コロナワクチン接種真っ盛りである。大規模接種会場や職場での接種ではワクチン品薄状態とも報道されている。それだけ接種の速度が想定より速いことであろう。
コロナワクチン1回目の接種を経験した。接種前夜から持ち物確認を何回もするなど日頃より落ち着かない。家人は前日の夕食において明日は接種の日だから軽めの食事を摂ると言い出したり、なにやら健康診断と勘違いしているが笑えない。みんなどことなく緊張しているのだ。接種会場には入り口、階段、エレベーター各所に市役所の人が配置され、丁寧な応対をしている。受付での書類持参確認が終われば係の人に案内されて注射ブースに入る。健康チェックリストに目を通し医者から接種ヨシの合図で看護師さんが注射。筋肉注射は初めて。注射後は異常の有無をチェックするため15分別室で過ごす。この時の看護師さんの案内など非常に丁寧なことに驚いた。
接種対象者(15分刻みで区別される)の数に対してざっと2倍のスタッフが居られた。現場を知らないと、接種が遅いのか!と思うむきもあったが、このような陣容で対応しているとなると、準備も含め大変なことを実行されていることを理解した。
2回目接種は7月31日。同じ年代層で2回目接種が終わった自治体がある。その知人から2回目の方が副反応がでるので注意と連絡がきた。が、何を注意すればよいのか分からない。1回目接種が終了したとき、看護師さんから飲酒は控えて下さいとのご指導があったので、これは守ろう。
ワクチン接種を65歳以上の高齢者から始めたのには理由がある。ご承知のように、高齢者が感染すると重症化し、医療崩壊しかねないからである。
厚労省のデータ(図-1)によれば80歳以上で陽性感染者の14%がお亡くなりになる(8,223人)。70歳代で5%(3,019人)。これに対して10代から30代は感染しても死亡率0%である。40代以上にワクチン接種を施せば概ね抑えることができる。
若い人は感染しても免疫力があるのだろう、風邪程度に抑えることができる。とすれば高齢者も日頃からの免疫低下対策をすることになる。今の60~75歳の人の多くは働いている。現役時代から収入が減少したこともあり、比較的高い賃金が得られる建設現場の警備を職とする人がおり、それも深夜の手当が高いことから、無理しての勤務が報じられている。また退職後も引張りダコ状態の高齢者も居られる。いずれも睡眠不足による免疫低下が懸念される。いずれのケースに該当しない人は逆に運動不足による免疫低下もあるだろう。コロナ渦はいろんな社会断面を切ってみせたとも言える。
さて、嘉悦大の高橋教授は面白いグラフを紹介している。(図-2)
それはコロナと自動車事故による年齢別死亡者から何が言えるのかと。
ゼロコロナを絶対視している風潮の世論に対して、若者の自動車事故死亡ゼロにしない限りクルマを停止、生産もまかり成らぬと言うのか?。見事な比較である。とかく狭い視野で見がちであるが、死亡にかわりが無いのだから、その他の災害、疾病、事故、自殺などとの比較の全体で見るべきであろう。その点オリンピック無観客の方針には首を傾げざるをえない。大谷の大活躍はスタジアム全体を感動の渦を生じている。敵将もその渦に巻き込み、そして大観客がそれに酔いしれる。ネクストサークルボックスに立つだけで何かを期待し、それに応える。おそらく観客の応援も大谷選手のパワーを引き出しているのだろう。そんなオリンピックを間近に見られる機会を損失させ、日本人の活性化を高みに持って行けないことは誠に残念である。しかしながら日本人選手はオリパラも含め頑張る姿を見せるであろう。それを見て広い視野で考えることの重要性に気づくことを期待したい。