスの深遠さを学ぶことで、その後の学者や企業の重要な技術者への育成に目的にある。

化学実験は装置の自製にはじまり、反応が1日どころか3日に亘ることもある。会社ならシフトを組み分担するところだが、学生はそうはいかない。研究室に寝袋・生活用品を持ち込み、只ひたすら、観察と処理を行う。暇な時は文献を読むことを余儀なくされる。あの時の情熱が会社でも出来たら良いがなぁ。。と思うことがしばしばある。

いろいろな意見があると思いますが、会社でプロと認められる人は雇用延長の枠ではなく、勤務時間の制約なくプロの仕事とはこのようなモノだと若い人を納得させるようなシステムがあればと思う。技術も営業もプロならば年齢に関係なく給与体系にするのは勿論だ。

メザシの土光(元経団連会長)さんは閉塞日本を突き破った型破りの経営者だった。彼の残した言葉は今見直しても良いと思う。なぜなら、それと同じようなことを外国人コーチに教えられ、愚直にその指導に従い、更にチームとして工夫を加えたジャパン・ラグビーの大活躍である。言うまでも無く、働き方改革で果たしてなしえたか? 説明を待たない。

ず~っと集中させてはブラック企業になるが、どこかの時点で集中て突き抜けた経験をした人は強い。オーラを感ずるものだ。

土光さんの言葉で筆者が唯一付け加えた言葉がある。

「知恵なきもの汗を出せ、それも無ければ愛嬌でカバーしろ」

成功する人は「知恵があり、汗もかき、愛嬌もある」の条件を満たしていることになる。その人を身近に知っているだけでも大いに幸せになるものだ。

土光敏夫の言葉http://www.g-rexjapan.co.jp/ishikawahironobu/archives/2476

「知恵出せ、出ないものは汗をかけ、それができなければ去れ!」

「これから期待される社員は変化に挑戦しうる人だ」

「成功は次の成功の呼び水に、失敗は次の成功の足がかりに」

「仕事に節あり。朝行ったときに一日やるべきことが決まっている、それを全てやりきって帰宅することだ」

「あるべき姿をみて日々真剣にどうしたら近づくか」

「経済は経世済民でしょう。それからはずれたらいかん」

「ぐずぐずしちゃいかん。60点ですぐ進めるんだ!」

「スピードは命だ!忘れるな」

「毎日、一生懸命やってみる、僕はこれしかできない」

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。