幼児発達とスクリーンタイム

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戦後に社会・人物評論家として活躍された三宅壮一氏が残された名言多々あるが、多くの人の記憶にあるのはTVがこれから隆盛するタイミングで「一億総白痴化」と発言。一方的に情報受動することが続くと、考えることをしなくなることを警鐘した。

自ら発信しない場合のYou tubeもそれに該当する。TVが内容がつまらなくなってオワコンだとしても、受け皿のYou tubeもいずれそうなるだろう。会話型のChat(Twitter ,Line, TikTokなど)も昔の駅の伝言板代わりだから白痴とまでは行かないにしても、そう大して頭脳を使っているとまでは言えない。(と、偉そうに言う自分がいて大反省)。

シニアにはその警告は酷だ。TV、DVD、You tubeは時間潰しだから勘弁してよと言うだろう。それは納得。だが、幼児にとっては全く事情が違う。本人はもとより極端に言えば将来の日本において損失になるからだ。

日本の研究.com(8月22日)に1歳児のTV,DVDなどスクリーンタイムが長いほど知恵の発達が遅れる研究結果を掲載。1時間未満に対して4時間では2歳になると約5倍の遅れが証明と凄くショッキング。大宅壮一氏の主張が証明された。内容を見てみよう。東北大と浜松医科大が発表。タイトル:「1歳時のスクリーンタイムが2歳・4歳時点の発達特性の一部と関連」

評価項目:1 日あたり、1 時間未満、1〜2 時間、2 〜4 時間、4 時間以上の 4 群に群別。5 つの領域における発達の遅れ:コミュニケーション (喃語、発声、理解)、粗大運動(腕、体、脚の動き)、微細運動(手や指の動き)、問題解決(学習、おもちゃでの遊び)、個人・社会(おもちゃや他の子どもとの遊び)で構成。7,097 名の子供が対象となった。

ただ、著者らは デジタルデバイスによる教育面は有益になるであろうから無闇にスクリーンタイムを制限することにも注意するように主張している。

確かにそうではあるが、記憶を深くするには、大人ではデジタルであってもプリントアウトしてチェック、手で紙に書くこと。

プレゼンテーションではパソコンからスクリーンに映し出し説明をする場合が多い。実際、理解度はどうかと言えば、紙資料の方が圧倒的に高いこを多く経験している。なぜなら、目と資料の距離が短い、自分のペースで資料をチェックできるから。プレゼンターのリズムより自分のリズムでないと理解は高まらない。ロボットではないのだから。WEB会議でのもどかしさから、今はリアル会議に戻ったのもそこに大いに関係あるだろう。

新生児では親との会話、デジタルではないゲームに興ずるなどが有効だと考える。昭和の人だ・・・と失笑されるかも知れないが、意外に重要。共稼ぎ家庭、幼児受け入れインフラ問題、狭い住居事情と色々制約事項はある。今回の結果を100%実行できるかと言えば本当のところ厳しいのかも知れない。新生児の時に親の愛情をどれだけ注いだかはその後の成長と関係との文献もある。抱きしめる、なでなで、声掛けなど親の愛情が発する自然の行動が幼児の発達に関係する。

大人になると幼児の時の記憶を覚えていないが、それをやってくれた親に感謝する文献だった。

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