保守車両の脱線事故・代替ルート考察

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7月22日に発生した東海道新幹線・保守車両脱線事故による終日区間不通トラブル。あたかも南海トラフ地震の想定訓練を見るような光景だった。

東海道新幹線利用者は次の5つの対策を考えた 1)航空機への切り替え→満席 2)高速バス→満席 3)豊橋から在来線で名古屋 4)東京で宿泊し翌日振替 5)北陸新幹線で敦賀まで行き、名古屋方面は特急しらさぎ、京都・大阪にはサンダーバード → これも敦賀駅乗り換えで大混乱。

大阪ではJR西日本が新快速で敦賀まで行き北陸新幹線の利用アナウンスがあったようだ5)の北陸新幹線が敦賀まで延伸していたことが救いとなった。乗り換えで在来線の特急ではなく、敦賀―小浜―京都ー京田辺(松井山手)―新大阪の早期着工を望む声があったと福井新聞は伝えている。

もとより北陸新幹線構想は新大阪まで開通させ経済的価値を高める傍、南海地震への代替輸送の役目とすることだった。ルートが決まっているのに未だ燻っている動きがある。関係府県の首長は敦賀―小浜―京都ルートで一致はしているが、京都が首を振らない。京北地区に新設駅はなく景観問題で進まない。京都駅までの大深度を走行するにしても遺跡がネックになろう。

イライラした石川県の加賀市・野々市町などは米原ルートを復活せよと主張。リニアが開通したら米原―新大阪をJR東海から移管・移譲せよとも主張している。それなりに説得力はある。滋賀県も建設費負担が少ないこと、並行在来線はそのまま維持できるので反対する理由がなくなる。プロ野球のように金銭トレードとするのか西日本ドル箱手持ち路線がないので交換は無理。多分厳しい交渉ごとになる。おおよそ乗り換えが面倒でストレートに行きたい心理からすれば、米原―東海道新幹線―新大阪―大阪は遠慮願いたいと思う利用者。

京都を北から通すのは無理だとすれば、湖西線の利用もある。湖西線の上を跨ぐ形で敷設。比叡下ろしの強風対策は必要。透明太陽光発電(ペロブスカイトフィルム)を装備した透明トンネルのアイデアは如何だろう。琵琶湖西側の町おこしとして近江舞子に駅を作るのも良いだろう。在来線を廃線にしないことがポイントになるが敦賀ー京都間の距離的には一番近い。

小浜市と滋賀県がクレームをつけるだろうが、滋賀県には苦い経験がある。それは栗東に東海道新幹線を誘致する運動が盛り上がりJR東海もOKのサインを出していたのだが、当時の知事が潰した。この後遺症は大きい。

滋賀県にとっては滋賀を通過する新線は勘弁してほしいところと現在の知事に同情する。滋賀県は我田引鉄ではなく我田排鉄。だが滋賀県はダイハツがある竜王は経済力指数が1を超えているが、概ね0.8台が大津市や琵琶湖東側に集中している。西側の高島、マキノ地域振興が必要なのだが、人工降雪マシンでスキー復活などの案にとどまっている。イマドキの政策なのかやや疑問。

なんだかんだ京都まで延伸すると京都駅をどうするか? 現在の小浜ルートでは京都駅で水平方向にすると卍形になって無理。堀川通り、東寺付近も遺跡で無理、とすると桂川が最適だろうと思う。もともと、宝酒造がビールを生産していたが、キリンビール京都工場となり、その後閉鎖。跡地で現在はイオンモールとなっているが、自衛隊駐屯地が大久保に移動すれば大規模な開発が可能。少し歩けば阪急洛西口駅がある。京都大学洛西キャンパスへのアクセスが便利。長岡京市は益々桂川に吸い取られる局所的不都合はあるだろうが。

話が発散したが、東海道新幹線保守車両の砕石車両とダンパー車両の衝突脱線事故に対して多くの人は夜間のメンテナンス作業のご苦労を思いクレームをいう人はいなかったであろうと想像する。また、この機会にスラブ構造についても研究開発が進むことを期待したい。

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